東京芸術劇場で東葛スポーツ『MAKE 芸劇 GREAT AGAIN』を観てきた。東葛スポーツは金山寿甲(かなやますがつ)が主催する劇団で、HIPHOP的な手法を用いる脚本・演出が特徴。2023年に『パチンコ(上)』が岸田戯曲賞を受賞するなど名実共に注目度を高めている彼らの最新作が『MAKE 芸劇 GREAT AGAIN』である。
私は2024年10月の『ドリームハウス』で初めてこの劇団を観、今回が2回目。なんとなく前方の空いている席に座ったら頭上にモニターが設置されていることに気付き少し後悔しつつ開演を待つ。Kendrick Lamer「wacced out murals」のビートジャックから別撮り映像を挟んで次はPlayboi Carti「POP OUT」。Rageの爆音に合わせNike × JACQUEMUSのトラックスーツに身を包んだ7人の役者がぞろぞろと登場。観客に囲まれる形でセットされた舞台と「眩しすぎない程度にビカビカ」な光の演出がまさにHIPHOPアクトのステージングを思わせる。結婚するまでクレジットカードが持てないという小劇場女優のリアル(ここめっちゃくちゃ知ってる曲使ってたのに思い出せずもどかしい)。
中盤では地下1F小規模ホールでの上演枠「芸劇eyes」に絡めた舞台上での視力検査からのSexyy Red & Bruno Mars「Fat Juicy & Wet」、オチは「This is America」のMVみたいだな~とか思った。演劇を再び偉大に!高い位置に! 公演にかかる費用をぶっちゃけながら、Tyler, The Createrの「St. Chroma」に乗せて演劇シーンが政権に取り込まれる危険性を歌う。この曲が収録されているアルバム『CHROMAKOPIA』のヴィジュアルではタイラーが軍人に扮しており、ヘッズならではのネタの拾い方にニヤリとさせられる(曲違ったらごめんなさい)。
東葛スポーツの舞台で度々言及されている野田秀樹の新作に出演する川上友里をTyler, The Creator「SEE YOU AGAIN (ft. Kali Uchis)」で見送ったかと思えば、ワイヤーで釣られた川上がそのまま野田の首を持って再登場。「演劇は死んだ、私が殺した」とECDを引用して劇団のオルタナティブな姿勢を誇示する。
ってかアイロニーだとしてもやっぱMAGAネタってキワキワな感じしちゃうよな〜と思いながらチケットを取り、劇中で批判的にその言葉を用いていて安心したものの、「MAKE 演劇 GREAT AGAIN」がどのような形で達成されうるのかはあんまり分からなかった。あのくだり「政府から助成金もらって大規模な演劇やればオールオッケー」的に取られかねないし……ただ客入れ中カニエ「Jesus Is King」かかってて「今カニエか……」と思ってたら劇中で「開演前にかかってた曲は全部トランプ支持を表明してるラッパーの曲」とネタバラシがあったし意図的にやってることは分かるようになってるはず。ニッキーもかかってたと思う。
YOUNG POSSEは2023年10月に「MACARONI CHEESE」でデビュー。HIPHOPの中でもTrapと呼ばれるジャンルを取り入れ、かつマカロニチーズを主題とした歌詞が”おもしろカッコいい”という独特の印象を与える。続いて2024年にリリースされた「XXL」ではK-POP・K-HIPHOPシーンの始祖とされるソテジワアイドゥル(서태지와 아이들)の楽曲「Come Back Home」をオマージュし、K-HIPHOPの文脈を自ら継承する姿勢を打ち出した。「ATE THAT」ではHIPHOPの中でもG-Funkと呼ばれるスタイルを採用。歌詞の中には90年代HIPHOPの名曲LL Cool J「Mama Said Knock You Out」、Dr.Dre, Snoop Dogg「Nuthin' But A "G" Thang」からの引用も含まれ、ポップな聴き味の中にも一捻り加わった作品に仕上がっている。2000年代の映画やゲームを思わせる質感のCGを用いたMVも秀逸で、「ATE THAT」のMVでは人気アクションゲーム「Grand Theft Auto」シリーズをオマージュ。HIPHOPジャンルの全面的な採用だけでなく、メンバーの確かなラップスキルとHIPHOP通をニヤリとさせるストリートカルチャー由来の小ネタがK-POPのファン層だけでなく音楽ファンからも広く注目を集めるきっかけとなった。
YOUNG POSSEの特異な点は、単にHIPHOPを一スタイルとしてのみ採用するのではなく、自分たちの手で音楽を作るという精神にある。ラップメイキングや作詞にもメンバー自身が積極的に関わり、LE magazineのサイファー企画「Sloppy Freestyle」にもアイドルグループとして初めて出演。最近では人気HIPHOPサバイバル番組「SHOW ME THE MONEY」シーズン12の参加応募映像がinstagram上で約48万回再生(執筆時点)を記録するなど広く注目を集めている。
国内外のプロデューサー / クリエイターによるクオリティの高いプロダクト、そしてメンバーの圧倒的なスキルで注目を集めるYOUNG POSSE。88risingが主催する音楽フェス「Head In The Clouds」ニューヨーク公演への出演も果たすなど、その人気は韓国国内に留まらない。日本においては音楽フェスへの出演やインストアイベントでの来日はあったものの、本格的な単独公演は大阪・東京の2会場にて開催される「J.E.T TOUR SERIES」が初めてとなる。K-POPシーンで一際異彩を放つスーパールーキー・YOUNG POSSEのエネルギッシュなパフォーマンスを是非、生で味わって頂きたい。
衣装チェンジを挟み、再びアイリーンとスルギが登場。最初の衣装よりやや装飾は控えめ、禁欲的なレザースーツにタイツの組み合わせがコケティッシュ。KISS OF LIFEジュリーが参加した「What's Your Problem?」ではラップパートを2人が交代に担当し、ライブならではのアレンジにニヤリとさせられる。続く「Heaven」でもBoombap / HIPHOP調のトラックに載せた甘美な歌唱で観客を魅了。スルギが首でノッてるのが良かった
しばらくの暗転の後、ステージにふっと降ろされた白い幕に花の蕾の映像が投射される。薄桃色の花がゆっくりと咲いていき、アイリーンのソロ楽曲「Like A Flower」が流れ始める。この曲のパフォーマンスからは彼女の楚々とした雰囲気と迫力が同時に感じられ、アマピアノやアフロビーツ系のリズムを活かした足技中心のダンスも軽やかかつ大胆。たなびく真っ白なトップスと長髪が女神のようだった。続くスルギのソロ楽曲「Baby, Not Baby」では爆音のギターリフと凄まじい精度のダンスにゾクゾクさせられる。2人の相反する魅力のギャップが痺れるような舞台だった。 再び揃いのレザー衣装に着替えると今日の公演を振り返りつつ、「もう最後の2曲しか残っていません……」と名残惜しそうに次の曲へ。サビの伸びやかなボーカルが小気味良いロックナンバー「Girl Next Door」、ユニットとしてのデビュー曲「Monster」を披露し、ステージを後にした。
イブ様新曲はなんとピンクパンサレスとのコラボ!! PAIX PER MILからのデビューから一貫してクラブ感/ハイパーポップ文脈を打ち出すイブですがなんと双方のファンの熱望によりこのコラボが実現したとのことで、ファンダムの近さと事務所のフットワークの軽さに驚きです。そもそもピンクがKポファンというのもあるが
Jay Parkにその才能を見出されて以来韓国HIPHOPシーンのトップを走り続けるpH-1がフルアルバム『WHAT HAVE WE DONE』をリリース。彼のビートに対するアプローチの仕方が存分に楽しめる全16曲、いわゆるラップ!HIPHOP!といった気持ち良さのある「KEEP IT ON THE LOW」や「CRASHINNN OUTTT!!!」も良いしTHAMAやMin Jiwoonを招いたR&B、SUMINによるドラムンベース、まさかのNMIXXヘウォン参加楽曲……とどこを切っても美味しいアルバムです。必聴。
スミンスロムに並ぶ男女アーティストコラボ来たぞ……!!!!!AOMGが誇る歌姫DeVita、Ambition所属ラッパーDON MALIKがコラボアルバム『Love is a Song』を発表。楽曲のプロデュースには本人たちに加えDON MALIKの近作に関わっているLIXXとLGNDR homeboy、AOMGからなんとGRAY……などなど間違いないプロデューサー陣が参加。洒脱なビートに2人のラップと歌が絡む構成がとにかく心地よい……!! Ambitionがよくやるアルバム全曲試聴動画では2人がピクニックしててかわいい。