火気厳禁のハングル畑でつかまえて

火気厳禁のハングル畑でつかまえて

半地下のオタクがK-POPを語るブログ

20230805/3人が踏み出す偉大な飛躍――ODD EYE CIRCLE「Air Force One」レビュー

全員とは言わない。一部のK-POPファンにとって、今年の夏は”再び時計が動き出した夏”だ。2023年7月12日、ODD EYE CIRCLEが約6年振りの新曲「Air Force One」をリリースした。

 

www.youtube.com

 

ODD EYE CIRCLEは12人組ガールズグループのLOONA(이달의소녀:今月の少女)から派生した、ジンソル、キムリプ、チェリの3名からなるユニットである。彼女たちが2017年にリリースしたミニアルバム『Max & Match』は音楽レビューサイトRate Your Musicで韓国音楽チャート歴代2位(執筆時点)、その収録曲「Girl Front」は米Rolling Stone誌が選ぶ「The 100 Greatest Songs in the History of Korean Pop Music」で49位にランクインするなど、その楽曲のクオリティは批評家筋からも高く評価されている。

 

さてLOONA自体の活動はと言うと、メンバーと所属事務所間での契約上の問題により今は止まっている状況だ。経緯がかなり複雑なのでここでは省略するが、現在はメンバーそれぞれが別の事務所に所属、あるいはソロ活動に向けての準備を行っている。上記の3名は元々LOONAのプロデューサーを務めていたチョンビョンギ(정병기)が新たに設立した事務所MODHAUS(モドハウス)に移籍し、今回のミニアルバム『Version Up』で再出発を果たした。

 

ミニアルバムのイントロトラックでも用いられている「기다렸어?(待ってた?)」のフレーズのカットアップ、そしてボルチモアクラブのリズムにどうしても胸が躍る。ボルチモアクラブ(Baltimore club)はダンスミュージックの1ジャンルで、簡単に言うとキックが「ドンドンドンドンド」と1拍目、2拍目、3拍目の表、そして3拍目と4拍目の裏にキックが鳴るのが特徴。ジャンルが生まれる経緯などについてはe_e_li_c_a氏による以下記事を参照されたし。

 

www.cyzowoman.com

 

このジャージー/ボルチモアクラブの流行に影響を与えたのが、HIPHOPサブジャンルDrillである。UKのアンダーグラウンドシーンから火がつき、アメリカに渡って故Pop smokeやFivio Foreignがリードしたこのムーブメントは、過激な歌詞の内容から警察の取り締まりの対象になるほどに燃え広がった。

BandmanrilやNLE ChoppaなどがこのDrillのスタイルとジャージークラブのグルーヴを組み合わせたジャージー・ドリルの楽曲をリリースすると、そのキャッチーさ故にSNSを経由してじわじわとリスナーを増やしていった。ジャージー・ドリルヒットの決定打となったのが、グループロゴのタトゥーを入れるほどのGFRIENDのファンとして知られるLil Uzi Vert「Just Wanna Rock」だ。執筆時点でこの曲を使ったショート動画がTiktokに約115万件上がり、本人が踊った動画はTiktokで再生回数約500万回、YoutubeのMVは再生回数約1億回を記録している。

 

youtu.be

 

www.youtube.com

 

K-POPではNewJeansが「Ditto」(2022年12月)でボルチモアのリズムを用いたのが発端となり、SEVENTEEN「손오공(孫悟空)」(2023年4月)やLE SSERAFIM「eve psyche and bluebeard’s wife」(2023年5月)、NewJeansの最新曲「Supershy」(2023年7月)で用いられている(こう見るとHYBE系のグループがやたらやってるような……)。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

UK発のDrillの流行、コロナ禍の状況緩和などと呼応したクラブシーンの盛り上がりなどと絡み合ってボルチモアクラブが再び注目を集めている。ODD EYE CIRCLEの本来の魅力である洗練されたダンスミュージックの要素とボルチモアクラブの流行が奇跡的にマッチし、楽曲の山場への期待感を高める役割を果たしている。

 

楽曲の山場、「Air Force One」のサビ部分を聴いて筆者が想起したのはSOPHIEの「Immaterial」だ。

 

www.youtube.com

 

加工されたボーカル、四つ打ちの強烈なグルーヴ、フレーズの繰り返しによる陶酔感―――シンセのメロディやミックスの具合は異なるものの、上記の要素は2曲に共通すると言ってよいだろう。「Immaterial」ではトイピアノっぽさのある音色が使われているが、「Air Force One」ではジンソルのソロ曲「Singing in the Rain」のサビに近いfuture bassのようなシンセが鳴っていて、 メンバーの歌声と合わせて聴くとkawaii future bassっぽい印象も受ける。

 

SOPHIEの「Immaterial」は資本主義社会を逞しく生きる「マテリアル(物質的)な女の子」を描いたマドンナの「Material Girl」を下敷きに、人工甘味料をこれでもかと混ぜたトラックの上で「非-物質的」なアイデンティティを模索する。

 

今わたしは何にでもなれる

どこへ行こうと

あなたはいつもわたしの心の中にいる

わたしの心の中に

説明する必要もない

もう一人にして

わたしは止まらない

もう何にも邪魔させない

 

SOPHIE - Immaterial (火気厳禁訳)

 

SOPHIEがトランス女性として経験した苦悩や葛藤、そして性別や人種関係なくなりたいようになれるべきだという想いを込めた「Immaterial」のメッセージは、LOONAが「Butterfly」で描いた「この曲を聴く世界中の全ての人々がLOONAの一員であり、目指す場所まで飛んでいける」という思想と共鳴する。

 

君は蝶のように飛んで

もっと高く羽ばたいて

このまま蝶のように飛んで

鋭い風の音

君のそばにいたい

 

LOONA - Butterfly (火気厳禁訳)

 

www.youtube.com

 

「Butterfly」の作曲は、「Air Force One」と同じく作曲家集団MonoTreeのG-Highによるものだ。楽曲に用いられる音像のリファレンスには、規範に縛られない態度への共感とリスペクトも含まれているのではないだろうか。

また、チョンビョンギは自らの事務所MODHAUSの設立時にインタビューで以下のように語っている。

 

――モードハウスはどんな会社か

「既存のエンターテインメント体制でアイドル志望生がデビューするには、各エンターテインメント会社のオーディションを受けるしかなかった。 昔は社会のネットワークが今ほど行き渡っていなかったため、そのような中央化されたエンターテインメント構造が効率的でもあった。

しかし、今は三大あるいは四大芸能事務所でなくても練習生が分散化されたネットワークを通じて自分を知らせることができる時代に入った。モードハウスは練習生を各種のネットワークに簡単に参加できるよう支援し、ファン参加によるコンテンツが製作される空間を積極的に用意する会社だ」

 

――長期的にアイドル制作の全過程を脱中央化することを目標にしていると聞いた。従来のエンターテインメント会社と比べて、モードハウスの収益モデルはどうなるのか

「脱中央化はすでに多様な産業で議論されているテーマだ。 それでもエンターテインメント業界で相対的に脱中央化議論が少ない理由は、既存のエンターテインメント産業を脱中央化すればエンターテインメント会社自体を解体するという話になるためだ。 ヒルトンホテルが既存サービスをAirbnbのように変えるのが難しいように。

しかし、最初から脱中央化という発想の元にプロジェクトの構造を設計すれば、収益モデルには支障がないと考えている。 Airbnbが宿舎を直接所有していないからといって収益モデルがないわけではないだろう。私たちがアイドルを志す人々のプールを中継し、ひいてはそのプールの空間を直接形成する役割を果たせば、その中で既存エンターテインメントとは異なる新しい収益モデルを創出できると思う」

 

(出典:https://www.coindeskkorea.com/news/articleView.html?idxno=78441、火気厳禁訳)

 

練習生個人がSNS等を通じて直接ファンとコミュニケーションを取ったり事務所からのスカウトを受けている状況に着目し、ファン参加型コンテンツなどを通じてより簡単にアイドルとファンを結びつけられるよう芸能事務所MODHAUSが立ち上げられた。MODHAUSが行うアイドル/練習生とファンのネットワークの中継・構築は、長年に渡る練習生期間を経てやっとデビューするといったK-POP界の慣習を打ち破る試みだとも解釈できる。インタビューの発言は事務所のビジネスモデルについてのものだが、アイドルを目指す練習生たちに寄り添い、自己実現をサポートする姿勢が見て取れる。ビョンギは我々が望めば何にだって――アイドルにだって!――なれる世界を本気で目指しているのかもしれない。

 

トレンドであるボルチモアクラブの要素を取り入れつつ、ファンが求める”ODD EYE CIRCLE”らしさ、そしてチョンビョンギが描いたLOONAの集大成「Butturfly」の精神性までも内包した「Air Force One」。NewJeansのデビュー以降今まであまりK-POPを聴いてこなかった層にも楽曲の質の高さが取り沙汰されるようになったが、ODD EYE CIRCLEのようにグループ自体が持つイメージやアイデンティティを活かした上でトレンドを取り入れたクリエイティブを打ち出していることはもっと評価されてよいだろう。

そして何より、権利や契約関連の問題が度々起こるK-POPシーンにおいて、こうしてODD EYE CIRCLEの3人が再び集まって新曲をリリースすること自体がエポックメイキングなことである。8月2日には事務所ctdenmから、LOONAメンバーのビビ、ヨジン、ゴウォン、オリビアヘ(ヘジュ)の5名によるLoossemble(LOONA + Assemble)なる企画がローンチした。再びLOONAの12人が揃ってステージに立つ日はそう遠くないのかもしれない。

規範や偏見を軽々と踏み越し世界中のファンをエンパワメントしてきた彼女たちは、履き潰したコンバースを真っ白なAir Force 1に履き替えて再び高く飛び立つ。誰も見たことがない月の裏側、新しい宇宙に向かって。

 

 

参考資料

 

 

 

 

ブログ記事の感想は火気厳禁のTwitterのDMやリプライ、以下リンクからの投げ銭で受け付けております!! 告知ツイートへのいいねRTも忘れずにして頂けると嬉しいです!!

※頂いた投げ銭は書籍等資料の購入、トレカ飯活動に充てられます。あなたの支援で記事やツイートのクオリティが上がる!

ほしいものリストからの支援も大歓迎です!!

お仕事の依頼はこちらから→ RadicalChocolatier☆gmail.com(☆を@に変えてください)

 

20230803/Kultural studies(BB Girls編)

今回は活動中アーティスト特集Kultural studiesシリーズ、名前を変えて文字通りカムバックしたBB Girls(元Brave Girls)を特集します。

 

プロフィール

YGエンタから独立したプロデューサー・勇敢な兄弟(용감한 형제)を中心に設立された事Braveエンターテイメントから2011年にデビュー。デビュー当初は5人組でしたが、メンバーの脱退、加入また増員(7人体制だった時期も)を経て現在のユジョン、ミニョン、ウンジ、ユナの4人組に落ち着きます。こうした経緯もあり細く長くかといって知名度もあまり無い状態で活動を続けてきましたが、2021年彼女たちの軍慰問公演での「Rollin’」のパフォーマンスとYoutubeのコメントを合わせたファンメイドの動画がアップされるとたちまちバイラルヒット。リリース当時は音楽配信チャートで最高192位だったのが同年2月のリアルタイムチャートで1位を記録し、EXIDに次ぐチャート逆走行アイドルとして大いに話題を集めました。2023年に契約満了を迎えBraveエンターテイメントを離れましたがその後ワーナーミュージック・コリアと契約を結び、グループ名を「BB Grils」と改めて再出発。

ちなみにEXIDについては当ブログで既にご紹介しておりますので興味のある方はご一読あれ。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

ディスコグラフィ

さてここからは彼女たちの活動を時系列を追って見ていきましょう。

 

Brave girls : the Difference(2011)

2011年リリースのデビューシングル『Brave girls : the Difference』。シングルなのにイントロトラックが入っており、instを抜くと実質2曲入りのシングルですがその2曲ともMVが作られているので中々豪勢です。前述の通りメンバーの入れ替えなど諸々ありましてしばらく現メンバーが1人も出てきません。ご了承ください。

 

So sexy

www.youtube.com

アップテンポなEDMナンバー「So Sexy」。2011年当時のヒット曲「내가 제일 잘 나가(I AM THE BEST)」に近い作風ですね。

 

아나요 (Do you know?)

www.youtube.com

バラード曲「아나요 (Do you know?)」。同じく勇敢な兄弟制作のSISTAR 19の「Ma Boy」にも通じるレイドバックした甘く優しいR&Bテイストの楽曲です。

 

Back To Da Future(2011)

1stシングルからおよそ3ヶ月後にリリースされたミニアルバム『Back To Da Future』。下記のSkul1の他同事務所所属の音楽ユニットElectroboyzからラッパーMaboosをfeat.してレゲエやHIPHOPに接近した作風を展開しました。

 

툭하면 (feat. Skul1)

www.youtube.com

レゲエミュージシャン・ラッパーのSkul1(現Skull)をfeat.した「툭하면(もしかして)」。今の感覚だとリード曲でなんでレゲエやねん……と思ってしまう訳ですが、もしかしたら10年後「なんでレゲトンやねん」とか思うのかもしれない。知らんけど。より本格的にレゲエに寄せたRemix ver.も出ています。

 

Re-Issue(2012)

2012年7月に2ndミニアルバム『Re-Issue』がリリース。リード曲「요즘 너」のremixとinstを含めた計5曲を収録。

 

요즘 너 (Nowadays, You)

www.youtube.com

エレクトロニックポップジャンルの「요즘 너」(最近あなたは)。デビュー曲「So Sexy」の雰囲気に回帰しつつよりクールで洗練されている印象の楽曲で、つい先頃別れた元恋人への思いが捨てきれない様子を描きます。

 

HIGH HEELS(2016)

メンバー増員により7人体制でのカムバック。タイトル曲の景気の良さは我々がイメージするブブゴルのそれであり、現メンバーの4名が加入するのもこのタイミングです。アルバム収録の「Help Me」は初期宇宙少女的な雰囲気の可愛らしいK-POPアイドルソングでアイドルオタクの皆さんは好きなやつ(勿論筆者もその一人)。同じく収録曲「Whatever」はバウンシーなHIPHOPビートにブブゴル特有の柔らかいけれども確かに芯を感じる歌唱が載った1曲。こちらも中々の名曲。

 

(2021年、逆走後の音楽番組パフォーマンス映像)

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

하이힐 (High Heels)

www.youtube.com

ブブゴルと言えばこんな感じ、なミニアルバムリード曲「High Heels」。セクシー路線を全面に押し出しつつキャッチーな曲とダンスで訴求するお姉さんポジションを狙った1曲。推測の域を出ませんが、2016年はBLACKPINKがデビューした年だと考えるとやはり当時から見ても若干時代がかって聴こえたのではないでしょうか……。音楽番組でのパフォーマンスを見ると人数が増えた分パフォーマンスの華やかさもよりパワーアップした印象。

 

www.youtube.com

 

유후 (우린 아직 여름)(2016)

www.youtube.com

シングル『유후 (우린 아직 여름)』(Yoo Hoo(私達はまだ夏))。勇敢な兄弟印の絶品サマー・アイドル・ソングで御座います。少女時代「PARTY」とかSISTARとか好きな人は絶対好きなやつ。

 

Rollin’(2017)

ブブゴル最大のヒット曲「Rollin’」収録の同名アルバム。その曲調とジャケットのアートワークから夏の曲であるイメージが強いですがなんと2017年3月リリース。その2ヶ月前にメンバー2名が脱退し、5人体制でのカムバックでした。

 

롤린 (Rollin’)

www.youtube.com

7人体制発足時からのセクシー路線は継続、今作はトロピカル・ハウスのメロデイと椅子を使った振り付け、サビのローリン連呼と後にエイダンスと呼ばれる間奏のキャッチーなダンスなどなどなどチープっちゃチープだけど良い曲だよね、な要素盛り沢山。売れるのは必然だったか……。

2018年の夏にアレンジし直したnew versionもリリースされており、こちらは4名での歌唱と当時流行していたトロピカルハウスっぽいアレンジとブラスサウンドが勇敢な兄弟ワークスみを増幅させています。ウンジ鬼美人。

 

www.youtube.com

 

운전만해 (We Ride)(2020)

www.youtube.com

前作から丸2年、デジタルシングル『운전만해 (We Ride)』をリリース。火気厳禁はこの曲でBrave Girlsを知りましたし、こんな良い曲出すグループが全然売れてないとは当時まったく思いませんでした。折しも2019~2020年はシティポップが韓国を席巻していた時期。ブームに乗っかる形で「운전만해(運転だけして)」をリリースしたのですが、大きなヒットは2021年まで待たねばなりませんでした……。車のモチーフを持ってくる感じもシティポップっぽくて良いんですけどね。そもそもファンダムの規模が小さいと良い曲でもあんまり伸びないってことなのか……(様々なグループを思い返しながら)。

 

Rollin大ヒット

www.youtube.com

ディスコグラフィとしての時系列は一旦度外視、2021年2月24日に上記の動画がYouTubeにアップされました。Brave Girlsによる「Rollin’」のパフォーマンス、軍人達の雄々しい歓声と合唱、振りコピ、土埃が立つほどのモッシュ(?)の映像、「韓国軍チャート1位」「北と戦争になってもこれ流しといたら勝てそう」「兵役に行った時励ましになった」というリアル兵役経験韓国男性のコメントと情報量過多でインパクト抜群なこの動画がたちまち反響を呼び、上記プロフィール紹介で書いたようなバイラルヒットに繋がりました。今見てもおもろいな……。動画がアップされた数日後にはグループ解散の予定で、宿舎を引き払う準備をしていたというから不思議というか幸運というか……すごい話です。

 

Summer Queen(2021)

「Rollin’」大ヒット、音楽番組や学祭にも次々に呼ばれるようになったブブゴルは同年8月に新ミニアルバム『Summer Queen』をリリース。同事務所のボーイズグループDKBからE-CHANをfeat.した「Pool Party」、NJS風の「나 혼자 여름 (Summer by myself)」などなど全体的にレイドバックした雰囲気が特徴のミニアルバムです。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

치맛바람 (Chi Mat Ba Ram)

www.youtube.com

「Rollin’」New versionを彷彿とさせるサマーチューン「치맛바람 (Chi Mat Ba Ram)」。タイトルを逐語訳すると「スカートの風」となりますが、これは韓国の慣用句で「女性の大胆な行動」「女性が主体となって起こされる社会運動」などを意味するそうで、曲中での使われ方を見るに前者の意味合いで使われているようです。歴代で最も予算がありそうなMVはとてつもなく景気が良くて見てて元気が出ます。

 

After ‘We Ride’(2021)

「Rollin’」の大ヒット、「치맛바람 (Chi Mat Ba Ram)」での活動の後矢継ぎ早にリリースしたミニアルバム『After 'We Ride’』。前作収録曲のRemixと後述の新曲「술버릇 (운전만 해 그후)」の全5曲収録。

 

술버릇 (운전만 해 그후)

www.youtube.com

タイトルは「酒癖(運転だけして、その後)」。「We Ride」で歌われた相手とのその後を、実際にその曲が出た後のメンバーの心境やアイドルという職業に対する想い、メンバー同士の関係性と重ねながら描くシティポップ楽曲。マジで泣ける。

 

THANK YOU(2022)

2022年、ガールズグループコンペティション番組『QUEENDOM2』出演間近のタイミングでリリースされたミニアルバム『THANK YOU』。流石にバズから3枚目のリリースともなると当時流行っていたディスコ調のノリを取り入れた楽曲などが収録されるようになり、こんなんも出来るんや……!と楽しませてくれる1枚です。

 

Thank You

www.youtube.com

グルーヴィーで中毒性のあるディスコ・ファンク「Thank You」。タイトル通り今までの一連の過程を振り返ってファンに感謝を伝える内容の歌詞がとにかく沁みる……。VIVIZ「BOP BOP!」が好きな人は絶対好きな曲。

 

Goodbye(2023)

www.youtube.com

Braveエンターテイメントとの契約満了に伴ってリリースされたシングル「Goodbye」。4人体制での活動を振り返るオフショット詰め合わせMVも感動的。空中分解してしまうグループも少なくない中、こうして綺麗な形で活動の幕を下ろしてくれるグループには本当に「良かったね……(´;ω;`)」と思うばかりです。

 

One More Time(2023)

www.youtube.com

ワーナー移籍後1発目のシングルはDaft Punkを思わせるタイトルとロゴデザインでフレンチハウス来るか……!?と勝手に思ってましたが蓋を開けてみると今までのパーッとした景気の良さからは離れて成熟した大人の女性像を演出。リック・ジェームズの『Give To Me Baby』をサンプリングしており、そのあたりもワーナー資本だからこその試みだと言えます。geniusを参照するとワーナー系の海外プロデューサー陣による作曲らしいですが、ここまで以前のリリース曲と付かず離れずの良い感じのテイストで仕上がるのが凄い&渋くて良い! 収録曲「Lemonade」は軽快なソウル・ファンクテイストでこちらも夏モード。

 

www.youtube.com

 

 

 

ここまで、Brave Girlsの活動を振り返ってきました。メンバーの入れ替えを経つつ同じ名前で10年以上活動した後に事務所移籍、今なお活動している非常に稀有なグループであるということはまず強調せねばなりません。勇敢な兄弟プロデュースによる大衆ウケするキャッチーな曲から、「Rollin'」大ヒット以降はその持ち味やイメージを保ちつつ徐々に今風のシティポップやディスコファンクを取り入れた楽曲をリリースするようになった変化もかなり時代の変化に敏感で人気を一過性のものにしないという意思を感じました。

ということで特集シリーズ「Kultural studies」ブブゴル編で御座いました! 次回もお楽しみに~。

 

 

参考資料

 

 

ブログ記事の感想は火気厳禁のTwitterのDMやリプライ、以下リンクからの投げ銭で受け付けております!! 告知ツイートへのいいねRTも忘れずにして頂けると嬉しいです!!

※頂いた投げ銭は書籍等資料の購入、トレカ飯活動に充てられます。あなたの支援で記事やツイートのクオリティが上がる!

ほしいものリストからの支援も大歓迎です!!

お仕事の依頼はこちらから→ RadicalChocolatier☆gmail.com(☆を@に変えてください)

 

20230729/K-POP定期便(7月カムバックアーティスト特集)

皆様ごきげんよう。鰻食いたし土用の丑の日、食欲も財布の中身も無くて断念。外に出るだけで吹き出す汗。やっぱいいや、と断念して室内で聴くのは韓国産のポップミュージック。暑さで頭がおかしくなりそうな人も、元々頭がおかしい人もK-POPでチルアウトといきましょう。ということで「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今夜の1曲目はQueenz Eye「UN-NORMAL」です。

 

www.youtube.com

 

今回は毎月恒例のカムバックアーティスト特集です。火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介します。

最初に紹介したのはQueenz Eyeで「UN-NORMAL」。ド直球硬派R&B曲でカムバしてNewJeansやKISS OF LIFEがリードする楽曲派(?)の流れにフィットしています。狙ったにしろ偶然にしろ良い曲。

 

k-pop

XG - GRL GVNG

www.youtube.com

新進気鋭、破竹の勢いでファンダムを拡大するXGが来たる1stミニアルバムから「GRL GVNG」を先行リリース! 詳しい感想は以下記事にあるので是非。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

SWAN - Twenty

www.youtube.com

PURPLE KISSのメインボーカル・スアンがソロデビュー! 吐息多めの独特のボーカルが映えるミドルテンポのファンク楽曲。MVに出てくるモダン建築マンション最近よく見る気がする……。

 

KISS OF LIFE - 쉿 (Shhh)

www.youtube.com

先行リリースを乱打しそのクオリティで界隈をざわつかせているKISS OF LIFEが満を持してデビュー。パッと見NewJeansフォロワーっぽい雰囲気ですが犯罪行為や性愛を扱う一連のMVの演出はむしろカウンター的と言えるでしょう(だからこそ賛否両論あると思いますが)。Good girls go to heaven, Bad girls go everywhere。

 

FIFTY FIFTY - Barbie Dreams (feat. Kaliii)

www.youtube.com

日本では8月公開予定の映画『Barbie』OSTのFIFTY FIFTYによる楽曲「Barbie Dreams (feat. Kaliii)」が公開。FIFTY FIFTYは今後の活動や権利関係を巡って事務所・プロデューサー・メンバーによる泥沼の争いに突入、この曲もMVが制作される予定だったのが取りやめになったとのことで、どうにか上手く着地してくれないかなと思います……。

 

NMIXX - Party O’Clock

www.youtube.com

先行リリースに引き続き爽やかな夏の2stepK-POP。ってMIXPOPはどこ行ったんじゃ!! スイッチせんかい!!

 

HYOLYN - 이게 사랑이지 뭐야(feat. Paul Blanco)

www.youtube.com

元SISTERヒョリンの新曲はラッパーPaul Brancoを招いた穏やかなサマーチューン。抜けるような青空を想起させる彼女の歌声とシブいPaul Brancoによるデュエット楽曲でMVも超ラブリー。

 

Sandara Park - FESTIVAL

www.youtube.com

元2NE1のダラがソロ名義でカムバック。ミニアルバムのリード曲「FESTIVAL」は良い意味でベテランだとは感じさせない軽やかで爽やかな曲調が夏の日差しを少し楽しくしてくれます。異様に豪華なMVのカメオ出演メンツも要チェック。

 

(G)I-DLE - I DO

www.youtube.com

ついに88risingとサインした(G)I-DLEは「LION」などで見せた壮大な世界観を再び展開。マーベル映画的な趣もある異能力ボーイミーツガールのストーリーと80sポップスの空気をふんだんに含んだ楽曲は今までの派手さこそないもののしみじみと良い……。

 

IVE - I WANT

www.youtube.com

STARSHIPペプシのタイアッププロジェクトからIVEが歌う「I WANT」が到着。モダンなアレンジを施されたファンクK-POP楽曲。ブレードランナーウォニョンなんなんだ……。

 

ICHILLIN’ - KICK-START

www.youtube.com

火気厳禁が注目している新人グループ・ICHILLIN’が自身2枚目となるミニアルバムをリリース。詳しい感想は以下記事&まだまだファンミーティングチケット買えますので是非。カムバ曲のコンセプトも迷走気味だしミニアルバム2枚出して日本公演って解散したバガブーとほとんど同じムーブなんで結構危ないというか、最後に出稼ぎしていなくなっちゃうのでは……?と勝手に思っております。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

NewJeans - Super Shy

www.youtube.com

超新星NewJeansがEP「Get Up」をリリース! まあみんな色々言ってるしここで自分が感想書かんでもええやろ。誰も指摘してなさそうな「Get Up」はほぼSabrina Claudio「Favorite Part」、ということだけ主張しておきます。

 

www.youtube.com

www.youtube.com

 

ILY:1 - MY COLOR

www.youtube.com

日本での地道な活動で徐々にその知名度を広げているILY:1がカムバック。新曲「MY COLOR」はGFIREND~IZ*ONEの流れを汲む清純ド直球アイドルソング。オシャレソングがメインストリームになったことでこういう曲がオルタナになるのが面白いですねー。

 

SATURDAY - 있을게(STAY)

www.youtube.com

シノクボドルの筆頭SATURDAYが約3年ぶりにカムバック…………そんなことよりハヌル脱退て…………。新大久保でほとんど毎日公演して稼いだ金はどこに行ったの? 事務所もどこに行ったの? カムバックしてて大丈夫なの? カムバティザーは結構センス良いの何? と、虚無感と疑念が山程襲ってきた訳ですが、こちらも楽曲自体はILY:1と同路線の若干懐かしい感じのK-POPアイドルソング。低予算MVあるあるの野外ロケ(デカいスタジオセット組めるのは大手だけ……)なのですが撮り方が上手くて可愛らしくて爽やかな雰囲気になってます。まあでもこっから再起をかけてるはずの曲がこの質感じゃあ心配になっちゃうな……とにかくハヌルが元気に過ごしていることを祈っています……。

 

OH MY GIRL - 여름이 들려 (Summer Comes)

www.youtube.com

2015年デビュー、ベテランガールズグループ・OH MY GIRLはジホ脱退後初のカムバック。ヒット作「NONSTOP」のテンションは活かしつつ、とはいえ「Bungee」の頃と比べるとグッとスタイリッシュさを増した8年目のサマーチューンです。

 

ITZY - None of My Business

 

 www.youtube.com

 

NMIXXの先輩、JYPのガールズグループitzyがカムバック(正規リリースは31日)。エモくて切ない感じのR&BベースK-POPで普通に良い曲です。カムバのリード曲どんなんなるんやろ……「Cheshire」の辛そう印象を吹っ切ってくるのかもっと大人っぽいコンセプトで来るのか気になります。

 

SOYOU - ALOHA (Feat. Bora)

www.youtube.com

元SISTARソユがカムバック。feat.に同グループメンバーのボラを迎えた軽快なサマーチューンです。ヒョリンもカムバしてるしすごい。

 

K-indie / K-R&B

sense bleu - Daydream (feat. Summer Soul)

www.youtube.com

インディーアーティスト・sense bleuのおそらく正規流通デビュー作。そんな感じなのでほぼ情報が無いのですがサンクラのアカウントは見つけました。Summer Soul客演の「Daydream」はブルーノ・マーズフォロワーっぽい感じのエロいR&B

 

soundcloud.com

 

7uly Seven & Soo-Yeony - BAD TRIP

www.youtube.com

今月のインスタグラムで知った枠。読み方は「ジュライセブン」。前述のsense bleuにも近いセクシーめ男性シンガー、そしてSoo-Yeonyとのコラボレーション。

 

hiko - to you

www.youtube.com

唯一無二のボーカルで聴く者を包み込むhikoがシングル「to you」をリリース! よりポップな作風に寄りながらも持ち味の声を活かしたコーラスワークは圧巻。

 

Crystal Tea - BAD KID

www.youtube.com

初期椎名林檎から強い影響を受けたCrystal Teaが新譜をリリース。今作もジャキジャキのギターとしゃがれ気味のボーカルで椎名林檎Y2Kポップパンクへのオマージュを捧げています。

 

XXNANA - Something on the B*TCH

www.youtube.com

Bbi-Ddack所属の新人ラッパー/シンガーXXNANAがEP「SUMMER PACKAGE」をリリース。タイトルに違わずリード曲「Something on the B*TCH」は開放的で心地良くかつセンシュアルな雰囲気の楽曲です。

 

IOAH - In Bed

www.youtube.com

読みはアイオア。めちゃくちゃ良いけどなんて言ったらいいのかわからん!!

 

K-hiphop

Beenzino - Travel Again (feat. Cautious Clay)

youtu.be

NewJeansの楽曲制作陣にも影響を与えている(?)超人気ラッパー・Beenzinoが久々にフルアルバムをリリース。夏の開放的な雰囲気を取り込んだTrapアルバムで、リード曲「Travel Again」はコロナ禍の落ち着き(終息ではない)によって再び遠くへの旅行が可能となった喜びと開放感をハネたフロウでラップした1曲です。

 

BLASÉ - Drop It (feat. LEE YOUNG JI)

www.youtube.com

コンスタントにリリースを続けるK-Drill界の筆頭ラッパーBLASEの新譜はなんとイヨンジとのコラボレーション! フットワーク的なノリも取り入れたDrillサウンドで今日もフロアをブチアゲていることでしょう。

 

Coa White - herb

www.youtube.com

もうこのブログの読者であれば知らない人はいない(ですよね)レーベルmine fieldからWYBHクルーの一員でもあるCoa WhiteがEPをリリース。寂寞とした情緒のあるトラックとSkinny BrownやASH ILANDに近いシンギンラップ調のフロウ、ですが訥々と言葉を重ねていくその様子はどこか硬派でもあり……。”エモ”に振り切らない感じが心地良い一枚。

 

Toru - Mercedes

www.youtube.com

apple musicのサジェストで知った枠。調べてもこの人自身の詳細な情報が出てこない……。K-HIPHOP的なオートチューン・シンギンラップにボルチモアクラブを取り入れ、思いっきり踊れる仕様に仕上げています。

 

Jhnovr - Trust Me(feat. ROH YUNHA)

www.youtube.com

WEDAPLUGG所属のJhnovr(ジュノバ)、曲調的にはファンクっぽいですし本人歌ってるので区分に迷いましたが彼はAP Alchemyにも参加しているのでK-HIPHOPの枠でご紹介。兄弟レーベルからノユナが客演。

 

Ash-B - LIT (feat. BOBBY)

www.youtube.com

Ash-Bはシングル「LIT (feat. BOBBY)」をリリース。今作もRAUDIと共にラチェットな雰囲気を展開。サイコー!! BOBBYのバース短くね?

 

Ambid Jack - Ugly junction (Feat. DSEL, RB NINE)

www.youtube.com

Mighty Lynx所属のAmbid Jackがアルバム『Freudian』をリリース! オールドスクール、ブーンバップの雰囲気を現代的にアップデートしたいなたい楽曲が12曲入ってます。同クルー所属のH3hyeon、RB Nine、Touch The Skyに加え今注目のDsel、超大御所ラッパーDeepflowが参加。オススメ。

 

NO:EL - 바보

www.youtube.com

度重なるスキャンダルで表舞台から姿を消していたNO:ELがアルバム『TRIPONOEL』でカムバック! タイトなラップするイメージでしたが今作は思いっきりエモラップ系に振り切っっています。

 

今月の火気pick : ODD EYE CIRCLE - AIR FORCE ONE

www.youtube.com

 

𝑺𝒕𝒆𝒑 𝒃𝒚 𝒔𝒕𝒆𝒑, 𝒃𝒐𝒚……

 

ODD EYE CIRCLE ex. LOONA / ODD EYE CIRCLEがカムバック!! 文字通りカムバックですよこれは。激アツ。

EPのリード曲「ODD EYE CIRCLE」は流行りのボルチモアのリズムを取り入れつつ、過去の楽曲で用いられていたfuture bassの要素、そしてhyperpopの雰囲気まで取り入れた意欲作。こんな良い曲あるかよ。

例によって収録曲の感想も書いてみます。

 

Je Ne Sais Quoi

www.youtube.com

直近のK-POPシーンで生まれつつある浮遊感のあるR&B~ファンクベースの楽曲の流行り(簡単に言えば5050のアレ)に近い雰囲気ですがビョンギとオアソの手によってちゃんと”オアソ”の味になっているというかやっぱりこの3人のボーカルの記名性の高さ、組み合わせの妙ってすごいんだなと思い知りました。あとこれクア「Deva-ju」の続編だよね。

 

 

 

Love Me Like

www.youtube.com

グルーヴィーなベースとカウベルのアクセントが小気味よい「Love Me Like」。前述「Je Ne Sais Quoi」でも触れましたがこの3人によるコーラスの甘さ、非現実的な質感がここでも活きています。

 

My Secret Playlist

www.youtube.com

個人的に一番”オアソ”を感じたのがこの「My Secret Playlist」。ボルチモア風味のリズムに「LOONATIC」を彷彿とさせるギターリフ、なによりここでも非現実的というかある意味でAI、ボーカロイド的な質感のコーラスが印象的に用いられています。突如入るフルートのパートも謎くて良い。

 

結局ボーカルの話しかしてませんが、とにかく良いので聴いてみてください。LOONAの他のメンバーの今後も気になる~~~。

 

 

本文中で触れられませんでしたがyoura、UNE、Shirt、Santa Paineなどなども新曲リリースしてます!! 本文末尾のプレイリストに全部入れているので要チェックです。

 

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

 

ということで、7月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

 

 

 

ブログ記事の感想は火気厳禁のTwitterのDMやリプライ、以下リンクからの投げ銭で受け付けております!! 告知ツイートへのいいねRTも忘れずにして頂けると嬉しいです!!

※頂いた投げ銭は書籍、音源の購入、トレカ飯活動に充てられます。あなたの支援で記事やツイートのクオリティが上がる!

ほしいものリストからの支援も大歓迎です!!

執筆の依頼はこちらから→ RadicalChocolatier☆gmail.com(☆を@に変えてください)

 

 

20230722/Kultural studies(ICHILLIN'編)

皆さんごきげんよう。火気厳禁です。今年の夏はいかがお過ごしでしょうか。なんとなく気持ちも浮つくこの季節を更に暑くするフレッシュでチルなグループをご紹介。ということで「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は新人グループICHILLIN’特集です。

 

ICHILLIN’とは

ICHILLIN’(アイチリン)は2021年9月8日デビュー、KMエンターテインメント所属の7人組グループです。

グループ名である「ICHILLIN'」は夢やビジョンを意味する単語「AISLING」と休息、趣など様々な意味で使われる「CHILLIN'」を組み合わせた造語で、リスナーたちがICHILLIN'の音楽を聞きながら夢を見て「CHILLIN'」することを願うという意味が込められている。また、それぞれ異なる場所にいた私「I」が集まって7人のICHILLIN'になるといった意味も込められている(wikipediaより引用)。ファンダム名はWilling(ウィリング)で、「熱烈に(=willing)ICHILLIN'を愛するファン達」という意味が込められているそうです。活動一年足らずでソヒが脱退し一時は6人で活動を行いましたが、新たにジユンが加入して再度7人体制に戻りました。以下各種公式アカウントです。フォローだ!!

 

公式Twitterアカウント

twitter.com

 

メンバーTwitterアカウント

twitter.com

 

インスタ

www.instagram.com

 

tiktok

www.tiktok.com

 

youtube

www.youtube.com

 

メンバー紹介

さてこの辺で皆さんICHILLIN’のことをもっと知りたくなってきていることでしょう。つーことでメンバーの軽いプロフィール紹介にいきましょう(年齢順)。元Fantagio練習生が多いのは事務所の偉い人が元々Fantagioにいたとかそんなんなのでしょうか……。まあちょっと前からFantagioヤバそうだもんね

 

ジユン

2000年9月15日生まれ。『Girls Planet 999』に参加し、最終順位Kの12位で脱落の後にグループに加入。

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by ICHILLIN' (아이칠린) (@ichillin_km)

www.instagram.com

 

イジ

2000年11月8日生まれ。リーダー、メインダンサーを担当。元Fantagio所属。

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by ICHILLIN' (아이칠린) (@ichillin_km)

www.instagram.com

 

ジェキ

2001年11月16日生まれ。メインラッパー、リードダンサーを担当。元Fantagio所属。

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by ICHILLIN' (아이칠린) (@ichillin_km)

www.instagram.com

 

ジュニ

2002年5月24日生まれ。リードボーカル、サブラッパーを担当。元YG所属。

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by ICHILLIN' (아이칠린) (@ichillin_km)

www.instagram.com

 

チェリン

2003年3月31日生まれ。メインボーカルを担当。

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by ICHILLIN' (아이칠린) (@ichillin_km)

www.instagram.com

 

イェジュ

2004年9月1日生まれ。リードダンサーを担当。元Fantagio所属。

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by ICHILLIN' (아이칠린) (@ichillin_km)

www.instagram.com

 

チョウォン

2005年8月18日生まれ。メインダンサーを担当。元Fantagio所属。

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A post shared by ICHILLIN' (아이칠린) (@ichillin_km)

www.instagram.com

 

ディスコグラフィ

さてそんな魅力的なメンバーが集まったグループICHILLIN’、デビュー2年足らずにしてデジタルシングル4枚にEPが2枚と中々精力的に活動を行っている印象。と、いうことでそんなICHILLIN’の楽曲を紹介します。

 

GOT’YA

www.youtube.com

記念すべきデビュー曲「GOT’YA」はビヨンビヨンのシンセといいサビ前の「ガッチャ……」といいサビ入りで高くなるボーカルラインといいスタイリッシュなダンスといい何から何までサイコー。アニソン~アイドルソング的なハイテンション感と爽快感が声豚出身の火気厳禁に刺さりまくり。このベタな感じだけどガルクラには行ってない匙加減がたまらんですよね。クレジットを確認するとEnzo, Secret Weapon, Aaron.H, MOONiの4名がクレジットされていました。おそらく中心人物であろうEnzoの他の提供楽曲を見てみるとASTROやEXO、ENHYPENにLUN8と近年のボーイズグループへの提供がメインなよう。インスタアカウントは見つかりませんでした。

 

www.instagram.com

 

FRESH

www.youtube.com

2ndシングル「FRESH」はグルーヴィーなベースサウンドが楽しいファンク調楽曲。カフェ風スタジオでのワンカットMVも予算感の割にクオリティ高くて面白いです。作曲は前述のEnzo、Secret Weapon、MOONiにSophiya, Distractの2名が加わっています。SophiyaはJYPのグループへの楽曲提供、バックボーカルとして参加しているアーティスト。Distractも同様にGOT7やTWICEなどの楽曲製作に参加しているようです。

 

www.instagram.com

 

꼭꼭 숨어라 (Play Hide & seek)

www.youtube.com

初のEPのリード曲「꼭꼭 숨어라 (Play Hide & seek)」はいわゆるK-POPパステルカラーっぽい雰囲気を全面に打ち出した逆に今珍しいテイストの楽曲。何が起きたのかと思えば今までの楽曲の作曲陣が一掃されJellyMoltと쥬피 (Juffie)の2名になっていました。調べてみましたが両者共に目立った実績は無さそうな……。何故プロデューサー変えたのかって多分依頼する費用の問題だと思いますが。ココスモラプロデューサー陣の他の提供楽曲は以下リンクから見れます。

 

JellyMolt Lyrics, Songs, and Albums | Genius

쥬피 (Juffie) Lyrics, Songs, and Albums | Genius

 

La Luna

www.youtube.com

同EP収録の「La Luna」はWeekend風シンセポップ~シティポップの折衷アイドルソングといった雰囲気。力強いボーカルラインとピタッと揃ったダンスによって疾走感がより感じられるクールな1曲です。作曲はfromis_9「LOVE BOMB」「FUN!」、イェナ「Make U Smile」、OH MY GIRL「Closer」、ユジョン「Tip Tip Toes」など名だたる楽曲の制作に参加しているAVENUE 52!! に加えGFIREND「MAGO」(まんまやん)、fromis_9「Feel Good」「WE GO」、そして「Hare Hare」などTWICEの日本語楽曲の制作に携わったJJeanの2名。絶対こっちをリード曲にした方がよかったやろ……。

 

Draw(MY TIME)

www.youtube.com

N.E.R.D「Lemon」を彷彿とさせるミニマルなトラック、ですが玄人ウケが過ぎる感もあり……と思っていたら最近KISS OF LIFEが玄人ウケな曲出して話題になってるので完全に知名度/話題性負けしてます。悲しい。HIPHOPマナーを取り入れつつ素朴な可愛らしさもあるビートと爽やかなボーカルがなんとも可愛らしくて良い曲。メンバーのジェキとジュニが作詞に参加しているのも注目ポイントです。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

作曲はDevine Channel, 노는어린이 (Children Playing) & Amanda Mejia。Devine Channelと言えばLAを中心に活動する韓国系のプロデューサーチーム。当ブログの読者の皆様におかれましては豪華な客演陣を招いたアルバム『unorthodox』も記憶に新しいことと思いますが、その人達が入ったらそりゃこの仕上がりになるわなと今更ながら感動しております。

 

Alarm

www.youtube.com

MVサムネイルのインパクトの割に楽曲は普通……だしSTAYC「Beatiful Monstar」以降腐る程見るようになったダイナーをロケ地に使ってるのもなんとも中小事務所感が出てますね……。MVのウェイター衣装イジちゃんが可愛いのでなんでもいいんですが。作曲は강지원、페리の2名。강지원氏の提供楽曲見てみるとパポキのほぼ全ての楽曲に参加しててすごい。

 

강지원 (Kang Ji Won) Lyrics, Songs, and Albums | Genius

 

Siren

www.youtube.com

デジタルシングル「Siren」。今気付いたけど「Alarm」と「Siren」で対比?並列?させてるようです。楽曲はよくあるガルクラ系ハードEDM。この子たちのバチッとキメを作るダンスには合ってるのでパフォーマンス見ると結構カッコイイです。いやBilllieみたいにナムドルガチカバーダンス動画上げるんじゃダメなの……?とか言って調べたら公式からテミン「MOVE」「Advice」、MONSTA X「GAMBLER」のカバーが上がってました。失礼しました。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

もっと調べたらセブチとスキズのカバーも出てきました。いやでもこれあるなら新曲でわざわざガルクラやる意味とは……。コンスタントに新曲リリースして音楽番組出て話題作って、ってやり方なのは分かるが。Gen Neo、Amos Ang、유제혁 (You Jae Hyuk) 、변시원 (Byun Si Won)の4名。おそらく中心となったであろうGen Neoは自身名義での活動の他f(x)アンバーのソロ楽曲を多く手掛けているようです。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

公式YoutubeチャンネルでのMVの再生回数を比較すると「Play Hide & seek」が一番多い約103万回、次いで「Draw (MY TIME)」が約36万回。一番少ない「FRESH」が約8.5万回再生でした(いずれも執筆時点での再生数)。ココスモラ異常に多いのは何……?と思いつつ、最新曲「Siren」が1番古い「GOT’YA」より2万回少ない12.5万回程度の再生回数なのが地味に厳しいというかなんというか……。Youtube上のK-POPプラットフォーム1theKにもこのグループのMVが見られますが、ざっくり見る限り再生回数の傾向大体同じでした。

 

KICK-START

www.youtube.com

2ndミニアルバム『I'M ON IT!』から現時点での最新活動曲「KICK-START」。イェナ「SMARTPHONE」「Hate Rodrigo」系ポップパンク調K-POPでICHILLIN'の弾ける可愛らしさとの相性はバツグン。作曲はJYP系の人脈Selah、Charlotte Wilson、THE HUB 88によるもの。

 

MEME

www.youtube.com

カップリング曲「MEME」。イントロのメロディやボーカルこそキャッチーで可愛らしい感じですがビートを支える金属的なキックや爆音のベースからはhyperpopの雰囲気を感じます。作曲はRang (랑)と베르사최 (VERSACHOI)。VERSACHOI氏はStray Kidsの楽曲に度々参加しているようで、「KICK-START」含め今作はJYP PUBLISHING委託案件なのかと勝手に推測しております。タイで撮影されたMVは観光公社がスポンサーについていそうな感じがしますがどうなんでしょうか。

 

おまけ

先にもカバーダンスの話を少ししましたが、ココスモラ期に1theKから出たカバーダンスメドレー動画を紹介させてください。曲目はGOT the beat「Step Back」、LISA「MONEY」、NCT Dream「Hello Future」など。

 

 www.youtube.com

 

 

AR除去生歌パフォーマンス動画。割りと可愛らしい雰囲気の曲が多いので微妙に分かりづらいですがダンスしながらこれだけ歌えるのやっぱ凄いっす。あと衣装が良い。

www.youtube.com

 

告知&おわりに

さて、ここまでICHILLIN’の来歴と楽曲を見てきました。各楽曲の作曲陣をつぶさに見ていくと迷走している感もありますが、ここ最近の洗練されたK-POP楽曲が食傷気味な皆様には逆にこのベタな雰囲気が刺さったことでしょう。そんなICHILLIN’の楽曲がなんと!! 日本で聴けます!!! 8/18(金)、東京・王子のつつじホールにてファンミーティング開催!!! そして昼夜2部制!!! ライブではなくファンミーティングとは言え持ち曲全部で10曲なので全部聴けると思います!!! チケットは以下のリンクから!!!

 

www.juse-t.jp

 

チェキやサイン会などの特典会参加券も事前にオンラインで買う仕組みなようです。当日素で行って特典会参加出来ない可能性もありますのでお買い忘れのなきよう。チェキとサイン会がラインナップしております。

 

www.juse-t.jp

 

え~ちょっと行ってみたいけど東京だけか~とお思いのアナタ!! 東京公演の翌日8/19(土)に大阪でもファンミーティング開催されます!! もう一度言うチケットは以下のリンクから!!!

 

www.juse-t.jp

 

チケット取りましたか? 取ったな? そしたら応援法を覚えるんだ!!(FRESHだけないっぽい)

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

音番の映像見てるとようやっと応援法の声聞こえるようになってきたな~と思いますがとはいえまだ新人グループ。フィジカルのリリースも2枚のみ。今後の活動が心配ではあるわけです。と、いうか聞いたことない事務所のアイドルが日本でイベント打つ時点で”そういうこと”なのですよ。皆さんバガブーを覚えていますか? ルナソラは? セロデイってご存知ない? もう二度とああいうことになるグループを見たくないので少しでも興味を持った方は是非チケットを取って生でパフォーマンスを見ましょう。バガブーとルナソラとセロデイ知らない人は帰ってください。

と、いうことでICHILLIN’特集でした。ファンミーティングの会場で会おう!!

 

 

 

 

 

ブログ記事の感想は火気厳禁のTwitterのDMやリプライ、以下リンクからの投げ銭で受け付けております!! 告知ツイートへのいいねRTも忘れずにして頂けると嬉しいです!!

※頂いた投げ銭は書籍等資料の購入、トレカ飯活動に充てられます。あなたの支援で記事やツイートのクオリティが上がる!

ほしいものリストからの支援も大歓迎です!!

お仕事の依頼はこちらから→ RadicalChocolatier☆gmail.com(☆を@に変えてください)

 

 

20230715/旧譜digレポート(MOMOLAND編)

皆様アンニョン。解散済みグループ特集「旧譜digレポート」シリーズ第5弾! 今回はジュイがQUEENDOM PUZZLE出演で再度注目を集める(?)MOMOLAND特集です。下に目次置いたので時間が無い人は読みたいところから読んでください。

 

MOMOLANDについて

2016年デビュー、Mnetのサバイバル番組『MOMOLANDを探して』で選抜されたガールズグループ。デビュー当初は7人組でしたが2017年のテハ加入、2019年のヨヌとテハの脱退、2020年デイジーの暴露と事務所の協議などあり最終的には6人で活動していました。所属事務所はダブルキックカンパニー(現MLDエンターテインメント)。K-POPでダブルキックというとやはり二段横蹴り(イダンヨプチャギ)の名前が浮かびますが、どうやら彼らが立ち上げた個人事務所ということではなく「Girl’s Day」マネージャーだったイ・ヒョンジンによって設立された芸能プロダクション(wikiより引用)だそう。ですがまったく関係がないというわけではなく、いくつかのMOMOLANDの楽曲制作に彼らが参加しています。作曲に関しては先述のオーディション番組に参加していた新沙洞の虎(シンサドンホレンイ)の功績が大きく、彼が手掛けた「BAAM」「BBoom BBoom」はどちらもMVの再生回数は億超え。韓国国内のみならず世界中から熱い注目を浴びました。2023年1月の契約満了に伴いグループも事実上の解散。元メンバーのヨヌが女優業を行っている他、ジュイはアイドルラッパーのサバイバル番組『2番目の世界』、ガールズグループ再編成サバイバル番組『QUEENDOM PUZZLE』に立て続けに出演しています。

 

ディスコグラフィ

早速そんなMOMOLANDのディスコグラフィを振り返っていきましょう。

 

1st Mini Album - Welcome to MOMOLAND

짠쿵쾅 (JJan! Koong! Kwang!)

www.youtube.com

2016年リリースのデビュー曲。二段横蹴り先生によるいわゆる~なK-POPアイドルソングです。タイトル「짠쿵쾅 (JJan! Koong! Kwang!)」は鼓動を表すオノマトペだそう。MVの色彩感覚といい謎タイトルといい2016年当時のK-POP感満載で良いですね~。

 

Uh-Gi-Yeo-Cha

www.youtube.com

こちらも謎タイトル! TWICE「Heart Shaker」などを彷彿とさせるリズム感で甘酸っぱい恋心を歌ってます。もう今後絶対にK-POPで聴けないタイプの曲調で最高。今後あるとしたらロケパンだと思います。頑張れ!(?)

 

Welcome to MOMOLAND

www.youtube.com

これも上2曲とそんなに変わらない雰囲気のアイドルソングですが、モモランドというグループ名にかかったアルバム1曲目に相応しい冒頭のアナウンスから、アトラクションの音などを色々取り入れていてとにかく楽しいです。

 

1st Single - 어마어마해 (Wonderful Love)

어마어마해 (Wonderful Love)

www.youtube.com

2017年4月リリース、初のカムバック楽曲「어마어마해 (Wonderful Love)」。デビュー曲から引き続き二段横蹴りプロデュースのK-POPアイドルソング。EDM ver.も出ています。これが「BBoom BBoom」「BAAM」に繋がる伏線だったのか……? というかEDM調が流行ってたのかな。

 

www.youtube.com

 

2nd Mini Album - Freeze!

Freeze!

www.youtube.com

2017年リリース、2ndミニアルバムタイトルトラック「Freeze!」は前述の「Welcome to MOMOLAND」の雰囲気を引き継いだオルゴール風のメロディが可愛らしい1曲。このMVみんなビジュめっちゃ良いな……!! シュッとした男子が出てくる演出もちょっと時代を感じますね。

 

Orgel

www.youtube.com

こちらもオルゴール風サウンドが用いられている「Orgel」。EDM風のビルドアップからブレイクビーツへと展開するサビの疾走感がアニメ~アイドルソング感もあり気に入ってます。

 

3rd Mini Album - GREAT!

뿜뿜 (BBoom BBoom)

www.youtube.com

2018年リリース、一世を風靡した「BBoom BBoom」! 火気厳禁は2018年末にK-POPにハマったのですが、その頃YouTubeK-POPのMV見てるとサジェストでMOMOLANDのこの曲が出まくった思い出があります。チープと言ってしまえばチープなメロディのコミカルさとキャッチーなダンス、原色バキバキなMVとなんだかんだめっちゃ良いメンバーのビジュ……これを一発屋と切って捨てる訳にはいきません。無駄にハードなTrapサウンドのラップパート、ラスサビ前ヨヌの超絶セクシーキリングパートなど結構色んなネタが仕込んであるのも面白いポイント。

EXIDジョンファとヘリンのユニット曲「Are you hungry?」にめっちゃ似てるんだけどどっちも新沙洞の虎ワークスなのでまあ……(そもそもこれロシアかどっかの曲のパクリと言われてるし……)。

 

www.youtube.com

 

Curious

 www.youtube.com

 

なんだかんだ言ってメンバーの声自体が物凄く魅力的であることを再確認させてくれるミドルテンポバラード「Curious」。リム主体のサビも当時の公園少女とかLOONAあたりの玄人ウケK-POP感がありたまらんです。

 

Same Same

www.youtube.com

Same Sameと言えばSTAYC、という常識をぶち破る超絶名曲「Same Same」。エレクトロポップをベースとした楽曲で、キラキラのメロディと柔らかいメンバーの声質の相性がとにかく抜群。こんなんSped UpとかTikTokでバズりそうじゃんね。こんな良い曲なのに画質ガビガビの動画しか上がってないのなんやねん……。

 

4th Mini Album - Fun to The World

BAAM

www.youtube.com

プムプムから続けざまにモモレンが世に送り出したパーティーチューン「BAAM」! パワーシンセとサックスのフレーズがクセになるダンス・ポップ楽曲です。MVでは世界各国の伝統衣装や歴史上の人物(?)を模した衣装を纏いつつ世界中を席巻する彼女たちの様子を描いています。毎回言ってますけどヨヌがさあ……イエップダ……。

 

Veryvery

www.youtube.com

これめっちゃ聴いてた~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!! バッキングギターとスイートなシンセ、コシのあるリズム隊がグルーヴィーなディスコ風味の楽曲。冒頭のポップとしか言いようのないSEとナンシーの声の甘さがたまりません。

 

5th Mini Album - Show Me

I’m So Hot

www.youtube.com

上記2作のヒットを受け完全にTikTok特化路線へ移行した「I’m So Hot」は2019年3月リリース、こちらも新沙洞の虎がプロデュースしています。印象的なサックスのフレーズと縦画角対応のダンス、これこれェ~~!!! でもK-POPTikTokチャレンジ文化が根付くのってアムノレ(2020年1月)以降だからやっぱちょっと早かったんだな……。あとボブのヨヌ。

 

Light Up

www.youtube.com

NJS~シティポップ風味の「Light Up」、相当良い。

 

2nd Single - Thumbs Up

www.youtube.com

6人体制になってから初のカムバック、2019年末リリースの「Thumbs up」はモモランド流のコミカルさとitzyあたりから始まったセフルコンフィデンスを融合させたアップテンポナンバー。こちらは新沙洞の虎でなく二段横蹴りによる作曲ですがここまで来ると手癖でやってる感も……。

 

Special Album - Starry Night

Starry Night

www.youtube.com

2020年6月リリース「Starry Night」。タイトル曲だけズラッと並べるとかなり異質なシティポップ楽曲で、2019年~のシティポップブームを思い出しました。YUKIKA「NEON」、Yubin「都市女子」の流れを組み、デビューから4年目、そして一部メンバー脱退のタイミングでイメチェンを図ったのかなと今にして思いますが結果どうだったのかは次の曲をご確認ください。

 

3rd Single - Ready Or Not

www.youtube.com

2020年11月リリース、「Ready Or Not」。やっぱモモレンはこれなのよ~~~!なパーティーチューンです。サックス風サウンドも健在。メンバー脱退に伴ってラップパートが無くなったのが寂しいですが、一度逸れたこのバブルガムソング路線に戻る判断は賢明だったと言えるでしょう。

 

3rd Digital Single - Wrap Me in Plastic

www.youtube.com

2021年2月リリースの「Wrap Me in Plastic」はDJ・プロデューサーのCHROMANCEによる同名曲のカバー。プロデューサー本人もMVにカメオ出演しております(仮面被ってるし本人かどうか怪しいが)。この「Wrap Me in Plastic」はTikTok経由でバイラルヒットした楽曲だそうで、もはやバズを狙いに行くのではなくバズに乗っかる戦法を取り出したか……とリリース当時驚いたのを覚えています。あとなんか歌詞がエロい。

 

4th Single - Yummy Yummy Love

www.youtube.com

2022年1月、事実上の最終リリースとなった「Yummy Yummy Love」。ドミニカのアーティスト、ナティ・ナターシャとのコラボ楽曲で、今までのポップド直球な作風ともまた違ったディスコっぽい曲調が新機軸でした。「BBoom BBoom」でのグローバルヒットからラテンアメリカ市場にターゲットを絞るというおそらくK-POP市場初めての試みも面白いな~と思いますし、同事務所の後輩ガールズグループLapillusにはアジア(フィリピン)とラテンアメリカ(アルゼンチン)にルーツを持つメンバーがいたりとそちら方面へのプロモーションは今後も続けていくようです。

 

おわりに

旧譜digレポートMOMOLAND編でした。

なんだかんだ良い曲多いしこの年代のK-POPグループって活動曲のテイストがそんなに変わらないから過去作から現在まで通しで聴きやすいですね。そうした点から考えると今はビジュアルイメージでグループを印象付ける手法が一般的になっているような……。個人的には、K-POPハマりたての時期にモモレンの中毒性の強い楽曲に出会ってたからK-POPによりのめり込んだところもあるような気がして感慨深かったです。あと火気厳禁の推しは勿論ヨヌです。

それではまた次回。

 

 

参考資料

 

ブログ記事の感想は火気厳禁のTwitterのDMやリプライ、以下リンクからの投げ銭で受け付けております!! 告知ツイートへのいいねRTも忘れずにして頂けると嬉しいです!!

※頂いた投げ銭は書籍等資料の購入、トレカ飯活動に充てられます。あなたの支援で記事やツイートのクオリティが上がる!

ほしいものリストからの支援も大歓迎です!!

お仕事の依頼はこちらから→ RadicalChocolatier☆gmail.com(☆を@に変えてください)

 

 

20230708/旧譜digレポート(イ・ジョンヒョン編②)

皆様ごきげんよう。火気厳禁です。今回は解散済みグループ特集シリーズ「旧譜digレポート」、イ・ジョンヒョン編の後半をお届けします。前編は以下から。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

さて、それでは2003年以降の活動を追っていきましょう。

 

ディスコグラフィ

『Passion』(2004)

アルバム全体を通してラテン調コンセプトが採用され、今までのテクノ~トランス要素をほぼ完全に無くした『Passion』。今までの劇的なイメージに慣れたファンからの反応は芳しくなく、音源成績も伸び悩んだそう。とはいえアルバム収録の「Domino」とか「Escape」とか良いと思うんですけどねえ……ラップも1st~2ndアルバムの楽曲に比べるとかなり自然なものになってます。「An Empty Dream」に日本語のラップが入っているのはなんなのだろうか……。このアルバムで所属事務所との契約が終了したということもあってなのか、このアルバムだけサブスクで配信されていません。

 

youtu.be

 

youtu.be

 

youtu.be

 

따라해봐

www.youtube.com

アルバムリード曲「따라해봐(着いてきて)」。フラメンコ調の楽曲と合わせたセクシーな振り付けを全面に押し出し、新たな一面を見せる1曲です。

 

日本での活動

前述『Passion』での活動が終わると、日本での女優活動と並行して日本版のシングルをリリース。オリジナル曲はなくJapanese ver.のみですが、なんと日本での初パフォーマンスがその年の紅白歌合戦だったというから驚きです。しかも紅白の動画もyoutubeにあった……! 日本におけるK-POPの受容の歴史においても重要な存在だと言えるでしょう。動画に出てくる作詞クレジットを見ると日本語詞も韓国の方が手掛けているらしく、それもあってかかなり自然な仕上がりになっています。

 

www.youtube.com

 

こんなんもありました。HMVでインストアイベントしてますやん……

 

www.youtube.com

 

『Fantastic Girl』(2006)

日本での活動を終え、2年ぶりに韓国でリリースされた『Fantastic Girl』はR&BHIPHOPから影響を受けたガール・ダンス・ポップアルバム。正確なジャンル名がわからないのですがCSVCがパロディしたあの感じです。シティポップっぽいシンセのR&Bナンバー「어떻게」が良い感じでした。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

철수야 사랑해

www.youtube.com

「철수야 사랑해(チョルス、愛してる)」。過去付き合った男の中でもチョルスが一番良かった、というアリアナ・グランデ「thank u, next」もびっくりの恋愛遍歴開示ポップ(流石に実話じゃないと思いますが)。作曲は自身の空前のヒット曲「Wa」の최준영(チェ・ジュンヨン)、そして「バン(Half)」を作曲してくれた유타(ユタ)によるもの。どうりでこの独特の芋臭さがあるわけだ……。

 

『Avaholic』(2009)

中国での歌手、俳優活動を経て3年ぶりのリリースとなったミニアルバム『Avaholic』。リリースされた2009年前後は少女時代、KARA、miss Aなどがデビューし、本格的にK-POP人気が高まっていくタイミングでした。イ・ジョンヒョンもその例に漏れず海外からも制作陣を招いてこのアルバムを制作、今までより垢抜けたクリエイションになっています(とはいえ今聴くと時代を感じますが)。アルバムタイトルは彼女の英語名「Ava」から来ています。

 

Crazy

www.youtube.com

イ・ヒョリの「U-Go-Girl」、少女時代「Gee」など当時のヒット曲を次々に生み出したプロデューサーE-TRIBEによる「Crazy」。MVも今までの作品とは一線を画す仕上がりで、2009年あたりからK-POPが現在の形になってきたことがよくわかります。

 

Vogue Girl

www.youtube.com

「Crazy」とは打って変わってキャッチーで可愛らしい「Vogue Girl」。ロボ声のコーラスやハウス調のバックトラックはT-ARA「Bo Peep Bo Peep」(2009)を彷彿とさせます。上に載せているのは2009年の「音楽中心」でのパフォーマンス。この時点で応援法カルチャーが出来上がっていること、今までの楽曲のセルフパロディを入れ込んだステージ演出も面白いです。

 

『007th』(2010)

前ミニアルバム収録曲といくつかの新規楽曲を組み合わせた今で言うリパケアルバム『007th』。「Vogue Girl」を軸に今で言うガルクラ要素を追加したような仕上がりになっています。

 

수상한 남자

www.youtube.com

うおおおおめっちゃアーリー2010年代のK-POPっぽい!! そしてYGっぽい!! 浮気をした交際相手に詰め寄る内容の歌詞をオートチューン混じりのカリスマ溢れる歌唱で魅せています。K-POPのMVあるある:車がもう出てきていることに謎の感動を覚えました。

 

『V』(2013)

www.youtube.com

最後のリリースとなったシングル『V』。ホラーコメディ調のコンセプトでなんとMVの監督はパク・チャヌク! 映画出演の縁でこのコラボレーションが実現したのだとか。瞼に眼を書くメイクやら脚無いのに縄跳びやらと異常なスクショ映えの乱打、やたらグルーヴィーな楽曲と合わせてこれはチョコミの先祖と言っていいでしょう。サビ前に入るEDM風のビルドアップも面白すぎる。動画漁ってたら完全アウトな音番の動画出てきました。笑 衣装とのアンマッチも含めて狂気を感じて良いですけどね。

 

www.youtube.com

 

雑感

ここまでイ・ジョンヒョンの活動を振り返ってまいりました。彼女の活動していた頃は1枚のアルバムを出して曲を変えながら2,3ヶ月活動するのが普通だったそうで、今のアイドルグループの激戦具合からは想像出来ないくらい余裕(?)があったんだなと思いました。そして出演している音楽番組自体は今も続いているから更に驚き。韓国では週に5番組も音楽番組が放送しているといいますから、やはり昔から音楽コンテンツ自体が根強い人気を持っているということなのでしょうか。彼女の活動の変遷を見るに、K-POPYoutubeの発達と共にそのヴィジュアル込みで国際的に人気を得てきたとする言説に対して「いや元々韓国国内で流通してた頃から衣装凝ってたのでは」という反論を浴びせたくなりました。まあテレビもyoutubeみたいなものではあるのですが。新曲を出す度にイメージをガラッと変える方針なんかも今のK-POPアーティストの先駆けと言えますね。今回は楽曲のプロデュース陣についてあまり調査出来なかったので、まだまだ研究の余地がありそうです。あと同時期に活動していたオム・ジョンファBoAも気になってきました。

 

と、いうことで旧譜digレポート(イ・ジョンヒョン編)でした。それではまた次回!

 

 

ブログ記事の感想は火気厳禁のTwitterのDMやリプライ、以下リンクからの投げ銭で受け付けております!! 告知ツイートへのいいねRTも忘れずにして頂けると嬉しいです!!

※頂いた投げ銭は書籍等資料の購入、トレカ飯活動に充てられます。あなたの支援で記事やツイートのクオリティが上がる!

ほしいものリストからの支援も大歓迎です!!

お仕事の依頼はこちらから→ RadicalChocolatier☆gmail.com(☆を@に変えてください)

 

 

20230705/旧譜digレポート(イ・ジョンヒョン編①)

解散済みK-POPグループ特集シリーズ「旧譜digレポート」、今回はK-POP第1世代のソロアーティストであるイ・ジョンヒョンを特集します。

 

プロフィール

1980年2月7日生まれ。ソテジワアイドゥルに影響を受け芸能界を志し、1996年に映画「꽃잎(花びら)」に出演。OST楽曲でボーカルを務めました。その後ダンスグループのグッピー(구피)のMVに出演して見事なリップシンクとダンスが話題を呼び、1999年に歌手デビュー。斬新なスタイルで爆発的な人気を獲得すると、人気低迷期を経て日中韓で活動しました。2011年以降は女優として本格的に活動を行い、2015年には『誠実な国のアリス(성실한 나라의 앨리스)』で韓国の映画賞「青龍映画賞(청룡영화상)」の主演女優賞を受賞しています。

 

www.youtube.com

 

ディスコグラフィ

『Let’s Go To My Star』(1999)

テクノミュージックを軸に据えたイ・ジョンヒョン初のアルバム『Let’s Go To My Star』。世紀末といった状況も相まってこの革新的、実験的なスタイルが大ハマリ、イ・ジョンヒョンを知らない人はいないといった状況だったそう。このアルバムリリースに伴う活動で彼女は後述する破格のパフォーマンス、そして自らを異星人だとして振る舞うなど、現在のコンセプト強めK-POPグループの先駆けような存在だとも言えます。

 

와(Wa)

www.youtube.com

このドッチードッチーなテクノ~ハウスサウンドでブチアガらない人いるのでしょうか。ところどころ入ってくる琴の音、シャウトっぽいラップからK-POP特有のケレン味を感じます。そしてビジュアル面にも触れない訳にはいきません。忍者風の衣装とその力強いダンスから「テクノ女戦士」との呼び名すらあるそうで、アルバムジャケットの眼がプリントされた扇もインパクト抜群。MVの冒頭にはアルバム1曲目収録の「-00001」が用いられ、ドラムンベースとサイバー~宇宙モチーフのCG演出は逆に今っぽい印象です。こないだ公開されたXG「GRL GVNG」はこの路線のアップデート版と言っていいのでは? 小指にマイクをつけて口元に常に持ってきていますが腕攣らないんでしょうか。

 

www.youtube.com

 

少女時代テヨン(AI coverかと思ったら11年前の動画でした)、f(x)アンバー、『Music Bank』でのチョンハによるカバー、『不死の名曲』でのブブゴルによるバンドアレンジカバーなど現在も(?)歌い継がれる伝説のDIVAソングと言って良いでしょう。(アンバーのやつ何故かプレーヤー埋め込みできなかった)

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

2015年にはバラエティ番組『무한도전(無限挑戦)』の企画で本人が久々にパフォーマンス。 デビュー当時の人気がいかほどだったのかを窺わせる観客のブチ沸きっぷりは必見です。同じスタジオにS.E.Sの皆さんもいらっしゃる……!

 

www.youtube.com

 

바꿔

www.youtube.com

テクノ女戦士のイメージで大衆人気を獲得したイ・ジョンヒョンはアルバム収録「바꿔」でも活動。「世間の慣習や価値観を全て変えろ」という歌詞はやはり当時の社会の空気と呼応しこれまたヒットしたそうです。衣装の翼は1枚約8kgあったそうで、音楽番組の映像を見てみるとやはりどこか猫背っぽくなってしまっているような……。楽曲自体は「Wa」とそこまで変わらない印象ですが、伝統楽器的な音は入っておらずよりテクノ~ハウス要素が全面に出ています。

 

『Peace』(2000)

YGエンタのPD陣が集って制作された2ndアルバム『Peace』。表題曲「Peace」はNJS調のトラックに世界平和への強い想いを乗せています。アルバム全編通して伝統楽器とテクノの組み合わせは引き続き多用されていますが、HIPHOP色の強い「따 (feat. Perry)」、ヘビメタ風「잘먹고 잘살아라 (feat. 닥터코어 911)」など、前作よりも多様なスタイルを取り入れています。

 

www.youtube.com

 

You (너)

www.youtube.com

四つ打ちハウスにこれまたアジアンな雰囲気のフレーズが入る、「Wa」の二匹目のドジョウを狙った感のある「You(너)」。個人的にパッと聞きのインパクトは「Wa」の方があるかな~と思いますが、サビのメロとボーカルが重なるところなんかはよりキャッチーになっています。本人がクレオパトラに扮するMVは実際にエジプトで撮影されたそうです。

 

Joolae (줄래)

www.youtube.com

脱・テクノ女戦士を狙ったバービードールコンセプト。少年が万引きしてきたゼンマイ人形が実は生きてて家の中を歩き回り、ピタゴラスイッチ的に部屋を荒らし回るという謎のMVは一見の価値あり。

 

『Magic To Go To My Star』(2001)

前作で軍人、クレオパトラ、バービー人形と様々なペルソナに扮したイ・ジョンヒョン、今度はマジシャンへと変身。メインプロデューサーが今までのリード曲を手掛けたチェ・ジュンヨンから「Joolae (줄래)」のユン・イルサンに交代し、楽曲のテイストも微妙に変わっているのが聴きどころ。

 

미쳐 (Crazy)

www.youtube.com

前々作、前作とも雰囲気を変え、USのダンス・ポップっぽいテイストの楽曲。急な路線変更によって音源成績はあまり振るわずこの後再度テクノ路線に回帰するわけですが、むしろこの曲の方がオールドスクールK-POPを感じる……というかJYPの第1世代の方々ってこういう曲やってなかったっけ? 気のせい?

 

Half (반)

www.youtube.com

同アルバムから「Half (반)」。テクノっぽさは後退し、ユーロビートやトランスを取り入れつつポンチャック的な雰囲気もある楽しい1曲。そんな楽曲なのでクラブを中心にバイラルヒットしたそうです。今で言うチャート逆走?

 

『I Love Natural』(2002)

4thアルバム『I Love Natural』。このあたりからテクノ~トランス路線のマンネリ化が目立ってきます。が、「Brigther Than Sunshine」はめっちゃ良い。調べたらライブ映像出てきました。これ2005年の渋谷!? 当時日本で女優として活動していたらしいですが少女時代上陸前の日本で結構ちゃんと集客してるっぽいのすごくないですか? すごい。

 

www.youtube.com

 

Ari Ari (아리아리)

www.youtube.com

「Half (반)」のヒットを受けテクノ~トランス路線へ回帰した「Ari Ari (아리아리)」。もはや楽曲自体に何も言うことは無いのですが、ヒッピースタイルとも違う野性味溢れるアマゾネススタイルで再度リスナーに衝撃を与えました。MV冒頭に入っている音源はアルバム1曲目収録の「단심가 (丹心歌)」。

 

Dara Dara (달아달아)

www.youtube.com

本格的な伝統衣装/舞踊のコンセプトを取り入れた「Dara Dara (달아달아)」。例によってまた曲について言うことは特に無いんですが、個人的にはitzyの約10年前にはもうダラダラがあったのか……と妙な感慨を覚えました。笑

 

『Summer Party』(2003)

4thアルバムのリリースからおよそ半年後の2003年7月にスペシャルアルバム『Summer Party』をリリース。このあたりからサマーミニアルバムを出すK-POP界の慣習が出来たのでしょうか。Red FlavorとかBoogie Upみたいな。

 

Summer Dance

www.youtube.com

デビュー以来続けてきたコンセプトをガチガチに固める方針から一転、この作品では素朴で可愛らしいアイドル・サマー・コンセプト。楽曲も軽く聴けるバブルガム・ポップ、というか今聴くとなんだか面白が勝ってしまいますね……。あとMVでの男性アクターとの絡み大丈夫?

 

ということで2003年までのイ・ジョンヒョンの活動を辿って参りました。2003~から女優転身までの活動については後半に続きます! ということで次回もお楽しみに。

 

 

ブログ記事の感想は火気厳禁のTwitterのDMやリプライ、以下リンクからの投げ銭で受け付けております!! 告知ツイートへのいいねRTも忘れずにして頂けると嬉しいです!!

※頂いた投げ銭は書籍等資料の購入、トレカ飯活動に充てられます。あなたの支援で記事やツイートのクオリティが上がる!

ほしいものリストからの支援も大歓迎です!!

お仕事の依頼はこちらから→ RadicalChocolatier☆gmail.com(☆を@に変えてください)

 

20230701/K-POP定期便(6月カムバックアーティスト特集)

皆様ごきげんよう。求職活動中の火気厳禁です。蒸し暑いですね。梅雨なんだか雨季なんだか、気圧の底でも浮かれた気分にさせてくれるのはK-POP。ということで今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今夜の1曲目はThe Weeknd, JENNIE & Lily Rose Depp 「One Of The Girls」です。

 

www.youtube.com

 

改めましてごきげんよう。火気厳禁です。今回は毎月恒例カムバック特集、火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

1曲目に紹介したのはBLACKPINKジェニとWeekend、リリローズデップのコラボ楽曲「One Of The Girls」。HBOドラマ『THE IDOL』の挿入歌としてリリースされた楽曲ですがなんだかんだやっぱり週末クオリティ。最高。ドラマはまあなんというかまだ何も起きてないに等しい(4話まで見た)けど次回で終わり。下馬評と違ってジェニはまあまあ良い役です。

 

K-POP

tripleS - Cherry Gene

www.youtube.com

チョンビョンギが手掛けるメタバースアイドルグループ(?)TripleSの派生ユニットAcidAngelFromAsiaと(+KR)ystal eyesの公式マッシュアップ音源がリリース。本隊であるTripleSのミニアルバム「Assemble」が遂にサブスク解禁されたのでそちらも要チェックです!

 

www.youtube.com

 

Suzy - R.U.N

www.youtube.com

ハイブ主催のサバイバルオーディション番組「R U NEXT?」のテーマソングはスジによる洒脱ドラムン。サバ番のテーマソング=ベタベタのアイドルソング、というセオリーを崩す意欲作です。「R U NEXT?」本編は6/30からスタート! 火気厳禁はシャネル1pickです!

 

KISS OF LIFE - Sugarcoat (NATTY Solo)

www.youtube.com

HOT ISSUEを輩出した(そして解散した)S2エンターテインメントが送り出す新ガールズグループKISS OF LIFEがデビュー前にメンバーのソロ楽曲を公開。どの曲も意味がわからないくらいクオリティが高いのですが、今回は宇多田ヒカル「Automatic」的00sR&BヴァイブスがクールなNattyのソロ曲「Sugarcoat」をご紹介。ドルオタの視点から言うともうこれK-POPじゃなくてええやん、とも思うのですがやっぱ良いもんは良い。他のメンバーのソロ曲もHIPHOPっぽかったりするのですが完全体デビューはどうなるのか注目です。

 

Lapillus - Who’s Next

www.youtube.com

MOMOLANDの後輩、局所的に注目を集める新人グループLapillusが2回目のカムバック。サビ終わりで入るブレイクビーツ風のダンスパートなどはaespa以降のガールクラッシュ的音像……というかこのグループの様子がおかしいだけな気もします(好きです)。さてそんなLapillus、8月には日本デビューも決まってます。来日イベントもあるそうなので行きましょう。

 

YENA (최예나) - Hate Rodrigo (Feat. 우기 *1 

www.youtube.com

イェナが(G)I-DLEウギを招いてポップパンク楽曲「Hate Rodrigo」をリリース! タイトルにもなっているRodrigo=オリヴィア・ロドリゴ側からの要請?で一時はMVが公開停止になっていましたが、現在は復活しています。ソロデビュー時からポップパンク路線を得意とする彼女ですが、今回のゴタゴタは今後の活動方針に影響するのでしょうか……。

 

K-indie/R&B

xooos - Bad At Us

www.youtube.com

Colde率いるレーベル・wavyの新人xooos(スス)が初のEPをリリース。TikTok経由で大ヒットしているFIFTY FIFTYに近い雰囲気……というかFIFTY FIFTYがそもそもK-indieっぽいのですが。こんなん言うのもアレですがお顔がはちゃめちゃに可愛い。とか言ってたら熱愛報道が……。

 

Miso - Emotions (feat. Lil Cherry)

www.youtube.com

Club eskimoの一員、イギリス出身韓国人SSWのMisoが久々に新曲をリリース! シングル収録の「Emotions (feat. Lil Cherry)」は軽やかなドラムンベース。スジといいニュジといいドラムン~ジャージーボルチモアの浸透具合ハンパないです。

 

COCONA - Complicated

www.youtube.com

我らが(?)COCONAさんがEP「i」をリリース。リード曲「Complicated」は「YELLOW Funky」にも通じる洒脱なファンクティストの楽曲で、2分もない潔さもなんだかかっこいい。やっぱこの人は声がサイコー。

 

APNEA - Ph.D (feat. 이박사 E-Paksa, Noriaki)

www.youtube.com

今月のTwitterで知った枠。例によって前情報無しで聴いてみたらドラムンベースダブステップを取り入れたいわゆるミクスチャーロックバンドでした。アルバムには日本人ラッパーのMC D2を招聘した「KEPANASHI」「Vibes Agepoyo」(女性ボーカルのあげぽよ~で途端にバニラトラックぽくなるのが面白い)の他、ポンチャックの帝王イ・パクサとカルト的人気を誇る日本のラッパーノリアキがfeat.された「Ph.D」など全12曲を収録。変な音楽が好きな奴は聴け!!

 

BÉBE YANA - CHEMISTRY

www.youtube.com

ボルチモアのグルーヴを取り入れたY2K風味のエレクトロハウス。最高!

 

K-HIPHOP

Kid Milli - HONDA !

www.youtube.com

5月末にキドミリがフルアルバム「BEIGE」をリリース! pH-1やLeellamarz、Raf SandouにSik-kウウォンジェと豪華客演陣を招きつつファストレーンを爆走。リードトラック「HONDA !」は疾走感のあるTrapのハイハットとエレクトロサウンドに絶え間なく繰り出されるデリバリの安定感たるや……。個人的にはYoung Bの声が久々に聴けて良かったです。

 

Woo - Ransome (feat. BILL STAX)

www.youtube.com

ザラついたビートの上で展開されるFLEXの果てにある虚無や死生観についてのリリックがウォンジェのダウナーな声とフロウと相まって退廃とした雰囲気を感じさせます。

 

YongYong - Diaryy

www.youtube.com

火気厳禁激推しラッパーYongYong(YonYonではない)がEP「Black Diaryy」をリリース!! ASH ILANDとの共演などではエモラップ的な世界観を見せる彼女ですが、ここ最近のY2K~ポップパンク人気を上手く取り入れたミクスチャーテイストをベースにした佳作EPです。

 

MALITABU - Cherry Pie

www.youtube.com

女性ラッパーMALITABUの新譜。名前はなんとなく知ってたけどナムウィキ見ても詳細が出てこない……。フロウ、シンセの心地良い浮遊感が良いです。

 

YUNHWAY - Mistakes (Never Looking Back)

www.youtube.com

YUNHWAYが今後リリース予定のアルバムから「YUNHWAY - Mistakes (Never Looking Back)」を先行リリース! Raf Sandou、seAwooによるインダストリアルで攻撃的なビートがたまらなくかっけえ! MV後半に入るビートスイッチは配信音源には含まれていないのでアルバム音源のスポイラーでしょうか。上のMALITABUやNewJeans「OMG」のような雰囲気でめっちゃ良い。

 

OSUN - Five Lines Behavior

www.youtube.com

高等ラッパー4出演、2021年にFive Linesレーベルからデビューした新人(?)ラッパーのOSUNがEP「5taff Only」をリリース。アヤしくてワルい感じのHIPHOP。サイコー!

 

Skinny Brown - Someone On You (Feat. Kid Wine)

www.youtube.com

エモラップ界隈で人気のSkinny Brownがアルバムをリリース。「Someone On You」はKid Wineによるチルなビートにオートチューン映えする歌モノフロウが心地良い1曲です。

 

TOKAI - 밀림 (Feat.Ja Mezz)

www.youtube.com

2021年デビュー新人ラッパー(?)TOKAIがRAUDIのフルプロデュースによるEP「Geckoin」をリリース。「Millim」はいい感じのPhonk楽曲で、葉っぱ関連で捕まってたJa Mezzがいつの間にか出てきてることに驚きました笑。Phonkについては以下記事に詳しく書きましたので未読の方は是非チェックしてみてください。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

PENOMECO - X

www.youtube.com

PENOMECOは「Rorschach」の続編EPをリリース。リード曲「X」はオールドスクールなビートとソテジワアイドゥルを彷彿とさせるフロウから幕を開け、バースごとに様々なスタイルでラッピンする芸達者っぷりとシーンにおけるliving legendは俺だと言わんばかりの気迫が伝わってきます。しかも振り付けまでついている……すご……。

 

www.youtube.com

 

24 Flakko X Cribs - 벌어 돈 벌어 (feat. Owen, Jin Dogg)

www.youtube.com

アトランタでの活動経験もあるビートメイカー/プロデューサーの24 Flakkoと2人組プロデューサーチームCribsがジョイントEP「Lotto」をリリース! 日本のアンダーグラウンドHIPHOPを代表するラッパーJin Doggを招いた「벌어 돈 벌어」では彼の韓国語でのラップも聴けます。

 

hiphopkr.com

 

이테 (ITÉ) - In The Booth

www.youtube.com

今月のインスタで知った枠。ビートのテイストとかMVの感じはR&B~ジャズぽいですがアルバム全編ラップしてたのとプロデューサーにFredi Cassoが入ってるのでこちらのジャンルでのご紹介。「In The Booth」はredi Cassoによるシンセとドラムス主体のシンプルなビート、コーラスはKhundi Pandaと豪華な制作陣ですが肩肘張らずに聴ける涼しげな1曲です。

 

今月の火気pick : fromis_9 - Unlock My World

www.youtube.com

俺たちのプロミスナインがフルアルバムをリリーーース!! 祭りだ!!

ハイブ傘下のPledis移籍、そしてギュリの脱退を経てリリースされた初のフルアルバム「UNLOCK MY WORLD」は近年彼女たちがモチーフとして用いていた鍵(錠前)をアンロックする、というタイトルに相応しく今まで隠していた成熟し余裕溢れる彼女たちの魅力がこれでもかと詰め込まれた作品になっています。

活動曲「#menow」は彼女たちのここ最近の音楽的な軸であるファンクをベースとしつつ、ハネすぎないノリがクールな1曲。「とても眩しいモノ それが私」など近年の大きな潮流であるセルフラブ/セルフコンフィデンス的なテーマも取り入れつつ、ともすればコンセプトが先行しがちなK-POPシーンにおいて、ここまでの紆余曲折も込みで「これが私だよ こんな私はどう?」とリスナーに語りかけるfromis_9。書いてて涙が出てきましたマジで。fromis_9がfromis_9であり続けてくれていることに感謝です。

せっかくなのでここで好きなアルバム収録曲についても色々語らせてください。

 

Attitude

www.youtube.com

fromis_9のアルバムの1曲目がこれ!??!?! 最高!!!!!!! ボーカルにおける感情のオンオフがもうね……特にジホンがヤバい。ジソンこういうの得意ね(好きです)。あとイチェヨンさん……。ごめんけどこの曲応援法要らんやろ!!!!!!

 

Prom Night

www.youtube.com

アアアアーーーーーーープロミの2stepーーーーーーーーー!!!!! 夏にぴったりの清涼感のある2step/ディープハウス楽曲。Prom(卒業パーティー)で思うままに夜を踊り明かすリリックの内容にもばっちり合ったダンサブルなトラックに抑制の効いたボーカルの組み合わせがなんともたまりません。入りのパートチェヨンだよね? 最高。ここでもやっぱジホンの無感情なボーカルに心を揺さぶられました。

 

My Night Routine

www.youtube.com

スムースでスウィートなR&B「My Night Routine」。一日の終わり、ベッドに横になって愛おしい/大切な人とメッセージ交わす情景やその心情を丁寧に丁寧に紡ぎ出します。「너와의 night routine」の響きの美しさったら……。んでジソンのASMRはいつになったら復活するんですかね。

今作はジウォンハヨンのバカテク歌唱みたいな分かりやすいヒキを作らず全体的に抑えめでウィスパーな雰囲気のボーカルが用いられ、やはりそこが今作の大人っぽい印象に繋がってくるのかなと。「Talk That Taik」とか若干迷走してた感あるけどこれは本当にすごい。K-POP史に残る名盤だと思います。

 

 

 

本編で紹介出来ませんでしたがNewJeans × J.I.D、CCOLA、Khakii、Peggy Gouなどなども凄く良かったです! 後述のプレイリストに入れてますので是非チェックしてみてください。

 

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

 

ということで、7月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

さてさて2023年も後半戦に突入! 来月もNewJeansにPURPLEKISSスアンにitzyにと相も変わらず盛り沢山です! お楽しみに!!

 

 

ブログ記事の感想は火気厳禁のTwitterのDMやリプライ、以下リンクからの投げ銭で受け付けております!! 告知ツイートへのいいねRTも忘れずにして頂けると嬉しいです!!

※頂いた投げ銭は書籍、音源の購入、トレカ飯活動に充てられます。あなたの支援で記事やツイートのクオリティが上がる!

ほしいものリストからの支援も大歓迎です!!

執筆の依頼はこちらから→ RadicalChocolatier☆gmail.com(☆を@に変えてください)

 

*1:여자)아이들

*2:여자)아이들

20230630/'XG - GRL GVNG' リリック和訳&解説&レビュー

皆様ごきげんよう。火気厳禁です。来るXGの1st Mini Albumから「GRL GVNG」が先行リリースされました!! K-POPHIPHOP/ラップの関係性を追い続ける当ブログで扱わないわけにはいかないだろうということでリリック解説と少しレビューを行ってみます。まだ聴いてない人は下のYoutubeから聴いてみてください。

 

www.youtube.com

 

リリック和訳&解説

A band of hittas, we're different kind of party

殺し屋集団、すんな雑魚と一緒に

hittas=hitters。hitter=hitmanで殺し屋という意味です。shooterも同様に殺し屋という意味で用いられます。


The type of crew don't gotta answer to nobody

誰にも定義されないチーム


You mess around with us, I promise you'll be sorry

ウチらの前じゃタジタジ お前はするよ後悔

 

Trust me, trust me, that'd be a big mistake

マジで ガチで デカい間違い

 

We go hard everyday (We go, we go hard)

休み無い everyday


Me and my girls ain't here to play (We ain't here to play)

これは遊びじゃない


If you ain't tough, can't join the club (Can't join the club)

タフじゃなきゃ  仲間になれない 


Yeah, we only got room for the baddest (Baddest)

そう ここは最凶なギャルのための空間

「room」はそのまま訳すと部屋、ですがXGが作り出す空間/世界観と訳す方が適切かと。


Made of winners, my team go ham with it (Go ham, go ham)

常勝集団がブチかます  問わない手段

 

(bridge)

Don't you let these pretty faces fool you

可愛い顔に騙されないで


Savagе underneath (Yeah, wе're so savage)

その下に潜むSavage

もはやK-POP頻出単語「Savage」。スラング解説記事に既出なのでそちらを参照のこと。


There's no limit, nothing that we can't do (Uh-uh)

限界は無い、不可能も無い

「no limit」で「限界無し」。こちらもHIPHOP/K-POP頻出ワード。


Whatever the problem

全ての問題


We know how to solve 'em (Yeah, yeah)

すぐに解体

 

(hook)

Work flow, hustle game

流れのままに勝ち抜くこのゲーム

「hustle」はカタカナにすると「ハッスル」なので頑張る、みたいな意味に取れますが、HIPHOP楽曲の中ではラップする/曲を出す、薬物や葉っぱの売買によって稼ぐことが「hustle」という言葉で表現されます。スラング解説記事のTWICEの箇所を参照。


Never pick fights with a girl gang

girl gangに手を出すな

 

All of my ladies are fire

ウチら全員イケてる

「fire」は直訳すると「火」ですがここでは形容詞的に用いているので「イケてる」という意味のスラング。「lit」に近い感覚でしょうか。


Rolling with queens, issa female empire

クイーン達と 建てる帝国

issa=DA PUNPのISSA〜ではなく「it's a」の略。GALZ XYPHARでも使用されていました。解説記事参照のこと。


Work flow, hustle game

昼夜問わず 止めない動き


Never pick fights with a girl gang

girl gangとやり合うつもり?


All of my ladies are fire

触れたらする火傷


Rolling with queens, issa female empire

打ち立てる帝国 女だけの

 

Bow down

降参しな


Get back

後退しな

 

Head down

頭が高いぞ


Get stacks

得る札束

stack=束。HIPHOP楽曲で用いられる場合は基本的に札束のことを指します。

 

Bet you can't match these stats

この成績出せないでしょ?

stats=statistics(統計)ですがオンラインゲームなどで1プレイ終わったあとに出る戦績、という意味もあるらしくそちらの意味合いで訳出しました。


Try to catch up, we stay one step ahead

追いついてみな ウチらずっと先を行く


Bet you can't rack up these checks

小切手積み上げらんないでしょ?

checks=小切手。


Give it a shot but you'll end up finessed

真似してもどうせ上手く行かない

 

Boom, ha

Confident chicks with a whole new swagger

完全なるswag 自信たっぷりな新人

「chicks」はヒヨコの意。こんな強いヒヨコおらんて……


Boom, ha
Level so high, gonna need a ladder

高過ぎるレベル ハシゴ架けな

「we only got room for the baddest」のリリックからTravis Scott「HIGHEST IN THE ROOM」を連想したのですが、そのジャケットが空の上までかかった梯子の絵なのでリファレンスかも。


We got something extra hot

ウチら マジで 激辛


Yummy, yummy out the pot

次から次に 手止まらん


Rolling deep when we in town

街居るだけで起きる 波


You ain't know, you're learning now

知らないならしなよ  知ったかぶり

 

They say, "You so fly, oh my God"

他人が言うよ  "アンタらマジヤバい"


Crew so tight, they know we on lock

強い結束  シーンを掌握


Drip so cold, we're stylling like ice

凍るほどの煌めき  着こなしは最新

「ice」「drip」に関してはもう説明しません。最初のスラング解説記事読んでください。


Crew so bold, we stupid on sight (Eh, eh)

硬い結束 目標に邁進

 

(*bridge)

(*hook)

 

Heavy hitters

かっ飛ばす

冒頭に「hittas」が出ましたが「Heavy hitters」で「強打者」を意味する慣用句になるそう。もしかしてココナの大谷ユニ着用はこれの伏線……? 背番号「17」と本人の年齢をかけてるらしいですが。


Gang of winners (Yah, yah)

次も勝つ


Put 'em up

ブチ上げる


Who the realest

誰がリアル?


Ooh, the way we shine it's always burning (Ready)

いつも燃えて  放つ輝き


Ooh, they gonna see us while we coming (While we coming)

girl gangが今向かってる

 

(*hook)


We go hard everyday

休み無い everyday


Me and my girls ain't here to play

これは遊びじゃない


Yeah, yeah, yeah
(We be the, we be the)
Baddest, baddest, yeah(Only got room for the)
Baddest, ooh

最凶 最強 最恐……

 

レビューっつか感想

まず言っときたいのが……

 

XG最高!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

もはや説明不要、世界を席巻する7人組ガールズグループXG。彼女たちが満を持してリリースする初のミニアルバムから「GRL GVNG」が先行リリースされるというニュースだけでもうヤバいのにまさにギャングといった佇まいのティザーフォトまで出て大興奮。この感じ……もしかしてDrill来るか?と思いましたがゴリッゴリのDrillでは無かったです。(そりゃそう)

 

 

リリックの内容に関しては上に書いたので特に触れませんが、語彙の感じとか冒頭から入る「ヴゥアアアア……」みたいなシンセがなんとなくTravisっぽくてそのあたりからUSのHIPHOP聴きはじめた私は刺さりました。不穏な雰囲気を増幅しててめちゃくちゃ良いです。サビの余裕のある三連フロウはMigos「Bad and Boujee」を思い出しました。

 

www.youtube.com

 

先日「SHOOTING STAR」のRemixに参加したシアラも同名曲を過去に出しているのでそのあたりの目配せも含まれてそうですね。

 

www.youtube.com

 

MVは超絶美麗CG……というかもういわゆるK-POP、の枠を揺さぶるほどの新規性のある画面でびっくりしました。AKIRAYMO「増殖」、シェイプ・オブ・ウォーターエヴァンゲリオンマイノリティ・リポートアバターなどを想起させつつそこに一捻りも二捻りも加えてきていてもう何も言うこと無いです。すごすぎる。

先行リリースでこうなら本チャンの曲どうなっちゃうんだあ~~~!?!?!?!?!(トムブラウン布川) ということでこれからもXGから目が離せません! 次回もお楽しみに!!

 

参考資料

 

 

ブログ記事の感想は火気厳禁のTwitterのDMやリプライ、以下リンクからの投げ銭で受け付けております!! 告知ツイートへのいいねRTも忘れずにして頂けると嬉しいです!!

※頂いた投げ銭は書籍等資料の購入、トレカ飯活動に充てられます。あなたの支援で記事やツイートのクオリティが上がる!

ほしいものリストからの支援も大歓迎です!!

お仕事の依頼はこちらから→ RadicalChocolatier☆gmail.com(☆を@に変えてください)