火気厳禁のハングル畑でつかまえて

火気厳禁のハングル畑でつかまえて

半地下のオタクがK-POPを語るブログ

20190220/ミッシングリンク

1月は去る、2月は逃げる、3月は……と言いますが、4月に死ぬ、と続かないあたりまだ救いがあると言えましょう。まさに去っていった1月から今まで1回しか更新してないこのブログも、実はネタが多すぎて処理しきれないという虚勢と本音によるもの。今夜は暇にかまけてフリースタイル。と言っても、ラップの方じゃありません。自由徒然。ピントブレブレでお届けする今夜の1曲目は、今月TWICEを輩出したJYPエンターテイメントからデビュー、itzy(イッジ)の「DALLA DALLA」ですどうぞ。

 

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はい。「前口上と〆挨拶」、お相手は火気厳禁です。1曲目はitzyの「DALLA DALLA」でしたー。このグループには以前にも紹介したIZ*ONEのメンバー、チェヨンの妹のチェリョンがいたり、その他にもBTSのMV出演経験がある子とか、パフォーマンスに関してはやはり巨大事務所の力を感じます。ちなみに僕はユナペンです。

 

さて、欅坂46「黒い羊」のMVが公開中です。音源公開の時点で「ああこの曲ならまた平手センターだろうな、というか平手以外がセンターじゃないとなんかおかしいだろ」という妙な安心感を以て聴いてたのですが、MVがChildish Gambinoの「This Is America」激似。このブログの数少ないリスナーの皆様はおそらくどっちも見てないと思うので、ここで今日の二曲目。「This is America」ですどうぞ。

 

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はい。Childish Gambino「This Is America」でした。えーとMVの内容というか、表現が結構過激なんだけど、でも歌ってる本人は楽しそうに踊ってるっていうなんだか変なモン見ちゃったな、という感じだと思うんですけど。歌詞を見れば分かるんですが、アメリカの銃社会や根強い差別に対して、「これがアメリカだ」と。銃撃っても捕まらない。これがアメリカだと。そういうメッセージが込められた曲なんですね。まあこの曲に関してはもっと詳しい記事が出てるので気になる方はそちらを調べて頂いて。

 

欅坂の方なんですが、まあこのMVによく似ているんですね。Twitterで軽く検索したら同じようなことを言ってる人が多くて安心したのですが、先程見ていただいたワンカット撮影の「This is America」と同じく、こちらもワンカット。そして、一見すると「なんだか変なモン見ちゃったな」感はこちらも同じくらいあると思うんですが、欅坂のMVを担当された監督さんのTwiitterで前者のMVが呟かれていたことがあったそうなので、勿論意識していると思われます。こちらも中々過激な、というかアイドルにこれやらせるか。という内容なので一旦見てみましょう。

 

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はい。本日の三曲目欅坂46で「黒い羊」でした。欅坂はデビュー当初からシリアスな路線でしたが、ここまで来るともう何が見せたくて、ファンは何が見たいのか。というところが気になる訳ですが、まあそれは置いといてどのような点が類似しているのか、に戻りたいと思います。

冒頭から飛び降り自殺を思わせる規制線と赤い花びら、そして彼岸花を持った平手さん。登場するメンバーそれぞれが犯罪や貧困、いじめ、自殺、ハラスメントなどの問題を抱えていることがなんとなく分かる。そしてセンターの平手さんが彼女らを抱擁する。救済する。みたいな形になっています。「社会問題」にアンチテーゼを打ち立てる、という意味では類似していると言えると思うし、なんだったら作曲のレベルでは前作「アンビバレント」からHIPHOPのフロウ(節回し)を導入し、今作ではAメロ、特に二番から本格的にラップ調の歌唱法(とは言え、ポエトリーリーディングにも近いのかなとは思う。Moe and goestsみたいな)が取り入れられていることも、HIPHOPの文脈にある「This is America」と共通している、と言えてしまう。しかし「他人の書いた歌詞を歌うアイドルの曲が」、果たして「欅坂によるThis is Japan」になり得るのか? という問題がここで浮上します。

「これが日本のリアルだ!」と言い切る危険性というか、欅坂の発するメッセージは本当に欅坂が発しているのか? 誰が欅坂を作っているのか? について、極めて厳格に「リアル」を追求する音楽であるHIPHOPと対比することによってその相性の悪さというか、「リアル」という価値基準をアイドルに求めることのアンバランスさ、みたいなものが見えるわけです。

 

と、いうことでHIPHOPでも毛色の違うこの曲いきましょう。今年2月にリリースのCardi BとBruno Marsコラボ曲「Please me」ですどうぞ。

 

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はい。Cardi B&Bruno Mars「Please me」でした。この二人は「Finess」のremixでもコラボしていて、今回も非常に良い90`s R&Bの音に乗せてHIPHOPをやるという逆にイマっぽい仕上がりです。ブルーノ・マーズグラミー賞受賞経験もある歌手で、カーディ・Bは元ストリッパーでInstagramから話題になりスターダムにのし上がっていったラッパー。彼女のフロウは従来の曲より柔軟に、より歌モノっぽい要素も入ってきています。

この曲とほとんど同時期に(!)リリースされた男女コラボ曲が日本にもあるので、紹介させて頂きます。本日最後の曲、ANARCHY「Loca feat. Awich」ですどうぞ。

 

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ANARCHY「Loca feat. Awich」でした。この二人も以前「WHORU?」でコラボ経験があり、今回はANARCHYの曲にAwichが客演という形でのコラボ。ANARCHYのギャングスタ的リリックのヤバさは言うまでもなく、Awichの歌うようなフロウはちょっとCardiに似てると思うのは僕だけでしょうか?

「3年目の浮気」的な内容も面白いし、何より前のコラボ作品のリリックをサンプリングした箇所(「街の喧嘩小僧とか言ってる場合じゃないからね」)なんかはリスナーならニヤついてしまうこと請け合いなこの曲。先の「Please me」の歌詞はラブラブカップルがメイク・ラブする内容なので、この偶然の対立構図も聴き比べると面白いです。

 

ということで、今回はHIPHOPを軸に日米、アイドルとラッパー、というミッシングリンクから音楽を交互にかけてみましたが如何でしたでしょうか。過去最大曲数紹介しましたがおそらく次回もHIPHOP特集。ということで、ここまで読んでくださった皆様に愛と、混乱を。また来週。