火気厳禁のハングル畑でつかまえて

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半地下のオタクがK-POPを語るブログ

20230705/旧譜digレポート(イ・ジョンヒョン編①)

解散済みK-POPグループ特集シリーズ「旧譜digレポート」、今回はK-POP第1世代のソロアーティストであるイ・ジョンヒョンを特集します。

 

プロフィール

1980年2月7日生まれ。ソテジワアイドゥルに影響を受け芸能界を志し、1996年に映画「꽃잎(花びら)」に出演。OST楽曲でボーカルを務めました。その後ダンスグループのグッピー(구피)のMVに出演して見事なリップシンクとダンスが話題を呼び、1999年に歌手デビュー。斬新なスタイルで爆発的な人気を獲得すると、人気低迷期を経て日中韓で活動しました。2011年以降は女優として本格的に活動を行い、2015年には『誠実な国のアリス(성실한 나라의 앨리스)』で韓国の映画賞「青龍映画賞(청룡영화상)」の主演女優賞を受賞しています。

 

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ディスコグラフィ

『Let’s Go To My Star』(1999)

テクノミュージックを軸に据えたイ・ジョンヒョン初のアルバム『Let’s Go To My Star』。世紀末といった状況も相まってこの革新的、実験的なスタイルが大ハマリ、イ・ジョンヒョンを知らない人はいないといった状況だったそう。このアルバムリリースに伴う活動で彼女は後述する破格のパフォーマンス、そして自らを異星人だとして振る舞うなど、現在のコンセプト強めK-POPグループの先駆けような存在だとも言えます。

 

와(Wa)

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このドッチードッチーなテクノ~ハウスサウンドでブチアガらない人いるのでしょうか。ところどころ入ってくる琴の音、シャウトっぽいラップからK-POP特有のケレン味を感じます。そしてビジュアル面にも触れない訳にはいきません。忍者風の衣装とその力強いダンスから「テクノ女戦士」との呼び名すらあるそうで、アルバムジャケットの眼がプリントされた扇もインパクト抜群。MVの冒頭にはアルバム1曲目収録の「-00001」が用いられ、ドラムンベースとサイバー~宇宙モチーフのCG演出は逆に今っぽい印象です。こないだ公開されたXG「GRL GVNG」はこの路線のアップデート版と言っていいのでは? 小指にマイクをつけて口元に常に持ってきていますが腕攣らないんでしょうか。

 

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少女時代テヨン(AI coverかと思ったら11年前の動画でした)、f(x)アンバー、『Music Bank』でのチョンハによるカバー、『不死の名曲』でのブブゴルによるバンドアレンジカバーなど現在も(?)歌い継がれる伝説のDIVAソングと言って良いでしょう。(アンバーのやつ何故かプレーヤー埋め込みできなかった)

 

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2015年にはバラエティ番組『무한도전(無限挑戦)』の企画で本人が久々にパフォーマンス。 デビュー当時の人気がいかほどだったのかを窺わせる観客のブチ沸きっぷりは必見です。同じスタジオにS.E.Sの皆さんもいらっしゃる……!

 

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바꿔

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テクノ女戦士のイメージで大衆人気を獲得したイ・ジョンヒョンはアルバム収録「바꿔」でも活動。「世間の慣習や価値観を全て変えろ」という歌詞はやはり当時の社会の空気と呼応しこれまたヒットしたそうです。衣装の翼は1枚約8kgあったそうで、音楽番組の映像を見てみるとやはりどこか猫背っぽくなってしまっているような……。楽曲自体は「Wa」とそこまで変わらない印象ですが、伝統楽器的な音は入っておらずよりテクノ~ハウス要素が全面に出ています。

 

『Peace』(2000)

YGエンタのPD陣が集って制作された2ndアルバム『Peace』。表題曲「Peace」はNJS調のトラックに世界平和への強い想いを乗せています。アルバム全編通して伝統楽器とテクノの組み合わせは引き続き多用されていますが、HIPHOP色の強い「따 (feat. Perry)」、ヘビメタ風「잘먹고 잘살아라 (feat. 닥터코어 911)」など、前作よりも多様なスタイルを取り入れています。

 

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You (너)

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四つ打ちハウスにこれまたアジアンな雰囲気のフレーズが入る、「Wa」の二匹目のドジョウを狙った感のある「You(너)」。個人的にパッと聞きのインパクトは「Wa」の方があるかな~と思いますが、サビのメロとボーカルが重なるところなんかはよりキャッチーになっています。本人がクレオパトラに扮するMVは実際にエジプトで撮影されたそうです。

 

Joolae (줄래)

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脱・テクノ女戦士を狙ったバービードールコンセプト。少年が万引きしてきたゼンマイ人形が実は生きてて家の中を歩き回り、ピタゴラスイッチ的に部屋を荒らし回るという謎のMVは一見の価値あり。

 

『Magic To Go To My Star』(2001)

前作で軍人、クレオパトラ、バービー人形と様々なペルソナに扮したイ・ジョンヒョン、今度はマジシャンへと変身。メインプロデューサーが今までのリード曲を手掛けたチェ・ジュンヨンから「Joolae (줄래)」のユン・イルサンに交代し、楽曲のテイストも微妙に変わっているのが聴きどころ。

 

미쳐 (Crazy)

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前々作、前作とも雰囲気を変え、USのダンス・ポップっぽいテイストの楽曲。急な路線変更によって音源成績はあまり振るわずこの後再度テクノ路線に回帰するわけですが、むしろこの曲の方がオールドスクールK-POPを感じる……というかJYPの第1世代の方々ってこういう曲やってなかったっけ? 気のせい?

 

Half (반)

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同アルバムから「Half (반)」。テクノっぽさは後退し、ユーロビートやトランスを取り入れつつポンチャック的な雰囲気もある楽しい1曲。そんな楽曲なのでクラブを中心にバイラルヒットしたそうです。今で言うチャート逆走?

 

『I Love Natural』(2002)

4thアルバム『I Love Natural』。このあたりからテクノ~トランス路線のマンネリ化が目立ってきます。が、「Brigther Than Sunshine」はめっちゃ良い。調べたらライブ映像出てきました。これ2005年の渋谷!? 当時日本で女優として活動していたらしいですが少女時代上陸前の日本で結構ちゃんと集客してるっぽいのすごくないですか? すごい。

 

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Ari Ari (아리아리)

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「Half (반)」のヒットを受けテクノ~トランス路線へ回帰した「Ari Ari (아리아리)」。もはや楽曲自体に何も言うことは無いのですが、ヒッピースタイルとも違う野性味溢れるアマゾネススタイルで再度リスナーに衝撃を与えました。MV冒頭に入っている音源はアルバム1曲目収録の「단심가 (丹心歌)」。

 

Dara Dara (달아달아)

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本格的な伝統衣装/舞踊のコンセプトを取り入れた「Dara Dara (달아달아)」。例によってまた曲について言うことは特に無いんですが、個人的にはitzyの約10年前にはもうダラダラがあったのか……と妙な感慨を覚えました。笑

 

『Summer Party』(2003)

4thアルバムのリリースからおよそ半年後の2003年7月にスペシャルアルバム『Summer Party』をリリース。このあたりからサマーミニアルバムを出すK-POP界の慣習が出来たのでしょうか。Red FlavorとかBoogie Upみたいな。

 

Summer Dance

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デビュー以来続けてきたコンセプトをガチガチに固める方針から一転、この作品では素朴で可愛らしいアイドル・サマー・コンセプト。楽曲も軽く聴けるバブルガム・ポップ、というか今聴くとなんだか面白が勝ってしまいますね……。あとMVでの男性アクターとの絡み大丈夫?

 

ということで2003年までのイ・ジョンヒョンの活動を辿って参りました。2003~から女優転身までの活動については後半に続きます! ということで次回もお楽しみに。

 

 

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