火気厳禁のハングル畑でつかまえて

火気厳禁のハングル畑でつかまえて

半地下のオタクがK-POPを語るブログ

20190617/Kultural studies(あえて今、TWICE編)

(追記:元タイトル「あえて今、TWICE特集」)

 

さて改題後一発目の「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」、今夜は「あえて今、TWICE特集」と題しまして、2015年デビュー9人組、押しも押されぬTWICEについて敢えて今語っていきたいと思います。奇しくも前回半分半分と申しましたが、その節目、ターニングポイントを迎えつつある「2倍」という名前のガールズグループについて、今までの活動やMVから俯瞰し、イメージ戦略の変遷について見てみましょう。それでは今夜の1曲目は勿論この曲、TWICEで「TT」!

 


TWICE "TT" M/V

 

「TT」というともはや思い浮かべるのはチョコレートプラネット、という火気厳禁が秘密の第3スタジオからお届けしております「火気厳禁のハングル畑でつかまえて」。今夜は「あえて今、TWICE特集」と題しまして、人気ガールズグループTWICEの歴史を振り返りつつ日本におけるK-POPブームの流れなんかも軽くおさらいしていこうと思います。

 とはいえ詳しい年表みたいなものはwikipediaにありますので、ここでは活動曲のMVを中心に見ていく形にしようかなと。ここでざっとTWICEがどういうグループなのか?ということをおさらいしましょう。2015年放送の「SIXTEEN」というオーディション番組で選ばれた9人がTWICEで、ミニアルバム「THE STORY BEGIN」でデビューします。当初から話題だったこともあってデビューしてすぐ音楽系の賞を獲ったりなどしてたみたいですが、まあ事務所が超大手JYPだったり「SIXTEEN」やってたのが最大級のシェアを誇るケーブルテレビ局Mnetだったりしてそりゃあねえ?という感じですね。勿論楽曲やMVなどなどのプロダクツも素晴らしいので評価されて当たり前と。

デビュー当初の活動曲がミニアルバム収録の「Like OOH-AHH」。我々が思っているTWICEの雰囲気に近い感じの曲ですねー。じゃあとりあえず聴いてみましょう。TWICEで「Like OOH-AHH」。

 

 


TWICE "Like OOH-AHH(OOH-AHH하게)" M/V

 

はい。MVも学校とか出てきてなんとなくフレッシュで若い印象です。ゾンビが出てくるのはドラマの「Walking Dead」の流行りがあったからじゃないですかね。憶測ですけど。この曲が収録されたミニアルバムが2015年10月リリースです。

その次に出たのが2016年4月の「PAGE TWO」。SIMI LABのアルバムタイトルみたいですね。このミニアルバムの活動曲は「CHEER UP」で、これまた明るくて元気な感じの曲ですね。MVではタイトルの通りチアガールの格好したメンバーが踊ってます。

2016年10月には「TWICEcoaster:LANE1」をリリース。このミニアルバムにはスマッシュヒットとなった「TT」が収録されてます。この曲は公式からダンス動画が出たりした関係で、ファンがコピーダンスをSNSにアップして話題になったと。この流れもあって2017年にはミニアルバム「#TWICE」で日本デビュー。同年末には紅白歌合戦に出場します。このあたりから日本における第3次韓流ブームと言われる流れが来ます。このブームは現在2019年もなんとなく続いている感じですね~。韓国では2017年に初のフルアルバム「Twicetagram」をリリースしてます。ということでそのアルバムから「LIKEY」聴きたいと思います。どうぞ。

 


TWICE "LIKEY" M/V

 

はい。TWICEで「LIKEY」でした。ここまでざっと活動の半分くらいを見てきましたが、とにかく明るくて、元気で、若くて、可愛い。といったイメージを用いていること、またSNSやインターネットを意識したプロモーション、この2つによって若い女性層もファンに取り込んでいると考えられます。恐らく本国ではファンの男女比は半々くらいだと思うのですが。防弾少年団が2013年デビューであることを考えると、K-POPボーイズグループのファンが流れでガールズグループも応援し、その流れでファッションやコスメティクスにコンシャスな若い女性層を中心に知名度が上がっていった、という感じでしょうか。日本国内では。

さてそんな元気で可愛らしいイメージのTWICEですが、最近少しずつ路線変更が図られていることにお気づきでしょうか。

その萌芽が見られるのは日本1stフルアルバムのリード曲「BDZ」。曲は勿論可愛らしい歌詞と曲調なんですが、衣装、振り付け、MVにはアクション映画的な要素やミリタリーの意匠、"カッコいい感じ""マニッシュな感じ"が少しずつ取り入れられています。2018年リリースのこの曲は、TWICEの変化の始まりと言ってもいいでしょう。

結成から4年目、今年つまり2019年韓国でリリースされた「FANCY」は、はっきりと路線変更を仕掛けてきている感じが見て取れます。まずもうMVの画面が暗い。今までのものと比べて暗い。というか、もう使っている色が違う感じがします。曲に関しても音楽理論的なアプローチも出来たら面白いと思うのですが寡聞にして分からないのでここでは保留ということで……。とりあえず聴いてもらいましょうかね。TWICEで「FANCY」。

 

 


TWICE "FANCY" M/V

 

はい。TWICEで「FANCY」でした。そしてこの路線が続くのか?ということで、つい先日2作同時公開された日本版シングル「HAPPY HAPPY」「Breakthrough」。この「Breakthrough」は「FANCY」同様クールで大人っぽいイメージが踏襲されています。

このような路線変更は、デビューから4年、十代のメンバーがいなくなった(全員二十代になった)TWICEの、そろそろ可愛いばっかりじゃやっていけないという運営判断、また近年の潮流「ガールクラッシュ」の影響も見られます。

ということで、ざーっとTWICEの経歴を見てきましたが、ここ最近で急激な変化が起きていることがお分かり頂けたでしょうか。もう不動の地位を築いているTWICEですが、今現在可愛らしい路線で売り出している後輩グループのお手本になるのか、という意味も含めて今後もすごく楽しみです。

それでは今回はこの辺で。ここまで読んでくださった皆様に、愛と、混乱を。また来週。