火気厳禁のハングル畑でつかまえて

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半地下のオタクがK-POPを語るブログ

20230803/Kultural studies(BB Girls編)

今回は活動中アーティスト特集Kultural studiesシリーズ、名前を変えて文字通りカムバックしたBB Girls(元Brave Girls)を特集します。

 

プロフィール

YGエンタから独立したプロデューサー・勇敢な兄弟(용감한 형제)を中心に設立された事Braveエンターテイメントから2011年にデビュー。デビュー当初は5人組でしたが、メンバーの脱退、加入また増員(7人体制だった時期も)を経て現在のユジョン、ミニョン、ウンジ、ユナの4人組に落ち着きます。こうした経緯もあり細く長くかといって知名度もあまり無い状態で活動を続けてきましたが、2021年彼女たちの軍慰問公演での「Rollin’」のパフォーマンスとYoutubeのコメントを合わせたファンメイドの動画がアップされるとたちまちバイラルヒット。リリース当時は音楽配信チャートで最高192位だったのが同年2月のリアルタイムチャートで1位を記録し、EXIDに次ぐチャート逆走行アイドルとして大いに話題を集めました。2023年に契約満了を迎えBraveエンターテイメントを離れましたがその後ワーナーミュージック・コリアと契約を結び、グループ名を「BB Grils」と改めて再出発。

ちなみにEXIDについては当ブログで既にご紹介しておりますので興味のある方はご一読あれ。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

ディスコグラフィ

さてここからは彼女たちの活動を時系列を追って見ていきましょう。

 

Brave girls : the Difference(2011)

2011年リリースのデビューシングル『Brave girls : the Difference』。シングルなのにイントロトラックが入っており、instを抜くと実質2曲入りのシングルですがその2曲ともMVが作られているので中々豪勢です。前述の通りメンバーの入れ替えなど諸々ありましてしばらく現メンバーが1人も出てきません。ご了承ください。

 

So sexy

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アップテンポなEDMナンバー「So Sexy」。2011年当時のヒット曲「내가 제일 잘 나가(I AM THE BEST)」に近い作風ですね。

 

아나요 (Do you know?)

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バラード曲「아나요 (Do you know?)」。同じく勇敢な兄弟制作のSISTAR 19の「Ma Boy」にも通じるレイドバックした甘く優しいR&Bテイストの楽曲です。

 

Back To Da Future(2011)

1stシングルからおよそ3ヶ月後にリリースされたミニアルバム『Back To Da Future』。下記のSkul1の他同事務所所属の音楽ユニットElectroboyzからラッパーMaboosをfeat.してレゲエやHIPHOPに接近した作風を展開しました。

 

툭하면 (feat. Skul1)

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レゲエミュージシャン・ラッパーのSkul1(現Skull)をfeat.した「툭하면(もしかして)」。今の感覚だとリード曲でなんでレゲエやねん……と思ってしまう訳ですが、もしかしたら10年後「なんでレゲトンやねん」とか思うのかもしれない。知らんけど。より本格的にレゲエに寄せたRemix ver.も出ています。

 

Re-Issue(2012)

2012年7月に2ndミニアルバム『Re-Issue』がリリース。リード曲「요즘 너」のremixとinstを含めた計5曲を収録。

 

요즘 너 (Nowadays, You)

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エレクトロニックポップジャンルの「요즘 너」(最近あなたは)。デビュー曲「So Sexy」の雰囲気に回帰しつつよりクールで洗練されている印象の楽曲で、つい先頃別れた元恋人への思いが捨てきれない様子を描きます。

 

HIGH HEELS(2016)

メンバー増員により7人体制でのカムバック。タイトル曲の景気の良さは我々がイメージするブブゴルのそれであり、現メンバーの4名が加入するのもこのタイミングです。アルバム収録の「Help Me」は初期宇宙少女的な雰囲気の可愛らしいK-POPアイドルソングでアイドルオタクの皆さんは好きなやつ(勿論筆者もその一人)。同じく収録曲「Whatever」はバウンシーなHIPHOPビートにブブゴル特有の柔らかいけれども確かに芯を感じる歌唱が載った1曲。こちらも中々の名曲。

 

(2021年、逆走後の音楽番組パフォーマンス映像)

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하이힐 (High Heels)

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ブブゴルと言えばこんな感じ、なミニアルバムリード曲「High Heels」。セクシー路線を全面に押し出しつつキャッチーな曲とダンスで訴求するお姉さんポジションを狙った1曲。推測の域を出ませんが、2016年はBLACKPINKがデビューした年だと考えるとやはり当時から見ても若干時代がかって聴こえたのではないでしょうか……。音楽番組でのパフォーマンスを見ると人数が増えた分パフォーマンスの華やかさもよりパワーアップした印象。

 

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유후 (우린 아직 여름)(2016)

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シングル『유후 (우린 아직 여름)』(Yoo Hoo(私達はまだ夏))。勇敢な兄弟印の絶品サマー・アイドル・ソングで御座います。少女時代「PARTY」とかSISTARとか好きな人は絶対好きなやつ。

 

Rollin’(2017)

ブブゴル最大のヒット曲「Rollin’」収録の同名アルバム。その曲調とジャケットのアートワークから夏の曲であるイメージが強いですがなんと2017年3月リリース。その2ヶ月前にメンバー2名が脱退し、5人体制でのカムバックでした。

 

롤린 (Rollin’)

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7人体制発足時からのセクシー路線は継続、今作はトロピカル・ハウスのメロデイと椅子を使った振り付け、サビのローリン連呼と後にエイダンスと呼ばれる間奏のキャッチーなダンスなどなどなどチープっちゃチープだけど良い曲だよね、な要素盛り沢山。売れるのは必然だったか……。

2018年の夏にアレンジし直したnew versionもリリースされており、こちらは4名での歌唱と当時流行していたトロピカルハウスっぽいアレンジとブラスサウンドが勇敢な兄弟ワークスみを増幅させています。ウンジ鬼美人。

 

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운전만해 (We Ride)(2020)

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前作から丸2年、デジタルシングル『운전만해 (We Ride)』をリリース。火気厳禁はこの曲でBrave Girlsを知りましたし、こんな良い曲出すグループが全然売れてないとは当時まったく思いませんでした。折しも2019~2020年はシティポップが韓国を席巻していた時期。ブームに乗っかる形で「운전만해(運転だけして)」をリリースしたのですが、大きなヒットは2021年まで待たねばなりませんでした……。車のモチーフを持ってくる感じもシティポップっぽくて良いんですけどね。そもそもファンダムの規模が小さいと良い曲でもあんまり伸びないってことなのか……(様々なグループを思い返しながら)。

 

Rollin大ヒット

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ディスコグラフィとしての時系列は一旦度外視、2021年2月24日に上記の動画がYouTubeにアップされました。Brave Girlsによる「Rollin’」のパフォーマンス、軍人達の雄々しい歓声と合唱、振りコピ、土埃が立つほどのモッシュ(?)の映像、「韓国軍チャート1位」「北と戦争になってもこれ流しといたら勝てそう」「兵役に行った時励ましになった」というリアル兵役経験韓国男性のコメントと情報量過多でインパクト抜群なこの動画がたちまち反響を呼び、上記プロフィール紹介で書いたようなバイラルヒットに繋がりました。今見てもおもろいな……。動画がアップされた数日後にはグループ解散の予定で、宿舎を引き払う準備をしていたというから不思議というか幸運というか……すごい話です。

 

Summer Queen(2021)

「Rollin’」大ヒット、音楽番組や学祭にも次々に呼ばれるようになったブブゴルは同年8月に新ミニアルバム『Summer Queen』をリリース。同事務所のボーイズグループDKBからE-CHANをfeat.した「Pool Party」、NJS風の「나 혼자 여름 (Summer by myself)」などなど全体的にレイドバックした雰囲気が特徴のミニアルバムです。

 

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치맛바람 (Chi Mat Ba Ram)

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「Rollin’」New versionを彷彿とさせるサマーチューン「치맛바람 (Chi Mat Ba Ram)」。タイトルを逐語訳すると「スカートの風」となりますが、これは韓国の慣用句で「女性の大胆な行動」「女性が主体となって起こされる社会運動」などを意味するそうで、曲中での使われ方を見るに前者の意味合いで使われているようです。歴代で最も予算がありそうなMVはとてつもなく景気が良くて見てて元気が出ます。

 

After ‘We Ride’(2021)

「Rollin’」の大ヒット、「치맛바람 (Chi Mat Ba Ram)」での活動の後矢継ぎ早にリリースしたミニアルバム『After 'We Ride’』。前作収録曲のRemixと後述の新曲「술버릇 (운전만 해 그후)」の全5曲収録。

 

술버릇 (운전만 해 그후)

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タイトルは「酒癖(運転だけして、その後)」。「We Ride」で歌われた相手とのその後を、実際にその曲が出た後のメンバーの心境やアイドルという職業に対する想い、メンバー同士の関係性と重ねながら描くシティポップ楽曲。マジで泣ける。

 

THANK YOU(2022)

2022年、ガールズグループコンペティション番組『QUEENDOM2』出演間近のタイミングでリリースされたミニアルバム『THANK YOU』。流石にバズから3枚目のリリースともなると当時流行っていたディスコ調のノリを取り入れた楽曲などが収録されるようになり、こんなんも出来るんや……!と楽しませてくれる1枚です。

 

Thank You

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グルーヴィーで中毒性のあるディスコ・ファンク「Thank You」。タイトル通り今までの一連の過程を振り返ってファンに感謝を伝える内容の歌詞がとにかく沁みる……。VIVIZ「BOP BOP!」が好きな人は絶対好きな曲。

 

Goodbye(2023)

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Braveエンターテイメントとの契約満了に伴ってリリースされたシングル「Goodbye」。4人体制での活動を振り返るオフショット詰め合わせMVも感動的。空中分解してしまうグループも少なくない中、こうして綺麗な形で活動の幕を下ろしてくれるグループには本当に「良かったね……(´;ω;`)」と思うばかりです。

 

One More Time(2023)

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ワーナー移籍後1発目のシングルはDaft Punkを思わせるタイトルとロゴデザインでフレンチハウス来るか……!?と勝手に思ってましたが蓋を開けてみると今までのパーッとした景気の良さからは離れて成熟した大人の女性像を演出。リック・ジェームズの『Give To Me Baby』をサンプリングしており、そのあたりもワーナー資本だからこその試みだと言えます。geniusを参照するとワーナー系の海外プロデューサー陣による作曲らしいですが、ここまで以前のリリース曲と付かず離れずの良い感じのテイストで仕上がるのが凄い&渋くて良い! 収録曲「Lemonade」は軽快なソウル・ファンクテイストでこちらも夏モード。

 

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ここまで、Brave Girlsの活動を振り返ってきました。メンバーの入れ替えを経つつ同じ名前で10年以上活動した後に事務所移籍、今なお活動している非常に稀有なグループであるということはまず強調せねばなりません。勇敢な兄弟プロデュースによる大衆ウケするキャッチーな曲から、「Rollin'」大ヒット以降はその持ち味やイメージを保ちつつ徐々に今風のシティポップやディスコファンクを取り入れた楽曲をリリースするようになった変化もかなり時代の変化に敏感で人気を一過性のものにしないという意思を感じました。

ということで特集シリーズ「Kultural studies」ブブゴル編で御座いました! 次回もお楽しみに~。

 

 

参考資料

 

 

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