親愛なる読者の皆様、こんばんは。海の向こうでは안녕하새요。夏も終わりかけたりまた始まったりと忙しない天気に翻弄されてもマスクは忘れず装着。花粉もウィルスも防ぎつつ、目と耳は最新エンタメで塞ぎましょう。東洋随一のコリアンタウン、新大久保から秋風と共にお届けする「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今夜の1曲目はZion.Tと星野源で「Nomad」です。
皆様アンニョン。SWITHの火気厳禁です。今回は毎月恒例カムバックアーティスト特集ということで、火気厳禁が今月聴いた新譜をまとめて紹介していきます。1曲目に紹介したのはマーベル映画『シャンチー』のインスパイアードアルバム(？)に収録された韓国の大人気ラッパーでありシンガーでもあるZion.Tと日本のポップスを代表する星野源のコラボ楽曲「Nomad」でした。映画には使われていないようですが(未見)、このコラボが実現しただけでもマーベルと88risingでかした！ と言っていいでしょう。
グループアーティスト
fromis9 - Talk & Talk
今までの所属事務所Off The RecordからPREDISに移籍したfromis_9。移籍後初のリリースである「Talk & Talk」は可愛らしい楽曲。正直「Feel Good」「WE GO」が良過ぎてこの曲そんなに……な感じなんですけど、移籍後一発目の挨拶代わりだと考えておきます。
ICHILLIN - GOT'YA
www.youtube.com7人組新人ガールズグループICHILLIN(アイチリン)。デビュー曲の「GOT'YA」はEDM要素の強いディープハウス。事務所のKMエンタテイメントが聞き覚えなさすぎるあたりB級のかほりがしますが楽曲も悪くないので頑張ってほしいですね。
LOONA - Hula Hoop
なんとなんとLOONAが日本デビュー！ 公開される曲名やヴィジュアルから微妙に不安感を抱いていたOrbitも多い中(火気厳禁もそのうちの1人)、「Hula Hoop」は惑星の軌道をフラフープの輪に例えたコズミック・ポップな楽曲。地球⇔月の関係をOrbit⇔LOONAになぞらえ、全体的な質感は本国楽曲よりキュートな印象ですがソロ曲で魅せたキュート系のコンセプトからは大きく外れておらずなんとも良いところを突いたな～と。冒頭の「ふらふら～♪」のリフレインがキャッチーだったり、トラックのヌケ感がなんとも爽やか&可愛らしい！ いかにも日本っぽいCDの売り方が気に食わない感じはしますが……(メンバー別ジャケとか特典商法とか)。MVは10月に公開になりそうです。
あとあんま話題になってないけど日本でのビジュアル周りもDigipediがやってくれてるのありがたすぎるな。オリンピックにかけた1964年大会の亀倉雄策デザインポスターオマージュのティザーがとにかくセンス良いしもう開会式LOONA出すべきだったでしょ(笑)。それだけに売り方のダサさが……いやまあ本国でもイベントの為に積ませるとか全然あるんだけどさ……。
MAMAMOO - mumumumuch(하늘 땅 바다만큼)
メンバー3名の再契約、サインしなかったフィインも向こう3年はグループとして活動するというMAMAMOOがベスト盤をリリース。新曲「mumumumuch」はMAMAMOOお得意のファンク・ソウル系楽曲。ベスト盤とはいえアレンジ変更されてたりして聴き応え凄かったです。
PURPLEKISS - Zombie
MAMAMOOの後輩として話題のPURPLE KISSの2作目はなんとレトロなディスコファンク！ 前作ではEVERGLOWとか(G)I-DLE系の壮大な世界観を展開していたので「あ～そっちか……」と思っていたのですが今作のこのポップさ、キャッチーさとそれを支えるメンバーの確かな実力に感動です。ユキさんのラップパートが1番、2番ともに入り、短いながらも楽曲全体をグッと締める役割を果たしていてカッコいい！ 注目です。
WJSN - 너의 세계로(Let Me In)
宇宙少女がK-POPファンプラットフォームのUNIVERSEとコラボして楽曲をリリース！ 冒頭のタグでお分かりの通り作曲はFull8loomという黄金の組み合わせで制作された「너의 세계로(Let Me In)」は 楽曲。タンバルモリヨルムかわヨ。曲良いけどやっぱウジュの夏曲は「Boogie Up」が至高だな……、Full8loomお得意のファンタジー感あるアイドル楽曲という感じでもレトロテイストでも無いのがなんか惜しい気が……。
itzy - LOCO
先日日本デビューも発表されたitzyが初のアルバム「CRAZY IN LOVE」をリリース。活動曲「LOCO」は「Not Shy」からの流れを汲んだ情熱的な恋愛感情をアグレッシブなEDM系トラックに載せた楽曲となっており、楽曲のトンマナの変遷もここまで来たか、といったところ。活動曲に限って言えば「DALLA DALLA」「ICY」「Not Shy」この3曲で彼女たちの「チャラ可愛カッコいい」みたいな良さがよく出てると思うんですけど、その観点から言うと「LOCO」はカッコいいに振り過ぎててちょっとな～～～という感じです。
アルバム収録曲全体通して前作「GUESS WHO?」のHIPHOP色を受け継いでいる印象。特に「SWIPE」「#Twenty」「B[OO]M-BOXX」「Gas Me Up」が良かったです。「SWIPE」はもしかしたら後続曲になるんじゃないかな～～～、サビのリフレインが気持ち良くて好きです。
ソロアーティスト
HyunA&DAWN - PING PONG
K-POP界の大御所カップル・ヒョナとイドンがなんと2人の名義でミニアルバムをリリース！ ヒョナが得意とするラテンポップなノリのEDMナンバー「PING PONG」は、MVのカロリー高過ぎてヤバい。SNSで出回ってる出勤時の写真もめちゃ面白い。最高。
ペク・アヨン - 0%(아무것도 하기 싫으면 어떡해)
元JYP、日本では『愛の不時着』のOSTの人っつったら通じる(のか？)ペク・アヨンの新譜はFull8loomとタッグを組んだ秋らしい爽やかポップスです。
BIBI - PADO
1曲目に挙げた「Nomad」収録のアルバムにも参加しているBIBI。そんな彼女の新曲「PADO(波濤)」はちょっと遅れてきたサマーチューン。叙情的なギターサウンドが晩夏の雰囲気を演出しています。MVがこれまたロマンチックで良いんだよな～～～！！
Lee Hi - Red lipstick
K-R&B界屈指のシンガー、イ・ハイがアルバム「4 ONLY」をリリース。リードトラック「Red Lipstick」はディスコファンク調でガッツリ踊れる仕様。ユンミレのラップもスムースで良いですね～～～。MVにはAOMGのお歴々がカメオ出演。K-R&B、K-HIPHOP界隈のこういうの良いよね。
YUMDDA - 9ucci REMIX (feat. Paloalto, Jessi, UNEDUCATED KID, The Quiett)
イ・ハイからの流れでK-HIPHOPからも1曲。大ベテランラッパーYUMMDAが7月にリリースした楽曲のRemixということで、Paloalto、Jessi、UNEDUCATED KID、The Quiettとこれまた人気ラッパーが大集結。Paloaltoのバースの時Hi-Liteの面々が出てきたり(オーバーサイズのダウン着てるSwevy可愛い)STAREX(GOKU VIBES参加の韓国勢)の面々が出てきたりとこちらもカメオまで豪華。The Quiettのバースマジで渋いぜ……。
LISA - LALISA
BLACKPINKからついにリサがソロデビュー！ 彼女の本名を冠した活動曲「LALISA」はトラックに彼女のルーツであるタイの伝統楽器を取り入れていて、最近流行りの中央アジアあたりのサウンドを取り入れる手法(Stickerなんかまさに)をちょっとヒネった感じで面白いっすね。カップリング曲「MONEY」はゴリゴリのHIPHOP曲(というかこのタイトルでCardiを想起しないヘッズはいないはず)。ずっと言ってますがもうBLACKPINKはb*itchとか普通に言ってて笑っちゃいますね。
YUKIKA - 여자이고 싶은걸 (loving you)
Pat Lokとコラボした前作から、今回はベーシックなシティポップへと回帰。「Insomnia」までは"夜のシティポップ"然とした楽曲が本懐、という印象でしたが、"昼"っぽいテイストも全然似合うし可愛いし。あーーーーまた日本でライブやってくんねーーーかなーーーーーーーーーーー(当然しばらく無理)。
YESEO - Free Up
YESEOの新譜はアンビエントな雰囲気もあるエレクトロ・ハウス楽曲。絶妙なチルさが心地よいです。KATIE好きな方とかにオススメ。
今月の火気pick - STAYC / STEREOTYPE
破竹の勢いで人気を増す新人グループ・STAYC(ステイシー)が新曲をリリース！！
前作「ASAP」では中毒性のあるビートがウケてロングヒットを達成、サマンサタバサのモデルに抜擢されるなど、中小事務所の新人グループとしては異例の活躍を見せています。そんな中での新曲リリースということで、かなり期待も高まっていた訳ですが……。
カムバック予告ではまさかのMR除去音源(トラックとコーラス除去、ボーカルのみ音源)のハイライトメドレーを公開！！！ これもメンバー全員がメインボーカル級の歌唱力がないと出来ない所業。バックトラックと合わさったらどうなるんだろう……という期待を更に煽る良いプロモーションだと思いました。
MV本編の予告としてアップされたコンセプトティーザーも……良い……。これもうちょっと言うことないですね……。シウンの泣きの演技すごいな。
で、本題の「STEREOTYPE」ですよ。
「STEREOTYPE」は韓国語タイトル「색안경(色眼鏡)」。何に挑戦するにしても、タイトル通り決めつけや偏見で自分を見てほしくないというメッセージが込められた爽やかな楽曲。前述の通り人気急上昇中のSTAYCなのでわざわざワンカットver.なるパフォーマンス動画までアップロードされてます。すごい。ラスサビのジェイパートのとこシウン(多分)の手がカメラにぶち当たってるけど大丈夫かな……。
この楽曲の優れた点はいくらでもありますが、とにかく音数が少ないということ。特にサビは基本的にボーカルとシンセ、ハイハットの3種類のみが聞こえてくる作りになっています。これは「STEREOTYPE」と同じくブラック・アイド・ピルスンが手掛けたTWICE初期の名作「Cheer Up」のサビとも似た特徴で、ボーカルが上手くないと成立しない楽曲だということを現しているのかなと。ここまでシンプルなのにサビ入った時の高揚と感動はなんなんだ……すごすぎる……。
AメロBメロ部分でディープハウスっぽい音鳴ってんのも驚きましたね～～～。K-POPとディープハウスはかなり深い関係にあり、代表的な楽曲はf(x)の「4 Wall」とかですかね(特にサビ)。クールな印象を与えるビョンビョンしたシンセの音色が特徴なんですが、この爽やかな楽曲に違和感なく使われているあたり流石。前作「ASAP」でのTrap経由のポップな感覚もかなり衝撃でしたが、彼女たちのクリエイションに一貫してあるこの"バランス感覚"がリスナーを惹き付ける要因なのでしょうね。"バランス感覚"に関してはビジュアルの展開においても同じことが言えて、制服ルックとモード系衣装の両軸でイメージを制作していたり(MVや盤付属のフォトブックを参照)、CDの盤にはコンセプト着想の香りがついた紙(試香紙みたいな)がおまけとして入っていたりと、可愛らしさとオシャレさ、モード感の絶妙な両立がマジで凄い。これも全部ブラック・アイド・ピルスンがやってんのかな……すごすぎるぞちょっと……。
何回観ても良いな……
— 火気厳禁 / kaki genkin (@kaki_genkin) 2021年9月5日
まずファンシーさの塩梅が良いしスタイリング自体は割とストリートっぽいアイテムも取り入れてるけど色彩感覚はポップでカワイイし、みたいなバランス感覚が優れてるよね……
STAYC(스테이씨) 'ASAP' MV https://t.co/J1cIWPs8u4 @YouTubeより
STAYCの盤、噂には聞いてたけどムエット入ってんのな こういうモードな感覚が良いのよこの子たちは…… pic.twitter.com/T3MqoZlIJC
— 火気厳禁 / kaki genkin (@kaki_genkin) 2021年9月16日
今回のミニアルバム収録曲全部良いのですが、特に良かったのが「COMPLEX」。ミドルテンポバラードなのですがHIPHOPっぽいビート感、だけどR&Bには寄っていかないこの絶妙な感じ？？？ すごくね？？？？ 歌詞も「あなたとの恋愛がコンプレックスになって前に進めない」という切ない&いじらしい内容。「STEREOTYPE」とは打って変わってガッツリ高音コーラスも入っていて聴き応えもあり、素晴らしい出来です。
ということで、9月のカムバックアーティスト特集でした。当ブログでは紹介した全楽曲をまとめたプレイリストと、
最近2ヶ月の新譜をアルバム単位でまとめたプレイリストを公開しております。
是非通勤通学のお供にご活用ください。
ということで、9月のカムバック特集でしたー！！ 来月はTWICE欧米デビュー、aespa満を持してのカムバック！！ 楽しみ！！ それでは！！
この記事が面白かったら下のボタンから支援よろしくお願いします！
※頂いた投げ銭は書籍、音源、楽曲制作関連(機材やプラグイン)の購入に充てられます。あなたの支援で記事のクオリティが上がる！
