火気厳禁のハングル畑でつかまえて

火気厳禁のハングル畑でつかまえて

半地下のオタクがK-POPを語るブログ

20220629/K-POP定期便(6月カムバ特集)

皆様アンニョン。梅雨に入ったかと思いきやいきなり夏本番、といった雰囲気ですが、いかがお過ごしでしょうか。さて今回はカムバックアーティスト特集ということで、高温多湿な日本の夏をもっと熱くするK-POPの新譜情報をお届け。今夜の1曲目はNCT DREAM「Glitch Mode(Jimbo Remix)」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

グループアーティスト

CLASS:y - CLASSY

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サバイバル番組出身CLASS:yが早くも2ndEPをリリース! リード曲「CLASSY」はハードなサウンドがメインに据えられつつキャッチーなタイトルのフレーズやBメロのメロウな展開など緩急が効いていて良い出来だと思います。1作目より好きだな。

 

SECRET NUMBER - DOOMCHITA

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ギリ新人枠(2019年デビュー)のSECRET NUMBERが新曲をリリース。イントロこそメインストリームHIPHOPっぽい笛サウンドだけど中身は割とよくあるガルクラ系K-POP……そう考えると先月のBVNDITとかやっぱ凄かったなと思いました。

 

woo!ah! - 단거(Danger)

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woo!ah!は得意技である可愛さとバリバリのEDMテイストの折衷を今回も披露。1番のルーシーとナナのラップの応酬がすごくよい。

 

bugAboo - POP

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昨年デビューのbugabooの2作目「POP」。ライアンジョンによる事務所からデビューということでクセのあるデビュー曲だったが今回は正統派ハウスK-POPと言った雰囲気。タイトルのフレーズもそうですがとにかくグルーヴで惹きつけてくる感じのカッコいい楽曲です。カップリングの「Easy Move」はここ最近のライアンぽいラテンテイスト。

 

Lapillus - HIT YA!

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モモレンの事務所MLDから新グループがデビュー! Girls Planet999出演の野中紗奈を中心に結成され、デビュー曲「HIT YA!」はヒンディーポップみもあるビッグルーム系EDM。平歌、というか繰り返すバース部分がほぼなく強すぎるサビと展開の急さ、それでいて"よくあるこういう系K-POP"ともまた違う雰囲気なのが凄いです。

 

LOONA - Flip That

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サバイバル番組『QUEENDOM2』を経てLOONAがカムバック。このグループにしては珍しい可愛らしく爽やかなイメージとド直球ハウスナンバーが夏のムードを高めてくれる1曲です。

 

Kep1er - Up!

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LOONA同様こちらもクインダム組、Ke1plerもカムバック。安心と信頼のFull8loomによるリード曲「Up!」はメンバーの幼めの声質によるボーカルがなんとも可愛らしくまたトラックとマッチして軽やかに気分を上げてくれます。

 

ソロアーティスト

JO YURI - Love Shhh!

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元IZ*ONEチョユリのソロ2作目。冒頭から軽快なギターリフに心を掴まれそのままユリのハイトーンボーカルに聞き入ってしまうとにかく夏っぽい雰囲気の楽曲です。

 

NAYEON - POP!

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TWICEのメンバーであるナヨンのソロデビュー曲「POP!」が到着。アップテンポで楽しい雰囲気のポップソングで、フックとなる「POP」のフレーズとダンスはTiktok等でのバイラルヒットも狙っている感じがします(事実リリース後即本人のダンスチャレンジ動画が出てた)。大手事務所だけあってEP自体のクオリティも非常に高く、特にWonsteinを客演に迎えた「LOVE COUNTDOWN」が好きです。

 

ADORA - TROUBLE? TRAVEL!

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VIVIZウナとのコラボ曲「MAKE U DANCE」でデビューしたSSW・ADORA。前作から引き続き金属的なハイパーポップ的サウンドも使用されつつ、サビ頭ボーカルの伸びやかな展開が心地よいミドルテンポなポップソングになっています。

 

Charming Lips - Orange Chair

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DeVita、SOLEなどに提供するプロデューサーのCharming lips。Summer Soulとは「JUNKFOOD」ぶりの共作。今回の「Orange Chair」はゆったりした空気感とノスタルジーが程よく含まれたのR&B。EP自体チルめのR&Bが好きな方にはたまらない曲しか入ってないです。オススメ。

 

zin - bbul

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meenoi、Hookuoなどが所属する8balltownの新人アーティスト。クールなボーカルとほどよいレイドバック感がたまらない1曲。

 

Summer Soul X ROMderful - My World

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火気厳禁が今最もオススメするK-R&BシンガーのSummerSoul(またか?)が英国出身のシンガー・ROMderfulとのジョイントEPをリリース!! 上記Charming Lipsの作品よりはSummer Soulのソロ楽曲の雰囲気に近い踊れるオシャレR&Bなノリ。2人の歌声のケミストリーが素晴らしく、儚く美しい夢の世界に連れて行かれるような心地がしてくるEP。上記と合わせてオススメです。とにかくMVのサマソが可愛いんだ、、、、

 

DAUL, Noair, plan8, CHANNEL 201 - What If (Feat. 후디 Hoody)

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当ブログで結成から追い続けているプロデューサー3名によるユニットCHANNEL201がついにアルバムをリリース~~~!! 今までにリリースされた作品も含め、客演にはyoura、CHE、THAMA、OLNL、oceanfromtheblue、Jade、Hoody、SURAN、Chan、MilenaとまさにK-R&Bオールスターゲーム!! 当たり前だけど全曲良いので早く聴いて下さい。

 

Cheeze - Pong Dang

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人気SSW・Cheezeの新譜「Pong Dang」。モノが水に落ちた時の擬音「퐁당(Pong Dang)」のフレーズを印象的に用い、恋に落ちた感情を爽やかに描いたポップ・ソングです。

 

Chwvin - Get Down!

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DJ、モデルとしても活動するChwvinのラッパーとしてのデビューシングル。HIYADAMやKid Milli「WHY DO FUCKBOIS HANG OUT ON THE NET」に近いハウステイストのビートかと思いきやhookでハードロックへ急転換! このジャンル選びも手法もイマっぽいノリで最高です。カップリングもドラムンベースっぽいビートに載せてて最高。

 

CODE KUNST, meenoi - Take Me(with 11Kittys)

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AOMGの人気ビートメーカーCODE KUNSTと8balltownのSSW・meenoiがコラボ!可愛らしい等身大の世界観を軽快なポップス~バラードに載せて歌う普段meenoiとはまた違ったディスコファンク調の楽曲で素晴らしい。

 

YKIKA - Scent

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結婚おめでとうございます!! な日本人シンガー・ユキカさんが久々の新曲をリリース!!! 彼女のシグネチャースタイルであるシティポップ路線は今作も引継がれつつ、よりトレンディでバブリーな雰囲気のシンセやブラスサウンドがたまらない1曲です。

 

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2019年デビュー(?)のシンガーJIEONがシングル「Emotional Picnic」をリリース。アコースティック系のメロが心地よく、ジャズっぽいボーカルと合わせて耳馴染みのよいR&B、といった楽曲ですが客演のEXNがいつものオートチューンで入ってくる&意外に変じゃないのが面白いです。シングル収録曲「Bill (feat. Summer Soul)」も2人のボーカルの質感の違いが良い。

 

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今月の火気pick : fromis_9 - Stay This Way

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プロミの新曲が来たぞおおおおおいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

ティザーの時点では「まーたディスコファンク系かい……」感はあったものの、蓋を開けたらやっぱりプロミのこれが良いのよ!!となるボーカルの味わいや「we go」「DM」には無かった夏バイブスがとても心地よい楽曲。シンプルに楽曲の強度というか、"踊れる"という意味でも最高です。制服着て出てきた子たちがオフィスルックかあ……とメンバーの成長/成熟ぶりも感じつつ、軽やかながら甘さの残るボーカルはデビュー時から変わらず。緻密なコーラスワークも相まってラスサビで何故か涙が出そうになるfromis_9「Stay This Way」、必聴です。

 

 
 
 
 
 
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アルバム収録曲も全曲良い!! リーダー・イセロムの独特の声が堪能出来るモダーンなファンク調ポップ「Cheese」に2stepっぽいリズムを取り入れた軽快な「Up And」、K-POPも定番になってきたアコースティック+Trapのハイハットのミドルテンポバラード「Blind Letter」、チョンハ「Stay Tonight」を思わせるクールなハウスナンバー「Rewind」と、一切の捨て曲なし。名盤。記事末尾で紹介しているプレイリストに全曲入れましたので是非聴いてみてください。

 

 

時間の都合で書けませんでしたがiru「Emoticon」、SAAY「Summer In Love」、KARD「Ring The Alarm」、basecamp「숲 (Feat. THAMA)」も良かったです。なんとこのbasecampのアルバムにはSummer Soulが参加している楽曲「유행」も収録。今月なんとEP1件客演3件をこなしたSummer Soulに拍手!!

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ということで、6月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

 

ということで6月のカムバックアーティスト特集でした。なんと来月は宇宙少女にaespaのカムバック!!!!!! お楽しみに!!!!!!!!!!

 

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20220611/解説・Kポに潜むHIPHOPのスラング Pt.2

皆様アンニョン。火気厳禁です。

下の記事を書いてそろそろ1年が経ちまして、以下記事で紹介した以外でもHIPHOPカルチャー由来のスラングを歌詞に使っているK-POP楽曲が増えてきたのでまとめてご紹介します。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

ではまず、前回記事で紹介した言葉の使用例をもう一度かいつまんで見てみましょう。

 

前回のおさらい

前回の記事を公開したのが2021年の5月末でした。そこから約4ヶ月後、HIPHOP経由でよく使われるようになったスラングを題名にした楽曲がリリースされ大ヒットしましたね。そう、aespaの「Savage」です。元々は「獣」「野蛮人」みたいな意味合いの言葉ですが、現在は「オラオラでイケててヤバい」みたいなニュアンスで使われています。「今捕まえなきゃ私はもっと"Savage"」という印象的なフレーズがサビにありますが、噛み砕いて訳すと「もっと暴れちゃうよ」みたいな感じでしょうか。

 

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NCT127「Regular」ではicedripというフレーズが用いられています。これはジュエリーが輝く様子を水(氷)が光を反射する様子に例えた表現です。「Splash!」という派生フレーズまで入ってますね。最近リリースされたNCT Dream「Saturday drip」もこの言葉が印象的に使われてます。ってか「Saturday drip」は「another one」とか「I love it」とか「もしかしてアレをサンプリングしてる……?」みたいなフレーズも入っててヤバい。タイトルにかけてポロックネームドロップ(リスペクトを込めて人物の名前をリリックに入れ込むこと)までしてるし。

 

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LE SSERAFIM「FEARLESS」にはbitchというフレーズが出てきますね。「I' m fearless a new bitch new crazy(私は恐れ知らずの超新しい存在)」と高らかに宣言しています。

 

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てな感じで、HIPHOP/ストリート由来のスラングK-POPでも一般的に使われるようになってきています。

それでは、他の歌詞に登場するスラングも見ていきましょう。

 

"skrrr!!"

宇宙少女のエクシが作詞に参加しているというのでCRAVITY「My Turn」を聴いたらskrrskrr言ってて驚きました。

 

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VIVIZ「Tweet Tweet」ではほぼ意味の無い合いの手みたいな形でこのフレーズが使われています。これもこれでヤバい。

 

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で、CRAVITYの曲を聴けば分かる通り「skrrr」は車のタイヤがアスファルトを噛む音を表した擬音語です。4年前リリースのMigos, Nicki Minaj, Cardi B「Motorsport」でもう既にこのフレーズが使われていて、2022年現在ではK-POPにおいてもかなり広まっていると言えるのではないでしょうか。

 

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似た表現に「Vroom Vroom」がありますね。こちらはエンジンをフカす音の擬音語で、aespa「ICONIC」、NCT 127「Bring The Noise」などに登場します。

 

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"Hustler"

TWICE「ICON」のラップパートには「Gimme all my props 'cause, baby, I'm a hustler」というラインがあります。

 

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ヘッズならお馴染みの「Hustler(ハスラー)」というフレーズですが、これは「薬物・大麻の売人」という意味です。なので、「えっ……アイドルがハスラーとか言っちゃって大丈夫???」と思う訳ですが、この場合は「ドラッグを密売する」という意味の「Hustling(ハスリン)」が派生して「大金を稼ぐ」という意味でも用いられるところから読むのが妥当でしょう。また、前段の「props」もHIPHOPではよく使われるフレーズです。これは「良い評価・尊敬」という意味合いの言葉なので、このラインを前後含めて訳すと「もっと尊敬しなよ、私は稼ぎまくってるんだから ほらみんなが私のことを好きって言ってる」みたいな感じですかね。スラングの使用だけでなく、この曲自体が全編英語詞であることからもここ最近のTWICE(というかJYPガールズグループの)欧米市場戦略が見えてきます。

 

"Snitch"

TWICEに続きバリバリのギャングスタ系フレーズだとウンビの「Glitch」のサビに「snitch」というフレーズが出てきてびっくりしましたね。これは「情報を漏らす・チクる」みたいな意味で頻出のフレーズです。ラッパーが捕まった時仲間の情報をぺらぺら喋る奴は「スニッチ野郎」として大変な目に合う訳ですが、この曲ではタイトルの「Glitch」と韻を踏んでいてバックトラックと合わせて非常に良いグルーヴを作ってます。

 

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使用例としてMonyHorseの「C.R.E.A.M」を挙げます。この曲のタイトルは甘いクリームを表している訳ではなく、Wu-Tang Clanの楽曲が元ネタの「Cash Rules Everything Around Me」を踏まえたものになっています。これはざっくり言えば「お金がモノを言う」という意味で、この曲もお金のことおよびハスリンすることがテーマになっています。誰でもビジネスでトラブル起こされたくないですからね……。

 

Snitchするならオレに絡むなBitch

 

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"Poser"

恋心が激しく駆り立てられる様子を描いたSTAYC「RUN2U」2番頭のラップパートに「알잖아 I'm not a poser」というフレーズがあります。

 

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ここだけ訳すと「知ってるでしょ 私がポーザーじゃないってこと」となりますが、この「poser(ポーザー)」は「ダサい奴」みたいな意味のスケーター達のスラングです。Summit所属のラッパー・OMSBの「Naruhodo」にはこんな一節があります。

 

飽き性なくせ他力本願

ポーザーほどほざくニューなスタンダード

 

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OMSBのこの曲はコロナ禍で溜まった鬱憤をそのまま吐き出すようなリリックを彼独特の声とフロウで叩きつけてくる訳ですが、そんな強めの言葉が「RUN2U」の中でも使われている訳でございます。この曲のMVではこのパートを担当するジェイがグラフィティをボムるシーンもあり、STAYCの持つ"可愛さを阻害しない程度のストリート感"を上手く演出している歌詞&映像&スタイリングだと思います。素晴らしい。

 

"Straight up!"

ドーム公演の予習としてNCT 127「Focus」を聴いていたら「Straight up!」と聴こえてきてめちゃくちゃ驚きました。

 

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何故か? それはこのフレーズが、ラッパーTravis Scottの決まり文句だからです。Travis Scottはアトランタ出身のラッパー。昨年彼主催のフェスで痛ましい事件が起きてからはしばらく表舞台から姿を消していましたが、今年のBillboard Music Awardsで久々にパフォーマンスを披露したりNikeとのコラボを再開したりとまた注目が集まっています。

 

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HYO「Dessert」にも彼の決まり文句「It's Lit!!!」というフレーズが使われています。こちらは客演ラッパーLoopyのパートでもあるので何となく影響関係が分かるような気がします。そしてどちらの曲もSMエンタ所属アーティストのもの。

 

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「O.O」分析でビートスイッチの例に挙げた「SICKO MODE」も彼の曲です。

 

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と、いうことで、韓国の巨大芸能事務所であるSM、そしてJYPにも影響を与えているTravis Scottヤバいですね。あとRed VelvetジョイやOH MY GIRLジホが彼とNikeのコラボスニーカー履いてたりもします。提供されたにしろ自分で購入したにしろすっげえな……(定価は一般的な価格ですが人気過ぎて6桁円台で取引されています)。

 

 

"Bread"

BLACKPINKリサのソロシングル収録「Money」のリリックには「All this bread so yummy, yeah」という一節があります。そのまま訳すと「このパン美味い」とよく分からない訳になってしまうことから分かる通り、この「bread」というフレーズは「お金」を意味するスラングです。日本語でも「飯の種」「食っていく(=生計を立てる)」といった言い回しがありますが、それと同じような感覚が由来なのでしょう。「金」を意味するスラングはクリームとかブレッドとかなんか美味そうな言葉ばっかですね。

 

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また、この曲の終盤には「My money moves, Money I choose, CELINE My Shoes, Walkin' on you」というリリックがあります。ここで出てくる「CELINE My Shoes」は彼女が高級ブランド・CELINE(セリーヌ)のアンバサダーを務めているところから来るラインです。

ブランド名をリリックの中に入れ込んで自らのリッチさをアピールするのはHIPHOPでは定番の手法。このように自らの経済力やラップスキルなどを誇示することをセルフボースティングと言いますが、自分で書いた訳でもないこの歌詞にちゃんと説得力を持たせられるのがリサのヤバいところですね。

さて、French Montana 「No Stylist」には、hook(サビ)にはこんなリリックがあります。

 

Louboutin, Jimmy Choo, that’s on you

 

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引用したラインには「ルブタン、ジミーチュウ、お前が着ろよ」というような訳を当てられます。このルブタンとジミーチュウは両方ともウィメンズの靴で有名なブランドですので、つまり金を持ってる男性(ラッパー)が女性に靴をプレゼントする、という構図が描かれています。

ここでリサ「Money」のリリックをもう一度思い返してみましょう。「CELINE My Shoes,  Walkin' on you」、ここでハイブランドの靴を媒介としてリサとフレンチ・モンタナが接続され、女性に靴を買い与える"旧来のラッパーっぽさ"と、モデル業も歌手もこなす"自立した女性像"の対比が見えてきます。

 

"Classy"

オーディション番組「放課後のときめき」から誕生したグループ、CLASS:y。教室(class)と上品さ(classy)をかけ合わせた秀逸なグループ名ですが、この「classy」も最近HIPHOPのリリックでよく使われる言葉です。

 

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K-POPで使われている例をもう1つ。Red Velvetの「Beg For Me」の後半に入るラップパートでは、ウェンディが「I'm, I'm, I'm bossing it real nasty But still keeping it classy」とかなりドープなデリバリを披露しています。

 

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お察しのよい方はもうお気づきかと思われますが、この「Beg For Me」のリリックは前回の解説記事で紹介したMegan Thee Stallion 「Savage」のhookのリリックから影響を受けているのだと思います(使われているフレーズが同じ)。女性ラッパーが男性と同様に評価されるようになってきた昨今、ダーティさだけでなく"上品さ"もイケてる価値観の1つになっているというのが面白いですね。ちなみにRed Velvetには「Saasy Me」という曲もあります。

 

I'm a savage (Yeah)
Classy, bougie, ratchet (Yeah)
Sassy, moody, nasty (Hey, hey, yeah)

 

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そして「Beg For Me」というタイトル自体がCharli XCX 「Beg For You」から来てる、ということは言うまでもないでしょう(曲調ぜんぜん違うけど)。この「Beg For You」のRemixにK-POP畑からセブチのバーノンが参加しているというのが面白いですね。

 

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タイトル被り、でいうとKAI「Peaches」もJutin Bieberの同名曲があり、両者ともに女性を桃に例えた歌詞になっています。そしてRed Velvet、KAIはやはりSMエンタ所属……!

 

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所感

ということで、「解説・Kポに潜むHIPHOPスラング Pt.2」でした。第1弾がBLACKPINKとitzyばっかりだったことを思い返すと今回はSMエンタばっかり紹介したな、と思いますが、SMエンタの楽曲こそ欧米アーティストからの影響受けまくってますからね(このブログのDsign Music特集回参照)。NCT 127は上記の「Regular」の中で「カニエみたくWe Touch The Sky」とか言ってるし。「俺らは高く昇り続ける」ってことですね。

 

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で、この「K-POPにおけるHIPHOPスラングの使用」という現象は、ある程度リスナーが意味を理解出来る前提でそうした言葉を入れて作詞されているのかなと。つまり、大前提として韓国国内においてHIPHOP/欧米ポップスがよく聴かれているという状況も反映しているんじゃないかな~と思いました。

もっと詳しく知りたい方は下記の参考資料に挙げた記事などをチェックしたり、GeniusというアメリカのHIPHOP系メディアでK-POPの歌詞を解説している記事が載ってたりするので英語出来る方はそちらも見てみてください。あと火気厳禁のTwitterでは時たまこういう話してるので是非フォローしてみてください。

それでは次回もお楽しみに~~~~~~~~~~。

 

参考資料

 

 

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20220531/K-POP定期便(5月カムバ特集)

気圧の谷からアニョハセヨ。火気厳禁です。夏の到来と共に各種イベントの開催が復活しつつありまずが、皆様いかがお過ごしでしょうか。初夏の日差しの中街を歩けば聞こえてくるのは遠くて近い、近くて遠い彼の国のポップ・ミュージック。ということで「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今夜の1曲目は「TOMBOY(R3HAB Remix)」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

グループアーティスト

LE SSERAFIM - FEARLESS

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ついにデビューした大型新人グループLE SSERAFIM。活動曲「FEARLESS」はロートーンでクールなベース主体のファンク! 最高! ミニアルバム収録曲も全曲良いので是非聴いてください。

 

BVNDIT - VENOM

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知る人ぞ知る名曲出しまくりグループ・BVNDITが約2年ぶりに新曲をリリース。活動曲「Venom」は「Savage」や「MVSK」を経たK-POPといった雰囲気で、Bメロで唐突に入るギターリフにニヤリとさせられます。お得意のラテン調楽曲「Awaken」もオススメです。


LIGHTSUM - ALIVE

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昨年CUBEからデビューした新人グループ・LIGHTSUMの3作目は今までのファンシーでキュートなコンセプトから一転、強めなスクールガール(っつうかギャル)テイストにイメチェン。楽曲「ALIVE」はケレン味のあるイントロから華やかな展開のサビまで隙がなくポップな佳作です。

 

LUNARSOLAR - Do you wanna get down

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ここで悲しいお知らせ……。2020年デビューの4人組グループ、LUNARSOLARが今月で解散を発表しました。最後のリリース曲「Do you wanna get down」は今までの活動を振り返りファンに感謝を伝えるバラード。ルナソラはこのブログでもかなり力を入れてプッシュしていただけにつらい……つらすぎる…… メンバーの今後の活躍を楽しみにしています。

 

ソロアーティスト

HYO - DEEP

www.youtube.com元少女時代ヒョヨンが1stEPをリリース。リード曲「DEEP」はROSALÍAを彷彿とさせるようなオルタナポップサウンドとラテンのリズムが融合したサウンドを展開。文字通り蠱惑的な女性像を提示しています。


Yerin - ARIA

www.youtube.com元GFRIENDのイェリンがソロデビュー。デビュー曲の「ARIA」はIZ*ONE系の夢幻的ディープハウス。EP収録の「Lalala」はゆったりしたR&B楽曲でこちらもオススメです。


jANE - Trying to do What I can do

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今月のpoclanos新人アーティスト jANE。素朴な歌声に軽快なギターサウンド、初夏にぴったりのポップソングです。


HWA YEON(화연) _ Blossom(꽃핀다)

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元S#aFLAのスヒョンがファヨンと活動名を変えてソロデビュー。 パン・シヒョクの曲
ほぼ第2期SPANK HAPPYじゃんみたいなシンセサウンドが個人的にぶっ刺さりです。


kimYeji - ON&OFF

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2020年デビューの歌手、kimYeji。オーディション番組「The Voice of Korea 3」準優勝、先月出たEXNの新曲の客演であるDboとのコラボもしてるらしいです。「ON&OFF」は彼女の囁くようなボーカルが美しいオルタナR&B楽曲です。

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COOING - ONE LAST TIME

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流行りのディスコファンクベースの楽曲ながら、"流行りに乗っかりました"みたいなイヤらしさの無い秀逸な編曲と彼女のクールな歌声がクセになる1曲。


UNE & daul - NVM 

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当ブログではCHANNEL201名義での活動をよく紹介しているDaulと、2017年デビューの歌手UNEによるコラボEPがリリース。心地よい歌声とビートが織りなす爽やかなヴァイブスが最高です。

 

DSEL - Parrot

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インスタで知ったラッパーDSELのEP「2kzm.zip」がヤバかったので紹介。トレンド感もありつつハードなデリバリとビートがとにかくシブい!! 必聴です。

 

NSW yoon - Tech Fleece Freestyle (feat. KHAN, hangzoo)

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新進気鋭のラッパーNSW yoonがEPをリリース。上記「Tech Fleece Freestyle」含め収録曲の大半がドリルのビートを使用したアンダーグラウンド感溢れる仕上がりです。Polodared、BLASEなども取り上げてきた当ブログですが、やはりここ最近のK-drillシーンアツいですね~~~。

 

Omega Sapien - JENNY

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アジア最注目音楽集団Balming TigerのOmega SapienがEPをリリース。彼の持ち味である独特の声とスピット感の合わさったラップ、ストレンジでプリミティブな雰囲気のビートが全編渡って楽しめる贅沢な一枚です。収録曲「Wrecker」にはなんとセブチのバーノンも参加!

 

上記以外にもkhakii「Double up」、GIRIBOY「Issu de Feu」、Lean Lean「dress」、YLN Foreign「Mr. FOSHO」、Untell「I'm from」などHIPHOP系、そしてYerin Baek「It was me」、Moon Sujin「Right Back」などSSW系アーティストの新譜もバチバチに良かったです。時間の関係で詳しいレビューは書けませんでしたがプレイリストには入ってるので是非。

 

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ということで、5月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

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ということで、5月のカムバックアーティスト特集でした。次回もお楽しみに。

 

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20220514/LE SSERAFIM「FEARLESS」に見る"モード"――身体と音楽、そして2人の天使

はじめに――LE SSERAFIMとは

2022年5月、BTSの所属する大手芸能事務所HYBEから6人組ガールズグループがデビューした。グループ名はLE SSERAFIM(ルセラフィム)。元IZ*ONEのサクラとチェウォンが参加しているグループということで現在も話題を集めているが、まずはデビュー前に公開されたティザーを見て頂きたい。

 

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バックステージでメイクと撮影を終えたメンバー達がランウェイに降り立ち、ウォーキングを披露する――この演出は、先日書いた『NMIXX「O.O」を考察する』の記事の中で指摘した"K-POPのモード化"の最たる例ではないだろうか?

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

LE SSERAFIMのヴィジュアルイメージを元に、K-POPがモード・ファッションの要素を取り入れる理由やそれが我々に与える印象、そしてK-POPとモード・ファッションの関係性、そしてLE SSERAFIMのデビュー曲「FEARLESS」MVにおけるモード性の所在について考察したい。

(この記事では個人的な好みにより女性アイドルの例のみ扱います。悪しからず……)

 

"モード"を取り入れるK-POP

モードとは何か

モード、とはフランス語で「流行」を意味する言葉である。特にCHANELGUCCI、Louis Vuttonなどの大手メゾンが作り出すファッションにおける流行を指す。また、「ファッション」と同じような意味合いで使われることもあるが、その場合は我々が普段普段着るような服よりも高価なものを指すことが多いようだ。この記事においても、「流行」「高級ファッション」といった意味合いで「モード」という言葉を使用する。

そして、そうしたハイブランドの広告物、ファッション誌の誌面デザインを広く指してファッションエディトリアルという。この業界の代表的なカメラマンにリチャード・アヴェドン、ギイ・ブルタン、ヒューゴ・コンテなどがいる。

 

リチャード・アヴェドン

https://www.atgetphotography.com/Images/Photos/RichardAvedon/avedon05.jpg

 

ギイ・ブルタン

https://www.fashion-press.net/img/news/77240/HZY.jpg

 

ヒューゴ・コンテ

https://www.designscene.net/wp-content/uploads/2019/12/gentle-monster-2020-2.jpg

 

K-POPのクリエイションに見るモード

さて、それではK-POPの中でモードファッションやファッションエディトリアルの影響を受けている例を見ていこう。

itzy「WANNABE」のMVでは、チェリョンがデザイナー、ユナがモデルのような役を演じている。特に、楽曲の終盤(2:57~)でユナがヒールを脱ぎ捨ててランウェイに繰り出すシークエンスが印象的だ。

 

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元SISTARソユの「GOTTA GO」でも、ソユ本人がフロントロウ(ショーの観客席の最前列)からランウェイでのダンス、そしてバックステージ、再度ランウェイへ。というシークエンスで構成されている。

 

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また、前述の記事で指摘したように、メンバーが着ている衣装のスタイリングそのものがモードを反映している場合もある。

 

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以下の記事によると、ハイブランドの製品を着用するだけでなく、スタイリストが似たような服を作ってしまうという例もあるようだ。

 

maverick922.hatenablog.com

 

また、CDのパッケージデザインにファッションエディトリアル的なヴィジュアルイメージを取り入れているものもある。

Red Velvet Irene&Seulgi「MONSTER」のCDパッケージは、白と黒を基調とし、かつバージョン名称に香水の香りの変化を表すTop note, Middle note, Base noteという名前が付いている。Top note ver. , Middle note ver.は正方形で厚みのあるデザインになっていて、"モノ"としても香水のパッケージに近い雰囲気を感じる。

 

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一方、Base note ver.のパッケージはB5サイズ大で、ファッション誌を思わせるデザインになっている。

 

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全ver.通して用いられている写真もかなりクールで上品、高級感のあるトーンでまとめられており、特に水面からのバストアップの写真はそのままジュエリーブランドの広告に使えるほどだ。

 

Red Velvet Irene&Seulgi  「Monster」

https://allaccessasia.com.au/wp-content/uploads/2020/07/EcATEcSUcAEHjmJ-660x400.jpg

 

この曲のMVでのアイリーンの黒髪ロング、前髪ぱっつんのスタイリングは、伝説のスーパーモデル・山口小夜子がモチーフになっているのではないかと推測する。筆者は過去にこのブログでK-POPアイドルの髪型における前髪の有無と、それによって見る人に与える印象がどう変わるのか?を考察したが、ここでは「少女性と成熟した大人っぽさ」が両立しており、それが一種の倒錯した魅力に繋がっている。

 

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10人組ガールズグループ宇宙少女のグループ内ユニット・WJSN THE BLACK「Easy」のパッケージデザインも、前述「MONSTER」に近い雰囲気で作られている。このユニットは宇宙少女の中でも年長のメンバーによるユニットで、クールな女性像を提示している。

 

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そんなWJSN THE BLACKのCDパッケージでは、フォント、*の使い方がどことなくComme des garsonを思わせるロゴがジャケットに採用されている。

 

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ここまで、K-POPの業界がMVやCDのパッケージデザインにモード、ファッションエディトリアルの要素を取り入れた例を見てきた。MVではファッションショーを模した演出が用いられ、アイドル本人が注目を浴び、写真に収められている様子をメタ的に表している。パッケージデザインでは、高級感や上品さ、クールなコンセプトを表現するためにファッションエディトリアルの様式が用いられているようだ。

次は逆に、モード界がK-POPを取り入れた例を見てみよう。

 

モード界からのラブコール

K-POPファンならご存知だと思われるが、K-POPアイドルがメゾンブランドのアンバサダー(広告モデル)に抜擢されることはもはや珍しくない。この章では、ブランドの顔となった女性アイドル達を見ていこう。

 

ロゼ

BLACKPINKのロゼは、現在2つのブランドのアンバサダーを務めている。

2020年、ロゼはイブ・サンローランのアンバサダーに就任した。「モードの帝王」と呼ばれたデザイナーのイブ・サンローランが1961年に設立したブランドで、 現在は、アンソニー・バカレロがクリエイティブディレクターを務めている。彼女がショーに赴いた時の様子が下記2つ目の動画に収められている。

 

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そして彼女は2021年に、Tiffanyのアンバサダーにも就任した。Tiffanyは1847年にニューヨークで設立したブランドで、アメリカにおけるファッションジュエリーの歴史に寄与した。

 

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ジェニ

ロゼと同じくBLACKPINKのジェニは、2018年にCHANELのビューティーラインのアンバサダーに就任。2021年にはキャンペーンモデルに起用され、2022年春夏のショー映像に出演。

CHANELはココ・シャネルによって設立されたブランドで、2つのCがクロスしたロゴデザインやツイードを用いた服が有名だ

 

CHANEL 2021/22 ココ ネージュ コレクション

https://hips.hearstapps.com/hmg-prod.s3.amazonaws.com/images/chanel-the-coco-neige-ad-jenny-1632539249.jpg?crop=0.938xw:0.846xh;0.0361xw,0.0181xh&resize=768:*

 

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2020年にはCardi Bと並んでフロントロウに座る様子も。同年10月にリリースされたBLACKPINKのアルバムではまさかのCardi Bとのコラボ曲「Bet You Wanna」が収録された。

 

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リサ

またまた同じくBLACKPINKメンバーのリサは、CELINEのアンバサダーに就任。2022年のSSコレクションではなんとリサがランウェイでモデルを務めた(下記動画5:17~)。

CELINEは1945年にパリで設立されたブランドで、現在はエディ・スリマンがディレクターを務めている。

 

youtu.be

 

aespa

SMエンタから2020年にデビューしたaespaは、その翌年GIVENCYのアンバサダーに就任している。GIVENCYは、1952年にパリで設立されたファッションブランドだ。

 

 
 
 
 
 
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aespaが昨年末スケジュールでニューヨークを訪れた際には、メンバーが現在GIVENCYのクリエイティブ・ディレクターを務めるマシュー・ウィリアムスと対面した。1017 ALYX 9SM(アリクス)という彼自身のブランドは、工学的なデザイン――特に工業用ベルトの留具――をファッションに取り入れ、HERON PRESTONやOff-Whiteと共に注目を集めた。そんな彼が手掛けるGIVENCYが、新進気鋭のaespaをアンバサダーに迎えている。これは、パリ・モードがK-POPの動向をいち早くキャッチしているいい例だろう。

 

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サクラ(宮脇咲良)

今回の主題であるLE SSERAFIMのサクラも、デビュー前の4月にLouis Vuittonのアンバサダーに就任している。Louis Vuittonは1894年に旅行用カバンを製造するアトリエとして創業された老舗メゾンだ。

 

 
 
 
 
 
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ここに挙げた以外にも、BLACKPINKジス、Red Velvetのジョイ、IVEのウォニョンとユジンなど、メゾンブランドのアンバサダーを務めているアイドルは数多くいる。

何故K-POPアイドルがアンバサダーに選ばれるのか? それは彼女達が欧米圏の俳優やミュージシャン同様国際的に人気があること、整ったルックス、過酷なダンスレッスンで鍛えられた身体、徹底したプライベートの管理によってスキャンダルを起こしにくいことなどもブランド側がアンバサダーに迎えたくなる要因の一つとして挙げられるだろう。

彼女たちがファッション誌やブランドの広告物に載ることで、K-POPのファンダムにもこうした写真のスタイルやその魅力が十全に浸透してきている、とも言える。

 

ファッションショーのエレガンスとLE SSERAFIMの目指すもの

さて、本題に戻ろう。

LE SSERAFIMのデビューに先駆けて公開されたティザー映像は、それぞれ「CASTING CALL」「2022 "FEARLESS" SHOW」「The Rough cut : Debut Collection」と題され、ランウェイモデルがオーディションを受けランウェイを歩くまでの様子を一連の流れとして見せている。

 

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このティザー映像からは、言うまでもなくモード界からの影響、というかパロディを行っていることが見て取れる。

また、ティザー写真についても同じことが言える。シンプルかつ力強い構図に、グループのロゴが入っただけの写真は、ファッションエディトリアルを志向しているのだろう。「LE SSERAFIM」のロゴに用いられているフォントは恐らくHelveticaをベースにしたオリジナルのもので、限りなくCHANNELのロゴに似せている(A,E,Lの文字を見るとよく分かる)。

 

LE SSERAFIM

https://www.thefirsttimes.jp/admin/wp-content/uploads/5000/04/20220421-cg-132900-1408x939.jpg

 

CHANEL

https://pbs.twimg.com/media/Ev8qjj-XcAgFilE.jpg

 

リリースされたCDのBLACK PETROL ver.とBLUE CHYRE ver.に関しても、Red Velvet Irene&SeulgiやWJSN THE BLACK同様にシンプルなパッケージデザインにファッション誌のようなフォトブックがついている。

 

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しかし、だ。これを読んでいる多くの読者が知っている通り、LE SSERAFIMのデビュー曲「FEARLESS」のMVでは、ブランドの路面店を模したセットをバックにユンジンとカズハがリップシンクしている箇所(0:19~)以外そういった演出が殆ど無い。

 

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何故、本命であるデビュー曲のMVで"モードっぽい"演出が採用されなかったのだろうか。その答えを探すためには、「ファッションショーが何故我々の心を引き付けるのか?」という問いから始めないといけない。

 

ファッションショーにおける倒錯と官能

まずはファッションショーの映像を見てみよう。下記動画は、CHANEL2016年春夏のショーである。

 

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どうだろうか? ランウェイを闊歩するモデルたちと、デザイナーの手掛ける美しい服、巨大なセットと熱の籠もった視線でそれを見守るプレスやセレブリティ――。ファッションショーという場が、非日常の祝祭的空間である、ということがお分かり頂けただろうか。

また、ファッションショーではほとんどお決まりのBGMとしてハウス・ミュージックが用いられる。例に挙げたCHANELのショーでは、前半でハウスナンバーが使われている。

ハウスは音楽ジャンルの1つであるが、ここでは「BPM(テンポのことです)110~140ぐらいの幅で、低音のバスドラムが一拍ずつ鳴る四拍子(中略)の音楽*1」という認識でよいだろう。極限まで分かりやすく、乱暴に説明すると、エレクトロ系のサウンドが鳴っているかつ、リズムパターンを文字に起こしたら「ドンツッドンツッドンツッドンツッ」となるような音楽がハウスなのだ、と言ってしまってもよいかもしれない。

ハウスはクラブカルチャーの中で成立したと言われている。つまり、ハウスは「踊るための音楽」である。ジャズミュージシャンで文筆家の菊地成孔氏は、「踊るための音楽」がウォーキングのために用いられている状況をこう分析する。

 

「すべてのウォーキング・ミュージック(筆者注:ファッションショーのBGMに使われる音楽のこと)は、音楽自体の律動を、モデルの歩行が無視した上で関係している」

そして、ささやかに付け加えるならば「エレガント」な「無視」というべきでありましょう。「優雅な生活は最大の復讐である」というスペインの諺を引くまでもなく、音楽を筆頭にしたあらゆる魅惑的な外部を平然と無視することができる冷徹な精神がエレガンスの一角を占めていることは、エレガンスが「選ぶ」という言葉を語源に持つことの逆証明のようにして、どなたもご存知のことでしょう。

菊地成孔『服は何故音楽を必要とするのか? 「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召喚された音楽たちについての考察』、河出書房新社、2012年』、p46

 

ここでランウェイを歩いているモデルたちは、みな一定の速度で歩きながら、しかし、その歩調は微妙に音楽のビートとはずれています。ぜんぜん食い違っている、というほどでもなく、あからさまに無視をしている、という風でもない。ダンスとウォーク、音楽の躍動感とモデルのクールな歩行との間に作られているこの関係と無関係の狭間にこそ、シック、エレガンス、スタイリッシュといった「ファッション・ショー」に特権的な概念が見事に受肉しているのだ、とわたしは捉えています。

菊地成孔大谷能生『アフロ・ディズニー エイゼンシュテインから「オタク=黒人」まで』、株式会社文藝春秋、2009年、p151.152。

 

踊るための音楽を歩くために使う、という倒錯。あるいは踊りたくなるような音楽を聴きながらそれでも歩く、という関係/無関係。菊地氏はこの倒錯性や一種の抑圧から生まれる、BGMのテンポとウォーキングの間の"揺らぎ"に、ファッションショーの持つエレガンスの根源を見出した。このファッションショーにおけるウォーキングについて、鷲田清一氏の著作に興味深い一節があったので引用する。

 

川久保玲(コム・デ・ギャルソン)はコレクションのときモデルたちに向けてこういう。「にこにこしないで、踊らないで、ただふつうに道を歩くように歩いて」、と。

鷲田清一『てつがくを着て、まちを歩こう』、筑摩書房、2006年、p257。

 

音楽とウォーキングがエレガンスを生み出す要因だとするならば、音楽に合わせてダンスをすることが前提条件としてあるK-POPとはそもそも相性が悪い。よって、「FEARLESS」のMVはモードの要素を「取り入れなかった」のではなく「取り入れられなかった」と見る方が妥当だろう。苦肉の策としてモノトーンで揃えた衣装やハイブランド路面店のようなセットを用いているが、ティザー映像ほどの効果は与えられていないように思う。

 

歩くことと踊ること

と書くと、「でもitzyもソユもMVでファッションショーやってたじゃん」という声が聞こえてきそうだ。もう一度「WANNABE」と「GOTTA GO」のMVを冷静に見返して欲しい。

そう、ユナとソユはランウェイで"踊っている"のだ。ユナは振りを踊っている、という感じではないにしろノッてるのは明らかだし、上で見たようなファッションショーというよりはTGCとか関コレのような印象を受ける。

事実、メゾンブランドのファッションショーでは「服が最も美しく見えるように歩く」という課題がモデル達に与えられる。デザイナーの意図によっては、ショーの演出としてモデル達が音楽に合わせて歩いたり踊ったりする例もあるだろう。しかし、そこに上記のようなエレガンスは存在しない(エレガンスが存在しない=価値が無い、ということではない。念の為)。

「FEARLESS」のMVにおいては、この身体性の在り方の違いが分かった上で、モード感の演出を衣装や路面店ファサードらしきセットの使用に留めておいたのではないか。

 

だが、LE SSERAFIMが"揺らぎ"によるエレガントをまったく導入していないか、と言われればそうではない。

先に紹介した以外にも、LE SSERAFIMのデビュー前に公開されたティザーがある。このティザー映像では、前半ファッションショーでよく用いられるようなミニマルなハウスナンバー(デビューEP収録「The World Is My Oyster」)が流され、サクラのセリフをきっかけにBGMが切り替わる。

 

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このティザーのBGMと映像自体のテンポについて注目して欲しい。

特にダンスシーンに顕著だが、BGMが切り替わる前と後で映像と音楽のシンクロ感がまったく異なる事が分かるだろうか? 前半が「ダンスをしているシーン」に音楽をつけた、といった質感であるのに対し、後半はこのBGMに合わせて映像が展開していくように見える(一瞬だけ映るチェウォンのダンスシーンに顕著)。

撮影時のオフショット動画を見ると、撮影現場では音楽に合わせて踊っていたことが分かる(下記0:50~)。静から動へと変化するダイナミズムを演出しているのだと言えばそれまでだが、「踊るための音楽で踊らない」「映像と音楽のズレ」という抑圧と、音と画が激しく同期することによる抑圧からの解放。たった3分の映像の中にこの構造を作り出したPDチームには脱帽する。

 

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また、後半は前半繰り広げられた行動を逆再生したものになっている。この「行って戻る」という構成自体が、ランウェイを往復することのメタファーになっているのだと筆者は推測する。

LE SSERAFIMは恐らく今後もこの高級志向、ファッションエディトリアル感を軸に各種のイメージを制作するだろう。彼女たちがパリモード由来のエレガンスをどのように獲得し、表現するのか――、次回のカムバック、いや来季のコレクションが楽しみである。

 

おわりに――モード化するK-POP(Repackage)

ここまで、LE SSERAFIMのデビューに際しての各種ティザーと楽曲のMVを端緒に、K-POPとモード界との関係について見てきた。

K-POPのMVやCDのパッケージデザインにファッションエディトリアルの要素が用いられている例、ハイブランドのアンバサダーにK-POPアイドルが起用されている例を概観し、それぞれの状況や我々に与える印象を確認した。また、LE SSERAFIMのデビューティザーの分析から、彼女らが今までのK-POPの中であったようなものより一歩踏み込んだ形でファッションショー(=パリ・モード)の要素をオマージュしていることが分かった。それなのにも関わらず、デビュー曲「FEARLESS」のMVではメンバーがランウェイを歩く映像などはまったく用いられていない。それは、ファッションショーとK-POPにおける身体性の在り方が全く異なることが要因だろうという考察を行った。

 

LE SSERAFIMのティザー映像が革新的だったのは、メンバーが踊らず、笑わず、それぞれが各人のテンポでランウェイを歩いていたことだ。実際にメンバーがウォーキングのレッスンを受けたのかどうか、現場でどのようなBGMが流れていたかどうかは分からないが、少なくともあのティザーからは本場パリで行われるショーと同種のエレガンスを感じる。

そしてこのLE SSERAFIMのヴィジュアルイメージからも、「O.O」を分析した時に指摘した「K-POPそのもののモード化」を読み取ることが出来る。 

 

だからパンクであろうがグランジであろうが、ピアスであろうが金髪であろうが、いかにそういう社会の外部に出ようとしても、すぐに「モード」のなかにきれいにのみこまれ、「近ごろのはやり」ということにされてしまう。「モード」はなんでも「はやり」ときて萎えさせられるのだ。こうして流行はだんだん短くなる。必死で「はやり」から逃れようとして、だれもしていない新奇なスタイルをもとめるからだ。逃れようとして逆に、「はやり」を過剰に意識してしまう。

鷲田清一『てつがくを着て、まちを歩こう』、筑摩書房、2006年、p68。

 

引用した文章はモードという現象についてのものだが、K-POPにもまったく同じことが言える。それは、「ガルクラ」「ドゥンバキ」など、K-POPにおける流行りのヴィジュアルイメージや曲調を半ば揶揄するような形で表現するスラングがあることからも分かるだろう。流行というものは流行すればするほど陳腐になってしまう。

モードは常に新しさを求める。映画、アニメ、欧米圏アーティストのMV、古典から現在までのアート……K-POPもまた、その外部にある表現を貪欲に取り込んで自らを進化(最新化)してきた。LE SSERAFIMのヴィジュアルイメージの優れている点は、ファッションショーやエディトリアルといった「既に用いられたモチーフ」をより本格的にリファレンスし、「見たことあるけど新しい」という感覚を我々に呼び起こすことにある。

K-POPのクリエイションは、既に「楽曲を含めた様々な要素の順列組み合わせの中から最適なイメージを選ぶしかない」という状況であるが、それでも作り手側の選択とセンス次第でLE SSERAFIMのような目新しくクールなものが現れる、という事実に、筆者は驚きと感動を覚えた。

 

最後に、今年4月に筆者が渋谷で撮影した動画を紹介してこの考察を終えたいと思う。両者の作り出すイメージが液状化してきつつある現在、パリのファッションショーでK-POPがかかる日もそう遠くないのかもしれない。果たしてその時、モデル達は歩くのだろうか? 踊るのだろうか?

 

 

参考資料

 

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*1:菊地成孔『服は何故音楽を必要とするのか? 「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召喚された音楽たちについての考察』、河出書房新社、2012年』、p33。

20220507/Kultural studies(GWSN編)

皆様ごきげんよう。火気厳禁です。

今回はKultural studies(GWSN編)と題しまして、GWSN(公園少女)の楽曲の中からオススメを紹介していきます。

 

GWSN(公園少女)とは

KIWIメディアグループ(現THE WAVE MUSIC)所属、2018年にデビューした7人組のグループで、日本出身のミヤ、台湾出身のソソもいる多国籍グループでもあります。グループ名は人々が集まる憩いの場である公園のような存在になりたいという想いが込められているそうです。

 

 
 
 
 
 
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さてそれでは、彼女達の楽曲をデビュー曲から順に見ていきましょう。


THE PARK IN THE NIGHT, Pt.one(2018)

Puzzle Moon

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記念すべきデビュー曲「Puzzle Moon」は、幻想的な雰囲気のサウンドが特徴のエレクトロ・ポップ。楽曲全体を通して用いられるハイトーンボーカルが可愛らしく、なおかつ儚さや神秘性を高めています。意表を突くようなラップラインの構成も素晴らしいです。


Shy Shy  

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「Shy Shy」(TWICEではない)ではリード曲と打って変わっていわゆる"K-POP"的な可愛らしさを魅せています。ラスサビ頭の音抜きが最高。

 

Melting Point  

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「Melting Point」はグループの雰囲気、コンセプトはそのままに若干Future Bassっぽさを感じるサウンドの楽曲(ジャンル違ったらすいません)。サビ終わりのレナの歌声の綺麗さと言ったら……。

 

THE PARK IN THE NIGHT, Pt.two(2019)

Pinky Star(RUN)

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「夜の公園」シリーズ2作目、「Pinky Star(RUN)」は前作「Puzzle Moon」の雰囲気を残しつつ、随所に木琴っぽいサウンドが散りばめられ幻想的な雰囲気を高めています。

MVも前作の箱庭感を引き継ぎつつよりカメラワークなど趣向を凝らしたMVになっています。ダンスブレイクもキマってますね。

 

Miss Ping Pong

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「Miss Ping Pong」は不思議でコミカルなトラック、ボーカルラインがクセになる1曲。しかしながら歌詞は「あれこれ言ってこないで、好きなように振る舞う私はMiss Ping Pong」といったitzyなどを彷彿とさせるエンパワメント系で、そのギャップも面白いです。

 

TOKTOK

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リード曲「Pinky Star」より落ち着いた雰囲気のR&B楽曲「TOKTOK」。Trapっぽいリズムパターンを用いていながら、メロディやボーカルの質感によって見事に"公園少女の曲"になっているところにコンポーザーの手腕を感じます。

 

THE PARK IN THE NIGHT, Pt.3(2019)

RED-SUN(021)

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「夜の公園」シリーズ3作目にして最高到達点と言っても過言ではない「RED-SUN(021)」。グループのトンマナとしての神秘的で謎めいた雰囲気はそのまま、アップテンポで若干攻撃的なトラックに1,2番両方に備えられたエンとミヤの中低音ラップ、ソリョンとミンジュの透き通る歌声にブチ上がるサビの展開などなどなど聴きどころ盛り沢山です。


All Mine(Coast Of Azure)

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「All Mine」は軽快なギターリフ主体の楽曲。2010年代中盤のK-POP感溢れるBメロのボーカルラインに爽やかさ溢れるサビが胸を高鳴らせるサマーチューンです。


Total Eclipse(Black Out)

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ディープハウスサウンドが最高にクールなファンソング「Total Eclipse」。アルバムリリースが夏だったこともありこちらも歌詞には「Summer Total Eclipse(夏の皆既日食)」というフレーズが印象的に用いられています。

 

the Keys(2020)

BAZOOKA!

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今までと近いテイストの楽曲ながら4つ打ちハウスのノリを導入し、よりキャッチーで明るい楽曲になっています。作曲にはこのブログでもお馴染みDsign MusicからNermin Harambašić、Anne Judith Wik、Ronny Svendsen、Harry Sommerdahl、Phat Fabe(Fabian Torsson)が参加。隙の無いエレクトロハウス楽曲となっています。

 

Tweaks ~ Heavy cloud but no rain

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こちらも四つ打ち「Tweaks ~ Heavy cloud but no rain」。ミニマルチックで抑制の効いた展開がカッコいいです。

 

the Aerialist (Wonderboy)

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冒頭からジャジーなピアノサウンドで心を掴まれる「the Aerialist (Wonderboy)」。このグループ特有の聴きやすくクセのないボーカルが存分に楽しめる良R&B楽曲です。揃いのスーツルックでキメたパフォーマンスも必見。

 

THE OTHER SIDE OF THE MOON(2021)

Like It Hot

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神秘的でキレイめな雰囲気のイントロから、サビでグルーヴィなベースが全面に出てくるダイナミックな展開が面白い1曲。作曲にはお馴染みライアンジョンを迎え、K-POPらしいケレン味を含んだ楽曲になっていると思います。

(コンポーザー調べててBAZOOKA!組続投でも良かったくない……?とは思いましたが……。曲書いてもらうのもお金かかるしそういうことだったりするんだろうか……)

 

I Can't Breathe 

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「月の裏側」というアルバムタイトルに相応しいダークな雰囲気を感じさせる1曲。サビのボーカルエフェクトや囁きコーラスからはBillie Eilishの影響も感じます。っっっっていうかミヤ様イケメン過ぎん!?!?!?!?!?

 

さて、これまでの公園少女の楽曲をリリース年順に見てきましたがいかがでしたでしょうか? 個人的に前々から活動局は好きで聴いていましたが、こうして一気に見ると(聴くと)振り付けも凝ってるしコンセプトに合った楽曲、そしてそれに合った歌声の持ち主が揃っててめちゃくちゃ良いグループだなと思いました。

そんな公園少女の全楽曲をまとめたプレイリストを作成しましたのでご活用ください。ある程度曲を絞ってプレイリストにしようと思ったけど全部良かったので全部入ってます……!!

 

 

 

ということで、Kultural studies(GWSN編)でした。次回もお楽しみに。

 

参考資料

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20220430/K-POP定期便(4月カムバ特集)

皆様ごきげんよう。そちらは連休何日目でしょうか? とにかく楽したい現代人、新幹線はネットで予約、コンビニは勿論スマホ決済。あなたのスマートでスマートな生活に、一匙の面倒さをプレゼント。お耳を拝借お目々は再度スマホの画面へ、「何が良い音楽か?」を考えてみるという愛すべき面倒くささを、ため息と共に美味しく頂きましょう。さて今夜は月に一度のお楽しみ、カムバックアーティスト特集。1曲目に紹介するのは、iScearMからリリースのテヨン「INVU(ZHU Remix)」です。

 

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はい。火気厳禁です。今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集ということで、2022年4月にリリースされた、火気厳禁が聴いた新譜を紹介していきます。先に紹介楽曲をまとめたプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

グループアーティスト

ILY:1 - Love In Bloom

www.youtube.comガルプラ出演のリリカ、ヂャンシンが所属するILY:1がデビュー。ニジプロから見てたので「ついにここまで……」と思いましたがそれでもMVの雰囲気見るにB級感が凄い……(オレンジラテよりはマシ?)曲もいい感じのマイナードル感、カップリングの「AZELEA」も良い曲です!


IVE - LOVE DIVE

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2021年デビューの注目株、IVE。今作はデビュー曲「ELEVEN」からまたガラッと印象を変えた楽曲で、グループ名とかけた歌詞のフレーズや広大な景色を思わせる音像がフックになっています。カップリング「ROYAL」もヤバい。

 

DreamCatcher - MAISON

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ベテランかつロックをメインとした異色のグループDreamCatcherがフルアルバムをリリース。活動曲「MAISON」で初の音楽番組1位を獲得するなど注目度もますます上がってきています。


NATURE - Starry Night

www.youtube.com年始に出た「RICA RICA」が色々凄すぎたNATUREがひっそり新曲をリリース。シティポップ調の堅実な仕上がりです。


ICHILLIN'(아이칠린)- '꼭꼭 숨어라' (Play Hide & seek) 

www.youtube.com

火気厳禁が激推しする2021年デビューグループ・ICHILLIN'。韓国の童謡(?)をアレンジしたメロディがキャッチーで可愛らしい楽曲ですが、個人的には前2作の方が好きです……。今作は のラップが立ってて良いですね。今回は初めてフィジカルもリリース、とりあえず3枚買います。


Busters - Futt

www.youtube.com

Kep1erイェソを輩出した(?)Bustersがメンバーを入れ替えてカムバック。「逆に今珍しいんじゃない!?」というキュートなバブルガム・ポップで、ロケパンとか好きな人絶対好きだと思うので是非。

 

ソロアーティスト

クォン・ウンビ - Glitch

www.youtube.com

Glitch……!! ソロ一作目とはまた違った雰囲気のUKガラージ&グリッチホップ、最高です。とにかく聴いてください。


Bomin - Be The Right

www.youtube.com

Cosmic boy「Can I Love?」にも近い質感の穏やかなピアノサウンド主体のR&Bバラード。

 

Lil Moshpit - Yooooo (Feat. 키드밀리, sokodomo, Polodared)

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人気ビートメイクチーム・GroovyRoomのメンバーLil Moshpitがソロアルバムをリリース! 「Yooooo」は普段の作風と違ったPlayboi Cartiにも近いトランシーなビート
と客演陣のバキバキのラップがエグ過ぎる。Polodaredのラップスタイルと声ヤバいす。


WENDY - Girls

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Red Velvetウェンディがテレビ番組OSTでカバー楽曲をリリース。ハスキーっぽい声質といつものRed Velvetウェンディの声質両方が楽しめる1曲です。


Jessi - ZOOM 

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バラエティでもお馴染み(?)のラッパーJessiが新曲をリリース! Phonkっぽいハネたビートが楽しい楽曲で、早速Tiktokでバズり中。流石Jessi。


Ash-B & Elle Teresa - Yellow Gang

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Ash-Bと日本のラッパーElle Teresaがまさかのコラボ! いつも通りの粘度のあるフロウをかましてるし結構相性良い感じしますね。MV出てたら良かったのに……。エルテレサは「GOKU VIBES」に参加してたしなんか繋がりあるんですかね? 一応両者のコラボ名義だけどどっち側のオファーなんだろ……


88rising - T

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アジアのHIPHOPR&Bシーンを牽引する88risingが米国最大級音楽フェスのCochella出演に合わせシングルをリリース。
「T」は同フェスにも出演した宇多田ヒカル(!)とジャカルタ出身のラッパー・ウォーレンヒューによるコラボ曲で、愛と人間存在についての「Truth」を考察する詞が静謐なトラックの上で展開されています。
同シングル収録のBIBI「Best Lover」も是非!!!

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sAewoo - Whatever(Feat. 율음, 키드밀리, 그냥노창, The Quiett, Raf Sandou) 

www.youtube.com


Swings,YUNHWAYなどのビートを手掛けるプロデューサーsAewooが豪華ラッパー陣を迎えたシングルをリリース。
オールドスクールからTrapまであらゆるHIPHOPのスタイルを無際限にマッシュアップしたようなストレンジなビートで、音響的な仕掛けも楽しい作品です。
Raf Sandouって初めて聴いたけどバース蹴り始めのとこめっちゃTohjiっぽい。


EXN - LOVE,ME (feat. Dbo)

www.youtube.com先月lIIBOIと曲出したばっかりのEXNが今月も新曲をリリース!
前作はファンクロックテイストが採用されていましたが今回の「LOVE,ME 」は従来のエレクトロな雰囲気とTrapのリズム感を限りなく爽やか&カワイくまとめられている印象です。
客演で入っているラッパー・Dboのゆるいフロウも楽曲にマッチしています。なんかこの人凄いっぽいな……

spincoaster.com


Milena - 각자의 취향 (Feat. Paloalto)

www.youtube.comColde率いるレーベル・wavy所属のSSW MilenaがEPをリリース! ベテランラッパーPaloaltoを迎えた「각자의 취향」は洒脱な雰囲気の楽曲です。


SUMIN, SOULBYSEL - Miracle (Prod. Devin Morrison) 

www.youtube.comレーベルsel recordsが企画のR&Bコンピレーションアルバムがリリース。
SUMINに加え、JadeやLym en、Summer Soulなど新進気鋭のR&Bシンガーが勢揃いしています。今回紹介のSUMIN「Miracle」は普段の彼女の楽曲とは違いビートがDevin Morrisonによるもので、その雰囲気の違いも面白いです。


미연 (MIYEON) - Drive

www.youtube.com(G)I-DLEのミヨンがソロデビュー! リードトラック「Drive」はの伸びやかな歌声が心地よいミドルのテンポ楽曲。ミニアルバム「MY」は彼女の歌唱力を存分に活かした楽曲が詰まっています。


Lil Cherry - 꿈 (feat. Jvcki Wai)

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当ブログで何度も取り上げているラッパーLil CherryがGOLDBUUDAとアルバムをリリース。
今回のアルバムは一味違う。なんと!!!!Jvcki Waiが参加しているのです!!!!!
Jvcki Waiと言えば独特のルックス、ラップスタイルで熱狂的な支持を受けていますが、2年前のNikeとのタイアップソング「Fadeaway」以降楽曲のリリースはおろかSNSの更新すら一切していませんでした。
そんな彼女が参加した「꿈(夢)」はサイバートランス、ハイパーポップ的作風の楽曲で、「また財布を満たしに来た」「そろそろ目覚める頃」と彼女の攻撃的なカムバック宣言にシビレます。ソロも出して欲しいな~~!!!

 

紙幅の関係でレビューは割愛しますがHookuo「Inner Ocean」、Soo-Yeony 「TO YOU」、ksmartboi 「NASA CERTIFIED」、bol4 「Seoul」、PSY「That That」、ムンビョル「C.I.T.T (Cheese in the Trap)」も良かったです。是非に。

 

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今月の火気pick : QUEENDOM2

現在Mnetで放送中のガールズグループカムバック大戦ことサバイバル番組『QUEENDOM2』! 番組内で参加グループ同士でカバーされた楽曲が良かったのでここで紹介します。


LOONA - Shake It

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このブログで一度特集したことのあるLOONA(今月の少女)によるSISTAR「Shake It」のカバーステージ。ミュージカル調の編曲と振り付け・演出が最高です。LOONAのイメージであるガールクラッシュ的なところとまた違った魅力を存分に活かしたステージと、ボーカル層の厚さを見せつけられたのではないでしょうか。最高です。

 

過去記事こちら。

kaki-genkin.hatenablog.com


原曲はこちら。

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HYOLYN - So What

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そしてそのLOONAと曲を交換した元SISTAR、現在はソロで活動するHYOLYNによる「So What」カバーステージ。登場の時点で宙吊りって強すぎるだろ……。12人分のボーカルをソロに自ら編曲し直し、かつここまでの精度でパフォーマンスしているの最高です。優勝でいいでしょ。

 

原曲こちら。

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個人的にはVIVIZによるwjsn「UNNATURAL」のラテン調アレンジも良かったです。ウナかわいいよウナ……。

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ということで、4月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

 

ということで4月のカムバックアーティスト特集でした。来月はついにルセラフィムがデビュー! 次回もお楽しみに。

 

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20220416/Kultural studies(Moa “Cazzi Opeia” Carlebecker編)

皆様アンニョン。火気厳禁です。今回はアーティスト、そして制作陣に焦点を当てた「Kultural studies」シリーズ。前回のDsign Musicに続き、今回も北欧系コンポーザーのMoa “Cazzi Opeia” Carlebeckerを特集します。前回記事はこちら。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

Moa “Cazzi Opeia” Carlebeckerとは

読みはカシ・オペア。EKKO Music Rights所属で、ここを通して楽曲提供してるっぽい……? 調べたところ日本にも支部があるらしいです。以下引用。

 

エコーミュージックライツ・ジャパンはストックホルムを本拠地とし、LA、ベルリン、ソウルにも拠点があり作家を抱えております。数年前に立ち上がった音楽出版社で現在世界の作家約100組を抱えるブティック・パブリッシャーです。


前回のDsign Music同様北欧はこういう会社多いんだな……。この辺も追加調査の余地あり。

さてそんなカシオペアさん、ソロアーティストとしても活動しているようです。

 

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すご……

 

提供楽曲

Red Velvet - Peek-A-Boo

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2017年リリース「Perfect Velvet」収録。ダンスホールジャンルのアタックの強いキックと軽快なシンセの組み合わせがサイッコーに盛り上がる楽曲です。大きい音で聴くとドンドコ感がより感じられるので良い。


Red Velvet - Power Up

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リリース2018年、アルバム「Summer Magic」リード曲。「Peek-A-Boo」のヒットを受けて同じチームで制作されたらしいです。K-POPではそこそこ珍しいサビユニゾンさせてたり8bitサウンドがコミカルだったり速いテンポ感が夏の雰囲気を高めてくれる一曲です。


TWICE - HOT

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2019年リリース、「Fancy You」収録の楽曲。声ネタのイントロが特徴的なモータウンビート。抑制の効いたグルーヴ感とコーラスワークの掛け合いがめちゃくちゃにクールです。


itzy - ICY

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2019年リリースのitzy2枚目シングル「ICY」リード曲。冒頭から声ネタとベースが炸裂するポップでグルーヴィな楽曲で、J.Y.Parkも制作に参加しているが彼の楽曲特有のクセが良い具合に聴いている感じなのかもしれないなと。だってTWICEに初めておろした曲「SIGNAL」だよ?

 

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GWSN - Black H●le

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2019年リリースの「THE PARK IN THE NIGHT part three」収録。少しだけ入ったレトロな雰囲気や高めに設定されたキーとコーラスワークがこのグループの持ち味である神秘的かつ可愛らしい雰囲気を感じさせます。


ELRIS - Jackpot

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2020年リリースの同名ミニアルバムのリード曲「Jackpot」。
景気の良い
売れろ……


TWICE - Clock Shot

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アルバム「Eyes wide open」収録
リリース: 2020年


Weeekly - Holiday Party

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2021年リリース、Weeekly4枚目のミニアルバムのリード曲「Hloday Party」。前作までの青春!フレッシュ!カワイイ!というコンセプトから若干大人びた休日のWeeekly、といった雰囲気を纏いつつ、楽曲もミドルテンポで今までとは違った印象ながら少しストレンジで面白い感じの仕上がり。よく聴いたらこの曲もベースがすごいな……。

 

Billlie - flipp!ng a coin

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2021年リリース、注目の新人グループBilllieの1stミニアルバム収録曲。UKベースミュージック的なビョンビョン&ノリノリ楽曲で最高。ギンガミンガヨも良いけどこっちもね……!! そして最近出たIVE「ROYAL」もこの路線だし何か微妙にムーブメントが来ている感じもします。

 

MOMOLAND X NATTI NATASHA - Yummy Yummy Love

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MOMOLANDとドミニカのアーティスト、ナティ・ナターシャとのコラボ作品。流行りのディスコ調ポップソング、と言ってしまえばそれまでですが「BAAM」「BoomBoom」をやっていた彼女たちが国外アーティストとコラボしてこんなに大人っぽい曲をやるなんて……と感慨深さも味わえる楽曲です。


雑感

こないだ特集したDsign MusicのAnnaと同じ楽曲に参加してたりするのも面白かったですね(「Queendom」とか「Keep Your Hands Up」とか)。SMの北欧人脈の1人という感じもするけどここ近年で急速に中小事務所も海外発注するようになっているのかもしれません。それとも事務所を立ち上げるのがアーティストじゃなくてマネージャー上がりの人が増えてきて楽曲的な基礎、人脈みたいなものがない事務所が多くなってるとか?
年を経るにつれJYP系の仕事も増えてるの面白いですね……この辺もNMIXXに繋がる流れと言えるのでは……。ここ最近のJYPのコンポーザー陣をdigりたくなってきたので次回はその辺をやろうと思います……それではまた次回!!

 

参考資料

20220402/K-POP定期便(3月カムバまとめ)

春めいて来ましたが、皆様ご機嫌はいかがでしょうか。春の陽気と混迷する世界情勢、時差無く世界を繋ぐインターネットが、風に煽られる花粉や桜の花びらのように情報を散らしていきます。読者の皆様におかれましては、流行り病と寒暖差に気をつけながら、スマホは置いてお花見と洒落込みましょう。三寒四温拡散希望千客万来でお届けしております「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、本日の1曲目はXG「Tippy Toes」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、本日は毎月恒例カムバックアーティスト特集ということで、火気厳禁が3月に聴いた新譜を紹介していきます。

本日の1曲目に紹介したのはXGの「Tippy Toe」でした。エイベックス系列のレーベルからデビューしたらしいのですが、完全にK-POP(というか欧米メインストリーム)への目配せのある洗練されたトラック&英語詞を展開しています。キャッチーさに欠けると言われれば確かにそうなのですが、このスタイルのグループが日本のシーンから出てきたというところに驚きと嬉しさを感じます。

先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

グループアーティスト

Rocket Punch - CHIQUITE

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2月末リリースだったけど入り切らなかったのでここで紹介。前作ring ringから引き続きのシンセポップサウンドですが、サビ頭で炸裂するシンセが更にポップでキャッチーな印象を与えます。前作が「Blinding Lights」、今作が「ロマンティックが止まらない」みたいなニュアンス(伝わる?)

 

Cherry Bullet - Love In Space

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メイ、ジウォン、ボラのガルプラ出演後初のカムバ。こちらもシンセポップ調だけど若干のニューウェーブ感の方が強めか。Aメロの歌の譜割りが無理やり入れてる感あっておもしろい。

 

Weeekly - Ven para

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学園モノ(?)コンセプトで等身大の青春を打ち出してきたWeeeklyがガールクラッシュ的壮大な世界観にイメチェン。こういうの見るとやっぱモードだよなと思いますね……。

 

(G)I-DLE - TOMBOY

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アイドゥルが1年3ヶ月ぶりのカムバ。リード曲「TOMBOY」はグランジロックテイストの攻撃的なサウンド。「It's neither man nor woman」という"無性的"なコンセプトも色々あった&自作ドルのアイドゥルがやると説得力が違いますね。

 

Brave Girls - Thank You

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Brave Girlsは「Rollin'」のバズ後2回目のカムバ。前作と打って変わって大人っぽい雰囲気で統一されたEP「Thank You」はブレイブサウンドの安心感とクールなハウスサウンドで踊りたくなる仕上がりです。そんなBrave Girlsはこの春放送開始の「Queendom2」に参加。この番組の感想も記事にするかも。

 

MAJORS - Giddy Up

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なんだかんだ火気厳禁がANS時代から追い続けているMAJORSの新曲は超ド直球EDMナンバー。火気厳禁の推しメンバー・ビアンが今回の活動には参加しないということで心配です……。

 

OH MY GIRL - Real Love

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「Nonstop」「DUN DUN DANCE」と近年非常に調子の良いおまごるがフルアルバムを携えてカムバック。リード曲「Real Love」はおまごるのファンシーキュート路線にがっつりコミットしつつ大人の余裕すら感じるミドルテンポポップソングです。アルバム収録曲「Replay」がえげつない囁きボーカル&トランシーなハウスでめっちゃ良い。

 

PURPLEKISS - memeM

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昨年デビューの注目株PURPLEKISSがEPをリリース! aespa「Savage」経由のオルタナティブポップ的な金属音も散りばめられた攻撃的な一曲。2番頭のビリー・アイリッシュパートも含めエッジィなポップスになっています。カット割りの回数がえげつないMVも合わせてどうぞ。

 

ソロアーティスト

Olivia Hye - I'LL BE YOUR SPRING

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loonaのオリビアへがソロでOSTに参加。穏やかなミドルテンポバラードに、普段のLOONAでの活動で見せるクールな姿とは裏腹な可愛らしい歌声が載って最高の"春ソング"になっています。そんなオリビアへを擁するLOONAもクインダム2に参加!!注目ですよ!!

 

Bluelk - Call You Back(feat. Blase)

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注目のラッパーBlaseが参加してるということで聴いてみましたが、2stepビートの上で勢いのあるラップで最高にカッケェ! この辺も調べないとですね…

 

youra - Best regards

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youraが突如として新曲をリリース。ギターリフをメインに据えたトラックに相変わらずクールながら浮遊感のあるボーカル、掴みどころのない印象の曲でした。グルーヴ感の薄くアンビエントっぽいトラックがそう感じさせるのかも……。

 

Aliee - Murder On The Dance Floor

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ベテランソロ歌手Alieeが英語版アルバムをリリース。「Muder On The Dance Floor」は新規に追加された新曲で、ワルツ的なリズムに若干不穏なメロ、サビでTrap/EDM的な雰囲気に転換するのがカッコいい! ベースのグラインドが凶悪だとなんでも好きになってしまう。

 

Blase - New World

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今注目のラッパーBlaseが新曲をリリース。前述のBluelkとの作品にも近い2step×drillといった雰囲気の曲です。めちゃくちゃかっけえな……ランタイム2分半なのも今っぽい。

どうでもいいけどルックスが芸人のみなみかわさんに似てるな〜って毎回思う。

 

LEEBADA - Lucid Dream

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火気厳禁がK-R&BにハマるきっかけとなったSSWのLEEBADAが新曲をリリース! メロウなギターサウンドとちょっとクセのあるボーカルがなんともたまらんです。

 

EXN - HAMBURGER SONG (feat. lIlBOI)

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その特異な音楽性で一部の界隈から注目を集めるラッパーEXNの新曲。

SMTMで人気を集めたllIBOIを客演に迎えた今作はグランジ、ファンクっぽさもあるロックテイスト。彼女のシグネチャーであるちょっと変な調子のオートチューンがヤバいんだよな……llIBOIのシンギンラップもハマってます。

 

Jay Park - GANADARA(feat. IU)

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K-HIPHOPゴッドファーザー・パクジェボムと国民的歌手IUがコラボ!! ゆったりノレる歌モノTrapビートに言うまでもなく良い2人の歌声が華を添えています。コミカルなMVも必見。

 

Rad Museum - Off-Line(feat. DEAN, 이하이)

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Club Eskmoの一員、Rad Museumがフルアルバムをリリース!!

Club EskmoといえばDEANやMisoなどK-R&B、K-HIPHOPのオシャレなアーティストによるクルーですが、このアルバムもジャンルレスでオシャレな楽曲に多彩なゲスト陣を迎えている必聴盤です。

「Off-Line」はまさにそのDEANとAOMGの歌手イ・ハイを迎えたディスコファンク系楽曲。オートチューン(というかボコーダ?)処理されたボーカルやバックトラックに漂うフレンチディスコ感がたまりません。

 

Lil Cherry - CATWALK (feat. Rico Nasty) (prod. GOLDBUUDA)

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留まることを知らないSauce CartelのLil Cherryがなんと客演にRico Nastyを迎えた新曲「CATWALK」をリリース!HyperPop的な雰囲気もあるアッパーなトラックの上で三者三様にカマしてます。

 

meenoi - Tea time(feat. 10cm)

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nikeのモデルに抜擢されるなど韓国で人気のSSW・meenoiが新曲をリリース。落ち着いたアコギとピアノの音色にHIPHOP的なグルーヴ、feat.の10cmとの歌声のケミが最高です。

 

SURAN - Diamonds (feat. TAEYONG of NCT)

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過去このブログで「Wine」を取り上げたSSWのSURANが3rdEPをリリース。リード曲「Diamonds」には客演にNCTからテヨンを迎え、浮遊感のあるエレクトロハウスナンバーに仕上がってます。

 

今月の火気pick : Red Velvet - Feel My Rthyme

 

Red Velvetがカムバしたぞォ~~~~~~~~~~~~い!!!!!!!!!!!

祭りです祭り。𝑇ℎ𝑒 𝑅𝑒𝑉𝑒 𝐹𝑒𝑠𝑡𝑖𝑣𝑎𝑙 2022の到来ですよ。

 

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Feel my Rhythm

G線上のアリアをサンプリングしつつSMらしい実験的な要素もあるサウンド!! Aメロにはこちらも「Savage」に入ってたような若干金属的なシンセが鳴ってるしコンセプト的には全然関係無さそうなTrapのハイハットが使われてるのも良い。このフィルの音色の高揚感なんなんだろうね……最高…….。

MVの名画サンプリングも凄いな~~~と思いつつミンヒジンだったらまた違ったんだろうな……とか色々考えてしまいました。


Beg for me

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Red Velvetが「Beg for me」って!!!!!!!ちょっと!!!!!!!!!
イケイケTrapサウンドの歌モノ。とにかく低音の鳴りがハンパなく、騙されたと思って音量最大にしてイヤホンで聴いてみてください。ヤバいよ。後半差し掛かったところのラップパートがホントにカッコいい。ジョイ子のロートーンの囁き系フロウエグいって。


BAMBOLEO

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Redvelvetのシティポップ〜〜〜!! キー高めのボーカルライン、一番最初のジョイパートから華やかなデリバリーが繰り返し展開されます。終盤かき鳴らされるギターが良い仕事してますわ。

 

番外編:WILDSIDE

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そしてそしてRed Velvetは4月に日本版フルアルバム(ほぼベスト)をリリースするのですが、そこから「WILDSIDE」が先行リリース!! これまた良い曲!!

Aメロ頭の3連フロウを崩した形の譜割りだったり、サビで808ベースが爆発するTrapスタイルのトラックだったり、本国での活動とはまた違ったメッセージ性が斬新かつ最高にクールです。Red Velvet最高。あとペジュ姫の前髪。最高。好き。

 

あと力尽きて詳しくは書けなかったのですがHEIZEAproKim Mi JeongNieahの新曲もよかったですね~~~~。

今回紹介してない曲も勿論後述のプレイリストに入れてるので是非チェックしてください。

 

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ということで、3月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

 

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と、いうことで3月のカムバックアーティスト特集で御座いました。私事ですが明日アイリン様とヨントンするんですよ……考えただけで死にそう……。

ヨントンで爆死してなかったら次回はまたクリエイターの特集をやります。お楽しみに!!

 

 

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20220323/君はSATURDAYを知っているか?&公演レポート(追記あり)

当ブログで何度も取り上げているグループ、SATURDAYが新大久保で連日公演を行っているということで、動員を増やすべくグループの紹介&公演レポート&詳細情報をまとめました。

過去記事はこちら。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

SATURDAY(세러데이)について

2018年にSDエンターテイメントからデビューした現在5人組グループのSATURDAY(세러데이、セロデイ)。今どき珍しいド直球ハツラツキュートコンセプトを展開しているグループです。詳しい来歴や楽曲については上記の記事に書いたので省略しますが、最近のMVを以下に貼っときます。

 

楽曲

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メンバー

ハヌル
 
 
 
 
 
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ユキ
 
 
 
 
 
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アヨン
 
 
 
 
 
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ジュヨン
 
 
 
 
 
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ミンソ
 
 
 
 
 
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どうですか? 良くないですか??? 火気厳禁の推しは清楚ラッパーのハヌルです。

しかしこれでも売れてないのが現状(というか売れてたら新大久保くんだりまで来ない)。当ブログで何度も取り上げているのはそういった理由から、なのです。

 

公演レポート

ということで、先日公演に行ってきました。

f:id:kaki_genkin:20220323150817j:image

会場は新宿駅新大久保駅のちょうど中間あたり、職安通りにあるJ Stage O!。画像の建物の3階です。入るとすぐ受付のスタッフさんから予約の有無を訊かれるので、予約してあれば本人確認。予約してなければ当日券を購入。適当に行ったら開場してたのでそのまま入場(本来は待機列に並んでそのまま入場っぽい)。多分早めに行っといた方が前の席取れるのではなかろうか。スタンディングでキャパ80~120くらいの小さな会場ですが、8割方埋まっていましたね。

当日はメンバーのミンソの誕生日ということもあり、ミンソのソロステージがあったり、サプライズでケーキが登場したり、ファン主導のサプライズ・スローガン企画があったりなどなど特別感のある公演で良かったです。生「うぇうろ~~~泣」「うるじま~~~~泣」が聞けた。笑

セトリは持ち曲から4,5曲、カバーが1,2曲入る構成。今回行った公演は上記の通りセンイル企画があったので普段のセトリとちょっと違うと思うのですが、普通の公演であってもこれまでの経験から察するにめちゃくちゃ予習が必要ということは無いはずです。後述のプレイリストを聴いておけばほぼ確実にセトリを抑えられます。

約1時間の公演が終わると特典会があります。詳しい内容は後述しますが火気厳禁はサインとチェキ券を1枚ずつ購入。サインとツーチェキ撮りました。

半年くらいセロデイの現場行けてなかったのですが、サインの順番回ってきて顔合わせた瞬間に向こうから「ひさしぶり~~~~~!!!!」って言われて超ビビりました……いや推すやろ……。忙しくて顔出せてなくてごめん、来週も来るねーという内容を韓国語と日本語をちゃんぽんしながらお喋り。チェキもばっちり撮って会場を後にしましたとさ。

ライブの一部曲目は撮影可なので、公演の様子が気になった方はTwitterとかで調べてみてください。

 

 

 

 

これ見てもらえば分かりますけどめちゃくちゃレスくれます。最高です。

 

後に載せたプレイリストにも入れましたが、今回の公演では割と新しめの曲をカバーしてくれて「これ聞けんの!?!?!??!」と嬉しい限りでした。

 

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公演詳細

チケット詳細

各日4000円ですが、一部日程は無料(毎週木曜17:00~,20:00~)。都合の合う方は是非。以下のリンクからチケットの予約が出来ます。無料の日以外の当日券は確か4500円(今度行った時確かめます)。火木金土日の5曜日(!?)やってるので学校仕事帰りの参加も可能です。

 

ti-ma.jp

 

その他公演情報については、是非公式Twitterをフォロー&チェックしてみてください。

 

twitter.com

 

追記:公演期間中新大久保でメンバーがビラ配りしてるらしいのですが、そこでビラをもらう&初回の参加であれば無料で入れるみたいです(Twitter情報)。おそらく休日の昼帯(12~13時)にイケメン通りから新大久保駅出て右手の交差点辺りで配ってると思うので行かれる方は巡回してみては。

 

物販・レギュレーション

グッズの販売は無し、チェキ券とサイン券の2種が各1500円で売られてます。

 

サイン券

トレカにサインしてもらっている間、メンバーとお話出来ます(1枚につき20秒目安)。勿論複数枚券を買うとそれだけ長くお話出来ます。名前書いてもらえるので書いてほしい名義を伝えましょう。メンバーみんな日本語上手で凄いな~と思います。

本国対面ペンサのような感じでお互い椅子に座って喋れるのが地下アイドル・声優オタク上がりの火気厳禁的にテンションが上がったポイント。

 

 

チェキ券

ツーショット(お願いすれば推しのソロショットも可能)でチェキが撮れます。

 

撮影会

特典会の終了後に撮影タイムがあります。

火気厳禁は接近厨なので特典会が終わったらすぐ帰るのですが(笑)、カメラの腕に自信がある方や可愛いメンバーの姿を自分の手で写真に収めたい方は是非。

 

追記:よくある質問

DMで時たま「行こうと思ってるんですけど……」と相談・質問を受けるので、よくある質問をここにまとめます。

 

Q : 一人で行っても大丈夫ですか……?

A : 大丈夫です。オタクは推しを見に来ています。あなたのことは誰も見てません。

 

Q : 特典会の券って日によって売り切れたりしませんか?

A : 売り切れません。ケーステ出演グループ共通の特典券使ってるのでその分刷ってあると思います。

 

Q : ペンライトって何か指定のものがあるんでしょうか?

A : 実質無いです。数年前の初来日の時に出たペンラ持ってる人もいますが今回の公演では売ってないので、どうしても光らせたい人は市販のペンライトを持ち込みましょう。

 

Q :  セットリストどんな感じなんですか?

基本的に持ち曲から6,7曲、カバーが2曲の構成です。下のプレイリスト聴けば9割カバー出来ます。

 

総括すると「手ぶらで行っても大丈夫」です。会場で当日券買うより事前にネットで申し込み→会場受け取りの方が安いのでオススメ。

 

公演延長&5/28,29に関して

さてこの記事を最初に書いた時は4月末までの公演となっていたのでそのつもりで書いていたのですが、公演期間が5月いっぱいまで延長。そして以下の内容が発表されました。

 

 

いや~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!

 

こういうのやめてほしい~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!

 

オタクと演者双方に負担かけてどうすんねん……あと現状現場来てるオタク以外金落とさんだろうしイルデしても何も変わらんやろ……どころか「既存曲の日本語版出してまた出稼ぎ」まで見えてるぞ……。

 

会場のキャパが150人なので、28,29に行われる2部ともに満員でないと"今年中の"イルデは無いらしいです。今年以降は分からん(書いてないので)。下手したら埋まらんくてもイルデするんじゃね?と思うけどどうなんでしょうか。

 

何より僕が言いたいのは、推しに成功体験を与えてあげたいということなのです。「推しが武道館行ってくれたら死ぬ」です。

「行こっかな~どうしよっかな~」と考えていたアナタ!! 人助けだと思って是非5/28,29の両日、いやどちらかでも構いません!! 是非新大久保でセロデイに会いましょう!!!!

 

さてそんなSATURDAYの曲をまとめたプレイリストがこちら!!  セロデイの曲だけでなく2年前の1st来日公演から今までにカバーした楽曲もついでに入れときました。これさえ聴いとけば完璧に楽しめること間違いなし!! (自分の記事だとモモレンもやってたっぽいけど何の曲やってたか思い出せない……)

 

 

ということで緊急特集・SATURDAY新大久保公演レポでした。

5月末までほぼ毎日やっている&たまに無料での公演もありますので、関東近郊にお住まいの方は是非足を運んでみてくださいね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!

 

20220312/Kultural studies(Dsign Music編)

皆様アンニョン。火気厳禁です。

 

まずは先日公開した記事「NMIXX『O.O』を分析する」が多くの反響を頂きまして、ありがとうございました。実は今回の記事の方が先に書いていたのですが、「こういうのはスピード感が大事だ!」ということで急遽書き上げて公開しました。もしかすると、この記事を書くにあたって「I GOT A BOY」を聴いていたから書けたのかもしれません。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

ということで今回は特集シリーズ「Kultural studies」のDsign Music編。華々しいK-POPの世界を支える彼らの情報と手掛けた楽曲を一挙にご紹介します。

 

Dsign Musicとは

Dsign Musicはノルウェーを拠点とするプロデューサーチームであり制作会社です。韓国のプロデューサーチーム・MonoTreeもこのような形態。

主なメンバーはNermin harambasic、Anne Judith Wik、Ronny Svendsen、Robin Jenssen、そして韓国のJin by jin。らしいけどインスタにはJeL (Alex Karlsson & Alexej Viktorovitch), Bobii Lewis and Sunshine (Moa “Cazzi Opeia” Carlebecker & Ellen Berg)らの名前も。この人たちも色んなアーティストに提供してるっぽいですが、今回は割愛……。

 

 
 
 
 
 
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Dsign Musicは2009年頃から現在までK-POPへの楽曲提供を行っております。ということで今回は、アーティストごとに彼らの提供楽曲を紹介。クレジットに含まれているのを乗せますが、この人達だけで制作された訳ではないのでその点ご留意ください。曲名の後ろに()で参加メンバーを紹介しています。

 

少女時代 - Genie(NH,AJW,RS,RJ)

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2010年リリース、少女時代といえば、なこの曲。モーダルでクールなサウンドと美脚ダンスで一斉を風靡しました。

のっけからこんな話するのもアレですが、読者の皆さんはこの曲がウズベキスタンの歌手Dineyraの「Raksga tushgin」を盗作しているのではないかという疑惑があったのはご存知でしょうか。知らなかったという方は下の動画を要チェック。

 

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今こんなんあったら大問題ですね……当時もそれなりに問題にはなったと思いますが。この件に関してはお友達の浜本談子さんの有料記事(100円。激安)に経緯がかなり簡潔にまとまってるので是非読んでほしいです。

 

www.fanbox.cc

 

なんかのきっかけで見たこの曲をDsign Music側がパクった説の立場を取るとして、これがバレてやっと今のちゃんとしたSMの楽曲リメイクの手法が確立したのかな……もう10年以上経ってるし関係者にインタビューして欲しいなと思うばかりです。まあでも今もバリバリ活躍してますし「パクリました」とは言えないか。笑

 

少女時代 - I GOT A BOY(AJW)

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2013年リリース、今聴いても衝撃的な1曲。Netfixで配信中のショートドキュメンタリーシリーズ『世界の今をダイジェスト』のK-POP回ではこの曲を例に、K-POP楽曲の1曲の中で複数のジャンルを横断する構成を紹介しています。なんとジャンルの変化が9回以上行われているらしい。ヤバい。HIPHOP調の入りからポップロック調のリフ、そしてサビではアッパーなシンセが炸裂するEDMへと変化するトラックは今聴いても新鮮な驚きと感動があります。

あとMVのティパニ可愛い。

 

Red Velvet - Happiness(AJW)

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2014年リリース、デビュー曲「Happiness」。

全編通して鳴っているラテンのリズムとサビの合唱と掛け声が強烈な印象を与える楽曲です。この曲もMVで色々炎上したらしい……どうなってんのよ美術スタッフ……。デビュー曲から「幸せ」ってテーマ壮大過ぎない???

 

Red Velvet - #Cookie Jar(NH,AJW,RS)

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2018年リリース、Red Velvetの日本デビュー曲。グルーヴィーなベースが特徴のエレクトロポップ楽曲です。

カップリングの「Cause Its You」もDsign Musicの面々が参加。こちらは卒業シーズン向け?な爽やかな別れの歌です。サビのコーラスがいい……。BoAの日本語曲とか安室奈美恵とか倖田來未とか嵐とかもやってる流れで発注したのかしら。

 

Red Velvet - Hit That Drum(NH,AJW,RS)

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2018年リリース。サンバのリズムを取り入れたサマーチューンで、ピーキーなシンセがかっけえです。高鳴る胸の鼓動を太鼓に例えた歌詞が可愛らしく、サビラストのなんななんなりな~♪がジョイ子の「Hit it!」好き。

 

TWICE - Truth(NH,AJW,JJ)

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2015年リリースのTWICE最初のアルバム「THE STORY BEGINS」収録曲。ファンク、ブラスサウンドが楽しく、サビはちょっとダブステップっぽいリズム。この時期のTWICEにもこういう曲あったんや……ピルスンのイメージしか無かった……。

 

TWICE - Baby Blue Love(NH,AJW,RS)

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2021年リリースのサマーアルバム「Taste Of Love」収録曲。軽やかなディスコファンク楽曲で、今のTWICEの成熟したコンセプトを引き立てています。この次のアルバムに収録の「F.I.L.A(Fall In Love Again)」も同じメンツが参加、そして同じ路線。最高。

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ITZY - B[OO]M-BOXX(NH,AJW,RS)

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2021年リリースitzyの「Crazy In Love」収録曲。エレクトロ、ハウスの要素を取り入れたHIPHOP楽曲で、タイトルはラジカセを意味する英単語から来ているそう。[OO]の部分がラジカセの絵文字になってるってことか……! itzyってEP収録曲で結構エッジィなEDMやるよね。

 

GWSN - BAZOOKA!(NH,AJW,RS)

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公園少女が2020年リリースした楽曲「BAZOOKA!」。洗練されたハウストラックがSMエンタっぽさをかすかに匂わせるのはDsign Musicの仕事だからか~と納得しました。既存の神秘的なコンセプトから大きく逸れることなく、楽曲も今までの路線から絶妙に外したポップなサウンドがめちゃくちゃに良い。

 

Wow Thing(AJW)

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2018年にSM STATION企画でのスルギ、チョンハ、ソヨン、シンビのコラボ楽曲としてリリースされた「Wow Thing」。軽快なギターリフと矢継ぎ早に繰り広げられるボーカルワークがとにかく最高。今聞くと前述のTWICEの曲と音めっちゃ似てんな。

 

CherryBullet - Keep Your Hands Up(AJW)

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2021年リリースCherry Bullet『Cherry Rush』収録曲。知らずに聴いて「Genie」と同じイントロじゃん、と思ってたけど同じ人が作曲に入ってた!! すげえ!! けどGenieと違って明るく疾走感のあるK-POPらしいダンストラックになっています。

 

雑感

ざっと通して聴いてみると初期SMアーティストを支えたチームという印象が強いですが、ここ最近はTWICEとかitzyにも楽曲提供を行っていてそのあたりを鑑みるにやっぱり海外市場ウケを気にしている感じなのかなと思われますね。というかNMIXXの曲にDem Jointzとライアンを起用したことの伏線がここらへんにあるようなないような……。

そもそもJYPが欧米市場を意識し出したのって「YES or YES」の次の「FANCY」あたりからですよね。「I Fancy you」って英国のスラングらしいし。

 

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って思って調べたら同ミニアルバム収録の「GIRLS LIKE US」作曲にCharli XCX入ってんな……!? JYPヤバいな……。

そしてDsign Musicの面々にインタビューした動画を見つけたんですが(再生回数100回ちょい。なんで?)、全編英語だから何言ってるか全然分からん……。

 

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今回紹介した楽曲を含む、Dsign Music関連の女性アイドル楽曲を全てまとめたプレイリストを作成しました。是非ご活用ください。マジで良い曲しか入ってない。

 

 

 

参考資料

 

 

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