3月は「コロナに負けるな!更新強化月間」としてお送りしてきましたが、今回はその最後を飾るカムバックアーティスト特集で御座います。今夜の1曲目は老いも若きも男も女も大熱狂、勿論火気厳禁も例外でなく大大大好きなitzyちゃんの待ちに待った新曲「WANNABE」です。
はい。「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、火気厳禁がお送りしております。
冒頭から触れてますがitzyちゃん!! itzyちゃーーーーーーーん!!!!(呼びかけ) 最高!!!!!
リード曲「WANNABE」はデビュー曲「DALLA DALLA」と同じ作曲チームGARACTICAが担当。
今回は7曲収録のミニアルバムをリリースということで、試聴段階から「全曲バチバチやんけ!!攻めるなァ!!好き!!」と思っていたのですが、蓋開けたら予想以上にバチバチで脳汁ドバドバ出ました。「WANNABE」はMV公開直後見てぶっ飛んだんですけど、やっと感想色々書けるくらいには落ち着いたので書きます。はい。
楽曲に関しては先にも述べたように1stと同じ作曲陣が担当ということで、ハードめなAメロBメロからサビでポップに展開するという構成は同じですね。このミニアルバム全体を通してアグレッシヴでハードなサウンドが多い印象を受けましたが、MVを通してみても「ICY」よりはもがき闘いながらやってる感じがしてそれも凄く良かったです。
歌詞は「私の人生に他人の口出しは要らない」「ごめんけどほっといてよ」「誰かじゃ嫌だ、私は私になりたい」 という相変わらずのバッチバチで痛快な自己肯定感溢れる強気なもの。3作連続でおんなじメッセージを発信するのもすげえなと。
これはオードリーの若林さんがかなり昔のオールナイトニッポンで喋っていたのですが、「〇〇じゃない!」って主張する人は「いや〇〇って思われることを意識しちゃってんじゃん」て自意識の話をしてたんですね(ものっそいうろ覚えですが)。「オシャレであろうとすることはなんてダサいんだろう」というか。
これは別にこの曲の歌詞を否定したい訳じゃないんですが、「誰に何を言われても私は私」と言うことって「誰かから何か言われることをめっちゃ意識してんじゃん」っていう。itzyちゃんの歌の世界観って、ティーン特有の自意識みたいなところも描写されつつ、それを本当にイケてるitzyちゃんが歌うから成り立っていると思うんですよ。若さ故に"トガってる"こと、難しめに言うと若さ故の万能感って言うんですかね。そういうものって多くの人が一度は通る道のはずで、その反抗とか抵抗の意識が本当にカッコよくって大人と張り合える(ように見える)itzyちゃんによって歌われてると。
「私は私になりたい」っていう強いフレーズには、「自分は何者なんだ?」とアイデンティティの確立に向けて葛藤・逡巡する自意識が裏面に張り付いている。そして、こういう歌詞を歌うこと自体が「ガールクラッシュ」というレッテルを貼られる可能性を含んでいる訳ですが、そうしたレッテル貼りに抵抗すること自体が一種のアイデンティティになってきつつあるのが今のitzyちゃんなのではないでしょうか。
itzyちゃんは"トガってる"んですよ。でもその"トガり"が全然ダサくないし説得力がある。だからこそ世界中のティーンから共感され、そして魅了しているのかなと思いました。かく言う僕もitzyちゃんの"トガり"が大好きです。流石に次回作あたりから違うテーマの曲出すと思うんですが、それが吉と出るか凶と出るか、引き続き注目していきます。
はいはいガールクラッシュね、と切って捨てるには勿体ない凝ったMVを展開してますが、先月取りこぼした3人組ユニット3YE(サードアイ)の新曲MVに似ているところを見るにガールクラッシュ的「強い女の子」の演出と韓国の伝統的なモチーフ(五行思想から来る鮮やかな色彩など。詳しくないのでアレですが)が上手いこと噛み合ってとってもクールに見える。という現象が起きてますね。もしかしたら監督一緒なのかもしれませんが……。この文脈に載せていいのか微妙な線ではありますが、旧正月のタイミングで上がった韓服(チマチョゴリ)で「Say My Name」を踊るANSの動画もめちゃくちゃカッコよかったし。
先月のカムバ特集ではEVERGLOWの「DUN DUN」からオリエンタル感(トライバル感)を感じたという内容を書きましたが、そうした演出や味付けがより強まっている現象は、欧米向けを意識して欧米と同じテイストのものを作ってきたことへの反動なのかも。
今月のソロアーティスト枠! R&B・ネオソウルシンガーの이바다(leebada)さんが新曲をリリース! 前作のGroovyroomとの共作「ㅎㅇ(High)」とはまた違ったテイストで、アーバンでメロウなトラックにハスキーな歌声が載ってなんとも言えぬ最高の曲ですね。好き。
あとNCT 127の「英雄(Kick it)」が良すぎてもう触れざるを得ない。
疾走感のある歪みギターサウンドとtrapのリズム、そこからスムースでラグジュアリー感のあるパートへの移行がヤバい。サビもカッコいいです。
以前移民文化についての座談会の記事(リンク先は後編)で「カンフー/マーシャルアーツの変奏としてのK-POPダンスが持つクールネス」が指摘されていましたが、もうこの曲は両方やっちゃってますよね。ブルース・リーって言っちゃってるし。で、なんだったら日本のヤンキー漫画の意匠まで取り入れちゃってるっていう。無敵か?
FAVORITEは「LIE(꼬 LIE)」でカムバ。お得意のしっとりラテン調のダンスナンバーです。
ソロ歌手Eyediは「J.us.T」をリリース。前作に続いてニュートロ路線のサウンドが心地よい1曲。日本のシティポップというよりは「Take on me」とかのMTV全盛期ディスコソングの雰囲気が現代的にアレンジされていて面白いです。
新人グループPURPLEBECKは「VALENTi」でカムバ。前作MVにはバラエティでお馴染み元東方神起(って言っていいのか?)のジェジュンが出演してましたが、今回はなんとも低予算な感じが……。
ピアノの音色が爽やかでウケそうな感じ(漠然)ですね。アウトロに微妙な「Russian Roulette」(布袋の方ではない)を感じましたが多分気のせい。
あとRussian Rouletteで思い出したんですけどこの時期のアイリーン様(お誕生日おめでとうございます)といい「WANNABE」期イェジといいMV撮ってから髪色変えるのはなんかあるんでしょうか? ファンの目を飽きさせない的な? それ狙ってやってるなら色々凄すぎるけどどうなんだろう……。宇宙少女「Save me, Save you」期のソラはMVでも音楽番組でも金髪でしたね。
はい。ということで、色んなイベントも延期・中止になり何を糧に生きていけば良いのか分からなくなっている昨今ですが、読者の皆様も健康に気をつけつつNetflixとか見て安全に過ごしてください。また次回!!