火気厳禁のハングル畑でつかまえて

火気厳禁のハングル畑でつかまえて

半地下のオタクがK-POPを語るブログ

20221112/旧譜digレポート vol.4(BVNDIT編)

皆様アンニョン。解散済みグループ特集「旧譜digレポート」シリーズ第4弾、突如解散が発表されたBVNDITの楽曲を紹介していきます。泣きそう。いや泣いてる。

 

BVNDITとは

BVNDITは2019年デビューの5人組ガールズグループ。所属事務所のMNHエンターテインメントにはあのチョンハが在籍。BVNDITというグループ名は「Be Ambitous N Do IT」の頭文字を取ったもので、“大きな夢を抱いて進め! ”という意味が込められています(泣)。

さてここからはデビューから解散までのディスコグラフィを時系列を追って紹介していきます。

 

BVNDIT, BE AMBITIOUS!

Hocus Pocus

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2019年4月10日にデジタルシングル「Hocus Pocus」をリリースしてデビュー。最初の作品にその作者の全てがあるとはよく言ったものですが、デビュー曲「Focus Pocus」には最終作まで一貫して持っていたラテン系のコンセプトがここから始まっていることが確認出来ます。とはいえそこまで個性的でもなく、デビュー作らしいと言えばデビュー作らしいこの「当たり障りの無さ」はご愛嬌。

 

My Error

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カップリング曲「My Error」は片想いの辛さ、心の痛みを歌ったしっとりスタンダードR&B。もう言葉要らん。こんなん良いに決まってる。聴いてください。そして火気厳禁と一緒に「1stシングルにこんな良い曲が入ってるグループが売れずに解散してしまう」という事実に打ちひしがれてください……。

 

Dramatic

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続いてリリースされたシングル「Dramatic」はほとんど「Hocus Pocus」の続編のような仕上がり。MVの予算無さそう感凄すぎるな……。ダンプラじゃんこれ。

 

Be!

Dumb

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デビュー年の11月5日に1stミニアルバム「Be!」がリリース。これまでのシングル収録曲にイントロと新曲2曲を加えた構成になっています。リード曲「Dumb」はトロピカルハウスとラテン(ムーンバートン?)の融合といった雰囲気で前2作に比べると「どこが違うかわからないけどなんかこっちの方が良い」と思わせる魅力があります。思い返すにこの頃ってなんか中小グルみんなラテンぽい感じの曲やってましたよね……。

 

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Cool

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2020年2月6日にシングル「Cool」をリリース。金属っぽいサウンドが耳を惹くイントロから808ベースブンブンの展開がまさに「Cool」。ビート感のゴリ押しに美麗ボーカルが乗るトンチキ/狂気。アートっぽいMVの演出が当時は『パラサイト』っぽかったですが今見ると普通にメンバーの顔があんまわかんないっていうアイドルのMVでは致命的な欠点を抱えてますねこれ……。

 

children

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「Cool」に引き続き路線変更に挑戦したシングル「children」。STAYC『YOUNGLUV.COM』より2年早いドリーミー・ベッドルーム・アイドルソング。キラキラのトイピアノが子供時代へのノスタルジーを誘います。ただやっぱ玄人ウケが過ぎる感もあり。それこそSTAYCは「ASAP」→「STEREOTYPE」で知名度とファン層を固めたあとにあのEP出した訳だし……。アニメMVもオシャレですがやっぱメンバーの顔がわかんねえのよ……。

 

Carnival

JUNGLE

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同年5月13日、2ndミニアルバム「Carnival」をリリース。リード曲「JUNGLE」は原点回帰のラテンナンバー。リリース当時の海外圏でのレビューを読んでみると「ガールクラッシュの流れでこういうコンセプトが流行っているが~」みたいなことをよく書かれており、それはそれで隔世の感があります。今だったらこれをガルクラとは言わないと思いますが、その今のガルクラの流れを作ったitzyのデビューは2019年頭なのでこの時期がちょうど潮目なのだと言えなくもない。MVの予算感も何故か格段に上がっています。ホントになんでなんだこれ……。

 

Re-Original

Venom

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スンウンのサバイバル番組『Girls Planet 999』出演を経て2年ぶりのリリースとなった3枚目、そして事実上の解散ミニアルバムとなった『Re-Original』。リード曲「Venom」は中毒性の高いダンスナンバーで、ブリッジ部分にギターが入ったりダンスブレイクがあったりとリスナーを惹きつけ続けるギミック盛り沢山。ヴィジュアルもバチバチに決まってるのに……どうしてこんなことに……。

 

Awaken

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リード曲でこそないもののアルバム収録曲「Awaken」は今までのラテン路線を引き継いだ楽曲になっています。どちらかというとムーンバートンではなくフラメンコ的なサウンドとデンボーのリズムの組み合わせですが、この路線のBVNDITはやはり良いということをミニアルバムの中で再確認させてくれる1曲でした。

 

ということで、突如解散してしまったBVNDITの楽曲紹介でした。推測しつつまとめると、チョンハの妹として「Gotta Go」路線のトレースからスタートした彼女達のキャリアでしたが、「Carnival」期には挑戦の幅も増えそしてそれぞれの楽曲の質が高いという本当に理想的な状態になっていっている感じだったのにコロナ禍に突入、ガルプラ参加→カムバックも成績振るわずで契約打ち切り、といった感じでしょうか……。本当に残念です。が!! 彼女達はいなくなった訳ではありませんので!! これからのメンバーたちの活動にも注目していきますよ!!!  何かあったら当ブログで随時アップしていきますので読者登録や私火気厳禁のTwitterフォローよろしくお願いします。

今回紹介したBVNDITの全楽曲をまとめたプレイリストを作成しました。ぜひご活用ください。

 

 

 

それではまた次回。

 

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20221105/K-POPアイドルに着てて欲しいファッションブランド 23’SS

世界中のK-POPファンの皆様、そして世界中のファッションラバーの皆様ごきげんよう。火気厳禁です。気分が変われば布を取っ替え引っ替え、一つの体に無数の服、二本の脚に無数×2の靴。毎日着倒れ履き倒れ。街もネットも買い物天国。会計は勿論「カードで」。あのビルこのビル渡り歩いて紙袋の中には冬なのに半袖が沢山。半年先を生きるファッショニスタ、韓国と日本に時差は無いけれど、モードとリアルには時差があるのです。さて今回は「K-POPアイドルに着てて欲しいファッションブランド 23’SS」と題しまして、半年先を生きる推しのウォークインクローゼットの中身を妄想します。私火気厳禁がファッション都市ソウルと東京を繋ぐべくお届けする「ハングル畑でつかまえて」、今夜の1曲目はPizzicato Fiveで「買物王のテーマ」です。

 

youtu.be

 

改めまして皆様ごきげんよう。火気厳禁です。今回は「K-POPアイドルに着てて欲しいファッションブランド 23’SS」と題しまして、パリ・ミラノ・東京で発表された2023年春夏コレクションからとにかくK-POPアイドル(女子)に着てて欲しい~~~!!と思うブランドについてあれやこれや書いていきます。最初に書いた「着てて欲しいブランド」特集記事はこちら。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

と、本題に入る前に小噺を一つ。トキオ、ソウル、ロンドン、ニューヨークと言えば日本に第二次K-POPブームを巻き起こした少女時代の名曲「Mr.TAXI」の一節ですが、この四つの都市には共通点があります。見識がお在りの皆様ならお分かりかと思いますが、四つの都市にはすべてファッションウィークが存在し、特にロンドンとニューヨークは世界四大ファッション都市に含まれます。では残りの二都市は、と言うと、これも読者の皆様ならご存知のはず、フランスはパリ、そしてイタリア・ミラノで御座います。少女時代「Mr.TAXI」は、来るべきK-POPとモード界の蜜月を予言していた、というのは、私の考え過ぎでしょうか。

 

Paris

Dior

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さてここからは実際に「着てて欲しいブランド」の紹介に入ります。

マリア・グラツィア・キウリ率いるDiorが今季のテーマに選んだのは16世紀の貴族カトリーヌ・ド・メディシスバロック様式の装飾、官能的なコンテンポラリーダンスと共に披露されたのは貴族のドレスを現代的に解釈した美しいピースの数々でした。クリノリンスカートやコルセットの古典的なシルエットを引用しつつ、適度に肌見せを入れることによって春夏の爽やかさを演出。STAYCメンバー……特にユンとセウンがこういうの着てるの見たい。STAYCって画報系のグラビアやってたっけ? やってたら教えてください。

 



 

メゾンのあるパリ市街のプリントや職人の手仕事が光る繊細なレース、控えめで可愛らしい花柄使いもグッと来ました。カラーパレットは白・黒・ベージュの3色のみとかなりシンプルで、バロック様式の荘厳さを取り入れつつフェミニンさもある素晴らしいクリエイションです。

 

 

 

STELLA McCARTNEY

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ステラ・マッカートニーはローライズのパンツやオーバーサイズシルエットのダブルジャケットなど、ロックカルチャー~Y2Kテイストを提案。セクシーでマスキュリン・フェミニン的なアプローチはここ最近のストリートスタイルとも共通しますが、特にアクセサリー/バッグのHIPHOPっぽさがたまらんです。カッコいい。この辺はWJSN THE BLACKの皆さんに着て欲しいですね。

 

 

 

ジャンプスーツなどのミリタリーテイストや、デニム地のセットアップ、レザージャケットなどトレンドを抑えつつリアルクローズとしての強度も兼ね備えたコレクションでした。このバッグのぶっといチェーンが良いのよ……。

 

 

 

Mirano

PRADA

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ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズのコラボレーションは今季も好調。「Touch of Crude(粗い手触り)」というテーマの下、フォーマルなアイテムに紙のような素材やシワ加工が用いられました。夜を表現したという暗い会場で行われたショーは、PRADAの持つ研ぎ澄まされた感覚が緊張感を持って表現されています。

 

 

 

ニットやパンプスは勿論、何よりベビードール風のワンピースがむちゃくちゃに可愛い。来年春頃IVEのメンバーが着てるんやろな……。永野芽郁とサナのツーショが実現したのもこのショーでした。

 

 

 

VERSACE

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あらゆる領域でY2K復古の流れが到来している中、トレンドド真ん中の「最高級ギャル服」を打ち出したのがVERSACEでした。ゴシック、というかゴスと形容したくなるショーの演出に黒、紫、ピンクとドギツい色彩感覚はクロミちゃんを思わせます。なんとラストのモデルにはサプライズで元祖ギャルセレブリティのパリス・ヒルトンが登場、Y2K復古を高らかに寿ぐショーでした。

 

 

 

印象に残ったのはなんと言ってもこのレザー使い。aespaの皆さんVERSACEどうすかね? SMのスタイリストさんこれ読んでたら是非着させてくださいません???

 



 

MOSCHINO

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イタリアンブランドっぽい派手で陽気なメゾンと言えば、なMOSCHINOは「インフレーション」をキーワードにその派手さを更に強調。浮き輪のモチーフを随所に用いてキュートでキッチュ、それでいてコケティッシュなムードを演出しています。WJSN Chocomeのステージ衣装はMOSCHINOじゃなきゃダメ。この一言に尽きます。

 



 

 

Tokyo

FETICO

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舟山瑛美もよる2020年デビューのブランド・FETICO。ボディコンシャスなデザインを特徴としつつ、上記STELLA McCARTNEYなどの提案する”強さ”とは違った凛とした女性像を提示しています。

 

 

 

舟山氏は元クリスチャンダダのデザイナーということで、どことなく漂う毒っ気も納得。ってかここのお洋服「Psycho」でRed Velvetが着てなかったっけ??? 

 

 

 

support surface

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support surfaceは研壁宣男が手掛けるブランド。立体裁断によるパターンメイキングはISSEI MIYAKEにも通じる建築的なアプローチが見られますが幾何学の形態ではなくあくまで柔らかい印象。着る人の振る舞いや周りの環境によって揺らめくシルエットが素晴らしいです。少年っぽいパンツルックも可愛いですね。NewJeansのメンバーこんなん着ても似合うんだろうな~~~!!

 

 

 

 

HYKE

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adidasやporterとのコラボレーションでも有名なHYKEは、今季もミリタリーテイストやヴィンテージの雰囲気を上品に再解釈。ネイビー、カーキ、ボルドーの色使いもテンション控えめでシックな印象を受けました。

 

 

 

もうこんなんK-POPアイドルみんな着てて欲しいんですが(笑)、BLACKPINKジスとか似合いそうですね。ミリタリーアイテムなのにゴツさをまったく感じさせないのが凄い。逆にウォニョンとか着てたらどうなんだろう。見てみたい。

 

 

 

 

 

ということで「K-POPアイドルに着てて欲しいファッションブランド 23’SS」でした。ニューヨークとロンドンはまだ見れてないんですよね~~~。いやー、ファッションって本当に良いもんですね。次回もお楽しみに。

 

参考資料

画像は以下記事から引用しております。マズかったら消します。

 

 

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20221029/K-POP定期便(10月カムバ特集)

皆様ごきげんよう。今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集ということで、今夜の1曲目はaespa「Girls(BRLLNT Remix)」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

グループアーティスト

IRRIS - BYE BYE

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新人グループ、IRRISのデビューEP収録の「BYE BYE」のMVが到着。表題曲ではないとはいえ新人グループにしてはちょっと異様、というか、異様に落ち着いて上質なトラック。こんなんあったんだ~!と驚きました。

 

MAMAMOO - ILLELLA

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契約更新のニュースも記憶に新しいMAMAMOOがカムバック。リードトラック「ILLELLA」はレゲエ調のビートの上でメンバーのソウルフルな歌声が炸裂する情熱的なナンバーで、彼女達の歌唱力と持ち味であるパワフルさが存分に味わえます。

 

DreamCatcher - VISION

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DreamCatcherは相変わらずのアニソンロック~メタル路線ですが「TOMBOY」流行を経て逆にシーンのド真ん中サウンドになってる感すらあります。すごい。

 

(G)I-DLE - Nxde

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前作「TOMBOY」が韓国内で大ヒット、メンバーのソヨンが自らプロデュースを手掛ける(G)I-DLEの新作はなんとマリリン・モンローをモチーフとしつつ、「ありのままの私」が「Nude」なのであって決して「裸」を意味するものではないと喝破する彼女達らしいコンシャスでかつ大衆性のある楽曲です。Netflix「ブロンド」が大スベリしているのと好対照ですね。

 

LE SSERAFIM - ANTIFRAGILE

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これについては別記事で詳しく書いたのでそちらを読んで下さい。

kaki-genkin.hatenablog.com

 

VIVIZ - Rum Pum Pum

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元GFRIENDシンビ、オムジ、ウナの3名からなるグループVIVIZがK-POPファンダムプラットフォームUNIVERSEとタイアップしたシングルをリリース。壮大過ぎるヴィジュアルイメージとは裏腹に軽快なNJSジャンルで、かつメンバーのキャラの立った歌声とボーカルラインの設計によって絶妙にセクシーな印象。良いです。

 

ALICE(ELRIS) - DANCE ON 

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ERLISがALICEに改名、だがAppleMusicでは普通に元の名前で出てくる謎。改名後一発目はしんみりバラードでちょっと……な感じでしたが今回のシングルリードトラック「DANCE ON」はタイトルに違わずディスコ意識のダンスチューン。MV演出の全体的な古さ(なんか2018年くらいのK-POPっぽい)もむしろ愛らしいです。シングルのカップリング「LAVISH LIGHT」はおまごる「Eden」を想起させるストレンジさと可愛らしさが一体となった楽曲でこちらもオススメ。エリス、売れろ!!!!!!あと日本来て「Pow Pow」聞かしてくれ!!!!!!!

 

CLASS:y - Tick Tick Boom

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オーディション番組発のCLASS:yが3rdシングルをリリース。「Tick Tick Boom」はまさかのド直球ラテンで元気!ナマイキ!といったイメージから一転大人っぽい魅力を発揮しています。カップリング「ZEALOUS」はライアンの手癖みたいなイスラエルポップリファレンスです。そちらでは従来のイメージ、こっちではまた違った雰囲気でといった意図でしょうか。

 

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ソロアーティスト

クォン・ウンビ - Underwater

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元IZ*ONEのウンビが2回目のカムバック。我々の期待を裏切らない仕上がり。EP自体素晴らしく聴き応えがあるのですがディープハウス「Croquis」、作曲にパクムンチが参加した「Flash」が特に気に入ってます。

 

LEE CHAE YEON - HUSH RUSH

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上のウンビに続いてイチェヨンもソロデビュー! しかもなんと制作は「Incomiiiiiin’」でお馴染みDem jointz!! ということでリードトラック「HUSH RUSH」はどんなものかと思いきや今までの氏の提供曲のイメージを覆す 楽曲。素朴ながら耳を惹く彼女の歌声も素晴らしいです。IZ*ONEやっぱ12人いたからな……パート少ないの仕方ないけどこれが埋もれかけてたとは……。

 

JO YURI - Loveable

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そしてこちらも元IZ*ONEチョユリが3枚目となるEPをリリース。彼女のパブリックイメージに沿ったような愛らしい楽曲「Loveable」。なんか将来的にIUのような立ち位置に行きそう。

 

unofficialboyyy & Jazzy Moon - khalifa(feat. Young B)

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最近だとWay Chedとのコラボアルバムが印象深いunofficial boyyが次に組んだのはJazzy Moon。前作より硬派でストリート感の強いビートにいなたいフロウが乗ったど直球HIPHOPアルバムになっています。久々にYoung Bのラップ聴けて嬉しい。モダンなブーンバップ、というとDSEL、Kid Milliもこの系統の作品を出してたのでやっぱり最近流行ってる……?

 

JAMIE - 3D Woman

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ラッパー・JAMIEがニューEPをリリース!! 前作「Pity Party」では流行りのディスコファンクテイストを取り入れたガッツリの歌モノでポップさを意識した雰囲気でしたが、今回のリードトラック「3D Woman」はかなりDoja Catを意識したと思われるフューチャリスティックなR&B。同EP収録の「Girl」もかなりそっち寄りのHIPHOPチューンです。特筆すべきはEPの豪華プロデューサー陣、つい先日JP THE WAVYとジョイントEPを出したばかりのBankroll get itにWay Chedとシーンを横断する人選でかつ楽曲のテイストもかなり幅広くて面白いです。

 

Jvcki Wai - Go Back

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Jvcki Waiが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!カムバック!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!しかもAOMGから!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

彼女は独特のルックスとラップスタイルでカルト的な人気を獲得しているラッパーでしたが2年ほど前からシーンに姿を見せていませんでした。当時はindigo所属でしたが復帰作となる今作は韓国最大手HIPHOPレーベルAOMGからのリリース。どゆこと???

楽曲のジャンルとしては「ANTIFRAGILE」と同じレゲトンですが特徴的なオートチューン使いだったり節回しが驚くほどビートにマッチしてますね。これからも色んな曲出してくれ~~~~~🙏🙏🙏

 

Xaxa & Santa Paine - What is Love (feat. OLNL)

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SSWのXaxaがビートメーカーSanta PaineとコラボEPをリリース。以前から共同で曲を作っていた2人だけあって相性バツグン、若干の物悲しさを湛えたビートにレイジーなXaxaのボーカルがよく調和しています。

 

CHANNEL 201 - Talk To Me (Feat. Ellui, dori)

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DAUL, Noair, plan8の3名によるプロデューサーユニット・CHANNEL 201の新曲はシンガーElluiとdoriを迎えたポップなR&B。Elluiさん初めて聴いたけど爽やかなボーカルがとてもいいすね……。

 

SAAY - Talk 2 Me Nice

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aespa「Lucid Dream」の制作にも参加していたSSWのSAAYがフルアルバムをリリース! 先行するシングル「ALARM」「Summer In Love」も収録されている今作は「S:INEMA」のタイトルの通りノワールな雰囲気のジャジーでブルージーな楽曲が盛り沢山。随所に入るコブシがたまらなくカッコいいです。余談ですがこのタイトルどうしてもTravis Scott「FRANCHASE」を思い浮かべてしまいます。

 

今月の火気pick : SEULGI - 28 Reasons

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Red Velvetのスルギがソロデビューーーー!! めでたい!!!

タイトル曲「28 Reasons」はビリー・アイリッシュ直系ベッドルーム・ダークポップ。スルギの真っ直ぐで凛としたボーカルで歌われる狂気と愛に満ちた歌詞にゾクゾクしてしまいます。ダンサーを従えたパフォーマンスも圧巻。

EPも流石SMといった仕上がりで全曲素晴らしいのですが、特に気に入っているのはラッパーBE'Oとのコラボ曲「Bad Boy, Sad Girl」ですかね~~~曲もポップなノリのHIPHOPベースR&Bって感じで良いし歌詞のいじらしい感じもかわいい~~~~~……。

 

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タイトル曲のテイストに近い「Dead Man Runnin'」もかなり好きです。スルギはシリアスな質感の歌詞とかコンセプトとか曲調が本当に似合う。

 

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時間の関係で詳しく書けませんでしたが重鎮DynamicduoがLeeramarzを迎えた「She Gonna Stop」、説明不要meenoiの新曲「faraway」、Kインディーシーンで一番タトゥーがイケてるPURFLAMINGOの「Summertime」、ベッドルーム~エモ系シンガーBansemが今をときめくラッパーBlaseと組んだ「sweet room」などなどなどなどなどオススメ曲沢山!!! これ以外にも色々下記プレイリストに入れているので是非チェックしてみてください。

 

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ということで、10月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

ということで10月のカムバックアーティスト特集でした。次回もお楽しみに!!

 

 

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20221022/LE SSERAFIMの体現する反骨精神――デムナ・ヴァザリアとの共鳴

はじめに

「私の首を切ってみて」と彼女は言った。しかし私が本当に興味があるのは、彼女が本当に不死であるかどうかよりも、何が彼女にそう言わしめるのか、ということだった。だから私は、剣と松明ではなく、震える指で言葉というメスを取る。自分が腕の良い外科医でないことは重々承知しているが、それでもその内臓や、骨の髄や、無意識に潜んでいるはずのその"何か"を見つけるために。

LE SSERAFIM。CHANELを意識したと思われるグループ名のロゴデザインと、かのブランドの創業デザイナーと同じく天使の名前を持つ彼女達。2作目となるEP『ANTIFRAGILE』も素晴らしい出来で、百花繚乱たるK-POPシーンの中でも一際目立つ存在感を放っている。

私は前作「FEARLESS」に続き、再び彼女達の挑発に乗ってみようと思う。彼女達の表現する「ANTIFRAGILE」という概念は、一体何処から来ているのだろうか?

 

天使か、怪物か

LE SSERAFIMについて

BTSを輩出したHYBE(元Big Hit)傘下のレーベルであるSouce Musicから2022年の5月にデビューしたガールズグループ・LE SSERAFIM(ルセラフィム)。元IZ*ONEのサクラ、チェウォン、IZ*ONE結成のきっかけになったサバイバル番組『PRODUCE48』に出演していたユンジンに加え、練習生だったウンチェとカズハからなる現在5人組のグループだ。デビュー当初はこれにガラムを加えた6人組だったが、元同級生の校内暴力に関する告発により脱退を余儀なくされてしまった。この一連の騒動は本稿の主題でないので詳しくは触れないでおく。

デビューEPのリードトラック「FEARLESS」はグルーヴィなベースサウンド主体のダンス・ポップで、中毒性の高いサビのリフレインやダンスが特徴だ。韓国のHANTOチャートではアルバム発売日に約17万枚の売上を記録し、当時のガールズグループデビューアルバムの売上最高枚数で1位となったほか、世界各国のiTunesチャートでも1位を獲得するなど話題を集めた。

 

LE SSERAFIM - FEARLESS

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LE SSERAFIMのモード感覚

このグループの魅力は、何と言ってもその「高級感」「モード感」だろう。筆者は以前、彼女たちのヴィジュアルイメージがファッションエディトリアルを志向しているとし、パリモード由来のエレガンスを獲得しつつあるグループとして紹介した。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

舞台衣装としてハイブランドの服を着ることが一般化しているにも関わらず、ここまで本格的にエディトリアルをリファレンスしヴィジュアルイメージを作っているグループは他にいない。新人グループなのにここまで凝ったイメージを制作出来るのは事務所の資本力も1つの要因と言える、しかしそれ以上に、K-POPシーンの時流を読んだ上でのプロモーション戦略として捉える方が正しいだろう。

K-POPはPOPであり、大衆文化であり、消費されていくものである。1週間、1ヶ月、長くて1年の間、配信チャートのランキングを賑わせた曲も――ファッションと同じように――そのうち古くなってしまう。だからこそ、独自で最新、それでいて突飛過ぎず皆が良いと思えるようなイメージを作り出すことが至上命題となる。LE SSERAFIMは、今までもファッション誌のグラビア等でK-POPファンの目に触れていたファッションエディトリアルの要素、またガールクラッシュと呼ばれるガールズグループ界隈で流行しているコンセプトを取り入れつつ、それでいて目新しさのあるバランス感覚に優れたイメージを創出している。

 

LE SSERAFIM「ANTIFRAGILE」分析

K-POPにおけるティザー、MVの役割

さて、新曲「ANTIFRAGILE」に関連する種々の映像を見る前に、K-POPにおけるティザーやMVの役割について抑え直しておこう。

K-POPファンにはお馴染み、新曲のリリース前に必ず発表されるティザーは、新曲の予告として楽曲の一部だけを公開したり、それに伴うビジュアルイメージを先行して公開する画像、動画をいう。焦らすもの、といった意味のTeaserの名の通り、ファンの期待感を煽り、SNS上で注目を集めるための手段である。

田中絵里菜『K-POPはなぜ世界を熱くするのか』によると、このティザーの文化は2008年に当時JYPエンタ所属のチョンビョンギがWonder Girlsのプロモーションの一貫として始めたのだという。それから各事務所が追随し、更に当時SM所属のミンヒジン氏がf(x)の新曲リリースに際してMVとはまた違ったコンセプトムービーをティザーとしてリリースしたことで現在の形に落ち着いたようだ。今やティザー映像は単に新曲を予告する短い動画というだけでなく、グループの打ち出す世界観を表現するものでもある。新曲のリリースを控え、ファンの期待に応えつつ、初めて観る人にも十全にそのグループや楽曲の世界観を伝えるために制作される映像なのだ。

 

ティザー「The Hydra」

続いて、LE SSERRAFIM「ANTIFRAGILE」のティザーとMVを見ていく。先にも書いた通り、LE SSERAFIMはデビュー当初からハイファッションを意識したイメージを打ち出しているが、今回のカムバックに際して公開されたティザーにもそれは引き継がれている。

 

LE SSERAFIM ANTIFRAGILE TRAILER 'The Hydra'

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彼女達の2回目のリリースとなるEP『ANTIFRAGILE』のティザー映像では、スケートボードを駆って登場したウンチェがコンテナに書かれた貨物の「取り扱い注意」を意味する「FRAGILE」に赤いスプレーで「ANTI」と書き足してEPのタイトルを表現する。メンバーはそのままコンテナを強奪し埠頭まで移動、積み込まれていた衣装を着てランウェイを闊歩。前作のティザーでもランウェイのシーンがあったが、CHANELPRADAのロゴが目立った前作に対して今回はオリジナルアイテムも多く見受けられ、メゾン・LE SSERAFIMのショー映像を見ている気分にさせられた。白黒を基調とした衣装のカラーパレットは、今作のロゴに用いられている金継ぎのゴールドとそして黄色、そしてデニムの薄い藍色が加わり、シックで洗練されていながらも前作に比べると軽やかな印象を受ける。

ティザーに登場する、スケートボード、グラフィティ、そしてランウェイ――、これらは近年モード界の中心に居座るラグジュアリーストリートの換喩として用いられている。故ヴァージル・アブローを旗手として、マシュー・ウィリアムズ、ジェリー・ロレンゾ、ルーク・メイヤー、デムナ・ヴァザリアなど新進気鋭のデザイナー達が手掛けるハイエンドストリートウェアがモード界を席巻して久しい。2016年デビューのBLACKPINK、2019年デビューのitzyらが既にラグジュアリーストリート的なスタイリングを採用しているが、グループのクリエイションを統一するコンセプトとしてこれらの意匠を取り入れたのはLE SSERAFIMが初めてであり、そしてK-POPにおけるこの路線の最高到達点を更新し続けていると言っていいだろう。

 

ウンチェが手にするオリジナルのスケートボードは、メゾンブランドとスケーターブランドのコラボレーションから着想したものだろう。2017年のLouis VuttonとSupreme、2021年のGUCCIとスケーター上野伸平、2022年のPOP TRADING COMPANYとPALACEがそれぞれBURBERRY、再びGUCCIと、スケーターたちが立ち上げたブランドと伝統あるメゾンのコラボレーションは珍しいものではなくなっている。ちなみに、BALENCIAGAの2023 SSショーティザー映像では、パリの街路をスケーターが駆ける様子を写している。

 

BALENCIAGA Summer 23 Collection Teaser

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貨物船のコンテナが積まれた埠頭でのファッションショー、という風景はLouis Vuttonの21SSのショーを想起した。これもヴァージルが手掛けたものである。

 

Louis Vuitton Men's Spring-Summer 2021 Show in Tokyo

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黒い衣装を纏ったスケーター達はKanye West(Ye)の「Heaven and Hell」のビデオを想起させる。このビデオの衣装はカニエ本人のブランドYeezyとメゾンBALENCIAGA、そして衣類量販店のGapによるコラボレーションによるもので、顔を覆うマスクと統制された色のトーンは見る者に緊張感を与える。LE SSERAFIMのティザー映像でもスケーターたちの顔は映らない。

 

Kanye West - Heaven and Hell

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前作のティザー「The World Is My Oyster」と今作「The Hydra」を比較してみると、前作はモデルのオーディション~バックステージ~キャットウォークと、ファッションショーのパブリックイメージを再現する意図が感じられるのに対して、今作はかなり現行のモードの動向も取り入れた作りになっている。BGMとリンクした演出は前作と共通しており、今作では印象的な夜→昼の場面転換に使われている。オリジナルのアイテムも前作より大幅に増えたように見受けられ、衣装も含めLE SSERAFIM独自のイメージとして強度が増している。

 

FEARLESS TRAILER 'The World Is My Oyster'

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余談だが関係者にはオリジナルロゴ入りのショッパー(紙袋)が配布されているようだ。筆者も欲しい。

 

 
 
 
 
 
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「ANTIFRAGILE」MV

続いて公開されたEPのタイトル曲「ANTIFRAGILE」MVでは、前作と同じくティザー映像とはまた違った演出が展開されている。

 

LE SSERAFIM - ANTIFRAGILE

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この曲はレゲトンというジャンルに分類される。ラテン圏を中心に発展してきた音楽ジャンルで、独特のリズム感が特徴だ。Bad Bunny、ROSALÍAと立て続けにこのジャンルの人気アーティストのアルバムリリースがあり、2022年はレゲトンシーンが盛り上がった。「ANTIFRAGILE」はROSALÍAを意識しているようで、デンボーのリズム感やピーキーなシンセサウンド、BMXが走り回る演出は勿論、歌唱における独特の節回しやブリッジ部分の猫~ライオンのような振り付けまで「SAOKO」や「CHIKEN TERIYAKI」からリファレンスしていると見受けられる。

 

ROSALÍA - SAOKO

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ROSALÍA - CHICKEN TERIYAKI

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衣装にはもはやここ最近の定番と言っていいBALENCIAGAやGCDSに加え、MARC JACOBSHYSTERIC GLAMOURの採用からはY2K的な可愛らしさ、ポップさを感じる。

 

 
 
 
 
 
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ユンジンの派手なメイクはHBOドラマ『EUPHORIA』から影響を受けたものだろう。ティザーで展開したモードの要素は抑えられ、リスナー層にも多く存在するだろう若い女性層の肌感覚のトレンドを取り入れたスタイリングが目立つ。

 

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looks of euphoria | season 2 | hbo (メイク解説動画)

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やはり、と言うべきか、今回のMVでもティザーに見られるようなファッションエディトリアル的な演出はほとんど無い。前作の分析では「楽曲自体がグルーヴィーであるために、MVでは身体と音楽の曖昧な関係から来るエレガンスを表現できなかったのではないか」としたが、「ANTIFRAGILE」のティザーとMVを見ているうちに、ティザーは解釈や考察の余地があるハイコンテクストなもの、一方MVは中毒性の高い楽曲といかにもTikTokでウケそうな振り付けというローコンテクストなものと方向性を分けることによって、ファンダムと大衆(=非アイドルファン)の2つの層に訴求しているのだと解釈を改めた。

 

路傍の反骨精神ーLE SSERAFIMとデムナ・ヴァザリア

LE SSERAFIMのメッセージ

今までは「ANTIFRAGILE」にまつわる映像に映し出されるものを分析してきた。翻ってここからは歌詞の内容を読み解いてみる。LE SSERAFIMはデビュー時から高潔で孤高、何者にも流されない自己を表現してきた。デビュー曲の「FEARLESS」では、シーンの頂点を目指す強い意志と、我々はその位置に君臨すべき存在なのだという並々ならぬ自信が歌われている。

 

LE SSERAFIM - FEARLESS

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特にサビの「What you looking at,  You should get away(何見てんだよ、どっか行け)」という歌詞は現在のアイドルを取り巻く環境―インターネット上の誹謗中傷など―も反映し、より我々に説得力と彼女達の力強さを感じさせる。むしろ、彼女達の持つ孤高さは、ヘイター(アンチ)との対立構造によってこそ演出されていると言ってもいいだろう。

今回の「ANTIFRAGILE」でもそのメッセージは変わらない。というかむしろ、今作ではより彼女たちを取り巻く言説に対するアンサーが多いように思う。

特筆すべきはメンバーのキャリアを反映した箇所だ。HKT48を経てIZ*ONEで韓国デビュー、活動期間が終わりLESSERAFIMで再々デビューを果たしたサクラの「馬鹿にしないで 私が歩んできたキャリア」、国際大会に出るほどのバレエの実力者・カズハの「忘れないで 私が置いてきたtoe shoes」など、彼女たちの経歴を反映した歌詞はファンを唸らせる。

 

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筆者はここに、HIPHOP的な「リアル」さを感じた。普段HIPHOPを聴かない方々にこの概念を説明するのは難しいが、HIPHOPにおける「リアル」とは「説得力」のようなものを指す。この歌詞には、ラッパー達による生き様やストリートライフについてのリリックと同様のリアルさが存在する。

「ANTIFRAGILE」は楽曲のジャンルこそレゲトンだが、スタイリングや歌詞に込められたメッセージはHIPHOP的、ストリート的なところが大きい。K-POPシーンの中で一際目立つ活躍をしながら、ゴシップや過熱するファンダム同士の競争にまで言及するLE SSERAFIMの姿は、ラグジュアリーストリートの中心にいながらモードという現象を批評し反抗し続けるデザイナー、デムナ・ヴァザリアと重なる。

 

デムナ・ヴァザリアとBALENCIAGA

2015年にメゾンBALENCIAGAのディレクターに就任したデムナ・ヴァザリアは、アイコニックな厚底のスニーカー「トリプルS」やロゴ入りのキャップを流行らせた張本人であり、かつもう履けないほどにボロボロなスニーカーを22万円で売ったり、オートクチュールコレクションで熟練の職人達が仕立てた最高級品のTシャツを発表したモード界のトリックスターでもある。

 

BALENCIAGA Triple S Sneaker

 

BALENCIAGA Destroyed Sneaker

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LE SSERAFIMのカムバックに先行してパリで行われたファッションウィーク。「The Mud Show」と題されたBALENCIAGAのショーは、飛沫も気にせず泥の中を歩くモデル達が印象的だった。殴られたようなメイクを施されたモデルの険しい表情は、内面に渦巻く怒りや苛立ちを感じさせる。

 

BALENCIAGA Summer 23 Collection

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腕まで覆うバッグ、精巧な幼児の人形とおんぶ紐、ロゴ入りのマウスピース(グリルズ?)、ポテチの袋を模したバッグと今季のコレクションもユニークなアイテムが目白押しだったが、筆者の目を強く惹いたのはSupreme風のボックスロゴTシャツだった。

 

 

BALENCIAGAによるSupremeのボックスロゴのサンプリング、いや、敢えてパクリと言いたくなるこのTシャツは、着古されたようによれ、ほつれ、破れ、元の形を留めていないように見える。デムナは度々このようなサンプリングの手法を用いるが、何故今回はSupremeというモチーフを選んだのだろうか。

前述のように、ストリート発のブランドやスケートボードカルチャーとハイメゾンがタッグを組むことはもはや珍しくなくなっている。愛好家から一般層まで話題を呼び、人気を集め、二次流通市場で値段が高騰するそれらのアイテム達。よく考えてみて欲しい。そんなファンにとってもブランドにとっても都合のいいコラボレーションという手法こそが、使い古され、よれ、ほつれ、破れてきてはいないだろうか。或いは、こう読むことも出来る。「コラボレーションだとか言って高ぇ金額でモノ売ったって、ストリートに何も還元してないならパクリと一緒」だと。公式のコラボレーションアイテムとして発表出来そうなところを敢えてサンプリングという手法を用いて作られたボックスロゴTシャツは、デムナ流のモード界に対するアイロニカルな批評精神そのものだ。

招待客の席に置かれたメモには、デムナ・ヴァザリアからのこんなメッセージが記されていたという。

 

「自分らしくいようとすればするほど、顔を殴られます。しかし、お互いに違うということは、なんて素晴らしいことでしょう」

「課題は、殴られたり倒されたりした後、立ち上がって本当の自分に向かって歩き続けることです」

 

(FASHIONSNAP「ラグジュアリーとは何なのか?「バレンシアガ」が泥ランウェイに込めたメッセージを読み解く」より)

 

旧ソ連の加盟国に生まれた彼の社会情勢に対する想いや精神状態も反映された今回のコレクションは、傷付き泥塗れになっても尚、自らの信念を貫くこと、自分を追い求めることの美しさを表現している。

 

「ANTIFRAGILE」 の根源

「ANTIFRAGILE」という概念は何処から来たのだろうか。MVのラストシーンではメンバーに直接隕石が衝突(!)するのだが、5人はかすり傷も負わずただそこに佇む。「どんな目にあっても心は折れない」という精神性が、「ANTIFRAGILE」という単語に凝縮されている。

シーンの中心にいる彼女達が放つ、リアルで強烈なメッセージは、モード界におけるデムナ・ヴァザリアの仕事とリンクする。周囲の環境や他者を気にせず、時折それらに打ちのめされそうになりながらも、自らのままであること。それは何度失敗してもトリックに挑戦するスケーターや、ゲトーから成り上がるためにマイクを握るラッパー、試行錯誤しながらグラフィティをボムるライター達が持つ、ストリートの精神性である。LE SSERAFIMが「ANTIFRAGILE」で表現する強さの源流は、世界に遍在する街の通りストリートにある。

 

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おわりに

ここまで、LE SSERAFIM「ANTIFRAGILE」のティザー映像と楽曲の歌詞を中心に、リファレンスソースや表現に込められたメッセージを読み解いてきた。

今作「ANTIFRAGILE」では1作目より現行のモードであるラグジュアリーストリートに接近し、スケートボード、グラフィティ、モータースポーツやバイカースタイルなどの要素を取り入れたビジュアルイメージを作り上げている。楽曲で歌われる挑発的な彼女たちのメッセージは、ラグジュアリーストリートの流行を先導してきたデムナ・ヴァザリアによるBALENCIAGAと共鳴する。そして両者が描く他者や周囲の環境に影響されない強い自己像は、ストリートのタフな精神性が根源にある。

CHANELの気高さ、そしてデムナによるBALENCIAGAの反骨精神をインストールしたLE SSERAFIM。彼女達が作品の中で志向する高級感と大衆性は、ラグジュアリーストリートという一見矛盾した概念とも似ている。K-POPシーンに降臨した天使、恐れを知らない不死の怪物――。彼女達はモードと戯れ、時にそれを突き放し、時にもつれ合いながら、これからもシーンの最先端に君臨し続けるだろう。

 

参考資料

 

 

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20221015/特集・秋に聴きたいK-R&B 6選

今年もとっくにB面も半ばを過ぎて、どこか空虚な空の青の美しさ。しかし「女心と秋の空」、降り始める雨に移ろう気持ち、すれ違うあ、なたとわ、たし。そう、季節はA, utumn&W, inter。ということで今回お届けしますのは昨年に引き続き「特集・秋に聴きたいK-R&B」。今回の1曲目は惜しくも今回の選曲から漏れた1曲、Woo & meenoiで「Ghosting」です。

 

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改めましてごきげんよう。火気厳禁です。今回は秋冬に聴きたい、グルーヴィで可愛くてちょっと切ないK-R&B周辺楽曲を6曲選曲し、ちょっとした解説やレビューを加えていきたいと思います。昨年の選曲はこちらから。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

DPR LIVE - Action! (feat. GRAY)

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韓国を代表するクリエイティブクルー・DPR(Dream Perfect Resume)のメンバーにしてMARVEL映画「シャン・チー」OSTに楽曲提供の実績もあるDPR LIVEと、これまた韓国を代表するHIPHOPレーベル・AOMG所属のプロデューサーGRAYのコラボレーション楽曲「Action!」。2人のポップセンスが光る洒脱で軽快なビートが気分を盛り上げてくれます。カフェ店員の女性への淡い恋愛感情を「僕の映画の主役になって欲しい」と歌うのもカッコイイ。この楽曲ではDPR LIVEのシグネチャサウンドである「Comin’ to you LIVE」とGRAYの「GRAY……」が組み合わさっているのがファン的にはブチ上がりポイントですね。

 

GIRIBOY - What's Wrong (feat. YUNHWAY)

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「G R……」のタグでお馴染みの売れっ子プロデューサー、ラッパーのGIRIBOYが2019年にリリースしたアルバム『Fatal Album Ⅲ』収録の「What's Wrong (feat. YUNHWAY)」。K-indieバラードの感性を取り入れたビートはエレピとギターの音色がおセンチな気分にさせてくれます。GIRIBOYのラップと歌の中間のような軽やかなフロウも心地いいですね。交際中の相手とトラブルがあって怒られる、という内容なのですがあんまり反省してない感じが面白い。YUNHWAY(ユンフェイ)の客演パートでは怒ってる側に視点が切り替わるのですが「君が可愛いからって許すのはこれが最後だから」みたいなこと言ってて「いや結局ラブラブじゃん!」みたいな。笑  YUNHWAYはGIRIBOYが立ち上げたWEDAPLUGG RECORDS所属のラッパーですがシンギンスタイルの曲も多く出していて、この曲でも彼女の肩の力の抜けた独特の声によるボーカルが活きています。

 

SEULGI - Bad Boy, Sad Girl (feat. BE'O)

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Red Velvetのスルギが今秋ついにソロデビュー!! めでたい!! タイトル曲の感想は別で書くとして、今回は収録曲の「Bad Boy, Sad Girl」をご紹介。収録曲リストでこのタイトルを見た瞬間「あのBad Boyの続編!?!?!」と早とちりしたのですが、蓋を開けてみると不器用な2人の恋模様を描いためちゃカワR&Bでした。BE’OはHIPHOPサバイバル番組をきっかけに最近注目を集めているラッパーで、彼の爽やかなデリバリがこの曲によくマッチしています。流石にいないと思いますがRed Velvet「Bad Boy」を聴いたことがないという方はこの機会に是非。

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Cosmic Boy - Can I Love? (feat. youra & Meego)

youtu.be

火気厳禁がとにかく好きで好きでたまらないCosmic Boy「Can I Love?」。Cosmic Boyは前述のGIRIBOYを中心に結成されたクルーWYBHのメンバーで、メロウなHIPHOP/R&Bビートを得意とするプロデューサーです。そんな中でも彼のビートの持ち味と客演ボーカルのケミストリーが最高な1曲が2019年リリースの「Can I Love?」。印象的なトイピアノのリフ、ハスキーで物憂げなyouraのボーカル、少し変わり者同士の恋愛未満の絶妙な関係を描いた「君はただ通り過ぎていって、いや少し触れていって」というサビ頭の歌詞、アウトロにかけてのMeegoの「Close to you」のリフレイン、とにかく全部が切ない。この曲生で聴いて死にたいです。いやマジで。

 

hiko - for a while

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hikoはKorean Music Awards 2022にもノミネートされた実力派アーティスト。ジャズやソウルを軸とした作風で、ウィスパーボイスの柔らかな歌唱が持ち味です。EP『police』収録の「for a while」でも澄んでいて緊張感のある秋冬の空気を想起させるようなボーカルを展開しています。ソロ作品はこのEPのみ、Summer Soulの客演に参加はしていますがまだまだネット上でも情報が少ないので今後の活躍に期待です。

 

Jiwoo - Comme des Garçons

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Jiwooが2019年にリリースしたEP『Maison』から「Comme des Garçons」。彼もCosmic Boyと同じくWYBHのメンバーですが作風は大きく異なり、繊細で訥々としたボーカルが孤独や寂寞、退廃した雰囲気を感じさせ、最愛の人との出会いと別れを描いた歌詞の世界観とオルタナティブR&B的なバンドサウンドとの調和も素晴らしいです。

 

ということで、「特集・秋に聴きたいK-R&B 6選(2022)」でした。今回紹介した楽曲も含めた全30曲のプレイリストを公開しておりますので、以下リンクから聴いてみてください。

 

  1. Kid Milli & dress - Face & Mask (feat. ron)
  2. APRO - Fragile (feat. youra & pH-1)
  3. Milena - Riddle (feat. Khundi Panda)
  4. DPR LIVE - Action! (feat. GRAY)
  5. DAVII - Flying (feat. BIG Naughty)
  6. GRAY - Ready to Love (feat. Hoody)
  7. GIRIBOY - What's Wrong (feat. YUNHWAY)
  8. Crush - Whatever You Do (feat. GRAY)
  9. SOLE - daydream
  10. ピチカート・ファイヴ - 悲しい歌
  11. HEIZE - DAUM (feat. Colde)
  12. SEULGI - Bad Boy, Sad Girl (feat. BE'O)
  13. WENDY - Why Can't You Love Me?
  14. NewJeans - Hurt
  15. DEAN - What 2 Do (feat. Crush & Jeff Bernat) 
  16. CHOI YOOJUNG - Tip Tip Toes
  17. Crush - Tip Toe (with Leehi)
  18. Red Velvet - IRENE & SEULGI - Diamond
  19. OLNL - Spelling (feat. meenoi)
  20. Cosmic Boy - Can I Love ? (feat. youra & Meego)
  21. DEAN - dayfly (feat. Sulli & Rad Museum)
  22. Kim Seungmin - Unreachable (feat. Milena)
  23. Kaiavant - Oh girl
  24. hiko - for a while
  25. Jiwoo - Comme des Garçons
  26. DPR IAN - Winterfall
  27. NCT 127 - Time Lapse
  28. Red Velvet - Eyes Locked, Hands Locked
  29. LEEBADA - 그녀의 밤
  30. KIMSEJEONG - Maybe I Am

 

 

それではまた次回~~~~~!!

 

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20220930/K-POP定期便(9月カムバ特集)

台風一過、暑さもようやく落ち着いてきましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。乙女心と秋の空、何を着たら良いのか悩むのもまた一興。涼しい夜風の吹く極東随一のコリアンタウンからお届けします「ハングル畑でつかまえて」、1曲目に紹介するのはNCT127の「2Baddies」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例の新譜紹介です。2022年9月に火気厳禁が聴いた新譜を紹介していきます。先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

グループアーティスト

Billlie - Ring ma bell

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デビューから続くシリーズの最新作として 今回はロックサウンドに挑戦。炸裂するハラムのシャウトがたまんね~!! 音楽番組でもバンドを入れてパフォーマンスを行うなど、かなり本格的にこの路線に挑戦していて良いです。

 

DIA -The blinding past(눈부셨던 날)

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ベテラングループ・DIA最後のリリースはファンへの感謝を綴ったバラード。メンバーの負傷によって音楽番組の出演もなくなってしまい寂しい終わり方になってしまいましたが、そもそも解散ソングを出せるだけ凄いという……。

 

BLACKPINK - Shut Down

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BLACKPINKが先行シングル「Pink Venom」に続き2枚目となるアルバム『BORN PINK』をリリース!! アルバムリード曲「Shut Down」はパガニーニをサンプリングしたHIPHOPベースの楽曲で、荘厳な雰囲気が彼女たちの持つハードなカッコよさとマッチしています。が、個人的に先行曲の方がBLACKPINKっぽさと中毒性はあったように思います。やはりあの伝統楽器サウンドとEDM~HIPHOPのトゥーマッチな感じが好き。

今作のビデオでは過去のMVを踏襲するような演出もあり、彼女たちがこれまで歩んできた道のり(もうデビューから6年!)を思い返さずにはいられません。契約の切れる来年以降どうなるのでしょうか。

 

LOONA - LUMINUS

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LOONAが日本での2ndシングル「LUMINUS」をリリース。楽曲自体は正直「HULA HOOP」と比べると……というところはありますがMVは限られた予算の中で最大のクリエイティブをしていると思います。これperformance ver.出るんかな……。 シングル収録のODD EYE CIRCLEによる「SICK LOVE」はドラマタイアップソング。彼女たちによるK-POP屈指の名盤『Mix & Match』ではエレクトロ~ハウスの要素が中心でしたが今作はなんとロックテイストも入ったアイドルポップ。3人の爽やかなボーカルでアブなげな歌詞を歌っていてとにかく最高です。

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NMIXX - DICE

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言わずと知れた巨大事務所JYPの新人グループNMIXXが2回目のカムバック。今回の活動曲「DICE」は「MIXXPOP」を標榜し文字通り異なる曲を1曲の中でミックスした前作「O.O」と同じ手法を採用しています。「ビートスイッチと言えばNMIXX」と認知されるまでやる感じだと思いますが楽曲のフックになり得る箇所がこのビートスイッチとダンスブレイク箇所くらいしかないのがちょっとどうなの?という感じですね。SQ4UD頑張れ!

 

Lapillus - GRATATA

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MOMOLANDの後輩グループ・Lapillusが初のカムバック! 事務所の方針としてラテン圏マーケットに当てに行っている感があるので「そのうちレゲトンみたいな曲やるんかな~」と思ってたらまさに今回デンボーのリズムを採用したレゲトンベースK-POP曲でのカムバック! とはいえデビュー曲の「HIT YA!」より攻撃力が足りないかな~と思ったところシングル収録の「Queendom」はBLACKPINK的なHIPHOP~EDMっぽい感じからサビでブチアゲBig Room。最高。

 

MAKA MAKA - I AM

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新人グループMAKA MAKAの新曲はRed Velvet「Rookie」を思わせるスウィング調アイドルポップ。可愛らしい良い曲なので皆さん是非聴いて上げてください!!!

 

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ガルプラ出演の日本人メンバーを含む3人組グループLIMELIGHTがデビュー! 活動曲「Starlight」はIZ*ONEへの提供などで知られるe.oneを作曲に迎えた中小事務所の新人グルとは思えない布陣。と、いうか"それ"を狙ってるとしか思えない曲調とコンセプトですがまあこういうの嫌いな人いませんしIZ*ONE以降LIGHTSUMがやろうとして結局路線変更したところですからね。良いタイミングだと言わざるを得ません。シングル収録の「Paradise」が好きでした。

 

ソロアーティスト

チェ・ユジョン - Sunflower(P.E.L)

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WekiMekiのキュートなラッパー・チェユジョンさんがソロデビュー!! 祖父に描いてもらったひまわりのエピソードが由来のタイトルになっているこの曲、ダンスカットが多めなMVもHIPHOPダンスの素養のある彼女ならでは。シングル収録のJazzyな「Tip Tip Toes」、グルーヴィなHIPHOP寄り「OWL」の2曲とも最高R&B!!嬉しい!!

 

SORN - Nirvana Girl(feat. Yeeun)

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元CLCソンが同じくCLCのイェウンを招いた新曲「Nirvana Girl」をリリース。ディスコファンク系のノリもありつつピーキーな低音帯がベッドルームっぽさもあり中々面白い楽曲です。イェウンのラップパートが結構ちゃんとあってそれも良い……。

 

ADORA - Magical Symphony

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ソロシンガーのADORAがEPをリリース! 今までも打ち出してきたサーカスのようなファンシーで賑やかなコンセプトを引き継ぎつつ、初期の作品に見られたhyperpop的なサウンドは抑えられとにかくキャッチーな仕上がりです。

 

INJAE - Island Dream

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Mine FieldレーベルのTrapR&BシンガーINJAEが新譜をリリース。 独特の浮遊感に加え今作は細やかに設計されたコーラスが一種の幻想的な雰囲気を演出しています。

 

Cocona - 흐느적흐느적 (Wake up (School of Rock))

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詳細不明(調べろ)のSSW、COCONAも新曲をリリース! クセのある低めのボーカルにグルーヴィなベースが最高にマッチしてます。

 

K.vsh - Landed

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K.vshが新作アルバムをリリース! ラップから歌モノまで柔軟に乗りこなすボーカルと独特のメロウネスを備えたトラックは必聴です。JUTHIS、GIRIBOY、The Quittと豪華な客演陣を迎えていますが「Double Under」のアウトロに入っているシンガー(?)aiaiのスイートで素朴な歌声がたまらんです。

 

Crush - Rush Hour (Feat. j-hope of BTS)

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ジョイの彼氏でお馴染みCrushが除隊後初のリリース!! 「This is Crush Hour」と高らかにカムバックを宣言する楽曲「Rush Hour」はベーシックにしてクラシックなソウルで思わず腰が動く仕上がり。ゲストにBTSからj-hopeを迎え、話題性・完成度共にトップクラスの1曲です。

 

SMMT - Knock Knock(pH-1, Moon Sujin)

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HIPHOPレーベル・H1GHR MusicのDJ SMMTがEPをリリース。ボーカル&ラップにはpH-1とSik-Kに加え、Moon Sujin、Sumin、Blase、そしてそして元Odd Futureのメンバーとして知られるAce Hashimotoが参加! スケーターのノリを思わせるゆったりとしたビートに客演2人のデリバリが非常にマッチしていて良い……。アルバム自体もHIPHOPをベースとしつつ楽曲ごとに違ったテイスト/ジャンルが楽しめる1枚になっています。オススメ。

 

SAAY - ALARM

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クオリティの高いトラックと美しい歌声で人気のSSW・SAAYの新作はど直球R&B!!めちゃくちゃオーセンティックですがボーカルのクールさに全部持ってかれる感じです。もう最高。

 

SURAN - Shining Love Song

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SURANがシティポップ楽曲「Shining Love Song」をリリース! レーベル・Sound Republicaの企画によるもので、ナムセンによる楽曲のカバーらしい。原曲もいいので是非。

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SOLE - ore ore

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Amoeba culture所属の人気SSW、SOLEがデビューから5年目にして初のフルアルバムをリリース! アルバムタイトル「imagine club」の通り想像の世界に連れて行ってくれるようなドリーミーなフィルサウンドと優しいボーカルが心地よい作品です。

 

Rad Museum - SOME GIRL

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今年キャリア初のアルバムをリリースしたRad Museumがシングル「SOME GIRL」をサプライズリリース! 軽快なロックからバラードまで幅広くこなす彼ですが今作はグルーヴィーなR&Bといった雰囲気。ビデオのようにお洒落なバーなんかでかかってたら最高。

 

Summer Cake - Potion

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SSWのSummer Cakeがカムバック。HIPHOP、エレクトロとフィルの音色が混ざった結構ストレンジなビートの上で美麗ボーカルを展開する「Potion」がとにかく良い!! 

 

pH-1 - ZOMBIES + TIPSY

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客演に引っ張りだこのラッパーpH-1がアルバムをリリース。ラップだけでなく歌モノも余裕でこなす彼のクリエイションにはただただ感嘆してしまいます。「ZOMBIES」は2stepっぽい雰囲気もあるエレクトロジャンルの楽曲ですがMVで2曲目に披露される「TIPSY」はモダンなブーンバップからコンテンポラリージャズに展開する怪作。アルバム『But For Now Leave Me Alone』にはこれだけでなく幅広い楽曲が収録されているので是非聴いてみてください。

 

Balming Tiger - SEXY NUKIM(feat. RM from BTS)

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韓国、いやアジアを代表するHIPHOPクルーBalming TigerがなんとなんとBTSのRMを招いて新曲を発表!! 「アジアのクールさを表現したかった」という今作ですがロートーンなビートに三者三様のフロウが載り、ビートがシンプルなだけに個性が際立って面白いです。すしおテイストのジャケットの絵や 悪夢みたいなMVも必見!!

 

Simon Dominic, Loco, Woo, Coogie - TTFU

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AOMGが誇る精鋭4人によるRaveな新曲「TTFU」!! Hookの荒々しいシャウトとは裏腹にバースは割と全員しっかり乗せるタイプのラップをしていてそのギャップも面白いです。ビデオの演出、衣装もカッケー。

 

BIBI - Animal Farm(가면무도회)

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デビューから一躍スターの座に上り詰めたBIBIが久々の新曲をリリース! 韓国語タイトル「仮面舞踏会」の今作はワルツ風でありつつBIBIらしいシリアスな楽曲です。英語タイトルがオーウェルの小説を引いているのもポイント。今作はフルアルバムからの先行シングルということで、そちらも楽しみです。

 

BE'O - Complex (Feat. ZICO)

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彼らしいキャッチーなサウンド。MVで先輩風吹かせてるZICOたまらんす。似合うな~。

 

今月の火気pick :  EXID - FIRE

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元バナナカルチャー現RBW所属のセクシーコンセプトお姉さんグループEXID。韓国では契約満了に伴い解散、日本のレーベルとの契約が残っているのでラストの公演を開催予定だったのがコロナで今年に延期そして無事開催、というところからなんとなんと結成10年記念シングルを特大リリーーーーーーーーーーーーーーーース!!!!!!!!!!!!! もうそれは解散してないやん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! このまま年一くらいで活動してくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!

ここ最近の少女時代のカムバックや2NE1の再結成パフォーマンスなど女性アイドルも息の長い活動が可能になってきている流れに乗ってリアルタイムでは拝めていないあのグループやこのグループも復活してくれないかな……と思っていたところでまさかEXIDのカムバック。乗り遅れるなこのビッグウェーブに!!!!!

10を意味する「X」と名付けられたシングルのリード曲「FIRE」はBLACKPINK~NATURE「RICA RICA」を思わせるトライバルEDMで残暑を更に超える熱で燃やし尽くしてくれる一曲。とにかくMVがエロカッコイイ!! 最高!! 

同シングル収録の「IDK」は現役(?)の頃から得意としていたレトロな雰囲気のディスコファンク~シティポップ楽曲。時代がやっとEXIDに追いついた感じで胸が熱くなりました。

ファンソング「LEGGO」は若干2stepみも感じる洗練されたトラックで日本活動におけるTaku☆Takahashi氏の提供曲のあれこれを思い出さずにはいられません。「時が過ぎて世の中が変わっていっても君と僕が共に過ごした時間は変わらない」「感謝してもしきれない」と泣ける歌詞ですが、この泣けるファンソングをよくあるピアノバラードとかではなくオシャレなトラックに載せるあたりやっぱEXIDサイコーだなと思いました。

 

 

そして時間の関係で詳しく紹介できませんでしたが2012年頃から活動を続けるベテランラッパーODEEの「Fuck Shit」、注目の新人SSW・Xaxa「true love」、相変わらずの哀愁漂うボーカルThama「Complicated」、Charming Lipsが作曲で参加しているMOAのアルバム『Timing Pool』も良かったです!! こちらも下記プレイリストに入ってますので是非チェックしてみてください。

 

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ということで、9月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

 

 

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20220903/What's In Exy's Rap?! ――宇宙少女エクシに見る「リアル」とアイドル像の変化

はじめに

宇宙少女が好きだ。大人数グループならではの迫力あるダンスパフォーマンス、デビュー当初とはまた違った成熟したコンセプトとそれに伴うヴィジュアルイメージ、多彩なボーカルデリバリ……、どれを取っても素晴らしい。

中でも筆者はリーダーのエクシが好きだ。彼女はグループの中でリーダーとラッパーを担当し、独特のアンニュイなトーンで繰り出される彼女のラップは宇宙少女の楽曲に欠かせない要素となっている。

 

 
 
 
 
 
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この記事では、そんな彼女の経歴、曲中のラップにおけるライム・フロウの分析を通じて彼女の表現の特徴や魅力を解き明かし、また彼女のような「自作ドル」と呼ばれるアイドルたちの活躍がシーンに与える影響を考察していく。

韓国語・英語の詞の訳は特に記載がない限りPapagoと筆者によるものである。また、筆者の好みにより今回もほとんど女性アイドルのみを扱う。ご了承頂きたい。

 

Who is Exy? -人物と経歴-

経歴

1995年11月6日生まれ、本名チュ・ソジョン。 練習生時代の2015年にフィメールラッパーサバイバル番組『Unpretty Rapstar2』に出演し、2016年に宇宙少女のメンバーとしてデビュー。グループではリーダーとラッパーを務める他、作詞作曲も行い、メンバーに直接ボーカルディレクションを行う様子がビハインド映像に収められている。

 

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米大手歌詞投稿サイトgenuisを調べてみると、彼女がクレジットされている曲はなんと約100曲。宇宙少女のほぼ全ての楽曲に作詞で参加しているから驚きである。

 

グループ以外の活動

自身のグループ以外にも、個人名義での客演や楽曲提供を行っている。2017年にはラッパーのキム・ユナと連名でシングル「Love Therapy(feat. Zia)」をリリース。ノスタルジーを誘うキラキラしたビートの上で軽快にラップを披露している。

 

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作詞を担当した宇宙少女と同じくSTARSHIP所属のボーイズグループCRAVITYの「My Turn」は、グループの楽曲とはまったく違う雰囲気の歌詞になっている。

 

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How does Exy rap? -ライムとフロウの分析‐

この章では、そんなエクシのラップを分析していく。今回、分析手法として以下のブログ記事と、記事の中で紹介されている書籍『HOW TO RAP』で用いられている手法を採用した。

 

towerofivory.hatenablog.com

 

これは1小節4拍を1行4列の表としてそこにリリックを配置し、そのライムやフロウを分析する手法だ。韻を踏んでいる箇所は太字、ポーズ(休符、音が乗ってない箇所)の箇所はグレーアウトとした。細心の注意を払ったが、聴き取れた範囲で書き起こしているため拍のカウントやハングルのルビが間違っている可能性がある。ご容赦頂きたい。

 

Masquerade

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宇宙少女4枚目のミニアルバム『WJ Please?』収録曲「Masquerade」では、いわゆる"ラップ"といった雰囲気のフロウを披露している。

 

 

この"ラップっぽさ"は同じ「むのじょっ」「ごがっ」「あろっ」「ごがっ」と冒頭から「a」の音のライムを重ねていることに起因する。4小節目末であえて後ろのセンテンスの頭を前に持ってきてライムする拍をズラすことで緩急をつけ、7小節目では「あぬん」「だうん」のパーフェクトライム(完全に母音が一致する単語でライムすること)で更に速度感を増し、ラストはタイトル「Masquerade(仮面舞踏会)」にかけた「last dance」のフレーズの後にポーズを入れて余韻を残している。

 

Secret

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冒頭から「もrら(分からない)」「などなr(私も私を)」のライムに加え、「/りらど(言葉でも)」「/うむr(気持ちを)」と単語を区切って細かく踏むことで粘っこいフロウになっている。3,4小節目では「a-u-n-o」のライムを「/えげ(あなたに,君に)」と後ろのリリックの頭の文字を持ってきて長めにライミングしている。この曲ではビートの裏拍に音を乗せるシンコペーションの技法をフロウに落とし込み、前半の若干つんのめったようなリズム感を生み出している。

 

YALLA

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「YALLA」では冒頭から小節の前半でライムして耳を惹きつけ、「dope(イケてる)」「(また)」「どk(毒)」「こっ(花)」と細かい韻を散りばめつつ後半にかけて早口のフロウに移行。前半にポーズを用いゆったりしたフロウで進んでいた分、後半のフロウとライムの畳み掛けが更に印象に残るような構成になっている。

 

UNNATURAL

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冒頭はラップというより歌とラップの折衷であり、「Butterfly」のラップパートも同様の傾向がある。

 

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ここで注目したいのは7,8小節目の畳み掛けるライムだ。「もんちょんはんこr(馬鹿みたいな格好)」「dripping gold(輝くゴールド)」と畳み掛けた後、8小節目に至ってはほぼ全音節で踏んでいる。

 

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ガールズグループによるサバイバル番組『QUEENDOM2』のカバー曲ステージで披露された「NAVILLERA」には、GFRIENDの原曲にはないラップパートが挿入されている。タイトルにもなっているフレーズ「ナビレラ」「ノクリゴナ」のサンプリングが印象的だ。

カバー曲のステージということもあり、普段の宇宙少女の楽曲ともまた違った雰囲気のアレンジになっているが、ラップパートではTrap風のハイハットが入り、それに呼応するように「のくりごな(あなた、そして私)」「むrどぅりょがなr(染めていく)」の箇所は3連符のフロウが使用されている。3連符のフロウはMigosを代表とするTrap以降のラップにはほぼ標準装備と言ってよいフロウであるが、わかりやすい例としてTWICE「LIKEY」のラップパートの「チャンカンマンチャンカンマン〜」の部分が挙げられる。

 

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特筆すべきは、原曲のモチーフに掛けた「세계를 스치 갈 my wings(世界に触れた私の翼)」というフレーズから「You can call me, "Oh, my queen!"(女王と呼びなさい)」で番組タイトルにもかけて締めくくる終盤のラインで、爽やかさを押し出した原曲を宇宙少女の持つ神秘的でかつ芯のあるコンセプトに変換したこの曲の象徴的なパートとなっている。

 

ライムとフローに見る特徴

以上5曲をダイヤグラムに落とし込んで見てみた。彼女のラップの特徴はどこにあるのだろうか。

まず1つは緩急の付け方だろう。前半はポーズも織り交ぜつつ余裕のあるライミング/フロウで進行し、後半は短いライムを1つの小節の中で繰り返したり、音節を増やして早口でフロウすることによって異なったグルーヴ感を演出している。これはやはりグループの楽曲だからこそ、自分のパートの8小節で如何に印象に残るラップをするか? ということを考えた結果なのかもしれない。

また、上記のフロウに連動してライムスキーム(韻の構造)の複雑になっていることも特徴だと言えるだろう。頭韻と脚韻を織り交ぜつつ、2つの小節をライムで繋ぐクープレ(2行連句)、1つの小節にライムを入れ込むシングルライナー、この2つを混合したマルチライナーなど、その時々でライムの配置、フロウのアクセントの位置を変えていることが分かる。

USのHIPHOPから影響を受けたスラングをリリックの中で使うことも特徴と言えるだろう。「dripping gold」「skrt!」「keep it lowkey」「That's dope」など英語圏スラングの使い方から、現行の欧米メインストリームのHIPHOPから影響を受けていることも推測される。実際、彼女はインスタグラムのストーリーにYe(Kanye West)『DONDA』やKendrick Lamar『Mr.Morale & Big Stepper』を聴いている画面のスクリーンショットをアップしていたり、私服としてTravis ScottのASTROWORLDのTシャツを着ていたり、筆者が通話特典会で好きなUSのラッパーを訊いたところJ.Cole、Mac Miler、Childish Gambinoを挙げるなど、韓国以外のHIPHOPもかなりチェックしているようだ。

 

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「dripping gold」というフレーズの由来や意味合いについては過去に当ブログの記事で紹介している。未読の方は是非チェックして頂きたい。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

スラング、と言っても宇宙少女というグループのコンセプトを壊さない範囲で使っているのがニクいところで、このコンセプトによる制約によってBLACKPINKなどの楽曲におけるラップパートとも違うものに仕上がっている。

この3つの特徴から何が分かるか? エクシはあくまでアイドルグループのラッパーではあるが、ここまでオリジナリティのあるラップが出来る(それを披露する機会がある)ということだ。それには勿論制作側との信頼関係やこれまでのキャリアも要因としてあるだろうが、ここでは「アイドルであること」と「自分自身のオリジナリティを持った表現をすること」は対立していない。

 

Is Exy's rap "real"?  -アイドルという存在とHIPHOPのイズム-

ここまで、エクシが作詞したラップパートをそのライムやフロウの面から分析し、いわゆる"アイドル"の領域で本流のHIPHOPをベースとしたオリジナリティを持ったラップを披露していること指摘した。ここで、「そもそもエクシは何故ソロのラッパーではなくアイドルとして活動するのか?」ということについて考えてみたい。

 

ラッパー = HIPHOPPER?

ラップという歌唱法と、HIPHOPというカルチャーは別物として捉えることも出来る。実際、「恋愛サーキュレーション」や水曜日のカンパネラの楽曲などはラップという歌唱法こそ用いているが"HIPHOP"なのかと問われると意見が分かれるだろう。

 

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無論、HIPHOPの文化とラップは深く関連している。ここで筆者が言いたいのは、K-POPHIPHOPではないし、グループにおけるラッパー(ラップ担当)のメンバーが自分で詞を書いているか、HIPHOP的なマインドを持っているかどうかは人による、ということだ。そして勿論、自分で詞を書いていないからといって劣っているということもない。

今回のテーマであるエクシに関しては、彼女の経歴やリリックを読む限りHIPHOPカルチャーから影響を受けていると言っていいだろう。

 

夢か、現実リアル

前章で宇宙少女の楽曲を紹介したが、それ以外にも年上の相手への恋心を甘く歌う「Plop Plop」、思春期の悩みを抱えつつハツラツとした「HAPPY」、自信に満ちた大人の女性像を提示するユニット曲「Easy」など、魅力的なラップを披露している。

 

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アイドルの魅力とは何か? ハイレベルなダンスや歌唱は勿論、アニメやマンガから飛び出してきたようなルックス、ステージの上で放たれるきらびやかな存在感こそが、彼女たちに惹かれ、応援したくなる大きな要因だろう。アイドルが「夢を与える」職業と言われる所以はここにある。

対してラッパーはどうだろう。

 

つまりこういうことだ。新宿スタイルはリアルな歌しか歌わねえ。

(漢 a.k.a GAMI『ヒップポップ・ドリーム』、p300)

 

HIPHOPを普段聴く人ならお分かりだと思うが、ラッパーとヘッズ(HIPHOP愛好者)はとにかく「リアル」であることを重要視する。「リアル」なラッパーこそがドープであり、「リアル」ではない、つまり「フェイク」な奴はダサいのだ。

ここで1つの疑問が立ち上がる。我々に一種の「夢」を見させてくれるアイドルは、果たして「リアル」なラッパーたりえるのだろうか。エクシはラップという表現方法を使ってはいるが、そこで歌われるのはあくまでグループの世界観の中のことであって、本当の彼女の感情や想いは反映されていないのではないか?

ヘッズでありマンガ表現の研究者である岩下朋世は、ラッパーに求められる「リアル」の概念をキャラクター論の延長線上に置き、こう分析した。

 

「リアルである」という評価が意味を持つのは、評価の対象が、なにかの複製であったり表象であったりする場合が、その対象の複製や表象の方があらかじめ認知されている場合だ。

(岩下朋世『キャラがリアルになるとき 2次元、2.5次元、そのさきのキャラクター論』、p168)

ほんとうに実人生に即したラップをしているのかどうか、ということ以上に、ほんとうにラップの中に出てくるみたいな人物なのか、ということの方を、彼らはその生き様によって証明しなければならないのだ。つまり、ラッパーは「原作者」であると同時に「原作」に登場するキャラクターを演じる存在でもある。

(岩下朋世『キャラがリアルになるとき 2次元、2.5次元、そのさきのキャラクター論』、p170)

 

つまり、ラッパーに求められているのは、「実際のラッパーの人生や経歴に即したラップをすること」ではなく、「ラップしている内容に即した人物であること」なのだ。ここで「リアル」という言葉は、我々の目の前にある現実世界のことではなく、「説得力」のようなものを指している。

翻って、アイドルの魅力をこう言い表すことも出来る。我々オタクがアイドルに「夢」を見ている時、そのアイドルは「夢の世界の住人」を演じる存在なのだ、と。アイドルとラッパーの魅力は、「夢」と「リアル」という相反する言葉で表されるが、両者は演技者であるという点で共通している。

これまでに紹介した宇宙少女の楽曲やMVをもう一度見返してほしい。エクシはその「夢」=「原作」である歌詞を自分自身で書いているが、彼女がラップしている時、出で立ちや表情の使い方、フロウや声のトーンがリリックとそぐわないと感じるだろうか?  やはりそこには「リアル」さ≒「説得力」が存在すると筆者は思う。

それでもまだ、「お前が言っているのはHIPHOP的な"リアル"とは違う話だ」と反論が聞こえてきそうだ。以下に、エクシが2015年ミックステープとして発表した楽曲「쓸어버려(スロボリョ、掃いて捨てろ)」のリリックを抜粋した。

 

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It's not over me
ジャングルから飛び出してきた 1匹のヒョウが
It's not over me
私を見て震え上がってるのは誰?

私を見くびった人たちの前でラップしたら誰も目を合わせられなくなる

これは核爆弾を予告するトレーラー Just wait
他人のコピーみたいなラップばっかり 私はもっと過激にやる

全部掃いて捨てろ
掃いて捨てろ
全部掃いて捨てろ
さっと掃いて捨てろ
君が何を望んでいるのか、それが何なのかただ私だけを信じて任せればいい
今 ここを掃除しちゃうから

 

これは番組『Unpretty Rapstar2』を経てエクシのデビュー前に発表された楽曲であり、ボースティング(自己顕示)とHIPHOPシーンに対する挑発を行っている。この楽曲においてエクシは、アイドルという立場ではなくラッパーとしてラップをしている。ボースティングの勢いで「核爆弾」とか言ってるのはちょっとどうかと思うが、1人のラッパーとして自負があるからこそ強い言葉もラップしているし、その言葉の責任も背負う覚悟でリリックを書いたのだろう。ちなみにBTSの原爆Tシャツ騒動は2018年のことである。韓国のHIPHOPシーンにおいてこのような語彙がよく用いられるのかどうかは時間の関係で調査出来なかったが(GOLDBUUDAが「Like that Nagasaki Pop」とか言ってたので割りとよくあるのかもしれない)、USのHIPHOPでは「Kamikaze」「Nagasaki」などの単語がボースティングの文脈の中で使用されることもままあり、国による歴史認識の違いを感じさせる。

宇宙少女におけるラップとこの「쓸어버려」の違いは、作詞者としての自己認識の違いからくるものだと筆者は考える。ラッパーは生まれながらにしてラッパーである、という訳ではなく、ラッパーであろうとする(岩下の言葉を借りれば「原作」を生み出し続ける)からこそラッパーなのである。そしてそれは、アイドルがアイドルとして活動すること、アイドルであり続けるために歌やダンスやその他諸々を努力することとどれだけ違うのだろうか? 

どのようなラッパーに「リアル」さを感じるかは、リリックの内容は勿論、フロウやライムのスキルによるところも大きい。そうした意味でも、アイドルとして質の高いパフォーマンスを目指すことと、1人のラッパーとして技巧を凝らした表現をすることは本質的に共通している。

この章の冒頭で「そもそもエクシは何故ソロのラッパーではなくアイドルとして活動するのか?」という問いを立てたが、そもそも、アイドルでもラッパーでもなく、1人の表現者として彼女を捉えるべきだったと言える。エクシは作詞を通じて「夢」と「現実リアル」を同時に生きているのだ。

 

自作ドルたちの活躍とアイドル像の変化

先述のブログ記事ではOH MY GIRLのミミが紹介されているが、それ以外にもCLCイェウン、MAMAMOOムンビョル、IVEレイなど、エクシ以外にも自身で作詞・作曲を行うアイドルは数多く存在する。そんな彼女たちを指して「自作ドル」という。

うろ覚えではあるが、当時IZ*ONEのメンバーであった宮脇咲良が自身のラジオ番組で「作曲の授業を受けている」と話していた記憶がある。韓国のアイドルはデビュー後もダンスの練習にボーカルレッスン、外国語の授業を受けるというが、作詞作曲もそれらと同等に求められ鍛えられる能力だと言ってもいいのかもしれない。

そんな自作ドルの代表的な存在が、(G)I-DLEのソヨンだ。彼女はオーディション番組『PRODUCE101』を経て6人組ガールズグループ(G)I-DLE(現在は5人)のメンバーとしてデビューし、自身のグループの楽曲プロデュースも行っている。また個人としての活動としてもSM Station「Wow Thing」に参加したりイ・ヨンジやBIBIを招いてEPをリリースするなどしているが、個人的にはColde「New Vision」の客演パートで放った「Idle is my masterpiecе」(I-DLEは私の傑作)というラインに彼女の「リアル」な自信を感じた。このラインでは「Girls」を意味するグループ名のGが省略されていて聴いた当初は疑問に思っていたが、今年リリースの(G)I-DLEの楽曲「TOMBOY」では「It's neither man or woman Just me I-DLE(男でも女でもない、ただのI-DLE)」と歌っていて腑に落ちた。これは性別による偏見に対する彼女のアティチュードの表出だろう。

 

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HIPHOPジャンルではないが、先日LE SSERAFIMのメンバーであるホユンジンの自作曲をYoutubeに公開され、それと同時に音楽配信に特化したWebサービスSoundCloudのアカウントも開設された。

 

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こうした自作ドルたちの活躍によって、アイドルという存在/職業が「お着せのコンセプトや楽曲を消化して演じる」というものではなく、「自らが創作しパフォーマンスに落とし込んでいく」というものになりつつあると言える。

近年K-POPガールズグループ界隈でよく「ガールクラッシュ」という言葉が使われる。女性もくらっと来てしまうようなクールな魅力のアイドルを指してガールクラッシュと形容するのだが、K-POPカルチャーに造詣の深いライターのDJ泡沫は、この言葉が多用されるあまりに形骸化していることを指摘した。

 

社会を挑発するような強い表現を打ち出していくことも、社会の風潮がどうであろうと清楚だったりかわいいイメージのコンセプトを貫き通すことも、両方とも「女性の主体性」のもとに生み出されるのであれば、女性へのエンパワーメントにはなりうるはずだ。

(DJ泡沫「第4章―コンセプト化した「ガールクラッシュ」はガールクラッシュたりえるか?」、『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』所収、2022年、p111。)

 

宇宙少女という夢幻的なコンセプトのグループに身を置きながら作詞を通じて表現活動を続けるエクシや、所属グループ自体のプロデュースを行いながら既成概念への疑念を投げかけるソヨンのような自作ドルたちの活躍によって、女性アイドルの女性ファンたちにとっても共感が持てる楽曲や表現が増えていくのではないだろうか。

また、引用した文章でDJ泡沫が語っているように、自作ドルだからといって特定のイメージや偏見を持ってその創作物を受け止めることは避けるべきだ。肯定的な文脈で「やっぱり女性が制作したモノは~」と語ることも、作詞・作曲者を性別のフレームにはめて考えること、つまり差別になりうる。筆者はこの章の途中まで「アイドル」と「ラッパー」を二分し考察を進めていたが、それも一種の偏見から来るものだったと認めざるを得ない。

 

おわりに

ここまで、宇宙少女のリーダーでありラッパー・エクシのラップを分析し、また彼女の活動から現在のK-POPシーンにおけるアイドル像の変化を見てきた。

エクシのラップには「フロウの緩急」「ライムスキームの複雑さ」「USのHIPHOP由来のスラングの使用」の特徴があると指摘したが、彼女のラップの揺れ動くリズム感とボキャブラリーが夢と現実リアルを接続し、我々リスナーに独特の感覚を与える。それは睡眠と覚醒の狭間、細部まで鮮明に見えている/聴こえているはずなのに過ぎ去ってしまうと何も思い出せない、あの感覚。まさに夢、である。『インセプション』よろしく夢を設計し、その中で自身やメンバーを魅せているのだと言えよう。

アイドルグループのラッパーという存在をHIPHOPカルチャーにおける「リアル」の概念を通して検討することで、アイドルとラッパーの魅力が似通ったものなのではないかと考察した。そしてその2つを横断する自作ドルたちの活動から、一般的に認識されているような「アイドル」の概念とは異なる、表現者としてのアイドルの姿が浮かび上がってきた。アイドル自身が表現することによって、今認識されている「ガールクラッシュ」とは違う形での女性ファン層からの共感や憧憬を生み得るのではないか、と考察した。筆者の肌感覚ではあるが、自ら作詞・作曲に携わるアイドルは増加傾向にある。この変化がシーンにどういった変化をもたらしていくのかはまだ未知数ではあるが、これからのK-POPがアイドルとファンダムにとってより開かれ、自由なものになることを切に願う。

夢と現実の間を彷徨う優美な蝶――、それがエクシであり、自作ドルたちであり、アイドルを巡る偏見を打ち破る希望、なのである。

我々受け手側も、推しに熱狂しながらその創作物自体は冷静に受け止めて読み解くこと、つまり「夢の中にいながら覚醒すること」が求められている。良いと思う点を評価するのは勿論、問題がある点は正当に批判する―誹謗中傷ではなく―ことこそが、我々オタクと推しの間に信頼関係を築く手立てであると筆者は信じている。

参考資料

今回の記事を書くにあたって参照した書籍及びWebページを以下に挙げる。どれも面白いので一度読んでみてほしい。

 

 

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20220829/K-POP定期便(8月カムバ特集)

皆様アンニョン。火気厳禁です。

「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

グループアーティスト

少女時代 - FOREVER 1

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なんと!!!!!!! 少女時代が結成15周年を祝してカムバック!!!!!!!!!!
リード曲「FOREVER 1」はあの頃のK-POP(っつかLDN Noise)を彷彿とさせるEDMサウンドに当時と変わらないメンバーのボーカルで「私たちは永遠、私たちは1つ」と歌い上げる感涙必至の仕上がり。
今回リリースの10曲入アルバムもさっすがSMという完成度の高さな訳ですが、個人的には80sレイドバックな「Closer」、本当に意味がわからないトラックの上でソウルフルなボーカルの応酬を繰り広げる「You Better Run」が特に好きです。


BLACKPINK - PINK VENOM

www.youtube.com名実共に"女王"のBLACKPINKが長い空白期間を経て堂々のカムバック!!
リリース予定のアルバムからの先行シングル「PINK VENOM」はお得意の民族音楽調サウンドとEDM、HIPHOPを混ぜた彼女たちらしい楽曲
こないだのHIPHOPスラング解説記事やジェニのラップ分析記事で触れたブランド名Flexもバッチバチ。

IVE - After Like

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飛ぶ鳥を落とす勢いの新人グループ・IVEがカムバック。「After Like」はコロナ禍でバズったディスコファンクのクラシック「I Will Survive」をサンプリングした景気の良い楽曲になっています。カップリングの「My Sacrifice」はカニエ「Black Skinhead」を彷彿とさせる独特のロックテイストを導入しており、国内人気に飽き足らず欧米市場にも意識を向けている感じがします。

 

SKYLE - Bye Bye Bye

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4人組新人グループ・SKYLEの2ndシングル「Bye Bye Bye」はムーンバートンジャンルの楽曲。ラテンのノリが夏っぽくて良いですがMVのロケ地が思いっきりSTAYCと被っているのが気になるところ……(笑)。

 

CRAXY - Undercover

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2020年デビューのCRAXYがカムバック。ミニアルバムのリード曲「Undercover」は抑制の効いたクールな楽曲でいわゆる「ガールクラッシュ」といった感じですが、メンバーのウアのラップのキレの良さは光るものがあります。収録曲の「REAL」とか美メロEDMって感じで結構良いんだけど誰も話題にしてないのでこれ読んでる人は聴いてください。

 

TWICE - Talk that Talk

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なんとなんとTWICEもカムバック!! 今回の活動曲「」は今までの華々しいグルーヴ感は抑えめ、EP『BETWEEN1&2』収録曲も良い曲揃いですが、ディープハウス系「Trouble」、陽気なムード漂う「Basic」が特に気に入ってます。

 

Rocket Punch - FLASH

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Rocket Punchもカムバックですよ~~~!! 長らく続いたウィーケンド的シンセポップから一転、今作ではIZ*ONEやLIGHTSUMを想起させるキュートなダンスナンバーを披露しています。シングル自体もかなり出来が良く、タイトルからしセーラームーンな収録曲「Moon Prism」は前作までの流れを汲んだシンセポップになっています。

 

ソロアーティスト

Yena - Smartphone

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IZ*ONE出身イェナのソロ第3弾は前回に引き続き超絶ハッピーなヴァイブスのポップソング! 今回の楽曲ではアヴリルラヴィーン~オリヴィアロドリゴ的なロックテイストを採用。この感じの曲調は流行りつつありますが本人のキャラクターにも合っていて楽しいです。

 

Milena - Sugardance

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そんなColdeの主催するレーベルwavyの新鋭SSW・MilenaがEpをリリース!! ジャズを軸に据えつつ、可愛らしい雰囲気にボーカルが調和しかなり聴きやすく良い仕上がりになっています。オススメ。

 

youra - Jungle Bike

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群雄割拠のK-R&Bシーンで異彩を放つyouraが新曲をリリース! 絶妙な変化を続けるバックトラックの無骨さとどこか無機的な質感を感じるyouraの歌声の危ういバランス感が不思議と心地よい楽曲です。

 

Jiwoo - Evergray

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wavy所属のシンガー・Jiwooが1年ぶりにリリース。ありえないくらいスムースでキレイでどこか物悲しいR&B楽曲が詰まってるEP『Evergray』、オススメです。

 

Khakii - Laundry

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なんとこちらもwavy所属のラッパー、Khakiiの新作EP「TIDE」が到着。タイトル通り潮の満ち引きや海を想起させるような夏っぽくて爽やか、かつキレイめで静謐なサウンドが全曲にわたって展開されています。

 

Woo&meenoi - Ghosting

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SNSの投稿から熱愛説が出ていたmeenoiとウウォンジェがコラボ~~~!! 別れがテーマになっている楽曲ですがmeenoiの可愛らしい歌声と地声に近いウウォンジェのコーラスがどこか暖かみを感じさせる仕上がりになっています。この2人、こないだ行われたYSLのイベントでもツーショット撮ってたけどホントにコラボ匂わせなの……? ガチのやつじゃなくて……?(調べたらわかるのかもしれませんが……)

 

YUMDDA - lonely

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YUMDDAがラテン調の新譜をリリース。おっさんキャラのヨンタ的には"アリ"なのであろう、競争社会の疲れを女性に癒してもらう感じの歌詞で個人的にはちょっと……なところはありつつ全体的にドレイクっぽい雰囲気も感じますね。んでこのエロかわいいギャルは誰なのよ!!

 

Ash-B - Girls Back Home(feat. 이영지)

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Ash-Bがバラエティでも引っ張りだこのラッパー・イヨンジを招いて新曲をリリース。ラップの雰囲気も異なる2者によるガールズパワーを感じる一作になっています。

 

SINCE - HIGH RISK HIGH RETURN(Feat. Polodared) 

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SINCEがEP「HIGH RISK HIGH RETURN」をリリース! 同名曲には独特の声と出で立ちで注目を集めるラッパーPolodaredを客演に迎えています!! Phonkっぽいビートってだけでも最高なのにこのダミ声コラボは激アツっしょ!! 切れ味の良いSINCEのラップが楽しめるEP通して聴いて頂きたいです。

 

Loopy - ROUND2

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Loopyがニューアルバムをリリース!! いわゆるTrapを直球でやってて最高です。こういうのめっちゃ好きなのでありがたいです。

 

今月の火気pick : KAIAVANT 『Piece of space』

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R&B系アーティスト・Chaming lipsのインスタグラム経由で今作を知って聴いたのですがとにかく良い!! 

調べてみるとKAIAVANTはのMine Fieldというレーベル所属の女性ソロアーティスト。このMine Fieldは火気厳禁お気に入りR&BシンガーINJAEも所属しているという……!! 2020年頃から活動を始めたらしいのですが、今回のEPにはKid milli、Swings、Jason Lee、Audio dopeと豪華な客演陣を迎えた期待の新人です。

EP『Piece of space』はSuminとも近い質感のボーカル加工やHIPHOP的な(≒Heize的な?)ビートもありつつアンビエントっぽい作品もあり今まであんまり聴いたことない雰囲気の楽曲が目白押しです。Kid milli客演の「Woo hoo」も最高なのですがやはり久々にSwingsのラップが聴ける「Allow」がお気に入りです。これマジでオススメなので聴いてください。

 

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詳しくは書けませんでしたが注目の新人ラッパーD.Arkのアルバムが出てたり(The Quittの客演してる曲が良かった)激渋ラップのDon Malikによる「#DONMALIKSMTM11」、全編3DアニメーションのMVもものすごい完成度のJay Park「Bite」、同じくH1GHRからpH-1の「MR.BAD」、BIG Naughtyが客演しているDAVII「Flying」などなどなども良かったです!! 下で紹介しているプレイリストにこれらの楽曲も入っているので是非チェックしてみてください。

 

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ということで、8月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

 

ということで、8月のカムバック特集でした。そしてSMTお疲れ様でした~~~~~次回もお楽しみに!

 

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20220730/K-POP定期便(7月カムバック特集)

皆様ごきげんよう。生命の危険すら感じる熱波が到来しておりますが、ご気分は如何でしょうか。毎朝の通勤通学の度にリモートリモートと言われていた2年前に戻りたくなる今日この頃。そんな我々に欠かせないのは日焼け止め、アイスコーヒー、そして韓国産の音楽でしょう。「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、うだる暑さは避けて涼しい室内からお好みのカクテルと共にお楽しみください。今夜の1曲目はKARA出身ニコルの「YOU.F.O」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

1曲目に紹介したのはニコルの「YOU.F.O」は軽快なディスコファンクに夏のフレーバーを加えた非常に爽やかな一曲。オープンカーで海岸沿いを走りながら聴きたいです。

 

グループアーティスト

宇宙少女 - Sequence

www.youtube.com先月のKep1er、LOONAに引き続き『Queendom2』参加、そして総合優勝のウジュがカムバ!! 今回のリード曲「Sequence」は自身の楽曲「YALLA」などに近いディープハウスやフューチャーベースの要素を取り入れたクールな楽曲です。EP収録曲もハズレ無しの名盤ですが、特筆すべきはこれまでのユニット活動に参加してこなかったダウォン、ヨンジョンによる「Stronger」! 2人のボーカル力(ぢから)を堪能出来るミドルテンポバラードです。


VIVIZ - LOVEADE

www.youtube.comこちらもクインダム2参加のVIVIZ!! 新曲「LOVEADE」は3人のボーカルが涼しげなミドルテンポダンスナンバーで、「Love it, Love it, Ice LOVEADE」のリフレインと可愛らしいダンスが中毒性を高めています。
EP収録曲もNJSの現代アイドルポップ的解釈である「#FLASHBACK」、夏聴きたくなる涼し気なディープハウス&2stepの「Love Love Love」、これまた夏にぴったりのノスタルジックなシティポップ「Dance」とスキの無い構成。是非聴いてみてください。


H1-KEY - RUN

www.youtube.com新人グループH1-KEYはメンバー入れ替え後初のカムバック!! こちらも夏の気分を上げてくれるポップロックナンバーで、マネしたくなる口笛のメロや"サマーソング"のよくある感じからちょっと外してるのがポイント高いです。シングル収録の「Catch'n'Releace」はFull8loomのメンバーが作曲に参加! ソンミ「Go or Stop?」から微妙に流行ってる(?)ハウス路線でめちゃイケてる!最高!


aespa - Girls

www.youtube.com爆売れ街道まっしぐらのaespaが先行シングル「Illusion」「Life Is Too Short」を経て2ndEPをリリース!HIPHOPのビートでバチバチの歌モノ、というお得意の取り合わせを披露。ビートはちょっとLISA「MONEY」っぽい。
EP収録の「Lingo」「ICU」ではカントリーテイストなアコギサウンドが取り入れられ、力強いだけではないaespaの新しい魅力が引き出されています。


Busters - Tropical Romance

www.youtube.com幾度かのメンバー入れ替えを経てBustersがカムバック! 古き良きK-POPという感じがするキュートで明るい曲調に幼さを感じるメンバーのボーカルがオタク心をくすぐるサマーチューンです。日本人メンバーのタカラちゃんのインスタの"質感"がすごいから見てほしい。

 

 
 
 
 
 
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Hi-L - Hi-Way

www.youtube.com新人グループのHi-Lが初のカムバック。上記のBustersに近い感じの可愛らしい夏曲ですが、オーディション番組『青春スター』の効果もあるんだかないんだかの状況でこれはちょっと埋もれちゃいそうな気も……。


Billlie - 팥빙수(Patbingsu)

www.youtube.com「Gingamingayo」のバズも記憶に新しいBilllieがカムバック! 所属事務所の社長であるユン・ジョンシンの手掛けた過去の曲をBilllieがリメイクし、レトロ感を押し出したMVと合わせて最強サマーアイドルソングになっています。

 

Weeekly - Love(Kim Eana Project)

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メンバー脱退後初リリースである「Love」は先輩グループBrown Eyed Girlsの同名曲のリメイク。作詞家キム・イナのアルバム企画のため用意されたスペシャルなコラボレーションです。


itzy - SNEAKERS

www.youtube.comitzyが久々のカムバック。リード曲「SNEAKERS」は既存曲「B[OO]M-BOX」に近いノリの楽曲。正直活動曲としては物足りない感がしてしまう……。EP収録曲のハウスやEDMとHIPHOPを混ぜたような楽曲達は相変わらず秀逸。個人的にはアウトロでDaft Punkみたいになる「WHAT I WANT」が好きです。


ILY:1 - Que Sera Sera

www.youtube.comリリカァーーーーー!!!!
逆にここまでちゃんと王道アイドルポップス出来るグループ他にいます?ってレベルの王道アイドル・アニメソング系楽曲で、昨今のB級グループのアイドルソング回帰の流れを代表する1曲と言っていいと思います。


STAYC - Beautiful Monster

www.youtube.com火気厳禁が今最も好きだと言っても過言ではないガールズグループのSTAYCが今年2回目のカムバック!! ティーンフレッシュをコンセプトに据えてきたSTAYCですが、今回の活動曲「Beautiful Monster」も魅力爆発のラブソング。一種のカタルシスを感じさせるサビのユンのボーカルが本当に素晴らしいです。あとジェイが若干高いキーで歌ってるパート(2番)もあってファンとしては興奮しました。

毎カムバごとに微妙に楽曲のジャンルを変えているがそれでも"STAYCの曲"となるのはやはり個性豊かなメンバーのボーカルのおかげですね~~~。とはいえ聴いた感じ前作や前々作よりコーラス使いは減っているような気がします。今回のカムバ前に公開されたPD陣のインタビューではもはやK-POPシーンのトレンドとか関係なくポップスとしての完成度を追求しているような発言もあり、今後の活躍にも期待です。


PURPLEKISS - Nerdy

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MAMAMOOを輩出したRBWの新人グループ、PURPLEKISSが新曲をリリース。「Nerdy」は前作「memeM」のHyperPop的なアプローチから前々作「Zombi」に回帰したようなディスコファンク調もありつつ、よりホラーでゴシック風味を強めた作品となっています。

 

Apink CHOBOM - Copycat

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デビュー11年を迎えるApinkからチョロンとボミのユニット「CHOBOM」がデビュー!
シングルタイトル曲「Copycat」は鏡写しのような2人の関係性を甘く軽やかに描いたディスコ調の楽曲。Red Velvet「Russian Roullete」を彷彿とさせるようなパステルカラーのMVでは2人が人形の逃走劇を演じ、キュートでストレンジな世界観をみせています。

 

CSR - Pop? Pop!

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2014~2016年くらいのK-POPか?となる王道Kガールズアイドルソング(つか声優ソングにもこんなんありそう)。ILY:1含めガールクラッシュブームの終焉、ガーリー王道アイドルコンセプトの復権も近いのか……???

 

ソロアーティスト

chung ha - Sparkling

www.youtube.com88rising主催のフェスに参加することも決定している人気ソロアーティスト・チョンハがカムバック!! 「Sparkling」は今までのイメージを裏切るような(?)超爽やかキュートで疾走感のあるポップソングです。楽曲自体はちょっとアニソンみすらありますがボーカルとダンスはやはり一級品。今回のアルバムの収録曲だとハードなHIPHOPテイストの「XXXX」が好き。アルバムタイトルに「Pt.1」と入っているので今年後半にもカムバックがありそうな予感……!?


HYOLYN - No Thanks

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『クインダム2』唯一のソロ参加者だったヒョリンもカムバック。「NO THANKS」はクールなHIPHOPベースのビートに思わず頭を振ってしまうグルーヴ感と力強く美しいボーカルが見事に両立した楽曲です。

 

Heize - Undo

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人気SSWのHeizeがアルバムをリリース! リード曲「Undo」はシティポップ風味も感じさせるR&B楽曲。アルバム通して彼女の持ち味である繊細なボーカルと時に感傷的な印象を与えるアコースティックサウンドをメインに据えたビートが楽しめます。


Apro - Selfish(feat. BIBI & Colde)

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実力派プロデューサーのAproが初のアルバムをリリース。これまでにリリースされたシングルに加え、BIBIやColde、Geakoなどを迎えたノスタルジックでメロウな楽曲たちがふんだんに楽しめるアルバムになっています。


Bronze - Ondo(feat. Lee Hi)

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8balltown所属、K-citypopの旗手Bronzeがアルバムをリリース。イ・ハイに加え、こちらもK-citypopを代表する歌手YUKIKA、AOMGのベテラン歌手Hoody、沖縄を中心に活動する日本の歌手(!)比屋定 篤子など、こちらもバラエティ豊かな客演陣の競演が楽しめます。


NOAH1LUV - Tomorrow(feat. AITE, BLNK)

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DJ、ビートメイカーのNOAH1LUVの新曲が到着! シティポップ風味も感じるR&B調のビートに2人のいなたいラップが心地よい作品です。


Fredi Casso & DSEL -  Hell Chosen (Feat. oygli)

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以前もこのブログで取り上げたDSELと、DJ・ビートメイカーのFredi Cassoによるジョイントアルバムが到着!! つい先日出たWestside gunnのアルバムを想起させるサンプリング主体のオールドスクールビートに激シブなDSELのラップが載ったもうサイッコーな曲しか入ってないです!! 是非!!!


BOYCOLD - Salad Days (Feat. sokodomo, pH-1, BE'O)

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人気プロデューサー・BOYCOLDがフルアルバムをリリース。客演陣にはSik-K、pH-1、BIG NaughtyのH1GHR勢だけでなくKid milli、sokodomo、Leellamarz、WOODZ(!)などなど本当にバラエティ豊かな面々が集結。彼お得意のポップ感覚を散りばめたビートに個性豊かなラップが載ってます。


Devine Channel - Still Me (Feat. Dok2, GEMINI)

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プロデューサーチーム・Devine Channelによるアルバムが到着。こちらもSik-K、Loopy、THAMA、Lil Cherry、Omega Sapien、MILLI(!)などなどなど豪華客演陣を迎えています。Hyperpop的なトランスっぽさやオートチューン使いの「Faded」、チルい歌モノの「On It」「Being True」、バキバキでオラオラな「Howl」ととにかく最近のK-HIPHOPシーンを大掴みに出来る1枚。オススメです。

 

JUSTHIS - Do Not Go Gentle Into That Good Night (Feat. KWAII, DON MALIK, GongGongGoo009) (Prod. Humbert)

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indigoの凄腕ラッパーJUSTHISがEPをリリース! kid milli&dressの「Cliche」を彷彿とさせるようなTrapと感傷的なアコースティックサウンドの融合したビートが主体のEPで、今回紹介の「 Do Not Go Gentle Into That Good Night 」にはアップカミングな若手ラッパー3人を客演に迎えています。


Swervy - Vyper

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韓国企業が推し進めるNFTを主体としたプロジェクト「GENE_SIS」の音楽コンテンツ(OST)にSwervyが参加!デジタルでサイバーなコンセプトを汲み取りつつ彼女の作品特有のアシッドでドラッギーな雰囲気も両立したビートがヤバい。他にはEXN、SURANなども参加していて、注目度の高さを感じさせます。

 

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ZICO - Freak

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ZICOが除隊後初のカムバック! EPのリード曲「Freak」は景気の良いHIPHOPベースのダンスポップ! 本人のダンスもさることながらなんとMVには火気厳禁がイチオシのラッパー・YongYongがZICO君のお友達役で出演!なんで!?!?と思いましたが最近モデル業もやってるのでその流れで決まったのかもしれません。売れたな……(最後列腕組み彼氏面)。先行リリースになっていたコロナ禍を経た今の心境を歌う「Seoul Drift」も本当に良い曲。

 

DPR IAN - Seraph

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韓国を代表するオシャレHIPHOPクルーの一員DPR IANがフルアルバムをリリース!!!!  相変わらずのアンニュイなボーカルと、トレンドっぽいシンセやフィルを取り入れた歌モノとしても踊れる音楽としても強度のある楽曲が詰まったアルバムは必聴です。

 

今月の火気pick : NewJeans

独特の世界観で人気のディレクター・ミンヒジンがSMエンタからHYBE系列に移籍、彼女が全面プロデュースのガールズグループ「NewJeans」が遂に始動!!!! ということで、これを書いている時点ではまだ正式デビューはしていませんが色々書きたいと思います。

 

attention

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最初に公開された「attention」は音数少なめ、クールで洗練された印象の楽曲。ディープハウスみのあるシンセもさることながらイントロの声ネタからぐいぐい踊らせられる感じがとにかく最高です。ボーカルもリラックスした雰囲気があり、この「軽く乗りこなしてる感」がK-POPとしてはかなり新鮮ですね。

 

Hype Boy

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続く第2弾として公開された「Hype Boy」は浮遊感のあるシンセサウンドが心地よいダンスポップナンバー。サビの開放感がクセになります。

Hype boy」は他のメンバーのバージョンも公開されているので気になった方は是非見てみてください。ミンジver.を選んだのは自分の好みです(笑)。

 

Hurt

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第3弾の「Hurt」はバンド感もあるミドルテンポバラードで、ところどころに入っているピロピロした高音のシンセが「水星」とか「Automatic」を想起させる、つまりこれはレイドバックしたR&Bとかlo-fi hiphop的なところも意識してるのか……?と書きながらちょっと驚いてます。そういうのやってるのYOUNGLUV.COMの時のSTAYCだけだと思ってた……。若干白飛びしたようなフィルムっぽい質感でまとめられている・リップシンク主体、という構成K-POPのMVだと珍しいような気がします。

 

と、いうことでNewJeans期待しかないです(色々ゴタゴタしてたりもするのだが……)。今回は敢えてヴィジュアル面にはあまり触れずに書きましたが、いつかまとめて記事にするかもしれません。

 

 

 

あとは駆け足になってしまいますがイドンに続き(?)ポップロック路線のヒョナ、Boni「Wash me」、ペク・イェリン率いるバンドのThe Volunteers「New Plants」、先月紹介したkimyejiのRemix、LOONAのヒジンによるソロ企画楽曲「HONESTLY」、今年の夏にぴったりのハウスDeepshower「Follow」、もう聴かずとも良い曲って分かる(はず)Loco&Hwasaの「Somebody!」、SONAMOO・UNI.T出身Hezzの「Churup!」などなどなども良かったです~~~~!!

 

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ということで、7月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

来月はなんと!!!!!少女時代のカムバック!!!!!!!!!!!!お楽しみに!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

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20220703/フリースタイル(5~7月の散財記録)

皆様アンニョン。火気厳禁です。

今回は「散財記録」と題しまして、私が最近買ったあれこれについて戒めも込めて書いていきます。久々の個人的な趣味100%の記事になりますがご容赦ください。

この企画はSupremeの店員モノマネでお馴染みおミュータンツ 宮戸フィルムさんのYouTubeのものからインスパイアされてます。元ネタの方が面白いので是非。

 

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f:id:kaki_genkin:20220605090215j:image

こないだのLESSERAFIMの記事に嬉しい反応・感想を沢山頂いたので、次回の考察・批評記事のネタになればと思い色々買いました。長くなるので内容には触れませんが、気になる方は以下で検索してみてください。

 

今橋映子『フォト・リテラシー 報道写真と読む倫理』

椹木野衣『増補 シュミレーショニズム ver.1.0.3』

松岡正剛サブカルズ』

北村紗衣『批評の教室  チョウのように読み、ハチのように書く』

オルテガ・イ・ガセット『大衆の反逆』

ロラン・バルト『表徴の帝国』

伊藤俊治『裸体の森』

渋谷系元ネタディスクガイド』

 

 

Calvin Klein - 90s Straight Jean

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言わずとしれたCalvin Kleinの太めジーンズ90s Straightの黒(実物は画像よりフェード感がありますが)。イマっぽいシルエットにシグニチャーである腰のパッチやポケットのタブがカワイイ。腰履きしてローテクスニーカー合わせるだけでかなり"それっぽく"なるので良いです。

 

essentials - polyester jacket & lounge pant

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(画像はモデルさんです。一応念為。)

ジェリー・ロレンゾによるブランド「Fear of god」のセカンドライン「essentials」。その名の通りシンプルで本質的かつイマっぽいストリートテイストのアイテムを安価で提供している人気のブランドです。SSENSE見てたらちょうど欲しかった感じのフリースっぽいセットアップがセールになってたので購入。これも結構安い割にしっかりした生地で秋冬ガシガシ着ようと思ってます。

 

HERON PRESTON - multi chain neckrace

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K-POPの舞台衣装でもお馴染み、イタリアのストリート系ブランドHERON PRESTON。これもSSENSEで半額になってたので購入。このブランドらしいインダストリアルな要素を組み合わせた面白いデザイン。夏場は Tシャツ1枚にこれ合わせるだけでキマるので重宝してます。

 

Nike × Travis Scott - GORE-TEX jacket

https://zenmai-tokyo.com/wp-content/uploads/2022/05/TS-AT1-0520.jpg

K-POPの話題を中心に展開しているはずの当ブログに何度も登場している米ラッパー・Travis Scottと、言わずと知れたシューズブランドNikeとのコラボアイテムがリリース。黒のシブいシェルジャケットはGORE-TEX素材&着脱可能なPolartecバラクラバ(スキーマスクみたいなやつ)内蔵&両腕・胸・ボディに合計7つのポケットと機能性もバツグン。欲を言えばジッパーが上下両方向になってたらシルエットの変化も楽しめたかなと思いますが、それでもコラボ物でArc’teryxとかの同等スペックのものとそんなに値段変わらないので良い買い物したなと。ベルクロで前止められるし。

あ、勿論靴の方は買えませんでした(笑)。

 

Yeezy Gap enginered by Balenciaga

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もはやラッパー、という肩書を超えて活動を繰り広げ続けるYe(カニエ・ウェスト)のブランド・Yeezyと、アメリカンカジュアル衣料メーカーGap、そしてそしてこちらもK-POP舞台衣装でお馴染みBalenciagaのトリプルコラボ第2弾がリリースう! 今までに出たラウンドジャケットはゲットしてましたが、カレッジロゴよりは四角のロゴの入ってるアイテムが良いかな~と思っていたので今回やっとロンTとキャップを購入。思ったよりちょっと高い……実物どんなもんか楽しみです。adidasとのコラボのYeezy Slideも欲しいけどあれ中々買えないわね……。 

 

あとQoo10のメガ割でスキンケア用品買ったりaespaのアルバム予約したりSTAYCの新譜も買わなきゃだしXG「MASCARA」のフィジカルも欲しいし……。そういやSMTも当たってたからチケ代引き落とし来てたな……引くほど金使っちゃってるのでもうしばらく大人しく家でネトフリとDisney+観ます。「俺が/私が出すからもっと本と服買え!」という物好きな方がいましたら下のフォームから投げ銭お願いします(いないと思うけど)。

つーことで久々のフリースタイル回でした。次回もお楽しみに。

 

 

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