火気厳禁のハングル畑でつかまえて

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半地下のオタクがK-POPを語るブログ

20210505/Kultural studies(Full8loom編)

皆様アンニョン。火気厳禁です。

今回はKultural studiesシリーズ、Full8loom特集ということで、プロデューサーチームFull8loomについて書いていきたいと思います。

というのもですね、チョンハのアルバムを聴いていたところ「Masquerade」のイントロの「うぉーおー♪」というサンプルに聞き覚えがあり、IZ*ONEの「D-D-DANCE」のイントロにも同じサンプルが入っていることに気付いたんですよ。

 

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これなんだろうと思い両曲の作曲陣を調べてみると、「Masquerade」はJinri、Glory Face、YukaというFull8loom所属の三人、「D-D-DANCE」が同じくGlory Face、JinliにBang Gun Wooの布陣。なるほどこれは作曲チームFull8loomの誰かのプロデューサータグなのだなと理解しました。

 

プロデューサーチーム・Full8loom

K-POPの楽曲において複数人による作詞作曲は当たり前。多いと10人前後が作詞作曲に関わることもあります。そんな中で、作曲家同士がチームを組んで仕事をする場合も珍しくありません。こうしたプロデューサーチームは数多く存在し、中でもLDN NoiseやMonoTreeなんかが有名ですね。

Full8loom(フルブルーム)も複数の作曲家が所属するプロデューサーチームです。2016年頃にJinriとGlory face、Jake Kの3人で結成され、その後Jake Kが脱退。2019年10月にHARRYとYukaの2人が加入したとのこと。先に挙げた2組に加えTWICEや宇宙少女などなどなど著名グループへの楽曲提供は枚挙に暇がありません。

 

「プロデューサータグ」とは?

そもそもプロデューサータグって何よ?と言われれば、主にHIPHOP系のプロデューサー達が自作のビートに署名するような形で名前やメッセージを織り込んだサンプルのこと。主にイントロに使われていて、USだとMetro Boominの「If Young Metro don't trust you I'm gon' shoot you」やTay Keithの「Tay Keith, fuck these n****s up!」なんかが有名です。近年はType beatカルチャーの隆盛もあり盛んにこうしたタグが用いられていますが詳しいことは別で調べて頂ければと思います。

 

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日本のプロデューサーのタグだとChaki Zuluの「ハスキーステュディオー……」、JIGGの「JIGGのビートが聴きたいな♪」なんかが有名どころですかね。

 

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(まあ「Friends」のトラックに関してはちょっとアレですが……(笑))

 

まあ分かりやすく言うとBLACKPINKの曲で「BLACKPINK in your area!」って入ってたりTWICEの楽曲に\トゥワイス‼/って入ってるアレです(厳密には違うけど)。

 

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これも厳密にはプロデューサータグでは無いですが、最近だとSTAYCの「STAYC Girls, It's going down!!」もグループのタグとしてイントロに華を添えています。カッコいい。

 

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JYPは固定のサンプルではないですがタグとして本人の声ネタが入ってたりしますね。

 

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調べてみると以前の記事で紹介したBrave Girlsの「Rollin'」にもプロデューサーの2champのタグが入っていました。余談ですが4月末から5月入ってすぐの数日間だけ各種音楽配信サービスで「Rollin'」のオリジナルver.(下の動画のver.)が聴けなくなったのは何だったんでしょう……。

 

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とまあこんな感じで、プロデューサータグの文化はK-POPにも波及しています。

 

Full8loomの作品

さて本題のプロデューサーチーム・Full8loomに話を戻しましょう。

やはりFull8loomと言えば宇宙少女への楽曲提供で広く知られていますが、中でも有名、そして火気厳禁のお気に入りとして「Save me, Save you」をまず挙げたいと思います。

 

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魔法学校コンセプトの第一弾作品である「Save me, Save you」。今でもグループのトンマナとして受け継がれている神秘的な雰囲気がイントロのピアノや切ないメロディで演出され、しかも若干のアニソン感もあってこのコンセプトのマンガっぽさにもマッチしています。K-POPによくある展開ですがサビも前半後半に分けられて前半でフックを作り後半でしっとり〆る、という展開も非常に美しいです。あとこのMVの丸眼鏡ヨルムめっちゃ好き。その次のウジュの活動曲「La La Love」もFull8loomが担当していますね。こちらはキラキラしたサウンドが多用され華やかかつ清楚な印象を与える曲になっています。

 

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MOMOLANDの「Freeze」も非常に印象深い作品。可愛らしいオルゴール風サウンドから始まりHIPHOPっぽいビートへと展開した後サビでその両方が合体しちゃうという構成で、K-POP特有のジャンルごちゃ混ぜ感が十分に味わえる1曲になっています。

 

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調べてて「おっ」となったのがプデュの「I AM」。「完璧じゃなくても私は私が好き」という芯のある女性像を描いた楽曲で、シンプルなピアノのループとボーカルラインの絡み合い、サビでのクールだけど攻撃的過ぎないサブベースの展開など、等身大の彼女達をとにかくカッコよく魅せています。っっっつかこのステージのアンユジンさんエゲツないな……この時まだデビューしてないんだぜ……?

 

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これ以外にもたっっくさん提供楽曲ありますが、とにかく幅広いジャンル・コンセプトの楽曲を生み出しまくっているFull8loom。冒頭のプロデューサータグに関しては全曲に入っているわけではなく、提供曲の何曲か(冒頭の2曲とウジュの「La La Love」「Last Dance」「New Me」のみ? 「New Me」はシティポップ路線のミドルテンポ楽曲)なのでこれから増えていくのかもしれません。

そういやタイプビート販売サイトで高い仕様でビート買うとタグ無しver.のデータ買えるみたいな風になってたな……事務所がタグ外してくださいて依頼してるとかそういうことなんだろうか……

 

ということで、Kultural studies Full8loom編で御座いました。初めてのプロデューサー特集でしたが如何でしたでしょうか。是非K-POPを聴く際は作詞作曲もチェックしてみてください。それでは~~~~!!

 

参考資料