火気厳禁のハングル畑でつかまえて

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半地下のオタクがK-POPを語るブログ

20240420/火気厳禁的・韓国オルタナティヴR&B

皆さんは先日発売された川口真紀さん&つやちゃんさん監修の書籍『オルタナティヴR&Bディスクガイド』読みましたか? 火気厳禁は本格的にR&Bを聴き始めて日が浅い上に主に韓国の音楽しか聴いていないので、Frank OceanとかThe WeekendとかのオルタナティヴなR&Bの発生から今に至るまでの作品群を一挙に紹介してくださっているこの本をめちゃくちゃ興味深く読んでいます。最高です。韓国のオルタナティヴR&Bを紹介するパートでは『アジア都市音楽ディスクガイド』でも書いていらしたパンスさんがレビューに参加されていて、「そりゃDEANは入るよな~!」「自分はリパケ後のThe Perfect Red Velvet派だな~」などこちらも唸りながら読みました。

ということで、自分も選盤したくなったので書きます。今回は10枚の愛聴盤を紹介します。

 

実際の本はこちらです。要チェキ!

オルタナティヴR&Bディスクガイド フランク・オーシャン、ソランジュ、SZAから広がる新潮流

 

Cosmic Boy - Can I Love?(2019)

HIPHOPコレクティブWYBH(우주비행:宇宙飛行)所属、GIRIBOYなどとの協働で知られるプロデューサーCosmic Boyのセカンドアルバム。シンガーとしてyoura、Meegoを迎えたタイトルトラック「Can I Love?」では刹那的な出会いと別れ、その後も人生は続いていく物哀しさをあくまでさらりとした質感で描く。その他にもTHAMA、GIRIBOY、george、OLNL、FishermanなどK-R&Bシーンの人気アーティストが集合した今作は、K-R&Bの金字塔と言って差し支えない作品だろう。

 

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KATIE - Log(2019)

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アイドルだけでなく、オーディション番組がきっかけで人気を獲得するアーティストは少なくない。KATIEもその1人で、バークリー音楽大学在籍中の2018年に『K-POPスター』シーズン4に出演しその歌唱力で注目を集め優勝、メジャーデビューに至る。

深い奥行きを感じさせるエレクトロ・サウンドと神秘的な雰囲気でありながらも力強いボーカルが作り出す独特のフューチャリスティックな世界観が特徴で、楽曲「Remember」にはなんとあのTy Dolla $ignが客演として参加。その世界観により深みと説得力を与えている。

ちなみにCoachella2024にも出演した大人気シンガーBIBIもオーディション番組『THE FAN』出身。

 

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STAYC - YOUNGLUV.COM(2022)

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TWICEやSISTARなどの楽曲制作で有名なブラック・アイド・ピルスンが手掛けるガールズグループSTAYC。デビュー当初から「ティーンクラッシュ」を標榜しキャッチーなサウンドと思春期の心の揺れ動きを表現してきた彼女たちの3枚目となるミニアルバム『YOUNGLUV.COM』は、HIPHOP / R&Bの要素を強く取り入れた意欲作だ。

リード曲「RUN2U」では「傷付いてもいい 君の元へと走っていく」と迸る恋心を疾走感のあるトラックに乗せて表現。その他にもコンテンポラリーR&B「247」、メンバーの個性を存分に活かしたコーラスワークが素晴らしい「BUTTERFLY」など名曲揃いだが、中でもK-POPで最も早くDrillを取り入れた(違ったらごめんなさい)「I WANT U BABY」が白眉。

 

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offonoff - Boy.(2017)

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Colde、0channelの2名によるユニットoffonoff。元々DEANやCrushなどと共にクルーclub eskimoのメンバーとして活動し、2015年頃からoffonoff名義で音源をネットで公開。アンダーグラウンドシーンで徐々に注目を集めた2人による最初にして最後のフルアルバムがこの『Boy.』だ。

客演陣は同じくclub eskimoのMisoやRad Museum、DEANの他、伝説的HIPHOPユニットEpik HighのTablo、当時駆け出しのPUNCHNELLOなどとにかく豪華。魅力的としか言いようのないColdeのボーカルと、HIPHOPR&Bのセンスとアンビエント的音像を融合させたサウンドはK-R&Bにおけるチル的なイメージの醸成に影響しているのではなかろうか。アウトロ約3分(!)すら終わるのが惜しいほどに心地よい「Overthinking」まで、シャッフルせずに聴いてほしい1枚。

 

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LOONA - kim lip(2017)

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12名から成るガールズグループ・LOONA(이달의 소녀:今月の少女)の6番目のメンバーであるキムリプのソロデビューシングル。リード曲「Eclipse」はシンセ・ポップ的なサウンドを用いつつ、彼女の歌声とテンション抑えめなグルーヴ感で日食というタイトル通り陰りのある雰囲気を表現している。カップリングの「Twilight」はK-HIPHOPファンなら知らない者はいないプロデューサーCha Cha MaloneによるモダンなR&Bナンバー。彼女とジンソル、チェリの3名からなるユニットODD EYE CIRCLEもまた名盤をリリースする訳だが、それはまた別のお話……

 

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Jiwoo - Maison(2019)

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前述のCosmic boyと同じくWYBH所属、HAYAKE名義でGIRIBOYなどの楽曲プロデュースを経た後にリリースされたJiwooとしてのデビューアルバム他者とのすれ違いを「死ぬまでこの蜃気楼の中」とスムースかつ物憂げに歌う「Comme des Garçons」をはじめ、ジャズとR&Bを類稀なる手腕で融合させた楽曲を全6曲収録。

 

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EXID - Eclipse(2017)

軍の慰問公演(=ドサ回り)にてファンが撮影した1枚の写真をきっかけに爆発的な人気を得たという橋本環奈的エピソードを持つガールズグループEXID。厳しい時期が長かったもののプロデューサーはヒットメーカーとして知られる新沙洞の虎(シンサドンホレンイ)で、リード曲「Boy」はトリップホップR&Bからフューチャーベースっぽく展開するK-POPらしいケレン味のある構成。ラッパーLEのソロ楽曲「Velvet」は彼女の良い意味でクセのある歌声が耳を惹くTrapR&Bでこちらも極上、いわゆる第2~3世代K-POPの”ベタ”な雰囲気とは一線を画す作品になっている。

 

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Summer Soul - Five Senses(2019)

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1999年韓国生まれ、マレーシア育ちという経歴を持つSSW・Summer Soul。透き通るようでいてどこか気怠げ、センシュアルなボーカルがベッドルーム的なサウンドに乗ってより親密な印象を与える。「Trust Again」での呟くような節回しが良い。ジャズやファンクなど、後に続く作品群に共通する音楽的志向が垣間見える初期作品。

 

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YOU DAYEON - down down down(2023)

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オーディション番組『Girls Planet 999』、『SHOW ME THE MONEY』を経てソロデビューを果たしたユ・ダヨン。デビューシングル「down down down」にはCha Cha Malone、Giselle、oceanfromtheblueというK-HIPHOP / R&Bの人気プロデューサー、シンガーが制作し、TikTok以降のキャッチーさと洗練されたグルーヴ感を融合させている。心を傾けた相手にハマっていく歌詞もキュートで、アイドルとHIPHOP / R&Bのシーンを越えた出自を持つシンガーという意味でも今後が気になる存在だ。

 

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kaiavant - Piece of space(2022)

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アトモスフェリックなサウンドと幽幻的な歌声、ミステリアスなアートワーク――kaiavantはまさにオルタナティブR&B的なアーティストだと言えるだろう。『Piece of space』はiisoなど近年の注目アーティストを要するレーベルmine fieldからリリースされた彼女の1stアルバムだ。

物哀しいギターが響く「Oh girl」やスイスのアーティストAudio dopeを招いた「Bohemian」でアンニュイな表情を見せたかと思いきや、ハウス調の「Allow it」ではSwingsのラップとサキソフォニストJason leeの演奏が絡み合い、Kid Milliとの共演「Woo Hoo」ではドライブ感のあるビートを展開。捉えどころのない変幻自在なトラックに、耳元で甘く溶けていく彼女のボーカルが独自のアイデンティティをもたらす。

 

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ということで今回紹介したアルバムをプレイリストにまとめました。🍎ユーザーの方はご確認ください。

 

 

 

GIRIBOYとかHEIZEとかmeenoiとかyouraとかLym emも良いけど今回は取り上げず……「あのアルバムが入ってねーじゃねーか!!」と思った方は是非コメントください。それでは。

 

 

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20240330/K-POP定期便(3月カムバックアーティスト特集)

皆様ごきげんよう、火気厳禁です。今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集、火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介します。ということで本日の1曲目はLE SSERAFIM「Smart(Chill Remix)」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

K-POP

ICHILLIN’ - ON MY LIPS

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年始からシングルを連続リリースしていたICHILLIN’がその集大成となるミニアルバム『ON MY LIPS』をリリース! 制作にRed Velvet「Iced Coffee」、tripleS「Seoul Black Dress」などに携わったAlina Smithなどが制作に参加したリード曲「ON MY LIPS」は、後期おまごるや初期Weeeklyを感じさせる可愛らしくキャッチーなポップチューン。この子たち(っつかPD)は”K-POP”をやろうとして結果type beatみたいになっちゃうきらいがあるように思ってましたがこういう曲でやっとその路線がハマってきたのかな……。MVはウェスアンダーソンみとIVEのラブダイブみの折衷、っつか全編ロケなのやっぱり予算ないんだろうな……と思ってしまいますが音盤初動は歴代最高らしい。がんばれ!!

 

MIYA - MIYAO

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元公園少女のミヤが文字通りのカムバーーーーーーーーーーーーッッック!!!!!!!!!!!!!! アツい!!!!!!!!!!!!!!!!! グリッチーなダンストラックと全編韓国詞、ラップとシンギングの中間を行く歌でダンサー・ラッパーとしての彼女の表現が詰まった1曲。

 

Chungha - EENIE MIEENIE

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MNHからMORE VISIONに移籍したチョンハの第一弾シングルが到着。今までのハイクオリティな歌唱とダンスによるDIVA然としたイメージはそのままに切れ味を増した音像を展開。ところで同じくMORE VISIONに移籍したヒョナって今どうなってます……?

 

Wendy - Wish You Hell

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Red Velvetからウェンディのソロ第2弾がリリース。今までの私、地獄に落ちろ!と”女性らしさ””アイドルらしさ”の抑圧に清々しく分かれを告げる表題曲は勿論、前作『Like Water』で魅せた透き通る雰囲気とはまた違った感性のバラエティに富んだ楽曲が詰まったアルバムです。

 

YooA - Rooftop

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ウェンディだけじゃなくOH MY GIRLゆあたまのソロ2作目シングルも来てますよ!! キュートでコケティッシュな1作目とは打って変わってTOO HOTなDIVA然としたパフォーマンスを見せつけるダンスナンバー「Rooftop」、多彩なボーカルの魅力を遺憾なく発揮している「Love Myself」、ファンクのギターとテンション抑えめな歌唱がクールな「Shooting Star」まで、世界はユア様を中心に回っているとしか言いようのない全3曲。

 

PURPLE KISS - BBB

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PURPLE KISSがカムバック! HIPHOPっぽさを下敷きにしつつ軽やかなダンス・ポップに仕上げたリード曲「BBB」、往年のハウス~EDM系K-POPを思い起こせる「BITTER SWEET」、レフライ×ボルチモアな「Toy Boy」など秀作が詰まった全6曲のミニアルバム『BXX』オススメです。いやしかし作風めっちゃ変わってきたな……コンセプトは世につれ世はコンセプトにつれ。

 

Kim Nam-joo - BAD

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Apink出身ナムジュがソロ名義でシングル『BAD』をリリース。NJS的なイントロから抑制の効いたファンク風ダンスナンバーへと変化する力強い楽曲です。

 

ILLIT - Magnetic

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HYBE傘下BE-LIFTよりILLIT(アイリット)がデビュー。収録曲のすべてが3分を切る潔いデビューEP『SUPER REAL ME』、相当良い……!! なんかハイブのクリエイションって北米メインストリームの追随って感じでつまんねー、みたいな印象あったんすけど若干"オレらが好きな第3世代K-POP"の雰囲気があって今後が楽しみです。

 

Candy Shop - Good Girl

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K-POP界のレジェンドプロデューサー・勇敢な兄弟が手掛けるガールズグループCandy Shopがデビュー!! 良いんだけどどうしても「Charismatic」っぽいなと思ってしまう……

 

UNIS - SUPERWOMEN

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こちらも今月デビュー組、オーディション番組『UNIVERSE TICKET』出身の8人組グループUNIS(ユニス)。アフロビーツ? アマピアノ?のリズム感にサバ番出身グル楽曲あるあるの幻想的・キレイ目ハウスをかけ合わせたデビュー曲「SUPERWOMEN」、ちょっと良すぎないですか……!?!?

 

RESCENE - UhUh

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先日の先行シングルに続きRESCENEが「UhUh」で正式デビュー。K-POPのハウスジャンルといえば~な雰囲気のサウンドですが「YoYo」と打って変わって今回はビヨビヨなシンセがカッコイイ。CD売れてるらしいし盛り上がってほしいなー!

 

ARTMS - Birth

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MODHAUSよりARTMS(ex.LOONA)が5月にリリースが予定されているアルバムより「Birth」を先行リリース。ファン投票によって選ばれたこの楽曲は重厚なベッドルーム・ダーク・ポップをベースとしつつ突如としてドラムンベースが入ってくるトレンド感、世界観両方取りの欲張りな仕上がり。Billie Eilish × Nia Archivesみたいな……

 

K-indie / K-R&B

b!ni - 쫌! (Feat. SINCE)

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最注目アーティストb!niがミニアルバム『멋진사이』をリリース! 素朴で親しみやすい雰囲気のボーカル、耳触り柔らかで洒脱な楽曲しかなくていつまでもループ再生してしまうこと請け合い。リード曲「쫌! 」はそんな世界観の楽曲にSINCEが入ってくるのが意外なんだけどバッチリ合ってる!!

 

EXN - Lucky Draw

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K-HIPHOPシーンの中でも異彩を放つEXNが約2年ぶりの新作「Lucky Draw」をリリース! ユニークなオートチューン使いとグルーヴィーなファンクのビートがクセになる1曲。

 

Milena - Foggy

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wavy所属のSSW・Milenaがまた最高のミニアルバムを出したぞ!! リード曲「Foggy」は彼女の魅力である物憂げなジャズ・ボーカルが際立つ楽曲。とにかくオススメです。

 

Jason Lee - Love Supreme

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8balltown所属のサックスプレーヤーJason Leeが先月に続きミニアルバム『Love Supreme』をリリース。AOR~シティポップのゆったり聴ける雰囲気。

 

Purynn - 솜사탕

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dingoのインスタ見て知ったアーティスト。COCONA(XGじゃない方)を思わせるハスキーなボーカルとシティポップ調の楽曲の取り合わせが新鮮。

 

kaiavant - Blossom

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デビュー以来当ブログで何度も取り上げている(古参アピ)kaiavantが先月に引き続きシングルをリリース。今作「Blossom」は春の陽気を思わせるゆったりとしたジャズナンバー、今までの楽曲の印象とは違う甘く柔らかいボーカルにドキッとしました。

 

h3hyeon - SHIT SHOW (feat. Leellamarz)

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Daytona所属、『高等ラッパー』などサバイバル番組で注目を集めたラッパーh3hyeonの最新ミニアルバムより「SHIT SHOW (feat. Leellamarz)」。名前は知ってて曲はまあ……という感じでしたが(というか個人的にCertified Lovers Boyのパロディジャケのイメージ)今作はキャッチーな歌モノHIPHOP楽曲がぎっしり詰まった全5曲。さらっと聴ける佳作ミニアルバムです。

 

MUSM - NPC (feat. Hanhae, Choi & L.Do)

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Youtubeアルゴリズムで知ったMUSM氏の曲、ベッドルーム・ポップの音と素朴な雰囲気を同居させてて心地良い! アルバムの曲目ざっと見て客演に知らないアーティストばっかりでまだまだ韓国インディーシーン勉強しなきゃなと思った次第です。この曲の雰囲気どこかで……と思ったら多分KATIEだ……一年以上新曲出してないけどどういう感じなんだろ(脱線)。

 

YOU DAYEON - text me

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何やらデビュー曲「down down down」が中華圏でバイラルヒットしているらしい『Girl Planet 999』出身ユダヨンが自身2枚目となるシングルをリリース! 爽やか2stepで最高!!

 

K-HIPHOP

Yuwol - Don’t Cry (feat. TRADE L, Chan)

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プロデューサーYuwolのデジタルシングル「Don’t Cry」にTRADE L、Chanの2名が参加。アコギの感性的なメロディと繊細な声音のラップがエモい。

 

호미들(Homies) - 노세노세

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Youtubeアルゴリズムで出てきた3人組ラップグループHomies。Kid Milli「WHY DO FUCKBOIS HANGOUT ON THE NET」あたりの作風を彷彿とさせるハウス系のトラックとラップの組み合わせが印象的。アルバム『YAINS』収録。

 

Swings - WORK

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AP AlchemyのボスSwingsが新作アルバム『Upgrade V』をリリース。「WORK」は文字通りのマッチョさを見せつけつつスマートにカマしてます。THAMAがドレイクみたいになってる収録曲「GOT YOU」とかもう最高。長めのスキットが3つも入ってて通しで聴きづらいのが難点かなーデラックス盤が出るらしいのでそのあたり解消されてるといいけど。

 

DJ Wegun - Trading Places (feat. DeVita & Jay Park)

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AOMGのDJ/プロデューサーであるDJ Wegunがアルバム『roaming.』を発表。客演にJay ParkとDeVitaを招いた「Trading Places」、CHOILB参加の「LIFE LOVE LAZY」を除き全編インストのビートテープ的な構成になっており、彼の幅広い作風を楽しめる1枚です。

 

今月の火気pick : YOUNG POSSE - XXL

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最も実直に”HIPHOP”をやってる新人ガールズグループ・YOUNG POSSEがキャリア2枚目となるミニアルバム『XXL』をリリーーーーース!!! ティザーの時点で収録曲のジャンル名を書く抜け目のない音楽ファン訴求(?)に笑い&感心。

 

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リード曲「XXL」はK-POPの偉大なるオリジネーター・ソテジワアイドゥル「Come Back Home」を引用しつつ現代的なアレンジを施したビートに各メンバーのスキルフルなラップの連打!! クレジットを見る限り作詞はメンバーではなくPDチームによるものですがそれにしたって各メンバーの特に後半のソネくんのパートがカッコいい。

 

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冒頭から「だぶだぶのTシャツ、ビリーじゃなくてウチら流」とTiktokで大バズりしたArmani White「Billie Eilish」を引用しつつ「お父さんのTシャツ着てハイタッチ」と自らの(この楽曲での)オールドスクールスタイルをアピールするリリックも素晴らしく、「赤ちゃんバージョンのWu-Tang Clan」、「ダリ、パブロ、アブローみたく描く並外れたvision」などグッと来るネームドロップも満載。着ることはあっても直接ヴァージルへのリスペクトを歌う女子アイドルがいただろうか……? ってか「XXL」ってタイトル自体アメリカのHIPHOP雑誌からの引用だし。

 

Scars

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アルバム1曲目を飾る「Scars」はPlayboi Cartiの「ウェッ!!」が聴こえてきそうなレイジ系ビート。前ミニアルバム収録の「POSSE UP!」の流れを汲みつつ若干のドリーミーな雰囲気を導入し、ハードなだけではないグループの印象を見事に表現した1曲。Reveredボイスが入るのも良い。

 

DND(feat. BM)

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男女混合グループKARDよりBMをゲストに招いた「DND」は流行りのレゲトン/アフロビーツ/アマピアノ楽曲。これもうBad Bunnyじゃん!!なBM先輩のラップは必聴。

 

Skyline

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最近出たKYLE「SKYLE」とかに近い肩の力が抜けた洒脱なボルチモア/ドラムンベース。ボーカルスキル至上主義的な見方もあるK-POPでがっつりオートチューン入れてサウンドとしての心地良さを追求する姿勢が素晴らしい~。

 

 

ということで、3月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

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20240228/K-POP定期便(2月カムバックアーティスト特集)

そろそろ春かと思いきやぐっと寒さがカムバックしてる感じの天候ですが皆様如何お過ごしでしょうか? この後に控えているのは春の陽気とスギ花粉、今は気分だけでも韓国産のポップミュージックで暖かくなりましょう。と、いうことで「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。1曲目に紹介しますのは国民の妹・IUの新曲「Shopper」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

K-POP

YOUNG POSSE - YOUNG POSSE UP(feat. Verbal Jint, NSW yoon, Token)

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超攻め攻めなHIPHOP楽曲でデビューを果たしたYOUNG POSSEがデビューシングル収録の「POSSE UP!」のRemix ver.を公開。レジェンドVerbal Jintに若手NSW yoon、アメリカからTokenを招集しどっからどう見てもなジャージークラブサウンドを展開しております。

 

BOBBY & OVAN - True Love(Sunhye)

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そんなYOUNG POSSEからソネがBOBBYの新曲「True Love」に参加! シンプル良2stepに歌とラップの中間を行くトーン抑えめなボーカルがなんともカッコよく心地よい。

 

ICHILLIN’ - DEMIGOT

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「BITE ME」をリリースしたばかりのICHILLIN’が半神半人を意味する「DEMIGOT」でカムバック!! キャリア最初期の2曲が良過ぎてココスモラ以降「なんか……なんか違う……」と言う感じの曲をやらされてたチリンの皆様ですがHIPHOPベースのダンスポップでやっと本領発揮。コメディタッチのMVも合わせてやっと求められてる”らしさ”を掴んできてる感じがあり胸熱です……!!

 

Chuu - Chocolate

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缶“チュウ”ハイも発売中のLOONAのチュウがバレンタインデーに合わせシングル『Chocolate』をリリース。FIFTY FIFTY以降のドリーミーなディスコファンク、チュウの極上の歌声との相性は勿論抜群。

 

TRI.BE - Diamond

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TRI.BEの新曲「Diamond」は彼女たちの持ち味であるレゲトンの要素はそのままにややスローダウンしたテイスト。プロデューサーである新沙洞の虎(シンサドンホレンイ)の逝去により活動内容が急遽変更となりました。ご冥福をお祈りします。

 

TWICE - ONE SPARK

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日本でのスタジアムツアーも発表されたTWICEがミニアルバム『with YOU-th』を発表。先行リリースされていた「I GOT YOU」はもはや余裕すら感じるシンセポップでしたがPinkPanthalessとNia Archivesが混ざった感じの(ただ2stepとボルチモアドラムンなだけです)「RUSH」、ド直球ノリノリディープハウス「BLOOM」が頗る良い!! それはそうとTWICEにアリアナ「yes,and?」みたいな曲やってほしいと思ってるのは俺だけ?

 

RESCENE - Yo Yo

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THE MUZEエンターテインメントより5人組グループ・RESCENE(リセンヌ)がデビュー!! サバ番出身者やMAZE:の中の人など話題性のあるメンバーが集まってますが第3世代K-POP楽曲の夢幻的な雰囲気もありつつ洗練されたハウス楽曲「Yo Yo」かっっっなり良い!!! 本チャンのデビューは3/26を予定しているそうです。

 

K-indie / K-R&B

BOYCOLD - Sick of Love (with Leellamarz)

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Sik-KやCoogie、GroovyRoomなどとYELOWS MOBに所属し、SMTMに出演するなどプロデューサーとしてのキャリアを築いてきたBOYCOLDがAT AREAに移籍!! HIPHOP的な感性をベースとしつつも流麗なメロディを持ち味とする彼の最新アルバムではそのセンスが存分に発揮されながらアフロビート調の「Sick of Love」など最新の潮流も盛り込んだ聴き応えのある作品となっています。

 

DPR ARTIC - Do or Die Feat. DPR IAN

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金銭を巡るゴタゴタが記憶に新しいDPRクルーから新メンバーがデビュー。同クルーからDPR IANを招いたリード曲「Do or Die」はいわゆるEDMジャンルの楽曲。アルバム客演にはKインディーシーンで今最も注目されているThe Deep、1300、ODEEにoygilにロユナとジャンルを問わない人選を行っており幅広いジャンルが楽しめる1枚になっています。

 

BIBI - Bam Yang Gang

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tripleSナキの姉こと(?)BIBIがシングル『Bam Yang Gang』(栗饅頭)を発表。オルタナR&B~HIPHOP的な作風を得意としてきた彼女ですが今作はプロデューサーとしてチャンギハ(チャンギハと顔たち)が参加、ジャズっぽい雰囲気の可愛らしい楽曲になっています。カップリング曲「Sugar Rush」もカッコイイ!

 

Suen - Countin’ (feat. Chillin Homie)

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naflaなどを要するHIPHOPレーベルGROOVL1Nの新人アーティスト・Suenがシングル「Countin’」を発表。デビューEPに続きラッパーを客演に招いた今作でもその透明感のあるボーカルとモダンなR&Bビートが心地よいです。ランタイム2分という潔さ。

 

kaiavant - HONEYBEE

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AP Alchemyの才媛kaiavantの新作はボサノヴァ、他にないシルキーな声を持つボーカリストとしても素晴らしい存在感を発揮。

 

LIM KIM - ULT

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フォークデュオとしての活動を経て独自のサウンドで高い評価を得るLIM KIMが新作シングル『ULT』をリリース。東洋的なサウンドとhyperな雰囲気を融合させた唯一無二のクールネス。

 

youra - 101(Home Home)

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先月のシングルに続き「101(Home Home)」をリリース。前作と打って変わって今回はジャズ~R&Bの要素を中心に添えた楽曲。こうもシングルリリースが続くとアルバム出るんかなと勘ぐってしまいますが果たして……

 

YUGYEOM - LA SOL MI

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GOT7のメンバーであるユギョムがソロアルバム『TRUST ME』をリリース! LeeHi、punchnelloと自身が所属する音楽レーベルAOMGの面子だけでなくSik-K、SUMINもゲストに招いた豪華な作品で、彼のチャラ過ぎないポップな感覚と2stepやdrill、ボルチモアクラブなど最新のトレンドをR&Bをベースとした楽曲に落とし込んでおり聴いていてまったく飽きない作品に仕上がっています。みんな大好きprod. GRAYの楽曲も収録!

 

K-HIPHOP

HD BL4CK - What U Gonna Do (Feat. The Quiett, Street Baby, Los)

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プロデューサーHD BL4CKがアルバム『VANTABLACK DREAMS』をリリース。前月末にはLeebidoとのコラボレーションアルバム『A Prescription For 2』をリリースしておりその多作さ・ビートの多様さにただただ驚くばかりです。最近どのHIPHOPアルバム聴いてもStreet Babyが客演で入ってるな

 

CHIO CHICANO - Big Squad (feat. KOR KASH)

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K-HIPHOPシーン最注目アーティストCHIO CHICANOの新曲はホラーテイストのTrap。彼女の持ち味であるスピット感はそのまま、KOR CASHのデリバリもビートの雰囲気とめっちゃ合ってる。

 

Polodared - BABY (feat. MIRANI)

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アトランタベースぽさを感じる甘いシンセにスムースなフロウ、フックではボルチモアのリズム感を取り入れていてポロデアードってこんな作風も出来るんや……!とびっくりした「BABY」。ジェボム御大の「Why」とか好きな人は好きだと思う。

 

Leellamarz & Young B - 와이셔츠를 다렸지

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とにかく多作かつヒットメーカーのリーラマーズともはや完全復活のYoung B(本名:)によるコラボEP『L&B』がリリース。入隊を控えSik-K, HAONとのEP『3=1』、ソロ・アルバム『YOUNG BOY L』も連続でリリースしそのクオリティに脱帽&しばらく新曲聴けないのか……と少し残念な気持ちに。

 

今月の火気pick : LE SSERAFIM - EASY

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当ブログでも積極的に取り上げてきたルセラがEP『EASY』をリリース! 表題曲は今までの活動曲と比べるといささかパンチには欠けるもののクールなTrapビート。イントロから鳴ってるキャッシュ数えマシーンの効果音が嬉しい(?)。そんなビートなのでほぼ全編ラップだしオートチューンまで使ってて良い~!! ビデオはなんか目が散る感じがしちゃいましたが……。

ということでEP収録曲もいくつか紹介します。

 

Swan Song

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優雅に見えても水面の下では……という内容の「Swan Song」はその歌詞通りキレイ目なギターのフレーズが印象的なR&Bナンバー。セクシーな雰囲気には行かずハツラツとしたダンスと合わせる感じがルセラっぽい。

 

Smart

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アマピアノのリズム(ナイジェリア系らしいです)に思わず反応してしまう「Smart」。Doja Cat「Woman」を彷彿とさせるサビのキャッチーなボーカルライン、バース部分ややTyla「Water」か? などと元ネタを色々思い浮かべてしまいますがそんなん言い出したら「Genie」だってパクリですからね。なんにせよアマピアノ系は夏にかけてK-POP界隈でも増えそうな予感。

 

 

ということで、2月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

ということで2月のカムバ特集でした!! 来月もお楽しみに。

 

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20240131/K-POP定期便(1月カムバックアーティスト特集)

皆様、遅ればせながらあけましておめでとうございます。2024年もよろしくお願いします。ということで今回は今年最初のカムバックアーティスト特集をお届け。今夜の1曲目は「시대유감 (時代遺憾) (2024 aespa Remake Ver.)」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

K-POP

Geenius - Voyage

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5人組グループGeeniusがデビュー! K-POPらしさと洗練された雰囲気を両立させたデビュー曲「Voyage」はトラックもさることながら5人の歌声がとにかく良い! あとイェヨンちゃん可愛い。

 

ICHILLIN’ - BITE ME

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ICHILLIN’が年始にサプライズカムバック。縦画面MVのストリート感、楽曲自体も悪くないですがイマイチ印象に残りづらい感じもあり……。EDMっぽい感じよりバリバリのハウスにした方がトレンドっぽかったような気がする。

 

itzy - UNTOUCHABLE

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JYPの中堅グループitzyはリアが休養に入り4人でのカムバック。今回のリードトラック「UNTOUCHABLE」はDrake『Honestly, Nevermind』・Beyonce『Renaissance』以降近年K-POPシーンでもにわかに盛りあがるVOGUEなハウスナンバー。今回のミニアルバムには各メンバーのソロ楽曲も収録され、各人の歌声の強度を再認識させる構成になってます。なおさらリア不在惜しい……。

 

LIMELIGHT - TA-DA!

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無限拡張ガールズグループ・LIMELIGHTの新曲は後期OH MY GIRLを彷彿とさせる軽快で爽やかなディスコ調楽曲。itzyに続き(?)こちらのミニアルバムにもメンバーソロ楽曲が収録されていて、特にミウさんのソロ曲がめっちゃ良いです。オススメ。

 

SISTAR 19 - NO MORE(MA BOY)

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名曲「Ma Boy」で知られるSISTARの派生ユニットSISTAR 19が奇跡のカムバック!!! とんでもない歌唱力とフィジカルの芯の強さで圧倒的な存在感を放ちつつ「完璧な人なんて誰もいない」と弱さすら曝け出すその様子はまさにDIVA。カップリング曲「SAUCY」はFIFTY FIFTY系ディスコソング、ベテランがやる可愛い雰囲気の曲ってもうどんなでもありがたいですからね。

 

YENA - Good Morning

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イェナって本当にポップパンクが好きなんだな……と思いました。

 

tripleS Aria - Door

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ついに24人中20人のメンバーが公開となったtripleSからバラードユニットAriaがデビュー。作詞にHeizeが参加した「Door」はメインボーカルソダヒョンの力量もさることながらニエンカエデジウチェヨンそれぞれの表現力が際立ちます。

 

MINIMANI M - Heartbreak

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そこはかとないトロットの雰囲気……と思ったらカップリングでド直球トロットをやってました。NATUREの子もトロットサバイバル番組出てるらしいけどそっちに活路を見出す流れが来ている……?

 

IVE & Saweetie - All Night

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突如発表されたIVEとSaweetieのコラボシングル「All Right」!! どういうこと!? 楽曲自体はカバーです。

 

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H1-KEY - Thinkin’ About You

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若手注目株H1-KEYがシングル「Thinkin’ About You」をリリース。ピオナチャンミ以降定着したエモい感じのミドルテンポバラード。

 

Ryu Sujeong - Fallen Angel (feat. XYLØ)

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元Lovelyzリュ・スジョンの久々の新曲はベッドルーム・ダークポップ。リード曲だけでなくEP『2ROX』全曲を通してアメリカのSSW・XYLØとの共作を行っており、ディープで暗い世界観を表現しています。

 

Seola - Without U

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我等が宇宙少女のリーダー・ソラさんがソロデビュー!! 軽快なバンドサウンドに乗せて揺れる想いをパワフルに歌い上げる表題曲、シングル収録の「NO GIRL」は微ガラージでこれまた良い! ところでエクシは……?

 

(G)I-DLE - Super Lady

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もはや説明不要の(G)I-DLEが2枚目となるフルアルバム『2』をリリース。表題曲については特に言うことないというか以前別の記事に書いてるのでそっちを読んでほしいですが、今回の「Super Lady」では他のグループを想起させる単語を用いながら連帯を呼びかけるあたりがアツかったです。

 

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

 

K-indie / K-R&B

Rozu - Same Old Lies

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元ANSメンバーのRozuがソロデビュー。しっとりとした質感のドストレートK-R&B、よくあると言えばよくある感じだけど良い……!! ってか元ANSっても1曲しか出してないんだよなあのグループ……一部メンバーがMAJORSって別グループに転生したと思ったらそっちも今解散?してるし……

 

hyejin - Homicide Freestyle

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hyejinが新作シングルをリリース。物騒なタイトルとは裏腹にドリーミーでシルキーなテイストの楽曲に仕上がってます。後半の転調も面白い。

 

Silly Silky - BB New Attitude

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そういや改名してたんすね、なSilly Silly a.k.a YESEOが全10曲入りのミックステープ『Silly but, Silky』をリリース。彼女の持ち味であるエレクトロサウンドを軸によりベッドルーム感を増した「BB New Attitude」を始め全20曲収録の大ボリュームミクステです。

 

COCONA - MACITA

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我らが(?)オルタナR&B~ポップアーティストのCOCONAが前作「흔들어 (Bounce)」に続くトランス楽曲「MACITA」をリリース! これもY2K?パラパラ?な楽曲にシグネチャーの甘~低ウィスパーボイスの組み合わせが最高。

 

b!ni - 대출

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韓国インディーシーン注目のアーティストb!niがシングル『대출』(日本語で言うと「貸出中」?)をリリース。親密な印象を与える歌声と静謐な雰囲気のトラックが心地よい1曲。

 

dress - Is the only (feat. Sion, 이강승)

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Kid Milliとのコラボレーションなどで知られるプロデューサーdress個人名義のミニアルバムが到着。新進気鋭のシンガーSionや火気厳禁も大好きなKuonechanなど全12組のアーティストをボーカルに招いた超豪華R&Bアルバムです。

 

Moon Sujin - Better (feat. Coogie)

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ムンスジンがシングル『Better』をリリース。前作に引き続きラッパーを客演に招いた全3曲収録、この2人の組み合わせならレゲトンか……?と思いきやしっとりR&Bのタイトルトラック「Better」に加えベテランGSoul、アップカミングなChillin Homieと三者三様なコラボレーションを魅せています。

 

Hanbyeol - Sweet Dreamz

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今月のSNSで知った枠・Hanbyeol「Sweet Dreamz」。シティポップ的なシンセサウンドと2stepの疾走感溢れるリズムの組み合わせが新鮮!

 

youra - Worm In The Apple

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ジャズ、ロック、R&Bの領域を撹乱するオルタナティブな試みを続けるyouraの新曲「Worm In The Apple」はkelelaの作風を思わせるDrillの要素を取り入れた楽曲。

 

K-HIPHOP

Fleeky Bang - YEAH

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K-Drillシーンを牽引するFleeky Bangがアルバム『The Predator 2: FLEEKY SYNDROME』をリリース。独特のダミ声とダークなTrap/Drillの相性は勿論抜群です。Gang Gang Gang!!!

 

GroovyRoom - Yes or No (feat. HUH YUNJIN & Crush)

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ヒット作を多数生み出してきたプロデューサーデュオ・GroovyRoomがLE SSERAFIMホ・ユンジンとCrushを招いてシングル「Yes or No」をリリース。聴く前から名曲だと分かるメンツですが聴いたらやっぱり名曲、トレンドである2stepのリズムパターンを取り入れつつ客演2名のボーカル合戦の様相も呈しておりめちゃ耳が幸せ!

 

Young B(YANGHONGWON) - ROLEX

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Young Bが本名のヤンホンウォン名義で新作シングル『ROLEX』をリリース。独特の声色と硬質かつ正確無比なリズムキープ/フロウは相変わらず、よりシリアスな雰囲気の楽曲。

 

Dabin - Till I Live

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DPR LIVEが本名のDabin名義でフルアルバムをリリース。というのもDPRクルー内で金銭、契約を巡る内紛があったようで……。問題を起こしたプロデューサーへのdis曲「Till I Live」を含む全13曲、とはいえオシャレな作風は変わらずで素敵。

 

Ash-B - Wish

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先日来日(福岡)が発表されたAsh-Bの新曲はドリーミーなアトランタベース楽曲! こんなんが一番良いんだから!

 

AP Alchemy - Talk Money MEGA Mix (Prod. Wiz World)

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アンダーグラウンドシーンを席巻するAP Alchemyによる「Talk Money MEGA Mix」がリリース。同レーベルに所属するDon Millsや天才ノチャン、DAMINIだけでなくskyminhyukやSaint Pablo、CHERRY BOY 17などの新鋭、中堅CHANGMO、SINCEがサプライズ参加の全21人によるマイクリレー! 何よりレーベル代表スウィンスが先頭と〆を務めそのスキルを見せつけています。どんだけラップするんだこの人

 

今月の火気pick : NMIXX - Fe3O4:BREAK

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𝐃𝐚𝐬𝐡, 𝐈 𝐰𝐚𝐧𝐧𝐚 𝐝𝐚𝐬𝐡…

𝐈 𝐰𝐚𝐧𝐧𝐚 𝐫𝐮𝐧 𝐢𝐭, 𝐫𝐮𝐧 𝐢𝐭 𝐃𝐚𝐬𝐡, 𝐈 𝐰𝐚𝐧𝐧𝐚 𝐝𝐚𝐬𝐡…

𝐈 𝐰𝐚𝐧𝐧𝐚 𝐫𝐮𝐧 𝐢𝐭, 𝐫𝐮𝐧 𝐢𝐭 𝐃𝐚𝐬𝐡, 𝐈 𝐰𝐚𝐧𝐧𝐚 𝐝𝐚𝐬𝐡… 𝐈 𝐰𝐚𝐧𝐧𝐚 𝐫𝐮𝐧 𝐢𝐭, 𝐫𝐮𝐧 𝐢𝐭

𝐔𝐦𝐦……

 

JYP最新ガールズグループにして”MIXX POP”を標榜しオルタナティブな試みを続けるNMIXXがミニアルバム『Fe3O4:BREAK』をリリース! リード曲「DASH」は90s R&B的なサウンドにポップパンクが挿入される、このグループしか出来ない構成になっています。こういった実験的な楽曲を持ち味とするグループが「走る/加速する」というテーマを用いて文字通りシーンの先頭に躍り出る感じ、良い!! ということで収録曲の話もつらつら書いていきます。

 

BOOM

重たくスペクタクルな低音が響くHIPHOP系楽曲「BOOM」。反復するビートの心地良さと、その心地良さを裏切る後半30秒。2step~ジャージークラブ系ビートと「BOOM Babe BOOM BOOM! Tic-Tic-Tic BOOM BOOM!」のリピートが更に強烈なグルーヴを生み出す。別の曲としてもう1曲作ってくれ~~~~!!

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Passionfruit

Boy’s a Liar過ぎやしねえかあ~~~~~っっっ!?!?!?(カゲヤマ)な「Passionfruit」。先輩TWICEがここ近年展開するドリーミーなアトランタベースの雰囲気もありつつボルチモアのリズムが更にイマっぽさを演出しています。

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他にもDAY6ヨンケが作曲に参加の「Run For Roses」、先行公開曲「Sonar」、スムースなボーカルの掛け合いが楽しめるTrap R&B「XOXO」などなどなど良曲盛りだくさん。是非聴いてみてください。

 

 

ということで、1月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

ということで1月のカムバックアーティスト特集でした。次回もお楽しみに。

 

 

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20231229/K-POP定期便(12月カムバックアーティスト特集)

師匠も走る12月が到来しましたが、皆様如何お過ごしでしょうか。2023年を締めくくるカムバックアーティスト特集、最初に紹介しますのはNewJeans「Attention - 250 Remix」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、改めまして火気厳禁です。時間もないので早速今月火気厳禁が聴いた新譜の紹介に参りましょう。

 

K-POP

Kandis - Snowflake

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局所的に話題を集めている(?)3人組ガールズグループ・Kandisが冬バラード「Snowflake」をリリース。寒い季節に染みる歌唱とピアノ、ストリングスの伴奏……こんなんなんぼあってもいいですからね……

 

XG - WINTER WITHOUT YOU

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XGが新曲「WINTER WITHOUT YOU」をリリース!! 今までの未来的・攻撃力高めの楽曲とは一線を画すモダンなR&Bナンバーで、今は遠くにいる存在への追憶を歌った歌詞がこれまた染みる……。

 

SOMI - Ex-MAS

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ソミがキャロル「Ex-MAS」をサプライズリリース。BIG Naughtyラップしろ!!

 

Fatou - The other side

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メンバー全員が非アジア圏出身という異色のガールズグループBLACK SWANからファトゥがソロデビュー。リード曲「The other side」はオーセンティックなR&B楽曲にラップと歌唱を織り交ぜたボーカル……と書くとよくありそうな感じになってしまいますがめちゃくちゃカッコ良い! 収録曲も尽くカッコいいしこれみんな聴いた方がいい。

 

tripleS NXT - Just do it

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少女の少女による少女のための社会型ガールズグループ・tripleSの17~20人目の新メンバーがtripleS NXTとしてデビュー。えっ……みんなめっちゃ歌上手くね……?

 

K-indie / K-R&B

JOONIE - Julie

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Apple Musicのアルゴリズムで知ったJOONIE。ジャケットの神秘的でかつややホラーな雰囲気、アンビエントな音像がなんともクール。

 

Zion.T - UNLOVE (prod. HONNE)

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超人気シンガーソングライターZion.Tが久々のフルアルバムをリリース! 説明するまでもなく超絶良い楽曲群、そしてYAGI EXHIBITIONプロデュースの「V (Peace)」MVまで彼の実験的精神とポップな感覚が楽しめる1枚です。

 

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HEIZE - Stranger (feat. 10cm)

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こちらも超人気シンガー・Heizeが新アルバムをリリース! リード曲「Stranger」は彼女らしい繊細なボーカルが楽しめるR&Bナンバー。収録曲「Perhaps, Happy Ending」もHeizeらしいR&Bテイストの楽曲ですが急にボルチモアクラブや2stepの要素が入ってきてびっくり。

 

Colde - if you love me (demo)

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嫌いな人絶対居ないColde、今回もやってくれました。穏やかなアコースティックギターの音色とボーカルが

 

LeeHi & ソンシギョン - Alley

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AOMGのディーバ、イ・ハイはベテラン男性シンガーソン・シギョンとコラボレーションシングル「Alley(골목길)」をリリース。2人の柔らかなボーカルと壮大なストリングスで構成された冬バラード。

 

Park Hye Jin - I Hope You Are Okay

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韓国出身、現在はLAを拠点に活動するPark Hye Jinが新アルバムをサプライズリリース。全編通して爽快なエレクトロサウンド。なんやねんこのジャケ。

 

K-HIPHOP

NO:EL - Pain Killer (feat. Yescoba)

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NO:ELが出所後2枚目のアルバム『23’F/W』をリリース。前作から引き続きエモ~ロック的な作風を用いつつ随所にDrillっぽいサウンドを取り入れたハードな楽曲などもあって聴き応えのある一枚。

 

hyeminsong - Wedding Dress (feat. JUSTHIS)

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若手プロデューサーhyeminsong(ヘミンソン)がフルアルバム『REBORN』をリリース。オルタナティブな作風にJUSTHISラップうめー。ってかMVキムリプのeclipseの場所じゃん!!

 

CHIO CHICANO - Hwang Jini Freestyle

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今一番ホットなラッパー・CHIO CHICANOが待望の新曲をリリース! 「ファン・ジニ」は時代劇ドラマのタイトルらしく、今までの楽曲でも『D.P』や俳優ユ・アインのネタを歌詞に入れ込んできた彼女らしいテーマ選び。朝鮮王朝最高の妓生(芸者)であるファン・ジニというテーマとエスニックな伝統楽器の音色、そして今回もばっちりジャージードリルで最高!

 

Yonge Jaundice - 82 to 6

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Dippin’ Carls Records所属、SMTMなどへの出演もしているラッパーYonge Jaundiceがフルアルバム『CROSSBREED』をリリース。全曲Fredi Cassoプロデュースの今作はブーンバップ~Grimyな雰囲気。シブくていなたいK-HIPHOP

 

lobonabeat! - Sumo

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最近イケイケのlobonabeat!はレジェンド・BILL STAX、oygliとの3ネームによるアルバム『Skreet Knowlegde』をリリース。コテコテのTrap系サウンドで好き。

 

 

12月でアイドルみんな活動抑えめ(音楽番組が年末歌謡祭になるため)なので今月は火気pickなし!! お疲れ様でした!!

と、いうことで簡単ではありますが2023年最後のブログ更新でした。今年は『ユリイカ』載ったし色んな方とお会い出来たし……来年も頑張るぜ!!! それではまた来年。

 

 

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20231208/STAYC IS LIT――STAYC「LIT」レビュー

K-POPシーンにおいて数々の名曲を生み出してきたブラック・アイド・ピルスンが全面プロデュースする6人組ガールズグループ・STAYC(ステイシー)。キャリア3年目を迎えた今年(2023年)にはMelon Music Awardで「今年のミュージックビデオ賞」を受賞し、更にその人気と評価を確固たるものにしつつある。そんな彼女たちが12月6日に日本活動の第2弾シングルとしてリリースしたのが、今回取り上げる「LIT」だ。

 

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WHAT IS LIT?

度々K-POPにおけるHIPHOPの影響/ストリートスラングの使用について触れてきた当ブログであるが、「Lit」という単語についても以下記事の「Straight up!」の説明箇所で既に軽く触れている。

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

「Lit」という言葉は「着火する」という意味から転じて「アツい、ヤバい、イケてる、最高」といった意味でも用いられる。ティザーで楽曲タイトルを見た時正直「ちょっと古くね?」という感想を抱いたのだが、urban dictionaryを引いてみると2014年時点でもう既に現在のような意味で使われていたらしい。もはやミームとしての旬は過ぎ、普通に使われる言葉になっているように思う(筆者は英語ネイティブでもなんでもないのでもしかしたらもう全然使われてないのかもしれないし、現役バリバリでLITなのかもしれない)。

前掲のブログ記事でも紹介しているが、Travis Scottのキメフレーズ「It’s Lit!!」からも分かるように、この言葉はHIPHOPのリリックの中でも度々使われている。

 

揺らすケツがLit! お前よりもビッとして生きてるBadなBitch

 

(OVER KILL (FUJI TRILL & KNUX), Jin Dogg, Henny K & ralph - Never Get It)

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LIT oh

I’m always thinking dirty oh freakin’

LIT oh

I know you want this body

 

(Ash-B - LIT (feat. BOBBY))

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「LIT」はどこがLITなのか?

さて、タイトルに関する蘊蓄はこの辺にして楽曲そのものについても見ていこう。

冒頭からボルチモアクラブの5つ打ちが鳴り、シグネチャーである「S!T!A!Y!C! Go!!」のフレーズに耳を掴まれる。音楽ゲームkawaii系楽曲の雰囲気漂うサウンドと伸びやかな歌唱、 中毒性のあるサビのリフレインまでとにかくキュートで痛快だ。

日本語と英語と韓国語を折衷した歌詞の構成も興味深い。単なる日本語オリジナル楽曲ではなく、日本と韓国、そして広く世界を見据えたプロダクションである、ということなのだろうか。

「最初に見た時難しくてびっくりした、踊れないかと思った」とメンバーが話すダンスもこの曲の大きな見所だ。K-POPでは上半身の動きが中心となった振り付けがなされることが多いが、「LIT」ではビートに合わせた足技中心の弾むような振り付けを全面的に採用し、かつ群舞としての見応えもあるコレオに仕上がっている。筆者はこの曲の初生披露を目撃したのだが、彼女たちの持ち味である親しみやすく可愛い楽曲と、グルーヴィーに躍動する身体が生み出すクールネスの融合には目を瞠るものがあった。

このダンスムーブはBlick/Phillyと呼ばれるスタイルで、その名の通りアメリカのフィラデルフィアが発祥。ジャージードリル流行のきっかけとなったLil Uzi Vert「Just Wanna Rock」で彼が踊ったのをきっかけに火が付き、TikTokなどSNS上でバズったという経緯がある。ボルチモアクラブ/ジャージードリルの流行については以下記事に詳しく書いたので、興味のある方はこちらを参照されたい。

 

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kaki-genkin.hatenablog.com

 

低音強めでHIPHOP志向なビートだが、可愛らしいメロディや自然体なボーカルが彼女たちらしい親密さを演出し、なんとなくPinkPantheressの楽曲にも似た印象を受ける。

 

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「Teddy Bear」以降特に自然体であることやセルフコンフィデンスについて歌ってきた彼女たちであるが、「LIT」でもそのメッセージは変わらない。「時間は待ってくれない」から「振り返らず歩いて行こう」「君と共に 望む場所に 走り出してく」その姿勢は、リスナーの大半を構成するティーンは勿論、あらゆる層のファンをエンパワメントする。この”リスナーとの距離の近さ”は、STAYCにしかない魅力だ。

Y2Kストリートスタイルを軸としながら、グレン・マーティンスDIESELを思わせるくすんだカラーパレット、デニムのバギーパンツを採用したスタイリングも素晴らしい。楽曲と同様、取っつきやすいポップな印象と硬派なストリートの雰囲気を両立させている。

 

🔥🔥🔥

STAYC「LIT」について、楽曲のサウンド、ダンス、歌詞、スタイリングの面から見てきた。この曲は、現行のトレンドであるボルチモアクラブ/ジャージードリルのリズム感とファンシーなメロディ、かつ前向きでポジティブなメッセージを融合させた「LIT」は、今までの彼女たちのパブリックイメージを裏切らずそれでいて新奇性も獲得している。

楽曲のクレジットを確認すると、作曲にはブラック・アイド・ピルスンのラド(Rado)、日本人ソングライターのESME MORI、STAYCやチョンハへの提供を行うPrime Time、そして編曲はBXN(BEOMxNANG)が手掛けている。ブラック・アイド・ピルスンはキャリア初期から大衆人気の出やすいキャッチーな楽曲を得意としてきたが、今作でもそのセンスが炸裂。編曲のBXNは「BUTTERFLY」「247」など過去にもSTAYCのHIPHOPR&B楽曲の制作にも参加しており、今作においてもストリート感覚の補強を担ったのではないかと推測出来る。

STAYCとHIPHOPの組み合わせと言えば、キャリア初期の名曲「ASAP」である。この曲もドープな低音とTrapのハイハットに可愛らしいトイピアノの音色や中毒性の高いメロディ、キャッチーなダンスがバイラルヒットを巻き起こした。

 

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ASAP」で見せたTrapサウンドと可愛らしさの融合を2023年のトレンドに合わせアップデートした快作、リスナーと彼女たちの未来を照らす灯台の炎ーーーそれが「LIT」なのだ。

 

 

参考資料

 

 

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20231202/K-POP定期便(11月カムバックアーティスト特集)

ぐっと冷え込んで参りましたが皆様如何お過ごしでしょうか。短い秋に別れを告げて、落ち葉踏み踏み長い冬へと歩き出しましょう。「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。今夜の1曲目はPaul Blanco「Welcome」です。

 

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「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

先にプレイリストが見たい方はこちらから(Apple MusicSpotify)。

 

K-POP

HeeJin - Algorithm

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LOONAのヒジンがMODHAUSに移籍し2度目のソロデビュー! ミニアルバムのリード曲「Algorithm」はレトロな雰囲気のディスコファンク風ダンスナンバー。宮廷育ちのお嬢様がアイドルを目指すMVもキュートで最高。収録の「Video Game」といいやっぱりこの事務所は曲が良いよね…….。

 

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Weeekly - VROOM VROOM

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クインパお疲れ様組のWeeeklyが久々のカムバック。スクール系ティーン系のイメージから若干の迷走とクインパ出演を経た今作ではぐっと洗練されたスタイリッシュになった彼女たちの楽曲が楽しめます。リード曲も良いけどミニアルバム収録の2step楽曲「ODYSSEY」が好き。

 

VIVIZ - MANIAC

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あ~~~VIVIZはずっと良い感じのディスコファンクやってくれてサイコ~~~~。毎作間違いなくスイートスポットにぶち当ててくるVIVIZの新作EP『VERSUS』が到着。リード曲はもう説明不要のVIVIZ流ディスコファンクで、前2作よりぐっと大人っぽさを増したような雰囲気がこれまた良い! 若干80sシンセポップ感もあるサウンドが良い!! 収録曲はVOGUEなハウスナンバー「Untie」に「Overflow」……と、とにかく名作。オススメです。

 

KISS OF LIFE - Bad News

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各メンバーのソロ楽曲からグループとしての楽曲までそのクオリティの高さでK-POPシーンに衝撃を与え続けるKISS OF LIFEが自身2枚目のミニアルバムをリリース。どっから予算出てんだ……と思わざるを得ない超ハイクオリティMV(殺陣まである!)とクールな楽曲、御託はいいのでとりあえず聴いてください。X-CONで見たかったなあ!!!!

 

수진 (SOOJIN) - 아가씨 (AGASSY)

 

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色々あって(G)I-DLEを脱退した(各自調べてください)スジンがなんとなんとソロデビュー!! リード曲「아가씨(アガシ:お嬢さん)」は同名映画などに見られる韓国ノワール~伝統的な意匠をモチーフとし、特有の”恨”の感性を描いたもの。サビがEDMにおけるドロップになってるのってもはやなんか懐かしい感じが……。けど良い。収録曲「TyTy」がドラムンでサイコー。

 

aespa - Drama

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そろそろ4年目、SM所属のガールズグループaespaが先行シングル「Better Things」を含む超ド級ボスラッシュEP『Drama』をリリース。歪んだ電子音からドンドコベースからのエレキの鳴きがHYPER LINKの演出を思い出させる「Drama」の前に我々はひれ伏すしかないのです……。ドラマとトラウマで踏むのシンプルだけどカッケー!収録曲の中だと「Trick or Trick」のビチョビチョのサブベース(?)からハイパーみを感じて1番好き。

 

Red Velvet - Chill Kill

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これに関しては別で書いたので勘弁してください(?)

 

kaki-genkin.hatenablog.com

 

3YE - LOCO

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ひっさびさに名前見た!3人組3YE(サードアイ)の新曲はラテンノリかつエフォートレスな雰囲気の楽曲で良い感じだけどなんというか……2回目聴くかと言われると……。

 

BIBI & Becky G - Amigos

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BIBIがラテン・ポップのクイーンBecky Gとコラボ!! もう言う事なし!! サイコー!!

 

iii - Forbidden Midnight

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今月デビューのiii。ティザーの時点で良さげ……?な雰囲気でしたがここ最近のハウスっぽい雰囲気を取り入れた曲調でまずまずなのではないでしょうか。MVの画が見たことありすぎるのが気になるが……

 

Jessica - BEEP BEEP

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BABYMONSTER - BATTER UP

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YGエンタからめちゃめちゃ久しぶりに女性アイドルがデビュー! イントロのラチェット感がすごくてめちゃくちゃ掴まれました。やや大人数なのも個人的に好き。

 

テヨン - To. X

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テヨン先輩がミニアルバムをリリース!! レドベルといいやっぱ納屋を燃やすんですよね……最高。

 

Billlie - the soul savior ~ I don’t need a superman

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Billlieシングル連続リリースの〆は「the soul savior ~ I don’t need a superman」。前作の明るさ・ポップさから本来のBilllieらしさを取り戻したような鋭く、それでいてK-POPらしいキャッチーなエレクトロサウンドを展開。後半に入るラップパートが良い。

 

MAVE: - What’s My Name

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史上初AI K-POPガールズグループ・MAVE:が初のカムバック。楽曲もAIが作ったみたいなある意味規範的なK-POP楽曲。

 

aespa - Jingle Bell Rock

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aespaがキャロル「Jingle Bell Rock」をサプライズリリース! aespaの可愛らしい声質を活かした編曲がなされつつラップパートはしっかり〆る塩梅の良さ、今後毎年聴くことになりそうです。

 

K-R&B/indies

Jiselle - B Like U (prod. Wondrah)

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ユダヨンへの楽曲提供も記憶に新しいJiselleがニューシングル「B Like U」をリリース。ビートはアメリカに拠点を置くビートメイカーWondrahによるもので、今までの彼女の楽曲とは若干異なる雰囲気が新鮮です。

 

Kaiavant - Dream on a summer night

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今最も注目すべきトラックメーカー・SSWのKaiavantが新作EPをリリース。今作は前作のアブストラクHIPHOP的なアプローチではなくアンビエント寄りの情感のあるR&B楽曲が中心。「Dream on a summer night」のMVではなんと本人がコンテンポラリー調のダンスも披露しています。すごい。

 

SUMIN - Closet (feat. Uhm Jung Hwa)

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SUMINが新作EP『sichime』をリリース! リード曲「Closet」には韓国のビヨンセ・オムジョンファを招聘し、ダンスミュージックとしての強度を保ちつつ新鮮なサウンドを展開。

 

MEENOI - and you (feat. ZICO)

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そのそよ風のような柔らかなボーカルで人気のSSW・meenoiがAOMG移籍後初のシングル「and you」をリリース。絹のようなボーカルは相変わらずでサイコー。そしてジアコここにも!

 

YongYong - 오렌지 태양을 삼킨 천사(Orange Sunny Angel)

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ラッパーYongYongが自身初のフルアルバム『mYmY』をリリース! エモラップシーンからY2Kポップパンクへの自然な流れに乗りつつK-POP界隈のトレンドにも合致した物凄くトレンドっぽいアルバムでした! リード曲「Orange Sunny Angel」の英語/日本語ver.も収録されています。てかこないだ会ったんすけどめっちゃ可愛かったです。顔ファンなんかい。

 

JINex - Butterfly (Feat. JUNE)

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プロデューサーJINex(ジネクス)がフルアルバムをリリース。過去にシングルとしてリリースされた「Tonight(feat. Summer Soul)」なども含んだ全12曲収録で、レトロな雰囲気のシティポップからチルな雰囲気のR&Bまで幅広く展開。客演には我らがSummer Soul、KIRIN、Shammahなどが参加しています。

 

OLNL - 해바라기

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ラッパー・シンガーのOLNL(オルネリム)が単独名義でミニアルバム「ballad」をリリース。客演仕事の印象が強い彼ですが自身の感性を詰め込んだ今作ではタイトルの通りゆったりとした曲多め、親しみやすくそれでいて特徴のあるボーカルが全編通して楽しめます。てか上のビデオで初めて動いてるとこ見たかもしれん……。

 

THAMA - Baby I Know

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スイートな歌声で人気のR&Bシンガー・THAMAが新作アルバム『WOOOF!』を発表。相変わらずサイコーに心地良い楽曲が全12曲収録、前作『DON’T DIE COLORS』より踊れる雰囲気になっています。

 

Lym en - Pandora (Feat. SUMIN)

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何故か以前から名前は知ってたLym en(リィムン)が新作EP出してる……と思ったら客演にSUMINいる!!とびっくりした今作。説明不要の超イイK-R&B。SUMIN以外もJade(8balltown)、Milena(wavy)、そして我らがSummer Soulと超豪華な客演陣がEPに参加。オススメです。

 

xooos - Crush!

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xooos(スス)が新譜「Crush!」をリリース。ジャズの要素を取り入れたデビューEPから一転、ややシティポップ~シンセポップ的なアプローチ。

 

Summer Soul - Mirror (Feat. Jeebanoff)

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今月のSummer Soul情報! Jeebanoff(ジバノフ)とのコラボレーションシングル「Mirror」はやや彼女の初期作品に回帰したようなTrapっぽいハイハット、メロウな雰囲気のR&Bナンバー。

 

The Deep - Brand New House

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当ブログが大注目する新進気鋭のSSW・The Deepが自身初となるミニアルバム『Messy Room』をリリース! UKG~Bモアをふんだんに取り入れたダンスミュージックがこれでもかと詰まっていて最高。マーチャンダイズのリリースも近日中にあるそうです。買います。

 

SAAY - RollerCoaster

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aespaへの楽曲提供でも知られるSAAYがニューシングルをリリース。相変わらずのハイ-クオリティなR&B。個人的にはカップリングの方が好みでした。

 

BÉBE YANA - VROOM VROOM

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ムン・スジン - Don’t Say (feat. Kid Milli)

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こちらもベテラン、ムンスジンがSik-KとKid milliを招いてシングルをリリース。ミリ客演の「Don't Say」は洒脱な2step楽曲で、元々ハウスっぽいビートを得意とするKid milliとも相性抜群。シッケーの方はレゲトンでこれまたわかってんな~!な組み合わせでした。

 

YUKIKA - I want to be closer to you

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韓国国内でのシティポップブームの立役者、YUKIKAが自身最後のアルバム「Time-Lapse」をリリース。その透き通る歌声ともはや安心感のあるシティポップの曲調、もう新曲が聴けないのかと思うと寂しい限りです。

 

DeVita - I’ve Been Naughty, Mr. Claus

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AOMGの歌姫DeVitaもキャロルソングを収録したシングル「Letters to Santa」をリリース! 

 

K-HIPHOP

Dynamicduo, ZICO, B.I, ジェイ・パーク, CHANGMO, Jessi & Padi - Smoke (Remix)

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超人気ダンスバトルサバイバル番組『STREET WOMEN FIGHTER 2』の課題曲として製作されTikTokでのダンスチャレンジが大バズり中の「Smoke」Remix ver.が出たー!! そもそもK-HIPHOP界のリビングレジェンド・Dynamicduoの楽曲だったことに加えてRemixではZICO、B.I、パク・ジェボム、チャンモにジェシってちょっと豪華過ぎない?なメンツがバースを蹴ってます、言うまでもなく良い!! 特にジアコ!!

 

pH-1 - ROSETTA (Feat. MILLI)

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H1GERの看板ラッパーpH-1がEP『POP OFF』をリリース。R&B調の歌モノも器用にこなす彼ですが今作はポップな要素ゼロで巧みにフロウを操ります。リード曲にはタイからMILLIも参加!

 

VEKOEL - Lee Boo-jin (Feat. The Quiett)

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サイバー系の出で立ちが目を惹くVEKOELの新作シングルが到着。激シブOGのThe Quiettを招いて未来的で疾走感のあるTrapサウンドを展開しています。MIRANIの「Asphalt」とか好きな人はこれも好きだと思う。

 

KOALA - RSVP Remix (Feat. Jay Park, CHIO CHICANO, BM of KARD)

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RSVP2回目のRemix! しかも客演にはジェボム御大にKARDのBM、しかもしかもCHIO CHICANOまで参加(音源にもLil Boiも)! 超新星ラッパー・CHIO CHICANOの「Shake that ass hoe!!」のシャウトがもうSexxy Red過ぎて好きです。

 

MIRANI - Kiss Me Now

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MIRANIのシングル「Kiss Me Now」は最近流行りの2stepかと思いきやアトランタベースっぽい雰囲気。ラップというより全編通して歌ってる感じで以前のアルバムやLE SSERAFIMのremixとは違った魅力を感じます。

 

Way Ched & TRADE L - Lover (Feat. Sik-K)

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火気厳禁も大好きなビートメイカー・Way Chadがラッパー・TRADE LとのコラボEPを発表。スタイリッシュな雰囲気の「Melatonin Bae」から、アトランタベース風(?)の「GET OUT」、タイトなTrapサウンドに2人のラップが交差する「NO BRAINER (Feat. Street Baby)」まで全6曲収録。

 

SINCE - WING(feat. CK)

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SINCEは持ち味であるキレキレなフロウをスピード感のあるビートに載せ、肌が切れそうな寒さ=ICY感を演出。客演のCKも”これ系”の曲の雰囲気に合っていて良い感じです。

 

Jay park - Why

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新たな音楽レーベル・MORE VISIONを立ち上げ更に絶好調なジェボム御大の新曲「Why」はCha Cha Maloneによるゆるめで洒脱なボルチモアクラブ~ラテン風ビート、そして社長のメロウで甘い歌唱がやっぱ良いよね~。ダンス主体のMVもポップ。

 

2Spade - 사생결단 (Ready to Die)

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SMエンタ傘下のEDMレーベルからリリースされた2spadeのEP「Shadow 」。EDMとラップがミクスチャーな雰囲気でカッコいい。

 

kitsyojii - YEAH!

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ラッパーkitsyojiiがHD BLACK全面プロデュースの新作EP『HDISMYPRODUCER 2』。アンダーグラウンド感漂ういなたいラップが良い~。Dejavu Group周辺のラッパーが好きな人にオススメ。てかkitsyojii今月だけでもう2枚リリースしてる……エグ……

 

RAUDI - The Kid Is Missing (feat. Hash Swan, Luci Gang)

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プロデューサーRAUDIが自身の名義でフルアルバム『Seoulless』をリリース。Don Mills、SINCE、OXYNOVA、QM、CHOILB、Luci GangなどなどなどK-HIPHOPの有名どころからニッチな人選、若手まで豪華客演陣による多種多様なK-HIPHOPが楽しめます。

 

Swings & Nochang - Talk Money (With. Don Mills)

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¥$に呼応してか(?)AP Alchemyの代表SwingsとNochang(天才ノチャン)がシングル「Talk Money」をリリース。Don Mills参加ver.ではなんとSwingsがスペイン語と英語によるラップを披露し、その芸達者ぶりを見せつけています。

 

Yescoba - Stunner (feat. NO:EL)

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NO:ELこないだ出した曲なんかロック調で違う……と思ってましたがこれの客演でTrap乗っててよかった。来月またソロアルバム出すらしいです。

 

KROM - You Know How To Love (feat. Namoo)

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2021年デビュー、若手ラッパーKROMのEP『You Know How To Love』。耳馴染みの良いTrapR&B、ダンサブルなUKG、K-HIPHOPのエモっぽい感じの楽曲まで色々入ってて良かったです。

 

offthecuff - Chandelier (Feat. Qim Isle)

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offthecuffのEP、調査が足りず正体不明(調べたけど同名のボーイズグループがめっちゃ出てきた)。ジャズっぽい感じかと思いきやもっと幅広いジャンルを横断的に取り入れたサウンドで面白かったです。

 

今月の火気pick : Crush - wonderego

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天才エンターテイナー・Crushがフルアルバム『wonderego』で帰ってきたぞーーー!!

その才能をZion.TやDynamic Duoに見出され、2012年にソロデビュー。アイドルグループが毎週激戦を繰り広げる音楽番組のランキングで何度も1位を獲得し、2022年の除隊後はBTSのJ-HOPEとのコラボレーション楽曲をリリースするなど今や国民的歌手と言っていいであろうCrush(クラッシュ)。そんな彼の3枚目となるフルアルバム『wonderego』がリリースされました!! めでたい!!

リード曲「Ego」は彼らしい穏やかで美しいメロディとスムースなボーカルが絡みあうR&B楽曲で、MVも彼らしいコミカルな雰囲気。いじらしい歌詞もステキ。

アルバムには19曲収録、全部良いので聴いてみてください。個人的にはイ・ハイ参加の「Bad Habits」、アップテンポな「EZPZ」あたりが特に好きでした。

 

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ということで、11月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

 

ということで2023年11月のカムバックアーティスト特集でした。来月は多分クリスマスソング祭り!! お楽しみに!!!!

 

 

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20231125/Your body is a battleground――(G)I-DLE「Queencard」について

はじめに

圧倒的な実力、個性豊かなメンバー、楽曲に込められた社会派のメッセージ―――、今や(G)I-DLE(アイドゥル)の名前を知らないK-POPファンはいないと言ってよいだろう。オーディション番組『PRODUCE101』、『Unpretty Rapster』への出演を経たチョン・ソヨンが自らプロデュースを手掛ける5人組女性アイドルグループ・(G)I-DLE(デビュー当初は6人組であったが、2020年に校内暴力に加担していたという告発を受けスジンが脱退)。そんな彼女たちが来たる5月15日に発表したEP『I FEEL』のリード曲「Queencard」は、セルフラブについての楽曲だ。

筆者はこの曲のMVを見た時、正直に言ってどういった感情を抱けばよいのか分からなくなった。今風に言えば”モヤった”。明るいディスコ調で楽しい気分になる楽曲だが、そのMVや歌詞に込められているメッセージ自体は何か共感出来ない部分があるような気がしたからだ。

この文章では(G)I-DLE「Allergy」「Queencard」についてその歌詞やMVの演出をつぶさに見ながら、その”モヤり”の原因を探してみる。そうすることで、自ずと楽曲に込められたメッセージがどのようなものなのかも分かるはずだ。

 

(G)I-DLEと「Allergy」「Queencard」について

本題に入る前に、まず(G)I-DLEがどういったグループなのかを軽く紹介しておく。老舗事務所CUBEから2018年にデビューし、現在のメンバーはソヨン、ミヨン、シュファ、ウギ、ミンニの5名。前述の通りソヨンがデビュー前からオーディション番組に出演していた他、デビュー後にはガールズグループによるサバイバル番組「QUEENDOM」シーズン1に参加。セルフプロデュースによる壮大な世界観の楽曲などによって着実にファンを増やしてきた。ソヨンのソロ活動を挟んで2022年にリリースした「TOMBOY」「Nxde」ではフェミニズム的なメッセージを痛烈に発信し、ファンダムの域を超えて大きな反響を呼んだ。今作「Queencard」はそうした流れを汲んだ楽曲だと言える。

さて「Queencard」の分析の前に、アルバム『I Feel』から先行公開された楽曲「Allergy」のMVについて見ていこう。

 

Allergy

Allergy」と「Queencard」は前後編の関係、2つで1つの物語になっている。前編にあたる「Allergy」では、Instagram風のフィードをガラケーで見るシーンから始まる。フィードに映る各メンバーの姿と主人公を演じるソヨンを対比させながら、「インスタもTikTokも嫌い」「私だけ持ってないCHANELのバッグ」「世界は私がいなくても回っていく」とついついSNSで見る他人の姿と自分を比べてしまう様子を描き、サビでは「なんで私は可愛くないの?セクシーじゃないの?」「誰か私を愛してよ」と羨望、自虐、自己嫌悪を爆発させる。とはいえ涙のフィルターをかけたライブ配信風の画面の中で「Why ain’t I pretty?」と叫ぶミヨンや、2番サビのパーティーのシーンではキラキラして見える画面の向こうの彼女たちにも主人公と同じような苦悩があることを示している。中盤あたりで主人公は美容整形の医師を訪れるもあまりの費用の高さに診察室を飛び出すのだが、そこで同じ格好をしたミンニに遭遇。「あなたも私みたいになれる!」と言われたことで余計にコンプレックスが刺激され、最終的には手術することを決意。ストレッチャーに乗ったソヨンの顔のアップと「マスクを装着してください。ゆっくりと眠たくなってきて、目覚めたらあなたはクイーンになっています(意訳)」というアナウンスで前編の幕が下ろされる。タイトルの「Allergy」は鏡を見るのも嫌、という心情をアレルギーの症状に例えたものだ。

 

Queencard

「Queencard」では手術を終えたソヨンがミンニそっくりの容姿になって登場。「何見てんの?私がセクシーなのはわかるけど」、クラブに向かう道中で周囲の視線を集めまくる。立ち寄ったブティックで鏡に映るのはウギ、もう一度カメラが本人に戻るとシュファに……と次々に今まで画面越しに見ていたキラキラ女子に成り代わっていく。順風満帆、クラブで踊りまくり、バカンスでプールパーティーと、画面の向こうに見ていた憧れられる側の存在へと変貌を遂げる。2分17秒あたりから種明かしパートに入り、どういうわけか執刀前に目を覚ましたソヨンは記憶がないうちにパーティーに出かけ、整形したと思い込んで自信満々に振る舞ったら周りからイケてるように見られていたということだった。主人公はそれをスマホの通知を見て察するが、それをポケットにしまいどこかへ歩いていってしまう。つまるところ、「気の持ちようでどうとでもなるよ」ということだ。

このMVのストーリーは映画『アイ・フィール・プリティ!』が元になっているとソヨンがインタビューで語っている。この映画はMVと同じように容姿について悩む女性があるきっかけから外見はそのままに自信を得て堂々とすることになり、人生が変わっていくといった物語だ。

 

女王の国のドレスコード

私が2曲のMVを見てまず感じたのは、「それだけ?」という驚きだった。呆然とした、と言い換えてもいい。自分の顔がとにかく好きになれない、という悩みに対して「気の持ちよう」と言ってしまうのは少々乱暴ではないか? 整形せずに済んでよかったね、なのか? 整形することによってしか自分に自信が持てない人はどうなるの? 自分が逆張りをしているだけなのかもしれないが、やはりどうしても「気分を変えたらあなたもクイーン」にはノレずにいる(楽曲自体は楽しく聴いているが)。ここで、再度MVを見てみたい。MVの中の彼女たちがいかにして自分に自信を持つようになったのかを理解することで、この違和感の原因も分かるかもしれない。

 

クイーンになる方法

ということで「Allegy」のMVを見返してみると、1:21~からのシーンで次の4つの方法が「クイーンになる方法」として紹介されている。

 

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「STEP1. Be Pretty(かわいくなること)」「STEP2. Sexy Lips&Hips(セクシーな唇とお尻)」「STEP3. Wear Fabulous Lingerie(ファビュラスな下着をつける)」「STEP4. Stay Confident(常に自信を持つ)」。次のシーンでは主人公であるソヨンが外科医の元を訪れるが、このレクチャーの中で口角を上げるジェスチャーも見られ、単に「暗い表情はやめよう」といったSTEP1のメッセージを彼女が誤読しているとも取れる。しかしここで私が取り上げたいのは、ここで言われている「Pretty」「Sexy」「Fabulous」という概念は誰が作り出したものなのか、という問題である。

 

男性中心社会で美しくあろうとすること

シーラ・ジェフリーズ『美とミソジニー 美容行為の政治学』は、社会に流通する「美」は男性によって女性を低い地位に押し込めるために作られた概念だとし、それが如何に女性に負担を強いているかをつまびらかに、そして苛烈に書き記した研究書だ。この本で扱われているトピックは美容整形、ハイヒール、ピアッシングなど多岐に渡るが、ここでは“セクシー”な衣装を纏って人気を得たマドンナを「自らの意思で売買春のイメージを用い、男を支配する存在」だと評価することについての反論を引用する。

 

マドンナは、男性のSMと売買春のファンタジーを売春店やポルノから、男性主流(メイルストリーム)のエンターテイメント業界に持ち込み、若い女性に女性のエンパワーメントの一形態として売買春を売り込んでいる。その結果、彼女は売買春をノーマルなものとし、ファッションや広告で女性を売春婦として描くことを広く許容することに貢献している。(中略)ポルノが売れることを知っているエンターテイメント業界からの勧めと、世間を騒がせたいという願望ゆえに、彼女は売買春を表象することで富を得ることを選んだのだ。彼女がもたらしたダメージは、若い女の子のファッションが、今では男性の性的欲望に奉仕することに固執するようになったことだ。売春婦や「あばずれ(スラット)」ファッションは今なおいけてるものであり続けている。

 

(シーラ・ジェフリーズ『美とミソジニー 美容行為の政治学』、p149)

 

そもそも「Pretty」「Sexy」「Fabulous」といった価値基準自体が男性たちが自らの社会的地位を維持し、女性を抑圧するためのものだ。「クイーンになる方法」として紹介されている「セクシーな唇とお尻」「ファビュラスな下着をつけること」も、「Queencard」の歌詞に含まれる自らのセックスアピールへの言及も、MVでの肌の露出が多い水着やボディラインの出るタイトなドレスといったスタイリングも、すべて男性によって作られた”美”の概念を内面化した果てのものではないか。また、「Allergy」MVにおける美容整形の費用の描写も、女性に”美”の概念を要求し、かつ多額の金銭まで要求するといった女性を抑圧する構図が示されている。近年のK-POPの潮流に乗る形でセルフラブ的なメッセージを打ち出した「Queencard」だが、「美しさ」という規範に乗っかった上で「あなたも気の持ちようで輝ける」と言うことは、男性中心社会において女性を抑圧する「美」の規範を再生産し拡散することに加担しているのではないか。

 

韓国国内において2018年頃に勃発した脱コルセット運動(탈코르셋 운동)も、こうした規範的女性性を投げ捨てることを目的としたものだ。この運動では、参加する者に対して髪を短く切ることや化粧をやめることを求める。

 

脱コルセットは自分の気持ちを考慮するための運動だ。男性の目を気にし、文化的に容認される論理に従って鈍感化が進んだ、その苦痛に居心地の悪さを感じとるための運動なのである。脱ぎ去るべきコルセットがどこからどこまでを意味するかは、それを身に着けている状態ではわからない。

 

(イ・ミンギョン『脱コルセット:到達した想像』、p4)

着飾りを全面的に中止する脱コルセット運動のやり方は、着飾りを女性の身体から分離し、これを脱自然化するだけでなく、日常の儀礼から着飾りを欠落させることで意図的に忘却へと導く。

 

(前掲書、p72)

 

参加する者の内的な動機がどうあれ、とにかく「美容」であるとか「着飾り」に関することをすべて停止することで、参加者の身体感覚を変え、それによって今まで自らがどれほどまでに規範的女性性に適合しようとして来たかが自覚出来る。こうした脱コルセット運動のラディカルな姿勢を鑑みると、(G)I-DLEが「Queencard」で依って立つ基準である”美”そのものがミソジニー的であるということがリスナーとして引っかかりを覚えるポイントである。

 

誰が貴女に美しくあれと言うのか

前述の『美とミソジニー』で批判されているのはこうした”美”という概念を作り出した男たちであり、それを無自覚に受容し拡散している文化である。”美”という価値基準が無かったらMVの主人公が、つまり容姿や身体について思い悩む女性たちが存在することもなかっただろう、とも言える。

脱コルセット運動に対して、「オシャレするのは私の勝手」という意見も勿論あるだろう。脱コルセット運動は、慣習によって女性に強制される着飾りと個人の楽しみとしての着飾りを区別しない。一度そのオシャレという行為をすべて断ち切ることでしか、それが如何に身体的苦痛、可処分所得の浪費を招いてきたかが分からないというスタンスを持っているからだ。

TOMBOY」の規範的女性性に唾を吐きかけるような態度や「Nxde」で見せたメイル・ゲイズ(男性の視線)を拒みむしろ睨み返す姿勢を知っているからこそ、私は「Queencard」のMVを見て拍子抜けしてしまったのかもしれない。このMVで唯一「Allergy」が提示した問題点を掘り下げていると思ったのは、ミヨンが執刀医に扮するカットだ。「私はクイーン、あなたもクイーンになりたいの?」と口にしながら手術台へソヨンを運ぶ様子は、端的にかつ強烈に問題を描いている。アイドルがエンパワメントの文脈であなたも美しくなれる、と言う時、そのアイドル本人が美の基準になってしまう。あなたが憧れるアイドルの”美しさ”は誰のためにあるのだろうか? その”美しさ”は誰が作ったものなのだろうか? ミヨンの微笑が恐ろしいのは、その背後に女性を抑圧するシステムを感じさせるからだ。

 

2回目の入国審査

ここで改めて「Queencard」の歌詞をつぶさに読んでみると、「クイーンになる方法」と同じく身体に関する描写が多いことに気付く。曰く「My boob and booty is hot」、曰く「I’m twerkin’ on the runway」。前段ではそのセクシーさや美しさを称揚する姿勢を男性中心社会における女性の抑圧に繋がるものとして批判してきたが、近年のHIPHOPにおける潮流を踏まえ再度「Queencard」を読み直してみたい。

 

フィメールラッパーとTwerk

さて、最近ではK-POPでも振り付けの中にも取り入れられているTwerk(トゥワーク)は、端的に言えばお尻をガンガン振るダンスだ。2013年の「#twerk」の流行により一般に定着したとされるこのダンスは、Cardi B「WAP」、Megan Thee Stallion「Thot Shit」、 City Girls「Twerkulator」などなどなど近年のUS-HIPHOPのMVで印象的に用いられている。

 

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「WAP」では女性ラッパー2名が主体となって性的欲求についてあけすけに歌い、「Thot Shot」では彼女のMVにふざけたアンチコメントを書き込んでマスをかく政治家にメーガンはこう吐き捨てる。

 

「お前がうっかり踏みつけようとした女性たちは、みんなお前が依存している人たちなんだ。彼女たちはお前の病気を看病し、お前の食事を作り、お前のゴミを回収し、お前の救急車を運転し、眠っている間、お前を守っている。彼女たちはお前の人生のあらゆる部分を支配しているんだよ。彼女たちに構うんじゃない!」

 

(「MCメーガン・ジー・スタリオンが全ての女性に贈るエンパワメント──自分にふさわしいものを求め続けて」、https://www.elabo-mag.com/article/20210702-02)

 

ジャージードリル流行の立役者であり一躍スターダムにのし上がったIce Spiceも、圧倒的なラップスキルでK-HIPHOPシーンに衝撃を与えるニューカマーCHIO CHICANOも、歯に衣着せぬリリックが痛快な日本のラッパーMaRIも、歌詞やMVの中でTwerkを扱っている。

 

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変態はお前だ――メイル・ゲイズを跳ね返す身体

各楽曲のMVを見てもらえば明らかな通り、乱舞するbootyからはエロさよりよりむしろ見る者を圧倒してやろうというパワーを感じさせる。「I’m twerkin’ on the runway」という歌詞は、こうしたパワーに対する共感/共鳴からくるものだろう。マンガ表現の研究者でヘッズでもある岩下朋世は、女性ラッパーの楽曲MVにおける性的な表象について以下のように書き表している。

 

乱舞する”ホット”な身体は、男の欲望をそそりつつも弾き返して心のうちに踏み込ませない。

 

(岩下朋世「Tha 女子会 Is Hot フィメールをレップするラップについて」、『ユリイカ』2023年5月号所収、p231)

 

ファニーなほどに過剰でパワフルな彼女たちのTwerkは、全く以て男のためではない。そう考えると、「Queencard」の歌詞は「変態はお前だ」と一刀両断した「Nxde」のアティチュードを引き継いでいるとも言える。あえて自発的に身体を可塑性のあるものとして改造することによって、男性中心社会によって身体をデザインされることを拒む――――そう捉えると、こうしたラチェット・フェミニズム的な考え方と、先で紹介した脱コルセット運動やその根底にあるラディカル・フェミニズム的な考え方とで身体についての捉え方が全く異なっていることに気付く。

また、この曲の歌詞には「I wanna with you 뽀뽀 I wanna with you 포옹(君とキスしたいしハグだってしたい)」という一節もある。「포옹(ぽおん:抱擁)」はその音から「porn」とのダブルミーニングになっている、とすると、「WAP」などと同様に女性の性的欲求を率直に描くことすら成功している……というのは考え過ぎだろうか。

 

おわりに

筆者個人が感じた(G)I-DLE「Allegy」「Queencard」への違和感を元に、楽曲MVにおける女性表象や歌詞について見てきた。「Queencard」では近年のHIPHOPの文脈を踏まえ、挑発的な態度を見せつつ自らの美しさや身体を誇示する。身体とはまた違った意味合いを持つ顔という部位、そして美容整形というモチーフの使用について、映画作品のオマージュであるということで今回のMVには欠かせない内容ではあったと思うのだが、この描写があることによってある種の混乱を生んでいることは事実だ。女性が女性らしくあることを強いられる世界で、私はどうしても「美しくあること」を称揚することにグロテスクさを感じてしまう。

しかし歌詞の身体表象について、HIPHOPシーンで高まるラチェット・フェミニズム的な潮流と照らし合わせてみることでむしろ身体について主体的に捉え直し、モノ化した身体をこそ楽しんでいるのだという解釈を得た。(G)I-DLEのプロデューサーを務め、かつ個人でラッパーとしても活躍するメンバーのソヨンがこうした表象を取り入れるのは自然な流れだと思われる。露骨に性的な表象を通して男性中心社会/家父長制が築き上げた規範的女性性を逸脱しようという試みは、女性を抑圧する社会において充分にカウンターたり得る行為だ。

「Queencard」のMVには、身体や美という概念について自家撞着した要素が含まれていると私は思う。しかしそれが彼女たちが「並んだ中から好きなものを選」んだ結果なのであれば、その問題も含めひとまず作品を受け入れるべきだとも思う。我々はついついアイドルに完璧さを求めてしまうが、アイドルに我々の理想――規範的アイドル性とでも言おうか――を押し付けることは、"女らしさ"を振りかざして女性を抑圧することとまったく変わらない。

 

自分は自分で喜ばせられる

並んだ中から好きなもの選べる

 

(Awich, NENE, LANA, MaRI, AI & YURIYAN RETRIEVER - Bad B*tch 美学 Remix (Prod. Chaki Zulu))

 

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参考資料

 

 

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20231118/2色の、いや総天然色の――Red Velvet ‘Chill Kill’ アルバムレビュー

約6年の長い長い静寂を打ち破る稲妻のような衝撃、Chill Kill = Red Velvetのお出ましだ。緊迫感溢れるシンセのリフレインとグラインドするベース、そして5人のメンバーに導かれ、我々は異世界へと連れて行かれる。困惑していると、彼女たちは笑って「明日のことは考えないで 幸せな結末で待ってる」と言うのだった――――。

 

近年更にそのファンダムを拡大するK-POPシーンにおいて、その洗練された楽曲やヴィジュアルイメージによってRed Velvetは唯一無二の存在感を発揮している。そんなRed Velvetの約6年ぶりとなるフルアルバム『Chill Kill』は、彼女たちのグループ名であり、かつ根幹となるコンセプトであるRedとVelvetの融合を更にモダンにアップデートした快作だ。

 

リード曲「Chill Kill」はドープなDrillのベースがおどろおどろしさを演出し、徐々に高まるリズム、そしてパッと明るいフルートの音色……と目まぐるしく(耳まぐるしく?)その展開を変化させる。永遠に続く日常をぶっ壊しに来たChill Killには、「Feel My Rhythm」から顕著になってきた楽曲におけるmixtureな音楽感覚が活かされている。私はこの曲を聴いて、「狂気の安らかさ、正気の狂おしさ」というN/Kのリリックを思い出さずにはいられなかった。

ミュージックビデオも恐ろしくクールだ。5人でポートレートを撮影するシーンから始まったかと思いきや写真の背後にいる男の首がカットされ、彼の現在を暗示させる。5人で赤い血やおそらく死体や凶器を隠し、そして納屋を焼く。最後に5人は警察車両に囲まれ、それでも輪になってお互いに微笑みかける。『ヴァージン・スーサイズ』を思わせる、密室で育まれたシスターフッド。誰も立ち入ることの出来ない世界。

 

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5人は誰かから逃げているのか、それとも誰かを探しているのか? ティザーで見せたホテルの部屋が並ぶ風景を思い出させる「Knock Knock (Who’s There?)」は恋の駆け引きを鬼ごっこに例えつつ、それ以上の何か不穏なものを感じさせる仕上がり。唸るエンジンの音に乗って固定概念をぶっ壊す「Bulldozer」、たった一度のキスで相手の人生を狂わせる「One Kiss」まで、彼女たちの背筋が凍るようなカリスマは更にその冷たさを増している。

 

ワルツのリズムと重厚なサウンドが印象的な「Nightmare」では嫌な考えや暗く沈み込む気持ちを悪夢に例えつつ、サビでは温かい朝日の光のような歌声が我々の行く道を照らしてくれる。朝焼けを思わせる爽やかなメロディが印象的なEDM調楽曲「Will I Ever See You Again?」では、愛しい存在への追憶を序盤は淡々と、徐々に感情を含んでいくボーカルのグラデーションを以て魅せる。

 

氷がグラスに触れるような音色から始まる「Iced Coffee」では愛しい相手への止め処無い気持ちをカフェイン中毒に擬える。「Wings」ではファンシーなHIPHOPビートの上で超絶技巧のコーラス・フェイク・アドリブの連打を披露しつつそれでいてエフォートレスな印象を受けるのは、彼女たちが歩んできたキャリアと磨いてきたスキルの賜物だろう。アルバム最後のトラックは「풍경화 (Scenery)」つまり「風景画」と名付けられ、共に過ごした時間や心象を絵の中の穏やかな光景に例えて描き出す。

 

名曲揃いの今作であるが、その中でも白眉なのは3曲目の「Underwater」だ。SMエンタ流のネオ・Trap・R&Bといった雰囲気の楽曲だが、まさに水のように透き通る歌声、そこに差し込むリバーブの効いたハイハットやキック、冷たいシンセの音色……。輪郭の溶けた水中の世界を音楽的に表現しつつ、深く包み込むような愛を歌い上げる。

 

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暖かく、熱く、そして激しい赤。艷やかで柔らかく、リュクスなヴェルヴェット。このアルバムを通して、今まで彼女たちの魅力は2つの相反する要素(=楽曲)を1つのグループが着こなしていることだと認識していたが(勿論今もそうなのだが)、RedとVelvetのニュアンスを使いこなし、1つに融合させることこそがRed Velvetの魅力なのだと強く感じた。「Red」と「Velvet」という2色の糸を使って5人が織り上げた極上のタペストリー――――。それが3rdアルバム'Chill Kill'であり、Red Velvetというグループそのものである。

 

 

 

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20231028/K-POP定期便(10月カムバックアーティスト特集)

やっと秋が来た、と思いきや少し暑くなっての繰り返しの日々ですが、皆様如何お過ごしでしょうか。うかうかしている間に今年も残すところあと2ヶ月。残り少ない2023年、K-POPを楽しんでいきましょう。「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集。1曲目に紹介するのはaespaで「ZOOM ZOOM」です。

 

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はい。改めまして今月は毎月恒例カムバックアーティスト特集、火気厳禁が今月聴いた新譜を紹介していきます。

最初に紹介したaespa「ZOOM ZOOM」はaespa初の日本語楽曲。ベイブレードのアニメの主題歌て。何?

 

K-POP

(G)I-DLE - I Want That

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リリースが延期になっていた(G)I-DLEの新作が遂に到着! 88risingとのサイン後初のミニアルバム『I DO』リード曲は社会的メッセージを痛烈に放つ前3作とは全く異なる毛色で、狂おしい愛を硬質なテックハウスサウンドに載せて鋭利に表現しています。ドゥルの作り込まれた世界観とアブナい雰囲気が戻ってきた感じでサイコ~~~~!!

 

IVE - Baddies

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IVEがついに新ミニアルバムをリリース! リード曲「Baddies」は今までのIVEのイメージからまた一歩違うマニッシュなイメージを纏い、キレキレの音像を展開。爆ハネしたここからの彼女たちにより一層注目です。

 

LIGHTSUM - Honey or Spice

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ライサム久々のカムバだ~~~!! ティーンみ溢れるダンスチューンで辛すぎずしかしキメるところはキメるまさに「Honey or Spice」な仕上がり。ヒナちゃんかわいい。

 

tripleS EVOLution - Invincible

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LOVElutionに続きtripleSからユニット・EVOLutionがデビュー! オーセンティックなK-POPサウンド(というかビョンギサウンド?)にドラムンベースを落とし込んだ疾走感溢れる楽曲でダイヤモンドのように硬い信念を描いております。完全に人生初のデビューとなるコトネやヨンジやマユのパフォーマンスにも目を惹かれつつボブカットのユヨンがさァ……可愛すぎる……。

 

Whee In - In The Mood

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ex.MAMAMOOのフィインがフルアルバム『IN the mood』をリリース。タイトルトラックはゆったりしたグルーヴが心地良いファンク楽曲。彼女のクールな歌声がシンプルなトラックに映えてます。収録曲もことごとく良かった! オススメ!

 

Ailee - RA TA TA (Feat. Lil Cherry)

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ベテランシンガーAileeの新曲はまさかのLil Cherryをゲストに招いたクラブ仕様ベースミュージック。芯のあるボーカルがOGの威厳を感じさせます。

 

SUNMI - STRANGER

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ソンミがカムバック!! 彼女が得意とする80sポップスリファレンスに更に様々な要素を加えた不思議な構成の1曲。荘厳で奇妙で美しいMVも必見です。とにかく画が綺麗過ぎる……。

 

Chuu - Howl

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LOONAのチュウがソロデビュー。彼女の透き通る歌声を活かしたミニアルバムリード曲「Howl」は人懐っこく可愛らしいパーソナリティが反映されたような親しみやすいトラックと美麗ボーカル。

 

You Dayeon - down down down

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『Girls Planet 999』出演以降『SMTM』出演やモデル活動などを継続して行ってきたユダヨンがついにソロデビュー!! デビューシングル「down down down」はCha Cha Malone、Giselle、oceanfromblueの超豪華3名による制作の上質なTrapR&B楽曲。aespa「Thirsty」からちょっとこういう系統の楽曲増えてきた感じで嬉しい。好きなので。

 

JINI - C’mon (Feat. Aminé)

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元NMIXXのジニがソロデビュー!! しかもfeat.にあのAmine!! エッグいて!! もう何も言うこと無いんで曲聞いてください。洗練されててカッコよくて可愛らしくて歌詞がとにかく良い。ミニアルバム本体も「汗をかかずに踊れ」みたいな曲で構成されてて最高。今月はソロが本当に良い。

 

Queenz Eye - THIS IS LOVE

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ちょっと前にリリースされた「UN-NATURAL」からにわかにK-POPファンの注目を集めるQueenz Eyeがまた~良い感じのシングル「THIS IS LOVE」をリリース! まさにK-POP!な雰囲気のディープハウスサウンドとサビの展開が気持ちいい~~~!!

 

Kandis - Show Me Your Vibe

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デビューしたてのガールズデュオ……のはずが1人増えてる!! トリオになったKandisが送り出すのはシンプルながらグルーヴィな伴奏が心地よい「Show Me Your Vibe」。デビュー曲から歌唱力推しな感じでしたが普通に曲全体良いしラップまでこなしちゃうの最高だな~~~~。

 

Billlie - DANG! (hocus pocus)

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Billlieが先月の先行リリースを含めたシングルをリリース。彼女たちの持ち味であるキュートなティーン感とパワフルなダンスは健在。スヒョンとムンスアの復帰が待ち遠しいなー……。

 

ILY:1 - To My Boyfriend

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爽やかガーリー系グループILY:1はなんとK-POP創成期のガールズグループFin.K.Lの楽曲「To My Boyfriend」をカバー。このグループの甘さが充分に活かされた良リメイク。

 

クォン・ウンビ - Like Heaven (feat. Paul Blanco)

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ウンビが新曲「Like Heaven」をサプライズリリース。シティポップ楽曲と湘南ロケのMVの相性の良さをご堪能あれ。

 

하슬 - Plastic Candy

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ARTMSからハスルもシティポップ楽曲をリリース。謎にシティポップリバイバルが……?

 

K-indie / K-R&B

Park Moonchi - J U S T F U N (with george)

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SSW・パクムンチの新作「J U S T F U N(with george)」は70~80sレイドバックな雰囲気のファンクソング。CSVCを思い出しますね。客演でメインボーカルのgeorge相変わらず歌上手いな~……この曲調だとgeorgeですら昔の歌手の感じがしてくるから不思議。

 

Minsu - Dickies, White Tee, Nike

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オーガニックな雰囲気の作風を持つMinsuの新作シングルはそのエフォートレスな雰囲気はそのままボルチモアや2stepのリズム感を取り入れた不思議なミドルテンポバラード。2シーターの車内で撮られた自然体なMVも可愛らしいです。

 

DPR IAN - Don’t Go Insane

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DPRクルーの一員にして劇場型シンガー・DPR IANが遂にアルバムをリリース。あらゆる狂気をテーマとしたこのアルバムのリード曲「Don’t Go Insane」では彼のセクシーで繊細なボーカルと軽快なグルーヴ、そして ちょっとハロウィンも意識してんのかな?といった雰囲気の凝りに凝られたヴィジュアルも必見です。

 

Milena - Mean

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Milenaの新曲「Mean」は肩の力の抜けたジャズボーカルが心地よい1曲。女性の腕タトゥーってなんでこんなにカッコよく見えるんだろうな……。

 

ahreum(아름) - Golden Time !

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今月のインスタグラムで知った枠。先月からの流れに引き続きジャズ経由のソフトでキュートなR&Bで良い感じ。

 

COCONA - 흔들어 (Bounce)

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H&Mの店内BGMでもお馴染み(?)COCONAさんが新曲「흔들어 (Bounce)」をリリース! 今までの作風とは毛色の異なるトランス~レイヴ楽曲でしかもランタイム2分切ってます。カッコいい!

 

BÉBE YANA - Vision Getting Blurred (SIDE A & B)

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セロトニン分泌必至の伸びやかで透き通るボーカルと2stepのビートがサイコ~!!

 

zin - oddy

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8balltown(meenoi😭)所属のSSW・zinがシングルをリリース。ラテン調の雰囲気ながら絶妙に力の抜けたボーカルとシンプルなサウンド

 

Tabber - Being (feat. 백예린)

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you.will.know所属天才ラッパーTabberが新作EPをリリース! EPタイトル「Madness Always Turns To Sadness」からも感じられる狂おしさと哀しみが彼のラップスタイルで紡ぎ出されています。リード曲「Being」にはペク・イェリンを招き、シティポップの雰囲気もあるビートの上で2者2様の歌&ラップを披露しています。

 

iiso - Black Diamond

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韓国インディーシーンで今最も注目を集めるiisoが新曲をリリース!! しかも初期P-MODELなどを想起させるテクノ要素を含んだロックサウンド!! ランタイム2分!! MVも凝ってて良い~iiso可愛い~。

 

 

K-HIPHOP

Dj Sparrow - ALONE (Feat. Holynn, Malitabu)

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なんか最近やたら見かけるDj Sparrowの新作はラッパー2名を招いたガッツリHIPHOP。この感じのタイトなTrap好きなんだよな~。

 

DSEL - B.W.I

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先月のBewhyと同じくDejavu Group所属のラッパーDselの新作シングル。渋いトーンで繰り出されるタイトな押韻がいなたくて良い!

 

VIANN - Dominantly / Love (Feat. HESSE)

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こちらもDejavu Group所属、ラッパーでプロデューサーのVIANNがアルバムをリリース。UNEなどレーベルメイトの客演も多くバラエティ豊かなアルバムになっています。

 

Leellamarz - I don′t know a single thing (Feat. meenoi)

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多作ラッパーLeellamarzがアルバム『Life is once』をリリース! 執筆時期的に聴き込めてないのですが落ち着いた曲調とチャラくならない塩梅のハイトーンラップが沢山入ってて良かった!!

 

GIRIBOY - 뭐 어떡할까

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レジェンドラッパーでビートメイカーのGIRIBOYが久々のフルアルバムリリース!! こちらもまだ聴き込めてないのですがHIPHOPR&Bを独自の感性で融合させたハイクオリティな楽曲が沢山入ってて嬉しい!!

 

今月の火気pick : YOUNG POSSE (영파씨) - MACARONI CHEESE

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𝐌𝐚𝐜𝐚𝐫𝐨𝐧𝐢 𝐜𝐡𝐞𝐞𝐬𝐞 𝐋𝐢𝐤𝐞 𝐚 𝐌𝐚𝐜𝐚𝐫𝐨𝐧𝐢 𝐜𝐡𝐞𝐞𝐬𝐞……𝐌𝐚𝐜𝐚𝐫𝐨𝐧𝐢 𝐜𝐡𝐞𝐞𝐬𝐞 𝐋𝐢𝐤𝐞 𝐚 𝐌𝐚𝐜𝐚𝐫𝐨𝐧𝐢 𝐜𝐡𝐞𝐞𝐬𝐞……

 

KARAを輩出した老舗事務所DSPメディアからデビューした新人グループ・YOUNG POSSE。ティザーの時点でHIPHOPテイストの強い雰囲気がしていましたが蓋開けたらなんとビックリ全員しっかりラップ出来る攻め攻めグループでした。どない!?

リード曲「Macaroni Cheese」は808的なビートマシンサウンドのシンプルなビートにメンバー5人のデリバリが載る、至ってシンプルながら全編ラップのみというデビュー曲にしてはかなり攻めた構成。K-POPもここまで来たか……!! フックのリフレインの強さもさることながら冒頭の3連変形フロウなどしっかりハメるところとドウンのバースのようなゆったり乗るところの緩急の差なんかも面白く、MVをあえてダサくしてる感じもPUNPEEとかに近いセンスを感じる……けどこれ往年のK-POPの感じでもある(オレキャラとか)。

つーことで以下にシングル収録曲についても色々書きます。

 

POSSE UP!

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シングル1曲目「POSSE UP!」は冒頭のシャウトからもう完全に”それ”なジャージードリル楽曲。むしろLil Uzi VertとPlayboi Cartiの声が聞こえてこないのがおかしい。一応アイドルってテイだと思うんだけどgrrrr!!! bow bow bow!!!とか言っちゃって大丈夫なのか……!?と思いつつ聴き進めると歯切れのよいフロウを5つ打ちビートにビタっとキメていてしっかりカッコいい。ビートもボルチモアダブステップっぽいサウンドブレイクビーツの要素が入ってきてめちゃくちゃ良い。勿論ベッドのキシキシ音も! YOUNG POSSEが“HIPHOPの要素が入ったK-POP”じゃなくて”K-POPHIPHOPをやる”グループであることがよく分かる1曲。

 

OTB

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AP Alchemy「No One Likes Us」を彷彿とさせる歓声ビートからの変な声(勿論良い意味で!)とキレキレのフロウの連打、「Shooting Star」~「Kick it」のBメロ的なオートチューンR&B歌唱パート、フック部分ではSexyy Redぽい耳を惹く声裏返りフレーズを盛り込み……と単体でも強いそれぞれのパートを有機的に繋げたハイクオリティ楽曲。素晴らしい。

 

Cooing

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唯一の歌モノ「Cooing」はしっとりと聴かせるR&B楽曲。ラップ一辺倒という訳ではなく、飾らない雰囲気のボーカルがなんとも心地よいです。それでも曲の長さ2分ちょっとしかないのがもはや恐ろしい……。

 

 

 

ということで、10月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、

 

 

 

 

最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。上で紹介してない記事も入ってるので是非!

 

 

 

 

 

是非通勤通学のお供にご活用ください。

と、いうことで10月のカムバックアーティスト特集でした。来月は!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! Red Velvetだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 次回もお楽しみに。

 

 

 

 

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